「〇〇ちゃんは今なに中ですかー?」
『お仕事中でーす』
「カメラ回しててもいい?」
『うん、どうぞ』
今日は事務所でライブの打ち合わせ。
全体ミーティングが終わり、密着カメラを託された俺は、
一人黙々と作業をこなす〇〇の隣に腰を下ろした。
「これは何見てんの?」
『衣装の、デザインの原案』
「そぉ!なんと今回も衣装の一部は〇〇がデザイン担当でーす!」
『はい、頑張りまーす』
詳しいことはよく分からないけど、
iPadの横に置かれたスケッチブックに、
ちょうど自分の名前が書かれているのを見つけて嬉しくなる。
「これ、俺の?」
『うん、まだなーんにも詰めてないただの落書きだけど』
「撮ってい?」
『うん、どうぞ』
「はい皆さん、これが〇〇のお仕事ノートでーす」
かいと、と書かれたページを捲ると、次にれぇん、と書かれたページが現れる。
言葉通り、殴り書きのメモと簡単な絵。
ページのあちこちに書かれた、このたくさんのアイデアが
形になって俺達のところに届くんだと思うと、
なんだかとてもありがたい気持ちになった。
「ジンの頭の中もこういう感じなのかな」
『んー、そうかもね、ジンもやりたい事はたくさんあるって言ってたし』
「二人ともすげーね」
『海ちゃんだって今回振り付け考えてくれてるんでしょ。楽しみにしてるよ』
「うん、〇〇には一番に教えるね、猛特訓しなきゃだし」
『うえ、笑』
「こらブサイク!」
ダンスがあまり得意ではない〇〇。
そんな〇〇の為に、きっとまた付きっきりで練習する日々が始まるんだろうなーと思うけど、それが嫌な訳じゃない。
「〇〇ー、スタッフさんから差し入れ……って、なんだ海人もいたのかよ」
『あ、岸くん!』
「岸くんだ!」
「お前いるの知らなかったから〇〇の分しか持って来てないわ」
「えぇー、何貰ったの?」
「バームクーヘン」
撮影用のカメラを持ったまま、やって来た岸くんに飛び付く。
しかし、腰に抱き着いた俺に構うこと無く、
岸くんは、そのまま部屋の奥にいた〇〇に話し掛ける。
「ど?デザイン進んだ?」
『うん、だいぶ形になったよ』
「見ていい?」
『うん』
バームクーヘンを受け取って笑う〇〇は、とても嬉しそう。
『岸くんのデザインはこれ』
「お、カッコイイじゃん」
『ジャケット丈悩んでるんだけど、』
「あぁー、俺はあんま長いとちょっと、」
『だよね笑』
「いつもごめんな、ありがと」
『ふふ、』
〇〇は俺よりお姉ちゃんだけど、
たまにこうして岸くんや紫耀相手にニコニコしているところを見ると、
あぁ、やっぱり女の子なんだな、と思う。
なんというか、すっごく自然に甘えてる感じ。
年下の俺から見ても可愛いと思うんだから、
きっと岸くんや紫耀からしたら、もっと可愛いんだと思う。
「こら〇〇、iPad汚れるって」
『あ、』
「あ、じゃねぇよ何で先に片付けねーの」
『だってお腹空いてたから』
「ティッシュは?」
『あっち』
「ったくもー、海人どいて、ここ拭くから」
「はーい」
あ、これ使えるかも。
嬉しそうに、モグモクとバームクーヘンを頬張る〇〇の横で、
せっせとテーブルを拭く岸くん。
普段はあまり見られない、岸くんの面倒見の良さが垣間見える瞬間を写真に残し、
後日ブログにアップした。
海人のアイドル日記
20xx年 xx月 xx日
どうも!海人ですけれども!
みんなー!もうすぐライブだねー!
準備してまっす♪
📷モグモグ〇〇と、世話焼き岸の写真
📷〇〇のノートの1ページ
@xxx
オフショきし〇〇〜〜!!
@xxx
仕事人〇〇ありがとう(泣)
@xxx
こんな貴重なもの見ていいのか
@xxx
ノートでさえれぇん呼びの〇〇
@xxx
もぐもぐ〇〇ちゃん安定の可愛さ
@xxx
テレビとかだと〇〇の方がしっかりしてるイメージ強いけど、
カメラ回ってないと意外と岸くんの方がちゃんとお兄ちゃんなんだよな、、
@xxx
きしひら相手にたまに出てくる〇〇の妹感最高