02
「
入社式後、早々に話しかけてきたのは艶やかな緑色のサイクリングメットを着けた青年だった。確か、二期生の列に並んでいた気がする。
「……そうだな」
「本当に!会えてとても光栄です!」
青年は少し興奮気味に答え、こちらに右手を差し出した。ヘルメットの影で見づらいが、満面の笑みを浮かべている様に思える。
「いや、申し訳ないが、私は貴方をよく知らないから……」
すると青年は自分の行動を省みてから、反省した様に差し出した右手を引っ込めた。
「礼節の欠けた行為を許して下さい。俺はジェイドといいます。HF二期生として、これからお世話になります」
さっきとはうってかわって軽く会釈する紳士ぶりを見ると、それなりに儀礼に厳しい環境の元で育ったのかもしれない。
「こちらこそ宜しくジェイド、私はラウラだ。呼び捨てで構わないよ」
「え、そんな
「ふふ」
「何か?」
「いや何でもないよ……。うん、いいよ。"お嬢さん"なんてこそばゆくて、ガラじゃないしね」
「ラウラもここの先生なんですか?」
「ただの用務員だよ。掃除したり備品の管理をしたり、後はのんびり昼寝したり」
「……?何か用でも」
「スカー!」
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