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「さぁ、これを飲みたまえ。
頭痛がしてるんじゃないか?」

「え?あ、ありがとうございます。」

アルバートさんから黒い丸薬を受け取った。
私がそれを口に含むと、水差しの水をくれて…



「それで、頭痛がおさまるはずだ。」

「本当にどうもありがとうございます。」

「もう少し横になっていた方が良い。
それとも朝食を食べるか?」

「えっと……」

そう、こんな時に決まって鳴るのが私のお腹…



「そうか、では、朝食を食べに行こう。
起きれるか?」

「はい。」

起きてみたらまだ頭はちょっと痛んだけど…そうたいしたことはない。
薬が効いてるのかな?
あ、そう言えば、この薬…どうしたのかな?
アルバートさんが買いに行ってくれたのかな?



「この店にしよう。」

宿から程近くになるレストランに入った。
なんだか、顔がにやけてしまう。
アルバートさんが帰って来てくれただけで、こんなに嬉しいなんて…
私って、なんて単純なんだろう。



「……どうかしたのか?」

「え?何がですか?」

「なんだかさっきからにやにやしてるから。」

え?そんなににやにやしてる?
ポーカーフェイスを装ったつもりだったのに…
私、そんなに演技力なかったのかな?



「ま、まだ昨夜のお酒が残ってるのかもしれませんね。」

私は適当な言い訳で誤魔化した。



「昨夜は相当飲んだようだが、どうしてそんなに飲んだんだ?」

「え?そ、それは……僕は、お酒が弱いので、ちょっと強くなりたいなって思って…
それで、無理して飲んでたら、あんなことに…」

私は、咄嗟に頭に浮かんだ作り話を話した。
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