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 ああ、神様って残酷だ。碌に神を信じてもいないのに、その時はバカバカしくもそう思ってしまった。
 アーチャーのマスターが、随分前から私を殺す段取りを立てていたのは知っている。だからいつでも迎え討てるように自分のサーヴァントと対策を施してきたし、これは戦争なのだから何が起こっても可笑しくないと覚悟もしていた。──でも、それでも。
 その緑の外套を目にして冷静でいられるほど、私は優秀なマスターでも人間でもなかった。
 なんで、あなたが。どうして、サーヴァントに。
 だって、あなたはただの「一般人」だったはずなのに!あなたがサーヴァントになるなんて、そんな可笑しな話があって堪るか!
 あなたの今の存在は、「あなた」じゃない。
 「XXX」であることを捨てて、「ロビンフッド」に成ったっていうのか。そんなものは、そんなことは、あんまりにも、残酷だ。私にとっても、……貴方に、とっても。



「ロビンフッド」である男と昔馴染みだった女にとっては、英霊になるはずがなかった男が個人ではなく名の知れた義賊の形として英霊になっていたって事実はだいぶ衝撃的なんじゃないかなと思った。




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