▽ほとんど会話文。七夕ネタ ※nrt連載設定





「なにやってんだ?」

唐突にやってきた声は、彩られた柔らかい緑色に手を伸ばす少女に届いた。

「あ、デイダラさん!今日は七夕なんですよー。だから、短冊にお願い事書いて笹に吊るしたんです!」

「へえ!なになに?不老不死とかならジャシン教に─」

「いってぇな!おいこら飛段!乗ってくんなよ!うん!」

「わわ、デイダラさん大丈夫ですかっ!?」

「いいからなんて書いたんだよっ?」

「ちょ、やっ、だめです飛段さん!見ないでください!」

「うっせー!ケチケチすんなよ!減るもんじゃねーだろ手ぇどけろ!」

「飛段…。女の子の願い事を見るなんてデリカシーなさすぎ」

「何言ってんだ!ゼツ、お前も後ろからこいつ抱き込んでんじゃねーよ!」

「おい、そこどけ」

「なぁにサソリー?君背低いから代わることはできないよ?君には無理だよ?」

「殺すぞ」

「さ、サソリさん!そんな言葉だめですよ!ゼツさんがかわいそ─」

「うるせぇ!お前も黙って抱きつかれてんじゃねぇよ!」

「ひっ、す、すみません!」

「きゃー逆ギレこわいねぇ。こんなやつに近づいちゃダメだよ?」

「おいゼツてめぇ!」

「いいから願い事見せろ!」

「飛段うるさいぞ」

「お前だって気になるだろ角都ぅ!そこでスカしてる鬼鮫もイタチも内心見てーに決まってる!」

「お前と一緒にされたくない」

「私は食事の支度で忙しいので」

「あ、すみません鬼鮫さん!私手伝います!」

「やりぃ!今だ!」

「ひぃやああ!だめですっちょ、うわあんどうしましょー!お手伝いできませんー!」

「なら離せ!」

「恥ずかしいからいやですー!」

「はいはい、みなさんもうご飯ですから。こっち座ってください」

「ちっ、あとで必ず見てやるからな!」

「!!」

(((絶対忘れるだろうな…)))



その夜



「一時はどうなるかと思ったけど…飛段さん見るの忘れていっちゃったな…。ま、まあ恥ずかしくて見せられないから、いいんですけど…」


【ずっと皆さんと一緒にいられますように】


「叶って、ほしいなあ。」


そう言って星空を眺めた私の後に、そこで星と、ただの紙切れと呼ばれたらそれまでの願い事。
2つを眺めた人たちがいたことを、私は知らない。





晴れた空に微笑む星ふたり
(大丈夫。きっと叶えてくれるわ)
(みんな、君のためならって顔してたよ)



前サイトの日記に一発勝負で書き残したもの(2014)を引っ張ってきました。
2018/7/7