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次の日の朝…
私はけたたましくドアを叩く音で目を覚ました。



「誰だろう…」

アルバートさんはすでに起きてて、ドアの方に向かって行った。



「アルビー!!」

ドアを開けると、豪華なドレスを着た若い女性が入って来て、アルバートさんに抱き着いた。
目鼻立ちのはっきりした美人さんだ。



(えっ!?)



私はまだはっきりしない頭の中で…だけど、相当に驚いて、体を起こした。



「シュリ…!どうしてここが?」

「キリルのことは、なんだってわかるの!
それにしても酷いじゃない!
キリルに来て、一番に私のところに来てくれないっていうのは、一体、どういうことなの?」

「今回は友人と一緒の旅だったから…」

「友人…?」

そう言って、その女性・シュリさん?は私の方を見た。
私は、反射的に小さく頭を下げた。



「シュリ、紹介しよう。
友人のカンナだ。」

アルバートさんが紹介してくれたから、私は慌ててベッドから出て、二人の傍に近付いた。



「は、初めまして。
カンナです。」

まだ顔も洗ってないから気は引けるけど、仕方がない。



「まぁ、すごい寝ぐせ…どちらのご子息?
今までお会いしたことはないわ。」

シュリさんは、私を一瞥しただけで何も言わず、アルバートさんに問うた。



「彼は、モルドの出身なんだ。」

「モルド…!?」

シュリさんは途端に不愉快な顔になり、私を疎まし気にみつめた。
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