私はあっち側の世界の人間なのに、何故かナルト世界の人間化してました。…いやなんで。どうした?お?それに目覚めた瞬間は何でか分からなかったが、付き添ってくれていたのがカカシ先生ではないか!!…しかも幼なじみ(設定)っていう大特典付きだったので、トリップ鉄板の記憶喪失設定で甘えまくりました。

そしたらプロポーズもされて(盛りすぎ)、ハッピーライフすぎて怖い…!なんでここの住民なのか分からないけど、原因はきっとあの事故だろう。トリップありがとう…最強設定&待遇感謝!!フォー!!


「ついでに特殊設定とかあればよかったんだけど…」

病院からはたけさんちに引っ越してきた日。足りない日常品を大量に買った帰り道、不意に呟いた。はたけさんは任務でいないので、この世界で初一人外出が楽しすぎて両手に大荷物になってしまった。木の葉の繁華街はかなり進化していて、電車?みたいなのが走ってるぐらいだからもう新鮮で楽しくて仕方ないせいだ。

だからこそちょっと、今の環境で幸せすぎるぐらいなのに、欲張りになる自分に少し苛立った。そして、

「……っ痛、」

この頭痛が、たまに酷い。こうやって思い込むと、脳が何かを拒絶しているかのような、割れるような痛みに襲われる。大荷物のせいもあって、つい足下がふらついてしまった瞬間誰かの腕に支えられた。顔を歪めながら見上げると、知らない男の人。

「大丈夫ですか?」
「……あ、すみません…大丈夫です、」
「…あの、よければお近くまで運びますよ」

え!と少し弾んだ声が漏れるほど、目の前の人は整ったイケメンだった。キャラ例えするなら、イタチをもっと大人にして…爽やかさ増しの、短髪にした感じ。男の人から色気を感じるのははたけさん以来だ。…しかし甘えるわけにはいかない。もしかしたら新手のナンパかもしれな…

「それはないですよ。さ、行きましょう」
「え?あ、ちょっ…!待ってください!」

私、声漏れてた?と首を傾げつつも、荷物をさっと取っていくその人の後を追った。…いや格好良いな。

***

「お引っ越しですか?」
「…あ!…えっと、多分…」
「アハハ。多分?なんですか?」
「近所から近所に移り住む…みたいな感じで」
「なら多分って返答もある意味当たりか。」

でしょう?と微笑むと、ですね。と微笑み返されて眩しすぎて逆に頭がクラクラしました。ええはい。服装は忍服でなかったから、きっと一般の人なのだろうか。…いや木の葉イケメン多すぎじゃね?揃いすぎじゃね?なんてぽけーっと名も知らぬ親切な人を見ていた時だった。

「幸せ、ですか?」
「……えっ?」

唐突すぎるそれに、思わず目が点になった。それでもその人はにこにこしながら、とても幸せそうに見えたので、と至って普通に言うので、不思議に捉えた私が変だったのか。

「…はい!今、とても幸せです。」
「そうですか、よかった…」
「え?」
「はい、着きましたよ」

ええっ!?と声を上げて顔を上げればそこははたけさんの家の前。…あれ?もう!?それに私、家言ってないのになんで…。と思いながら荷物を受け取った。不審な点は多いが、このイケメンは微笑んでいるからか悪い人には見えないのでお礼を言って頭を下げた…時だった。

頭をぽんぽん、と撫でられたのは。

「!」
「私も幸せだった。」
「え「名前?」

どういう意味…?と顔を上げる前に、後ろから名前を呼ばれて振り返る。そこにははたけさんがいて、どうやら任務帰りに出くわしたらしい。タイミング!!と思いながら少し冷や汗を掻いたけど、彼は普通に近寄ってきて荷物を持ってくれた。

「こんなに買ったの?よく一人で持てたね」
「…え?いや、手伝ってもらって…」
「ん?誰か知り合いと会ったの?」
「……あれ?」

振り返るとそこには誰もいなくて、あの不思議なイケメンはどこに行ったのか。首を傾げながら、何でもない、と呟いて家に入る。……あれは夢だったのだろうか?

「いや…」
「ん?」
「あ、ごめんなさい何でも」

だって、頭を撫でられたあの感覚は嘘じゃない。でもどうしてか、初めてな気がしなかったのだ。…何故か、分からないけど。玄関で靴を脱ぎながら地味に唸っていると、先に入っていたはたけさんがにこにこして私を見ていた。

「……え、何ですか。」
「名前がこの家に来たら言いたいことがあってね」
「…はい?」
「おかえり。愛してるよ」

…あぁ、さっきのイケメンなお兄さん。胸を張って言えます、私幸せだって。嬉しくて思わず涙が流れたら、はたけさんは困った顔をして笑いながら抱き締めてくれた。ただいま、私の新しいお家。ただいま、愛しい人。

「わーん私も大好きですうう゛う゛!!」
「あーはいはい泣かないの」
「だっでえええ…!」
「こら、鼻水つけない」
「かんでもいいですか」
「良いですよ」
「…え?マジ?」
「…え?マジ。」
「それは逆に怖い…」
「言ったの名前でしょ?」
「そこは汚い却下無理でしょ!?」
「アハハ。ドMだよね名前は」
「……っ」
「そこでときめくのお前ぐらいだよ…」