『ほら、行こ行こっ』

カメラに向かって、元気に笑いながらお願いします。
カメラを恋人のように見立てたこのCMの撮影は、春先に水着で行われたものである。

売り出しシーズンに合わせて放映するので仕方ないとは言え、本当に寒くて辛かったんだよな、ということを思い出しながら、動画サイトにアップされた解禁直後の映像を確認する。

神「あ、CM今日から?」
『うん、さっき解禁されましたー』
神「へぇ、エゴサしちゃお」
『恥ずかしいからやめて』
神「〇〇ちゃん可愛いって」
『全然人の話聞かないじゃん』

隣で勝手にわたしの名前を検索し、ニヤニヤしているのはジン。
今日は雑誌の撮影でメンバー全員一緒な為、同じテーブルには、メイク終わりの海ちゃんと紫耀もいた。

海「前に撮ってた日焼け止めのやつ?」
神「そうそう、再生数エグい」
海「俺も見よ」
『ねぇ恥ずかしいからわたしがいないところでやってくれない?』
海「わ、可愛い〜!」
紫「ファンかお前は」
海「なんかMemorialのMVっぽいね」
神「分かる、なんかソワソワしちゃった」
『誰も人の話聞かないじゃん』

褒めてもらえるのは嬉しいが、目の前で何度も動画を流すのをやめてほしい。

神「俺の好きなところ発表していい?」
『やだよ何でよ』
神「このちょっと怒った感じで"ねぇ、こっち見てよ"って言ってる感じがたまらん」
海「え分かる!俺もそこ!なんかあざといんだけどギュンッてくるよね!」
神「そう!そうなのよ!あざといんだけど結局優勝!ぶりっ子しか勝たん」
紫「だっる」
海「ねぇ紫耀も見ようよ〜!」
紫「いや見えてるからいいって」
神「水着〇〇しか勝たん」
『結局そこかい』

海「ていうかさ、この撮影の時〇〇おっぱいになんかしてた?」
紫「いやどういう質問だよお前」
海「だってなんかいつもよりおっきくない?」
神「えマジで?!」
廉「なにおっぱいの話?」
海「うん、〇〇のおっぱいが大っきくなった話」
廉「ッガチで?!!」
『しょお〜〜!』

食い気味な廉から逃げるように紫耀の隣に座ると、にやりと笑う彼からは「恥ずかしかったの?」と、また別のからかい方をされ、ギクリとした。

神「え待って、〇〇 おっぱい で検索すると結構出てくんだけど!」
『ねぇほんと何してくれてんの!笑』
廉「〇〇ちゃんおっぱいやった?って、めちゃくちゃバカにされとるやん!笑」
海「ほら!やっぱりなんか入れたんでしょ!」
廉「ほんまや!なんかこの〇〇おっぱいめっちゃ大っきい!」
紫「お前さすがに拡大はやめとけ笑」
『ッ〜もう!おっぱい星人!』
廉「ッダハハハ!」
『、あ!岸くーん!』

大口を開けて笑う廉を一睨みし、ちょうどメイク終わりで入って来た岸くんの方に逃げようと立ち上がる。

岸「あ、〇〇CM見たよ」
『え、』
岸「可愛かった!」

ポンポンと、頭に手を置きながら褒められ、不覚にも、見慣れたはずの笑顔にキュンとした。

『…………岸くんしか勝たん』
岸「え、……ん?」
紫「ねぇ俺だって割と庇ってたんだけど」