「一体、どこへ行くつもりなんだ?」

俺達は、ほとんど休むこともなく、ただひたすらに歩き続け、夕暮れ近くになってようやく隣町にたどり着いた。
宿を決め、やれやれとばかりに長椅子に腰を降ろした途端、ユリウスは眉間に皺を寄せ、いかにも不機嫌そうな顔で俺に問いかけた。



「……あんたさぁ、もっと俺を信用しろよ。
仮にも俺はあんたの相棒みたいなもんだぜ。
ま、そうはいってもフクロウを捕まえるまでのことだが……」

「……アレクシスだ。」

「はいはい、そうだったな。
アレクシスだ。アレクシスちゃんだ。
とにかく、俺を信じてだな……」

「会って間もない、しかも、見るからに信頼するに値しないタイプのおまえを信じる道理はない。
そんなことばかり言ってないで、具体的に答えてもらおう。」



全く、なんて奴だ!
こいつは、俺にこんな酷いことをしていながら、それに対する罪悪感の欠片も持ち合わせることなく、それどころか、俺がまるでいいかげんなことでも言ってるかのように疑ってやがる。



「あぁ、そうか。わかった、わかった。
俺は、あのフク…じゃねぇ、アレクシス様がこの先の森に行ったと推測し、それでそこに向かっているでございますよ。
……これで納得したか!」

「なぜ、アレクシスがそこにいると思ったのだ?
森ならそこでなくとも、どこにでもあるだろう。」

「俺は昔からカンが良いんだ!
それに、その森はそんじょそこらの森とは違う。
ものすごい広さがあるんだ。」

「……なんと単純な推理だ。
私はそんなもののために、一日中歩かされたのか……」

そう言うと、ユリウスはさらに顔を歪めて頭を抱えた。



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