【お疲れさまです、名字です。LINE教えてくれてありがとうございます(*^_^*)】

…を考え送るまでに1時間は掛かった。なのに超普通の文を送る(ビビり)天才の私です。はたけさんは仕事なので返事は多分ない。とりあえず昼寝して起きたら…と思っていたら、その日は返事がなくてなるほど…となった。

それからというもの、一日に1通ペースのやり取りだった。ちゃんとご飯の日程も決まった。それでも返事が来るのが嬉しくて、終わらせることはしなかった。簡単にいきすぎた第三ミッションに、一抹の不安を抱きながら…。

***

「あ。はたけさん居た。」
「ごめん待った?」
「待った。」
「ごめんって」

アハハ全然!と言いながら店に入った2月末のこと。待ちに待った二人でのご飯だ。日程の都合上、私のバイトが終わってからの開催なので現在21時過ぎ。今日は土曜日だが本業もあってバイトもあって疲れているが、わくわく感に勝てるものなどなく。めちゃめちゃ元気な私はどうかしている。

「「お疲れさま(です)」」

はたけさんはビール、私はサングリアで乾杯。店は任せられていたので、煙草の吸える良い感じの居酒屋を選んだ。思った通り雰囲気もよく、ご飯もいい感じ。てかはたけさん、黒地タートルネック似合いすぎませんか…。程よいガタイの良さと身長とセンスのいい服。紺色のロングコートに酒5杯は飲めます。

「夜忙しかった?」
「あーまあまあだと…。はたけさん今日は出勤ですよね?」
「うん。朝は忙しかったかなー」
「チラシ入ってましたもんね。…キャベツ1玉99円って安すぎません?」
「ハハハ。重かったでしょ」
「かなり!ちょっと腕ジンジンしてますもん」

ごめんね、と笑いながらビールを喉に流す。そんな一連の動きですらえげつねぇ絵力です。心臓の裏側がギューギュー絞られてるような、そんな。こんなイケメンが他愛もない話を私と二人で、わざわざ時間を作ってしてくれるなんて…!もう喜びのレベルの低さがすごいよ私。でもマジなんだもん。

「ちゃんと食べてる?好きなもの頼みなよ。」
「ありがとうございます…!でも私呑むとあんまり食べられなくて」
「あー分かる。俺も一緒」
「ですよね!飲み物でお腹いっぱいになっちゃうっていうか」
「結構お酒強いんだ?」
「いやいやいや…!」

なんて言いながら何杯目かの飲み物を一緒に注文。キャパオーバーなのは分かってるけど、呑まなきゃ緊張に喰われてしまう。ちょっと酔った脳は素直になっていて、今なら気になっていたことも聞けそうだ。

「はたけさん、なんで彼女いないんですかねー…イケメンなのに」
「出来ないねぇー…。もう恋愛の仕方なんて忘れたな。」
「待ってさみしいこと言わないでください…!作る気ないだけでしょ?」
「んー…。まあ、今は別にそこまで欲してはないけど…でも欲しくないことはないよ。」
「えぇー?そんな感じに見えない。遊んでたい感満載に見えますよ」
「ねえ、俺のイメージ悪すぎだから。」

納得いってない顔に、アハハ!と笑うけど、だってそうだもんって顔で言ってたと思う。だってそうじゃんね。あの複数ある噂が噂じゃないことぐらい知ってるし。でもそれでも仕方ないと思う、話も面白くてイケメンだったら。ワンチャン歓迎だって絶対!

…とか思いながら、私じゃ駄目なのかなとか思っている。イケメンは専門外だけど、もう…ってかかなりはたけさんのこと気になってる。この人の彼女になれたなら、私の人生終わったもんじゃないなって思えるのに。くっそ高いハードルだろうし、かなり難しいだろうけど。でも……。

「好きって、難しいですよね…。」
「なーに。なんかあったの過去に」
「いえ…私ははたけさんと違って平凡な恋愛してきてますから…」
「だからお前ねぇ…。」

あなたが好きなんです、わたし。多分。なんて言えない。けれど……。なんて思えば思うほど酒を飲まずにはやっていられなかった。もう数え切れなくなった何杯目かのそれを、一気に流し込んだ。

***

「………ん……?」

酷く喉が渇いて目を覚ますと、少し離れたソファにはたけさんが真っ裸で寝ていて…頭痛が大声で叫んだ。………あれ?いや、え…なんかかなり酔っ払っていたのは覚えてる。飲み終わって、ちょっと手を繋いで欲しくて、意外と簡単に繋いでくれるから嬉しくて、離してほしくなくて、部屋まで送ってもらって……

「…名前ちゃん。襲っていいの?ねえ…」

「……、…あぁ……。」

飲み過ぎて覚えてない、って言えたらよかった。…残念ながら覚えている、どうやって服を脱がされたのか、キスはながくて深いとか、前戯が意外としっかりしている、とか……。あー…。最悪だ。好きだ、と、思えたのに。思えた瞬間に、間違ってしまったらしい。