▽無題

ネタアンケートでいただいた赤井と降谷妹が入れ替わる話。
続きが浮かばなかったのでこっちに置いておきます。



世の中というのは何があるか分からない。
例えば前世喪女の私が今世では人間離れしたイケメンの妹ととして存在していることとか、少女漫画で見かける義兄妹だとか、気づけば恋人同士になっていたりとか、そう、何があるかわからない。

「まさかイケメンになる日がくるとは…」

溢れた声はこれまたとんでもない色気を纏っていて、思わず膝をついた。
一言喋っただけで数人の女性は確実に落とせるのでは？と本気で思うくらいイケボでした。
そして目の前には世界の終わりでも目にしたかと言いたくなるほどの絶望顔の兄と、手を動かしたり適当に声を出したりしている私が居た。
…なんだろう、普段の私より3割り増しかっこよく見えるんですけど。
クールビューティなお姉様みたいな空気感じるんですけど。
中身違うだけであんなに変わるものですか？
自分の顔の筈なのに何故か敗北感が半端ない。
私あんなクールビューティじゃないんですけど。
心に傷を負った。

「あか…いや、雫、まて、違う、俺の雫はあんな…」

こっちは傷っていうか瀕死の重傷って感じがする。

「兄さん」
「その顔と声で呼ばれると中身は雫だと分かっているのに殺意が沸く」
「すまんな、君と体が入れ替わったばかりに大好きな兄にそう言われるのは辛いだろう」
「いえ、赤井さんのせいではないですし、この件に関してはお互い様ですよ」
「そう言って貰えるとこちらも気が楽だ」

そう言って私の顔で微笑んだ赤井さんは本当にそれ私の体ですか？と聞きたくなるくらい美しかったです。
ねえ待って、降谷兄妹だけがこんなに傷を負ってるの？
いやまて、赤井さんがあんなに変わるんだから、こっちだって同じように別人みたくなってるんじゃないか？
…あれ、なんか凄く申し訳ないぞこれ。

「すみません、折角のクールビューティな赤井さんのお顔が私のせいで阿保面になってませんか？大丈夫です？許されますかこれ」
「そうだな、俺では見ることができない顔が見れてそれはそれで面白いからいいさ」
「中身もイケメンかよ！！！」

大人の包容力半端ないですね！！！
絶対モテるでしょこの人。

「兄ちゃんのほうがイケメンだろ！？」
「なんだろう、昔を思い出すノリですね」

自分のこと兄ちゃんって呼ぶの久しぶりに聞いたな。
だんっ、と悔しそうに拳を打ち付ける兄。
…ねぇ拳めり込んでません？
それコンクリートですよね？
私の兄はゴリラだったんです？

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これ以上浮かばなくてボツりました…

2019/07/07(22:50)