つぶやき
2018/10/31
こっちにあるということはそう!尻切れとんぼ!!!!!!
ごめんなさい!!!!
それでも構わねぇ!!という方は暇つぶしにどうぞ!
あとアンケートネタで頂いた入れ替わりネタもオチが迷子すぎて尻切れとんぼになったらごめんなさい…
「せんせい!とりっくおあとりーと!」
「元気のいい君にはこのお菓子をあげようか」
10月31日。
今日は大人も子供も楽しいハロウィンだ。
診察室に入るなり元気よく叫んだ子供に慌てて止めに入ろうとする母親に笑いかけてからお菓子を差し出した。
「だから悪戯はしないでね?」
「はーい!ありがとうせんせい!」
じゃあいい子で診察できるかな?と続ければ、またもや元気なお返事。
すみませんと苦笑気味に言う母親には元気なことはいいことですよと返しながら、いつものように診察を続けた。
今月はずっとハロウィン一色の飾り付けだった院内も、明日にはクリスマス一色になるのかと思うと少しだけ寂しい気もする。
「降谷先生、トリックオアトリート」
「はいどうぞ。一番人気のチョコレートですよ」
帰り際に子供のような笑顔で手を差し出してきた受付の女性にそれを渡せば、拗ねたようにちぇーと一言。
可愛らしい人は何してもかわいいんだもんなぁ。と癒されていれば、悪戯がしたかったとこれまた子供みたいな事を言われた。
「彼氏にでもしなよ」
「先生はまたそう言う」
「だって彼氏自慢してたでしょ君」
「私は!先生の!彼氏自慢聞きたいんです!」
「はいはい、お疲れ様でした」
「降谷先生!」
人に惚気なんて吐いてたまるか。
ひらひらと手を振って足を進めれば、これまた拗ねた声が私を呼んだが今度こそ知らんぷりを決め込んだ。
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「このハロウィンメニューも今日で最後なんですねぇ」
そのままの足で喫茶ポアロに来たのは決して店員目当てなどではない。
期間限定ハロウィンメニューも今日で終わりだから最後に食べに来ただけ。
それだけだ。
かぼちゃ尽くしのメニューを食べ、最後に食べたのは食後のデザート。
これまたかぼちゃプリンという秋の定番とも言えるメニュー。
「かぼちゃプリンはまだあってもいいのに」
とろりととろける舌触りに頬が緩むのは仕方ない。
だって美味しいんだもん。
「##NAME1##さんのお気に入りメニューですもんね」
これまたとろけるほどに甘い顔をしたイケメンは胸焼けしそうなのでこっち来なくていいです。
「…甘いものはもう結構です」
しっしっと手を振って他所へ行けと言ったところでこの人は聞かないのだろう。
ほら、ついには頬杖ついてこっちを見つめ始めるんだからタチが悪い。
「…その顔嫌い」
「だろうね」
閉店間際の店内には私と安室透の二人だけ。
「他のお客さんが居ないなんて珍しいですね」
「そうですか?イベントのある日はみんなそっちに行ってしまいますから珍しくもないですよ」
「そうですか?クローズの看板、ちょっと早くかけてたみたいですけど」
そう言ったところでただ肩を竦められるだけで、この男には何も悪びれた様子はない。
「職務怠慢」
「どうせ誰も気づきませんよ」
「うわ、開き直った」
最後の一口を食べきった頃には、食べたばかりだというのにまたあのかぼちゃプリンが恋しくなる。
「これで最後と思うと惜しくて仕方ないですね」
空っぽの器はもう満たされることはない。
来年までこのかぼちゃプリンは味わえないのだろう。
「…そうですね、最後と思うと惜しくて仕方ない」
「へぇ、そんな時があったんですねぇ、安室透にも」
「意地が悪い」
ずいっと近く安室透の顔…いや、もうこれは降谷零だ。
私の大好きな見慣れた顔。
「ここポアロですけど」
「閉店時間はとっくに過ぎてるよ」
「兄さんってさ、人のこと言えないレベルの性格の悪さだと思うよ」
「俺に言うのはやめろよ。安室透にだけ言ってくれ」
「自覚あるくせに」