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▽無題


宮野志保の姉

完全なる突発ネタ
シリアスベース


宮野明美の双子の姉

組織の人間
コードネームはギムレット
カクテル言葉は遠い人を想う、長いお別れ。
妹達や家族に対して当てはまってたらいいなぁとかそんな理由でつけました。
常に無表情で何を考えているか分からない。
妹の志保からはいつからか苦手意識を持たれるようになっていた。
昔は優しい姉だったのに、組織に入って仕事をするようになってから別人のように冷たくなったとかそんな理由。
双子の妹である明美のことは馬鹿な女と言いつつも実は表面上わざとそうしているだけ。
双子の妹の死の原因でもある赤井秀一には複雑な心境を抱いている。
それでも確かにあの子は幸せだったんだろう。と思うと憎みきれないところがある。
隠れシスコン。
妹達のことを思い動いていたはずなのに、気づけば二人とも居なくなってしまってお姉ちゃんは精神的に参ってます。
恐らくは母親似。
二卵性なので明美とはそんなに似ていない。
志保からの呼ばれ方は明美はお姉ちゃん、双子姉は姉さん。

ーーーーーー

大切だった。
愛していた。
…いや、居なくなってしまった今でも大切で、愛している。
それは決して過去だけの思いではない。
私が、救うことのできなかった愛おしい妹達。
たった三人だけの家族になってからも、確かに愛していて、護りたかったのに、どうしてこんなことになってしまったのだろう。
枕に顔を押し付けて、腹の底から声を張り上げても、妹達が戻って来ることはない。
悪戯好きで、でも人を思いやることのできる優しい明美も、お姉ちゃん、姉さんと私たち双子を慕う可愛い志保も、愛おしい妹二人はもういない。
いないはず、だったのに。

「…しほ…?」

帰宅途中の小学生の中に、見知った顔を見かけた。
忘れるはずがない。
忘れるものか。
ねえさん。と愛らしい笑みを浮かべて私を呼んだ幼き日の妹の姿がそこにあった。
ああ、まさか。そんなまさか。
死んだと聞かされた。
消えたと聞かされた。
それでも死体はなかったと知っていた。
だから、何処かで生きていてくれるのではと希望を見出していた。

「…っ」

声を掛けてしまいたかった。
愛しいその名を叫びたかった。
小さな体を抱きしめたかった。
志保、志保、私の、私たちの愛しい妹。
咄嗟に両手で口を押さえて、必死にその衝動を抑える。
組織の人間に見張られる程私の信用は薄くない。
誰かに見られてる可能性も低い。
そうなる為に、信用される為に私は組織に染まったのだから。
それでも、絶対なんて言葉は有り得ない。
だからここで声を上げてはいけない。
不意に立ち止まってこちらを見た妹の顔が私を認識した途端、青ざめたのが見えた。
…組織に染まった私にあの子は恐怖を抱いている。
そんな顔が見たかったわけではないのに、気づけばあの子は私にまでどこか怯えるようになっていた。
それは組織に染まれば染まるほど濃くなって、まともな姉妹の会話をしたのは果たしていつが最後だったのか。
そんな妹の視線を追うように私を捉えたのは眼鏡の少年だった。
…成る程、彼が小さな探偵さんか。
今は接触すべき時じゃない。
私が下手にあの子に関われば、組織疑われてしまう。
もうあんな場所からは解放してあげてほしい。
普通の女の子としての人生を歩んでほしい。
明美が手に入れかけて失った人生。
それをいまのあの子ならきっと手に入れることができるはず。
交わった視線を外して踵を返せば、ほら、もう何もなかった事になる。
そして最近シェリーに固執していると聞いたベルモットを思い出す。
彼女がどこまで知っているか調べる必要がある。

「…先を越されたな」

恐らくベルモットはバーボンと協力関係を結んでいる。
あそこに割り込むのは骨が折れる。
ハニートラップとロメオトラップの代表みたいな二人は一体何を考えているのだろうか。
ベルモットに近づくよりはバーボンから声を掛けた方が良さそうだ。
彼は何を考えているか分からないが、それでもベルモットよりはマシだろう。

ーーーーーーーー

キュラソー奪還。
そんな面倒事に参加しなくてはならないのは、一体誰のせいだろうだろうか。
一人遊園地に紛れ込みながら小さくため息を吐き出した。

「あら、折角美人が台無しじゃない。まぁ貴女の場合はため息すらも画になるって言った方がいいかしら?」
「…勘弁して」
「折角この私が美男に仕立ててあげだったのに浮かない顔ね」
「私、元の顔気に入ってるの」
「ほんと、性格の悪い女」
「腐った林檎がよく言うよ」

赤井秀一が彼女をそう皮肉った言葉を口にすれば、美しい顔を怒りに染めてこちらを睨む美女。

「貴女こそ、美人が台無しだ」

わざと煽るように言ったつもりだったが、どうやら呆れられてしまったらしい。
もういいわ。と軽く振り払うように手を振って、貴女はあっちを探して頂戴。と彼女の進行方向とは逆を指さされた。

「シンデレラ探しも骨が折れる」
「そう思うんならさっさと見つけることね」

ラムの子分なんだからラムが直接探せばいいものを。まぁそれができないから私たちが駆り出されているんだろうけど。

「嬢王様の仰せのままに」
「その仏頂面どうにかならないわけ?」

もうずっと笑ってないんだからすぐに笑えるわけがない。
ーーーー
純黒で遊園地でキュラソー探ししてたお姉ちゃん。
ーーーーーー

「見つけた」

妹と共に走るキュラソーに声を掛ければ、すぐに聞こえた舌打ち。

「シンデレラにしてはお行儀が悪いんじゃない?」
「だからわざわざ王子様の格好で迎えに来てくれたのかしら?」
「残念、これはベルモットの気まぐれだよ」
「あら、悪い魔女に遊ばれちゃった哀れな王子様ってとこね」
「残念だけど私にとってのお姫様は今も昔も二人だけだから、貴女の王子様にはなれないよ」
「あら残念。それじゃあ貴女に見初められなかった私はどうなるのかしら?」
「お好きにどうぞ?…どうせまだジン達には見つかってない」

呟くように続けた言葉に反応したのは志保だった。

「ねえさ「私、子供は嫌いなの。早くその子と一緒に逃避行でもかましたら?」
「そうね、貴女とてもじゃないけど子供好きには見えないもの」

「…その子の事、頼んだよ」

志保を抱き上げて走り過ぎる背に呟けば、小さく笑んだ横顔が見えた。

「…いい顔するなぁ」

キュラソーって完全に組織染まった人間だと思ってたけど、どうやら今回の一件でまた違った色に染まったらしい。
あの彼女になら、志保を預けても安心だと思えてしまった。
ねえさん。
…本当は最後まで聞きたかったなぁ。なんて、高望みし過ぎか。
あの子が幸せな人生を送れるのなら、平穏な生活を送れるのなら、私はもう二度と姉と呼ばれなくとも構わない。

ーーーーーー
どうか幸せに。
いつだって姉達は願っている。
お姉ちゃん達に愛される志保ちゃんいいよね…
ーーーーーーーー

「よくも人の妹を殺してくれたね」

言葉とは裏腹に口元に浮かべた笑みは何を考えているのやら。

「そう言う割には楽しそうに見えますけど?ギムレット」

宮野志保、コードネームはシェリー。
組織にとって必要な人物であった彼女を妹にもつ目の前の女は、母親似の顔で不敵に笑う。

「無愛想で有名な貴女がそんな顔をするだなんて、よっぽど血を分けた妹が嫌いなようだ。それとも、死体が見つからなかったことに希望を見出しているんですか?」

昔会ったことのある彼女は、遠目から見ても家族を愛しているのがよく分かった。
当時妹である宮野志保は居なかったが、双子の妹である宮野明美と手を繋ぐ彼女はまさしくしっかりものの姉だった。
母親似のその顔にそっくりな優しい笑みを浮かべて双子の妹の手を引く姿は、どこかエレーナ先生と被って見えたのを思い出す。
エレーナ先生から聞いていた彼女は、悪戯好きの双子の妹の世話を焼く優しいお姉ちゃんだとよく言っていた。

「さっそく探りにくるなんて余裕がないの?」
「一応探り屋とも言われてますから。それに、本当に余裕がないのはそっちなんじゃないんですか?」
「へぇ、揺さぶりかける気か。残念だけどその手には乗らないよ」

それよりもっといい話があるんだけど乗らない?
鼻先が付きそうなほど顔を近づけて囁いた彼女は余裕の笑みを浮かべている。

「まずは話だけでも聞きましょうか」
「まぁそうすぐには乗らないよね。モテる男は大変だ…といってもベルモットには貴方から近づいたようだけど」

釣れないわね。なんてなれない口調で囁くのは何の意図があってか。

「私、こう見えても意外とお茶目な面もあるの」

秘密とでも言うように人差し指を唇の前で立てた彼女は成る程、確かにそうらしい。

「意外な一面が見れて得した気分ですね」
「ほんと、口が上手だね」

それでも腹の探り合いなるのは当然だ。
表面上同じ組織に属しているだけで、仲間ではない。
彼女の信用を得るにはその話に乗るのが一番なのだろう。

ーーーーーーーー
色気のあるお姉さんからお茶目なお嬢さんに乗り換えない?とかいって欲しい。
本人は内心私何いってんだろうって感じだけど、多分妹のことで必死だから自己嫌悪に浸る暇もない。
ーーーーーーーー

「へぇ、お姫様を守るナイトみたい」

沖矢昴。
阿笠邸の隣にある工藤邸で居候をする大学院生。
得意料理は煮込み物。
作り過ぎたという口実で隣の阿笠邸へと乗り込む姿は数回確認できている。

「ほんと、変装の達人って凄い」

ベルモットしかり、沖矢昴しかり。
…まぁ彼の場合は助っ人の力あってこそだろうけど。

ーーーーーーーー
沖矢昴に主人公が絡んじゃったらそこから組織に怪しまれて妹の存在バレるとかありそうって思ったので、やっぱり沖矢昴との接触はなし…?
なんかポアロの常連客とかになってほしい。
そこからうまいこと裏切りの話に割り込んであの空間に打ち込みたい。
梓さんinベルモットはなんであの子がいるのよとか思ってればいい。
多分ベルモットとはあんまり仲良くない。
ーーーーーーーーーーーー

最悪だ。
最悪だ、最悪だ。

「ねえさんっ、無事だったのね、ねえさん…っ」

ぼろぼろと大きな瞳から綺麗な涙をこぼす愛しい妹。
その小さな体を抱きしめて仕舞えば、もう戻れないのに。
こんな風に泣かれてしまっては抑えなんて聞くわけもなかった。

「しほ…っ」

情けなく出た声は本当に私のものなんだろうか。

「しほっ、しほ…っ、私の、私達の愛しい妹」

好き、好きだよ志保。好きだから、私も明美も貴女に生きて欲しかった。

「もうわたし、あなたをはなせなくなっちゃうよ」

耐えてきたのに。
ずっとずっとこの子が平穏な生活を送れるように、幸せな人生を歩めるように、姉と呼ばれなくても構わないと思ってきたのに、いざ姉と呼ばれて泣かれてしまえば、そんな意思など脆くも崩れ落ちる。
情けない。
なんて情けない姉なんだろう。

「わたし、あけみみたいにつよくない、つよくないの…っ、ごめんね、しほ…っ」

あの子は最期まで姉でいた。
妹を守る為に動いていた。
ちゃんと行動にしていた。
私は一体何をこの子に残せたのだろう。
全てが空回り、双子の片割れすら守れず、な今まで何をしてきたのだろう。何のために組織に染まったのだろう。

「いいの、もういいの、ねえさんっ、わたし、ねえさんが無事でいてくれただけでいいの…っ」

ごめん、ごめんなさい。それでも私は貴女の好きなもう一人の姉を守れなかった。

「こんなお姉ちゃんでも好きでいてくれたの?」
「当たり前じゃない!たとえ変わってしまっても、それでも、姉さんが私の姉さんであることだけは変わらないもの」

父さん、母さん、私の妹たちはどうしてこんなに強いんだろう。
どうしてこんなに優しいんだろう。

「ありがとう、しほ…っ」

ほんと、姉さんは馬鹿ね。とまるで志保の方が姉みたいに優しい声で呟いて、あやすように私の体を抱きしめた。
ねぇ明美、私が折れそうになった時、明美もいつもそうしてくれたよね。
辛いなら辛いって言ってと、私の方が姉なのに。
でもそう言ったら必ずあの子は双子なんだから関係ないわよ。と笑うのだ。

「わたし、あなたたちの姉でよかった…っ」

それだけが、この人生で一番の誇りだった。
それだけが、生きていける希望だった。

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こんな風に仲良くなれたらいいのになぁなんて。
完全なる突発ネタにお付き合いくださりありがとうございましたー!

2018/03/26(03:23)


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※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
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