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・蛍ちゃんが重度のブラコン
・空→→(→→→→→)←←←←←←←蛍ぐらいの感じ
どうして、
どうして、どうしてどうしてどうして…!
どうしてわたしたちが…………!
空の顔を覆ったブロックと爆裂の光。以降の蛍の生には、このやり切れない憤怒と絶望、憎悪が渦巻いていた。もっとも、このような感情。あまり表には出さないのだが。
地の底。ぐつぐつと沸るマグマのように。例えどんな嬉しいことがあっても、悲しくても、辛くても。この熱は燻っていた。
貴方を見つめると、貴方も私を見つめている。
私が嬉しいと、貴方も嬉しくて、貴方が悲しいと、私も悲しい。
微睡みの中で互いの存在だけを確かめ、眠りにつく。目覚めた時貴方の顔を見ることでようやっと本日の生を実感できた。
けれどこうして
愛も、情も、欲も、何もかも分け合った私たち双子は、「天理」と名乗る神によってバラバラにされてしまったのであった。
序:幸いなるかな
────つまり、おまえたちは世界の外から漂流してきたのか?────
双子の流星はテイワットの地を巡り、次の世界へ旅立とうとしていた。いつものように、
────おまえたちがそこから離れて次の世界に行こうとした時────
金が装飾に施された石柱と、燻る雲。そしてその青空に一際目立つ、赤。
────見たこともない神が、おまえたちの前に現れたと?────
裂け目から現れた白と金、赤。こちらを冷たく見つめる瞳。
────「余所者。お前たちの旅はここまでだ」────
────「この「天理」の調停者が────
────ここで「人の子」の驕りに終焉を」────
突如の攻撃を飛んで避ける。鈍く赤黒く光るそのブロックに、本能が触れてはならないと告げる。私たちは意識せずとも、目の前の敵対者を排除しなければいけないと断じていた。
こちらに伸ばした手と共に襲い来るブロック体を交互に交わしながら一太刀を入れるために近づく。柱と橋を潜り、体を捻り、急降下急回転。火花と煙を気にも留めず、二人でその存在に切りかかった。
謎のバリアに阻まれるも、負けぬようぐっと力を入れた時だった。こちらをちらりと見つめる金色の瞳に少し気圧された途端、剣先からブロックが侵食し始めた。
ハッとして剣を手放し、離れる。そこで、そこで私たちの命運は別れてしまった。絶たれてしまった。
空が、兄が。体ごと飲み込まれてしまったのだ。
────「空ッ!!」────
条件反射のように手を伸ばすも、あの距離では届かない、間に合わない。
こちらを見つめる兄の顔も一瞬で覆われ、見えなくなってしまった。体を覆ったブロック体はバラバラになりながら、目の前の存在によって一つの小さなブロックにされてしまったのだ。
以降の私を動かしたのは怒りだった。憤怒、憎悪、激情。自らの最高速度で背後に回り、斬りかかろうとした。私の攻撃が当たる瞬間、真っ白の爆裂と爆発。
左手はブロックによって捕らえられ、私も兄と同じようにブロックに捕らえられてしまったのだった。
────「待って、どうするつもり?!よくも私のお兄ちゃんを──」────
暗転
こうして、見知らぬ神が私の兄の空を連れ去り、私も神に封印され本来の力を失ってしまった。数多の世界を乗り越えて、旅をしてきた私たちは、このテイワットにて囚われの身となってしまったのであった。
小々波と鳥の声。眼下にある脳裏に赤く残る三連の星。私は、苦々しい記憶を振り返りながら、口を開いた。
「果たして、それから何年経ったのか?私にはわからない」
「...でも、いずれ必ず突き止めてみせる」
あれから何度も日が昇り、月明かりを浴びた。兄を探し、練り歩き、一人生きる日々があった。あの日抱いた感情の全てが、私という炎の薪であった。
「目覚めてから、ずっと一人で彷徨ってた。2ヶ月前、あなたと出会うまで...」
「おう!あの時おまえがいなかったら、オイラはもうとっくに溺れ死んでたからな...」
この小さな不思議な存在、パイモンと出会ったのは、私が日々の糧のために釣りを行なっていた時だった。なにやら小さな物体が浮かんでいて、気になり釣り上げてみたら、目を回し、水を飲んでしまったパイモンがいたのだ。
「──だから、オイラも案内役頑張るぜっ!」
目の前でぐっと小さな拳を握ったパイモンを見つめながら、私も小さく頷いた。
「そろそろ出発の時間だ、行こう!」
ふわりと宙に浮かんでいたパイモンはくるりと私に背を向けると、獣道に沿うように進み始めた。私もパイモンを追うように腰をあげて、一歩を踏み出したのであった。
パイモンの後ろについていくこと数分。開けた場所に出た。頬を撫でる風を感じながら、目の前のひらけた視界を眺める。
「あれが『七天神像』だぞ。」
パイモンが言うには、『七天神像』とは神の形をかたどった像。そして七神の象徴としてこの大陸に点在しているらしい。またこの「七」は元素の数でもあり、パイモンが指差したあの像は「風」を司るものだという。
「おまえの探しているのが、この風の神かどうかは知らないけど...風神の領地に連れてきたのにはちゃんとした理由があるんだぞ。」
ウェンティであう
アンバー
ガイヤ
ジン、魔女
ディルック
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