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「す、好きとかなんとか、そういう次元ではありません。
言ってみれば、女神様みたいなお方ですから…」
「女神か…そうだな。
あの美しさは、女神にも匹敵するのかもしれないな。
しかし、エドワード王が、そんなことで王妃を決めるとは思えない。
あの王妃には、きっと何かがある…そんな気がしてならない。」
「……何か……ですか……」
私には何も浮かばないけど…
何かあるのかな?
アルバートさんはあんな風に言ったけど、エドワード王だって男だもん。
見た目だけで一目惚れしたんじゃないのかな?
「あの…アルバートさんは、王妃様を素敵だとは思われませんでしたか?」
「もちろん、美しいと思う。
でも、愛情を感じることはない。」
「えっ!?どうしてですか?」
「……う〜ん、どういえば良いのか…
人を好きになるのは、見た目だけではないだろう?
もちろん、容姿は重要だが、見てくれにしても好みというものがあると思うんだ。
皆が皆、華やかな大輪の花を好きなわけではないからな。」
へぇ。そうなんだ。
すごく意外だし、なんとなく嬉しい。
でも、あんなに綺麗なアンジェラ様に心惹かれないなんて、変わった人だな。
「では、アルバートさんはどんな花が好きですか?」
「花にたとえるのか?
そうだな……強いて言うなら、私は可愛らしい花が好きだ。
それがたとえ雑草でも…
見た時に、可愛いと思えて、心が明るくなるような花が好きだな。」
(……可愛い花……?)
私は、花に例えるならどんな花だろう?
王妃様みたいに華やかって感じじゃないけど、頑張れば可愛い花にはなれるかもしれない。
自惚れかもしれないけど、そんな風に思うと、なんだか心がわくわくして来た。
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