結論。はたけさんの連絡先は聞けなかった。 「あぁ…。会わぬ…。全く会わぬぅ……!!」 「アハハ最高ねアンタ!」 出勤時間より少し早く来たら、サクラが事務所で休憩中だったので話していたらこれだ。もうあの新年会から10日経つが、ビックリするぐらい会わない。はたけさん出勤してんのか!?私の入り時間が18時からと遅いせいもあるが、他の青果の社員は全然居残ってるのに…!!何故…!でもサクラによると出勤はしているらしい。と、なると帰るのが早い……ということだ…。 「もうどうしようもなくね…」 「え?名前が土曜の朝出勤すればいいじゃない。日曜じゃなくて。」 「………あ。そうか。その手があったか…」 「朝なら絶対居るし。日曜ははたけさん休みだけど土曜なら確実よ」 「なんで気付かなかったんだろう…!!!」 サクラ様ぁとなった私は一気にハッピーになった。今月のシフトはもう決まっているので、来月土曜日出勤しよう!!土日の夜出るのが嫌すぎて(本業休みだから)、日曜朝になんとなく固定していたけど理由なんてないのだ。 「ついでにバレンタインだし、チョコでもあげたら?」 「………っサクラ様天才……っ!!!」 本気で女神に見えた。本命チョコ差し出してからの連絡先ゲットが見えた…!!グッと拳を握りしめた1月末のこと。 *** ―――そして来る2月15日(土)。もうバッチバチに本命チョコ感溢れる紙袋を持って朝出勤。練りに練った作戦をどう実行するかで心臓がバックバクだ。 仕事中にチョコを渡すのは中々難しいので、まずは朝イチに捕まえてチョコ渡す宣言をすれば…その時間を作ってくれるはず!と踏んだ私は、まずはたけさんを捕まえることが第一ミッションなのである。 「おはようございまーす」 「おはよう名字ちゃん。土曜日って珍しいね」 「エヘヘヘヘヘ」 9時開店だが、朝の準備で8時出勤な私はいつものことだ。いつも日曜の朝一緒の女の子が不思議そうに私を見たってへのへのかっぱ!もうニヤニヤとドキドキが満載なのだ。制服に着替えて売り場に出ようとすれば、まぁ素晴らしくこちらに歩いてくる 「はたけさん!おはようございます!」 「おっ、どうした」 動物すぎて軽くタックルしていたようだ。プラス、やっと会えた感が嬉しくて思わず彼の両腕をつかんでいた。その勢いに驚きながらも、そんな私の腕に手を添えてくれるはたけさん…!ポケットからギュンです…!(古い 「バイト終わったらチョコ渡したいんで、居てくださいね!」 「あぁ、うん。分かった。」 「ウフフフフ」 第一ミッション、クリア!!思わず漏れた心臓の声に気付かず、浮き足立って仕事に戻る。もう連絡先をゲットしたようなもんだぜ…!と思いながらの仕事は死ぬほど早かった。気付いたらもう、はたけさんが休憩に行く時間だった(奈良さんから情報収集済)。 ポジションがたまたま外だったので、カゴを回収していると数メートル先に今から休憩に行こうとしているターゲットを確認。今日はスゲーツイてるよ私…!そっと近寄ってみる。 「もう休憩ですか」 「いやお前ね…5時から働いてるから逆に遅いよ」 「あっ確かに。定時何時でしたっけ?(14時半だろ知ってるぞ)」 「14時半かな。まあ定時に帰れることないけどね」 「えっ早。なら確かに休憩遅い…、あ、でもチョコ!」 「分かってるよ。13時上がりでしょ?それまでには帰ってくるから」 「よーし。ならオッケーです!行ってらっしゃいませ!」 スッと手を上げて裏に戻っていったはたけさん。……待って、私が上がる時間知ってるの罪じゃない?はーーー好きーーー。イケメンこわーーーい。でも最高です。13時まで後1時間半、もうこの荒ぶりようどうしたらいいのか…!なーんて思っていても土曜日なので。忙しくてすぐ時間過ぎまして。 「お疲れさまです〜〜〜」 13時2分、退勤。逆に早すぎだね私…。どんだけ。と思いながら売り場をキョロキョロして裏に戻る。ターゲットの姿がなくて困っています。…13時忘れたか!?と思いながらロッカーで服を着替えていたら、少し先にある事務所からお目当ての声が聞こえてきてニヤニヤした。待ってました…。ロッカーに詰めた本命チョコを武器のように取り出した。 「はたけさんっ、はい!否めぬ本命感…!」 「おー…。否めぬ…」 「アハハ」 事務所に何人かバイトが居たがもう仕方ない。受け取ってくれたはたけさんに自己満足。でも第二ミッション、連絡先のゲット…!!なんて思いつつしれっと流れに乗って話してみる。 「そろそろご飯連れてってくださいよー」 「あぁ。いつでもいいよ」 「ほんとに?だっていつも平日夜いないもん(16時半に帰ってるんだろ知ってるぞ)。」 「あー俺16時半ぐらいに帰ってるからね…。」 「そりゃ会わないですね…。え、本当にいつでもいいんですか?」 「うん。いいよ、いつでも暇」 「じゃー連絡先教えてください!」 「待ってね。…電話番号は……」 「えっまさかの?LINEじゃなくて?アハハ!」 なんて言いつつ電話番号をゲットした私は、その場に居合わせていたサクラに電話番号でLINEを検索できることを告げられ、ハッとなった。検索してLINE送りますねー!と言うと、にっこり微笑んでくれたはたけさんにもう…。名字名前(26)、やり遂げました。第三ミッション、一緒にご飯に向けて頑張ります!! ← |