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やめた、やめた!
そんなこと考えたら、メンタルやられちゃう!
今はそのことは、心の奥底に隠しておこう。
せっかくの旅行なんだし、楽しまなきゃ…!



「カンナ…明日はついに祈りの塔に行くぞ。」

「ええっ!そうなんですか?」

「願い事を決めておいた方が良い。
祈りの塔で祈れるのはひとつだけだからな。」

「……そうなんですか。」

ちょっと残念。
願い事、たくさんあったのになぁ…
ひとつだけだったら、どれにしょう?



えっと…考えていたのは…
当然のことだけど、元の世界に戻りたい。
女優として一流になりたい。
家族みんなが元気で長生き出来ますように。
アルバートさんやネイサンさん、オスカーさんがみんな幸せになりますように。



特に叶えたいのはこのくらい。
でも、たったひとつだけなんだって。
どうしよう?どれにしようかな?



「アルバートさんは、何を祈るんですか?」

「内緒だ。」

アルバートさんは、すました顔でそう答える。



「えーーっ!」

「カンナはもう決めたのか?」

「いえ、まだです。
お願い事がたくさんあるから、迷ってるんです。」

「記憶が戻るように祈ったらどうなんだ?」

「え〜…そ、そうですね。
やっぱりそれかなぁ…」

私は笑って誤魔化す。
本当に難しい。
でも、やっぱり…一番叶えたいのは、元の世界に戻ることかな…
うん、多分、それだよね。
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