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「ジョシュア…私があなたを必ず逃がしてあげるわ。
だから、それまではおとなしくしていてちょうだい。」

「……はい、はい。」



もしかしたら、アンジェラは…
本当におかしくなってるのかもしれない。
考えてみれば、異界からやって来たとか、最初からおかしなことばかり言ってるもんな。
頭の中で想像したことを、本当のことだと思い込んでるのかもしれない。
そういう心の病があるって聞いたことがある。



いや…でも、アンジェラはあの通りの別嬪だし、王が側室にするってことは考えられる。
だけど、いくらなんでも他の男の子を宿してる女を側室にする程物好きな者はいないだろう。
ましてや、聡明なエドワード王ならなおのこと。



(あ〜あ…何がなんだか、わからない。)



いまだにここから逃げ出したいって気持ちはあるが、この状況じゃ絶対に無理だ。
そんな時は無理をせず、機会を待つしかない。
来たるべき好機に備えて、待つしかないんだ。



この城に来てから、なぜだか俺とアンジェラは別の部屋をあてがわれた。
とはいえ、会うのは自由だし、食事はたいてい一緒に摂る。
たまには王が同席することもある。
俺はいまだに緊張してしまうけど、確かに王とアンジェラは親し気に見える。
アンジェラは綺麗だから、王が関心を示しても不思議はないけど…実は、ふたりの間には男と女の関係があるんじゃないかって感じたこともあった。
でも、アンジェラのお腹の中には子供がいるんだぞ。
それは王も知ってるのだから、やっぱりそんなことがあるはずはない。
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