おめめがまだ、私の中にいる…だと…?


「いや待って。分かんない。…分かんないぞ!?え!?」
≪まあそう喚くな煩いぞ≫
「いやこれが黙ってられますかって!!え、だって大蛇丸におめめあげたからはたけさんが生きてるんじゃないの!?」
≪そうだな。…だが、なぜ"私"がいるのか≫
「そうだよ!!だってあいつおめめが居なくなったらそれこそ暴動とか起こしそうなのに!?」
≪…だが、その前に1ついいか≫
「何!?それより大事なことって…、」
≪振り向け≫

言われるがまま振り返ると、目を見開いて驚いているはたけさんがいた。……あ忘れてた。ビックリし過ぎて一人で思いっきり喋ってしまっていた。………え、やばくね?

彼の記憶を変えねば、なんて反射的に思ったのか刃物を探しに行こうとベッドから去ろうとするも、勿論叶うわけもなく…簡単に捕まりました。ええはい。

***

……ベッドでする話でもないので、ソファに移動となりました(バイバイ甘い雰囲気)。

「さ、説明してもらえるかな」
「………」

ニッコリ笑って逃がさないという表情は、私が前の世界で観ていたあの怖い顔のままだ。…いや、何も言わなくていいとか泣いてたのどこのどいつだよ。めちゃめちゃ言えモードじゃん。つら。…と駄々を捏ねても逃げられません言うまでは。おめめの突然の登場をマジで恨んだ。絶対タイミング見計らってたろてめぇ……。

≪相変わらず口が悪いぞ≫
いやマジで今回のは恨むよ!!もっと良い登場の仕方とかあったでしょうよ!!
≪はたけカカシと始まられては困るからな≫
今まで何度も見てきたでしょ!!?
≪落ち着け。良い方法がある≫
……また変なことするんじゃないでしょうね。
≪まあ聞け。これであの男も納得する≫


……

「………いやふざけてる!!!」
「ん?何が?」

あっごめんなさい、と声を掛けるも時すでに遅し。おめめの提案があり得なさすぎて、ソファから立ち上がってしまう始末だ。ただ残念なことにはたけさんに手を握られているので、逃げることは不可能だが。だって、……だって、

私がこの世界に来て、今に至るまでをはたけさんに見せるなんて!……

そもそもそんなこと出来んの?!って話だけど、まさかの出来ると。いやなんでもアリかい。そりゃ災害レベルの眼だって分かってたつもりだけど…。でも、だ。

はたけさんにとって、もう取り消されたあの未来を見せるなんて酷い話でしかない。私の監視員をして、でも囮の私を庇って、ミリンさん(彼女)に殺されて。過去に飛んで、そこでも迷惑掛けられて、私は勝手にいなくなって。……絶対必要ない情報ばっかだって。

≪ならばどう説明する?お前が言ったんだ、"私を渡したからはたけカカシは生きてる"んだと≫
………そ、れは、…
≪お前が逆の立場ならどうだ?≫
え…
≪黙っていて欲しいか≫
……それは嫌、だけど…。
≪いつかは言わなければならないことだ≫

≪お前がこの先、あの男と生きたいのならな≫

「…ずる」
「ん、?」
「……はたけさん、何か指を切れるものを貸してください」
「…なんで?」
「いやじゃなければ、私の過去を…見て頂きたいんです。」
「!」
「そうすれば、全て、分かります。…でもはたけさんにとって辛いことも「分かった」

ちょっと待ってて、と言って席を立ってすぐに戻ってきた。ハサミを持って。…けれど渡す前に、またよからぬことを考えてるんじゃないよな視線を感じたので、小さく笑った。

 ・・・
「この眼は、私の血を流した分だけ力を発揮するんです。」
「…結構な量が要るのなら、これは貸せない」
「大丈夫です。指先を掠めるぐらいで」
「……」

気を付けてよ、と言われて渋々渡されたハサミ。いや適当に言ったけどその量でいけるの?と聞けば記憶を見せるだけなので余裕だそう。書き換えたり消したりするレベルとは比較にならないそうだ。

そして私は、ハサミで指を切った。チクリと痛んだがすぐにはたけさんの目を見た。……そして、彼は意識を無くしたようでゆっくり私の元に倒れてきた。受け止めて思う、本当にこれでよかったのかと。彼が自分を責めたりしないだろうか。私を嫌いになったりしないだろうか。

おめめ、はたけさんにとって嫌な映像は見せないでいて……。

そう願いながら、次に彼と目が合う時、まず何を私に言うのか。恐くて、恐くて仕方なかった。