童貞を殺すセーターを着る菖蒲


円の入れ知恵で今流行りのドスケベなセーターを着てみた菖蒲

菖蒲「南雲くん見て!今これが流行ってるんだってー!似合うかな?」
南雲「はあ?お前すぐ流行に流されんのどうにかしろ、よ、……」

顔を上げた南雲は固まる。菖蒲が変態じみたセーターを着ている事とか、ノーブラであることとか、上にコートを着ていたとは言えこれを着て此処まで着たのかとか、色々言いたいことはあったが、何よりも視線が行くのは。先日つけた南雲の噛み跡が腰付近に残っていることを無邪気にセーター姿を見せる菖蒲は気付いていない。菖蒲が動く度に見え隠れするそれは、なんというか、セーターを着ていることにより余計に変な気分にさせる。

南雲「貧相な身体晒してんじゃねーよ痴女。すぐにそれ脱げ。見てるだけで不快なんだよ」

南雲はいつも通りの涼しい顔をしつつ立ち上がる(いろんな意味で)。
罵倒の言葉を羅列しながら手近に落ちていたパーカーを投げつけると、部屋を出た。単純すぎる自身に対する苛立ちやら情けなさやらを吐き出すために舌打ちをする。部屋の中にいる菖蒲が呑気に「想像してたよりも罵倒されたなあ」とか「南雲くんのパーカー……ってことは、彼シャツ!」とかはしゃいでいることにも、ノーブラな上に自分のパーカーを着られてますます心臓に悪いことにも、今の南雲が気付く由もないのである。

back