「んー。よく寝たあ!昨日は頭痛かったなあ」

リビングへの道のりを進みながら、ぐいーっと大きく伸びをするなまえ。
ヒルコの一件で少し泣き疲れしていた昨日だが、今日はいつも通りの元気さを取り戻しているようだ。

「昨日は泣いて迷惑かけちゃったし、今日はたくさんお手伝いしなくちゃ」

よーしやるぞ!とリビングの扉の前で軽く頬を叩き、気合いをいれる。

取手を回すなまえの顔は、すっきりと晴れていた。

「みなさーん!おはようございますっ。昨日はご迷惑おかけしまし」

ぎゃー わいわい どたばた

「──た?」

大分見慣れたリビングに、騒がしい声や音が溢れかえる。
取手に手を置いたまま停止するなまえの目に映ったのは、

「おい飛段!それよこせ!うん!」

「デイダラァ!とっとと捕まえろこの馬鹿!」

「ゲハハ!サソリちゃんののろまー!」

「ちょ、みなさん暴れまわらないでください!」

「あ、なまえだ。おはよー」

小さくなった、S級犯罪者たち。





曖昧な世界に境界線を
(うーん…これ夢?また頭痛くなってきた)