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「あっ!」

壁が途切れ、暗闇の中をやみくもに歩いていたら、何かに躓いた。
手で探ってみると、段差が続き、そこが階段だと気付いた。
階段は上の方に向かっている。
階段近くには照明のスイッチがあるじゃないかと思ったけれど、期待するものはみつからなかった。
仕方なく、暗がりの中、階段を上って行った。



なんだか不思議な気分だ。
きっと、今、私は病院のベッドに横たわっていて、意識不明の状態なんだと思う。
なのに、私の頭…いや、これは魂なのかな?
それは、けっこう冷静だ。
このくらいの冷静さがあれば、きっと、私は生きられるはず…!



(そうよ、絶対に負けないわ!)



でも…両親やケント…心配してるだろうな…
家族のことを想ったら、とても胸が痛む。
だけど、落ち込んでばかりはいられない。
ここで、頑張って、生き抜くことが、家族のためにもなるんだもの。



暗闇はとても怖いけど…
家族のため…自分のためにも、私は前に進まなければ…!
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