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「なんだって!?一週間後だと?」

「はい、一週間後にエドワード王と新たな王妃の婚礼の儀が行われるらしいです。」

公表されたのはただそれだけで、不思議なことに、王妃の名前などは一切明かされなかった。



「それで、祝いの宴はあるのか?」

「はい、執り行われる模様です。」

「オスカー、ライゼル公を訪ねてくれ。
もし、ライゼル公が宴に出られるようなら、私を連れて行ってくれるように頼んでみてくれ。」

「かしこまりました。では、すぐに発ちます。」



ライゼル公は、オルリアンと所縁のある者だ。
元は、ハランドという大国の国王の末裔だ。
他の国と同様に、モルガーナに攻め落とされたのだ。
ライゼル公は、気さくで誠実で、信頼のおける人物だ。
気心も知れている。
きっと、協力してくれるはずだ。



婚姻の儀の後の宴の席には、きっとあのふたりも現れるだろう。
もちろん、その場で殺めるような馬鹿な真似はしない。
今は、そのふたりがどんな人物なのか、まだ顔も名前もわからないのだ。
それを知っておけば、今後の計画も立てやすいというものだ。



逸る気持ちを抱えたまま……一週間は、瞬く間に過ぎて行った。
ついに、私はエドワード王と新たな王妃の婚姻の日を迎えた。
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