「はい、本日のお客様はこちらのお二人ですどうぞー。あ、〇〇はね、そこ段差あるからね、気を付けなさいよ」
「えぇ?!扱いの差!」
「お前なにやってんだよちゃんとエスコートしろよ!国民のお姫様だそ」
『二宮くんもう、笑 ほんともうやめてくださいわたしが恥ずかしいです笑』
本日はドラマの番宣の為、岸くんと二人で二宮くんの番組にお邪魔することになった。
お互いそこまで二宮くんと関わりがある訳ではないが、幸いなことに、この番組には風磨くんもいるので、どちらかと言えば楽しみの方が大きい。
「まず話し合いたいのは、今回のドラマが何故岸と〇〇かってことですよ」
「は?なんだお前どうした」
「一緒にドラマを作るってことは、撮影だけじゃなく、こうして色んな番宣にも一緒に出演するって事でしょ?いいじゃん、岸は同じグループなんだからさ。常に合法的に一緒にいられる癖に何でドラマまで一緒にやるの」
「えなに、コイツ〇〇の粘着ファンかなんかなの?」
「あ、風磨くんはですね、〇〇のことが大好きなんです」
「ちげーよ!愛してんだよ!しかも正確には顔ね。顔が人類で一番タイプなのよ」
「すげー前のめりじゃん、」
風磨くんとの恒例のやり取りに付き合って貰ったところで、改めてMCの川島さんから紹介を受け、本格的な収録がスタートした。
「まずお二人の為に用意した企画を紹介する前に、岸くんと言えばこちらですね」
「あぁ、アレね」
「あの恒例のやつね」
「ご存じ無い方もいらっしゃるかと思いますので、今一度見ておきましょうか」
🎞岸の2分クッキング動画VTR
「△△さんは岸くんと同じグループのメンバーですが、このクッキングについては?」
『あ、存じております笑 でもわたし達からすると、割と岸くんっていつもこんな感じなので』
「やべぇ奴じゃん」
『なんていうんですかね、常に全力で目の前の何かに向き合っているというか、笑』
「ちなみにですけど、もし彼氏がこんな感じで料理を始めたらどう思います?」
『あ、えと、、、大丈夫?わたしがやろうか?って、』
「ダメだよコイツぜってーそんな遠回しな言い方じゃ引かねぇから」
「はい。要するに、嫌ということですね」
「ちょ、!そんな雑にまとめます?!笑」
「てかこの時間いりましたかね」
「はい!それでは、企画に参りましょう」
「今回はお二人が会社員役のラブコメに初挑戦ということで、それぞれ何か挑戦してみたいこと、初めてというワードで思い当たることがないか、伺ってみました。VTRをご覧ください」
《今回、岸と△△が初主演を務めるのは、平凡な会社員と美人秘書が恋に落ちる純朴ラブコメディ》
《そこで、まずはお二人に初挑戦にちなみ、何か挑戦してみたいことがあるかどうか、聞いてみることに》
『そうですね、挑戦してみたいこと、、、あー、最近だと、殺陣とかですかね』
「殺陣ですか?」
『はい。ちょっと前に、メンバーの神宮寺勇太と一緒にアクション映画を見てたら、急にやりたくなっちゃって。ちょうど、その神宮寺が空手の有段者なんで、型とか教えて貰って、』
「え、じゃあ今空手出来るんですか?」
『いや出来ないです無理です!遊びで出来るようなものじゃないんで、、でもなんか、その時ちょっと体動かしたら、こう、極めたくなっちゃって、笑』
「実際何かやってみたりとかは?」
『あ、はい!メンバーの平野がドラマで結構本格的に殺陣をやっていたんで、教えてもらって』
「じゃあ今は割と?」
『それが、ちょっと受け身を取り損ねて怪我をしかたら、それ以降教えてくれなくなっちゃって、笑』
《結局メンバーからの反対もあり、その後一切殺陣を習うことが出来なくなったという△△》
《そこで今回のお願いはこちら、、》
「はい!発表します!本格的な殺陣をやりたい!」
「「却下!!」」
『いや早くないですか?!笑』
「当たり前でしょ!何言ってんのこの子は!そんな危ない事して怪我でもしたらどうすんの!」
「その顔に傷一つでも付けたらまじ許さねぇからな?!」
「だめ!絶対だめ!そんななんとなくでまた怪我されたら俺メンバーになんて言えばいいの!」
『ちょ、圧が、、、笑』
「想定済みです。スタジオでこんな発表をしても、どうせ皆さんの過保護で話が進まないと思いましたので、△△さんには事前に殺陣を習いに行っていただきました!」
「え………」
「……………は?」
『………笑』
「皆さん、良い表情ですね!」
《xx月某日。都内》
「おはようございます△△さん」
『おはようございます』
「本日メンバーやスタジオの先輩達には一切秘密のロケということですが、いかがですか」
『なんか、ちょっとソワソワしますね。基本的にメンバーにはわたしがいつなんの仕事をしてるのか、だいたい把握されているので』
「じゃあ、今日はなんのお仕事と言って?」
『一応ただのオフってことにしてます。ただ、そのせいでメンバーの橋海人にドライブ行こうって言われたの断っちゃったんで、早くこのロケを放送してほしいですね。凄く拗ねられたので、笑』
《と、早速メンバーとの仲良しエピソードが飛び出したところで、オープニングトークを終え、ロケ地に向かっていると、、》
『あ、海ちゃんから電話だ。出てもいいですか?』
《なんと先ほど誘いを断ったという橋から電話が!》
「どうぞ、出てください」
『ありがとうございます』
《それでは、ここからは今日のロケについて一切聞かされていない橋と△△による、完全プライベートな電話の様子をお楽しみください》
「もしもし〇〇?」
『うん、どうしたの』
「〇〇にドライブ断られたから家でパズルしてた」
『そうなんだ、どんなやつ?完成した?』
「ミッフィーの300ピースのやつ。あとちょっと」
▼画面が切り替わり、画角いっぱいにミッフィーと橋海人の笑顔
「えなにこの子、幼児なの?」
「もうすぐミッフィーの顔出来そう」
『そっか。良かったね」
「つまんない」
『ドライブは?』
「だって〇〇付き合ってくれないんだもん。せっかくオフ被ったのにさ」
『ごめんね。でも今日は先に出かける約束しちゃってたから』
「俺より大事な約束なの?」
『う〜ん、比べられないかなぁ、』
「俺達は一体何を見せられてんの」
「キンプリ橋くんによる束縛彼氏劇です」
「予定ってなに?早く終わんないの?」
『友達とのご飯だから。何時に終わるか分かんないもん』
「友達って?xxxxちゃん?」
※△△の一般人の親友
『xxxxじゃないけど、』
「じゃあ誰?俺の知ってる人?」
『ん〜海ちゃんは知らないかなー』
「ねぇそっち早めに終わらせて俺んち来てよ」
『えぇー……』
「俺より優先する人そんなにいないでしょ」
『ん〜』
「ねぇ、〇〇なんか俺に隠し事してない?」
《普段と様子の違う△△に異変を感じたのか。束縛彼氏感をより一層加速させ問い詰める橋》
《しかし、ここで、!》
「△△さん、△△さん現場到着しました」
《スタッフからの合図を受け、どうしても電話を切らなければならない状況に!》
『海ちゃんごめん、もうお店着いたから、』
「はい!絶対嘘!こんなタイミング良い訳ないじゃん!今電話切ったら紫耀にも言いつけるからね!」
『えぇ、何でよ、』
「ジンにも言うよ?!面倒臭いかんね!ジンにバレたらずっとネチネチ説教されるよ!」
『う〜ん、それは嫌だけど、』
「ジンに言うから!!」
『あ〜もう分かった分かった!詳しくは言えないけど後でちゃんと分かるから!お仕事もちょっとだけ関わってて、今はまだ詳しくは言えないけど、海ちゃんに隠し事は絶対してないから』
「……本当に?」
『ほんとにほんと』
「嘘吐いたら絶交だかんね」
『大丈夫』
《△△の必死さが伝わったのか、ここでようやく電話を切る事を了承してくれた橋》
「長かったですね」
『はい、既に疲れました笑』
「疲れたのはこっちだよ」
「なんだ今のVTRは」
「ただKing & Princeがイチャついてるところ見せられただけじゃないか」
「だから言ったでしょう。これは橋くんによる束縛彼氏劇だと」
「いやでもあの子最終的にメンバーに頼ろうとしてたよね?全部ジン任せじゃん」
「はい、そうですジンくんです。あのジンくんですよ。二宮さん、知ってますか?」
「あ〜誰だっけ、陣内くんだっけ」
「はい!それでは、これ以上ここにいないメンバーが謎の巻き込み事故で怪我をしていく前に、本題に移りましょう」
《King & Prince△△〇〇の、初挑戦!》
「さて!続いては岸くんの初めての挑戦なんですが、これはですね、あの〜、まあ、一つ問題がございまして、」
「え、?問題っすか?」
「ちょっと何なに?どういうこと?」
「△△さんと同じく、挑戦したい事や初めてというテーマで事前にお話を聞いたんですが、その内容が余りにも放送コードギリギリのラインでしたので、結果、なんの企画も生まれませんでした!」
『え、?笑』
「はい?笑」
「なにどういうこと笑」
川崎さんからの思わぬ報告に、一同困惑の中、岸くんだけが何も言わないので、どうしたんだろうと、そちらへ首を向けてみる。
「いや、ちょ、笑 あの〜、いや、はい、」
「なんですか岸くん。どうしました?」
「ちょ、あの〜、一回色々思い出していいっすか?笑」
両拳をこめかみに当て、独断のポーズで何かを思い出そうとしている様子の岸くんに、川島さんが笑う。
「その顔は岸くん、なんとなく何を話したかは覚えていますね?」
「いや覚えてるっつーか、!いやっ、!違くてですね、!」
「なんかもう既に言い訳始めそうな勢いだけど」
「なに話したんだよお前は笑」
「皆さんやはり気になりますよね?この岸くんの突然の動揺、面白くない訳がないと」
「いやちょっと待って!ガチで待ってください川島さんちょっと、!!」
「VTRどうぞ!」
「わー!!」
《スタジオ収録数日前、△△と同じく、打ち合わせの為岸を呼び出し、同じ質問を投げかけてみる》
「挑戦したいこと、、、あ〜初めて、っすよね」
「まぁ初めてってことにこだわらなくても、なんか、こんな事をやってみたい、みたいな」
「そうっすね〜、あぁ〜、、、」
《しばし悩む岸》
《スタッフも声を掛けず、数秒待っていると、》
「やっぱ、あれっすかね、、キスとか」
「キス、?」
「はい」
《余りにナナメ上を行く回答に、スタッフも思わず困惑》
《この道数十年のベテランスタッフでさえ、なんの話も広げられないまま呆然としていると、》
「キスってやっぱり上手い方がモテるじゃないっすか」
「、?はい」
「今度ドラマで〇〇ともキスシーンがあるんで、こう、なんとか上手いやりたいというか、後はファンの子にも、お、岸くんめっちゃキス上手いじゃん!みたいな、思われたくて」
「………なるほど。岸さんは、自分的にキスは上手い方だと思いますか?」
「あぁ〜〜、いやぁ、どうですかね〜」
《何故かニヤける岸》
「まっ、でもあの〜、そうっすね、多分上手いんじゃないっすか」
「おぉ、」
「俺、舌が器用なんですよ。あと長いので。こう、女の子を見つめて、眼力で落として………」
「ダメダメダメダメ!」
※VTR強制終了
「ちょっと岸くん!こら!なに言ってんのあんたは!」
「お前ほんとバカな、笑」
『えこれ放送するんですか、?オッケーなんですか?』
本人的にどういう感情なのか分からないが、明らかにヤバイ、、という顔をして床を見つめる岸くんの姿に、スタジオは笑いに包まれた。
「こら岸!ちょっと!こっち向さないほら!なに俺は知りませんみたいな顔してんの!」
「あの、マジ待ってください、!これはガチで、ほんと、やましい気持ちとかじゃないんですって!」
「でもキスは上手いんだろ?」
「そっ、、!!」
『?笑』
「そ?笑」
「なんです?どうしました?息止まりましたか?」