戻ってはこない。だから、なんだっていうの。
大切な人がいなくなって、黙ってるなんて、そんなの、喉を裂かれたって、無理だ。
あんたのテキトーで不思議な雰囲気も、女のわたしさえも嫉妬するほどの滑らかな黒髪も、わたしはとても好きだったけど、解ったの。綺麗なものだけ並べて眺めていたあの頃はもう戻らないって。だってそうでしょう?光らせる太陽が消えてしまったんだもの。輝きを失ったのは、わたしのたったひとつの世界だったんだもの。
銀時。小太郎。わたしは戻ってこない世界に居座ることはできなかった。
太陽のない真っ暗な世界に居るくらいなら、わたしは赤に染まった世界を選ぶわ。
晋助は言ってる。腐った世界を壊すって。
あんたたちも、その世界の一部でいる気なら、わたしは容赦しない。松陽先生のいない世界なんて、太陽の昇らない世界なんて、わたしはいらない。暗闇は嫌いよ。
失った太陽の代わりはね、晋助っていう月なの。
太陽が消えて光らなくなってしまっても、その存在だけは確かだから。
元からあんたたち2人と晋助って合わなかったとこあったから、きっとあんたたち晋助の考え受け入れてくれないと思う。わたしの考えも。だってほら、目がそう言ってるもの。
ねえ。次会ったときは本当の敵同士になっちゃうね。
ん?高杉だけじゃなく、なんでお前までそっちにつくのかって?先生の護ったものを壊すのかって?
言ったじゃない。わたしの世界は先生がいて、だったの。例え先生の護ったものを壊す結果になっても、先生の大事なものがわたしの大事なものではないから。
じゃあね、もう話は終わりね。切っ先を向けるあんたたちに、これが、仲間としての、最後の、わたしの言葉にするね。





正しいことだけが正義なら地球なんか捨ててもいいでしょう?
(次からは、鬼兵隊として、宇宙海賊として、捨てた身として)