その1、前書き
私は雷門中学校新聞部部長である。名前はない。
というのは無論冗談である。私は三年四組出席番号─ああ、いや。特に名乗る必要もあるまいよ。
ただし一つ、まぁ渾名を名乗らせてもらうと、知り合いたちからは皆、『女史』と呼ばれている。
それは図書室の本を全巻制覇したからだとか、学校一の情報通だとか、雰囲気がどうだとか由来はまぁ色々とあるらしいのだが、私も気に入っているのでここでは先、渾名通り女史と名乗らせてもらおう。
さて、突然ではあるが本題に入る。
我が雷門中学校には、嘗て弱小と苛まれたサッカー部があった。数年前まではろくに活動もしていなかったらしいが、去年、新入生により復活したのだ。
しかし、弱小と呼ばれた頃の彼らは一体どこへ行ったのか。最近ではメキメキと力を付け大会も勝ち上がり、学校中の注目の的になっているのである。
おかげで有能な音無後輩はサッカー部に逆ハンティングされ新聞部に顔を出す機会がめっきり減ってしまった(それでも掛け持ちしてる分まだマシだが)が、これはまたとないチャンスだ。
サッカー部には今年の春に転校してきた豪炎寺後輩など、ファンクラブの存在する部員が在籍している。これを逃す筈がない。
音無後輩の手も借りて、うまい具合にでかでかと学校新聞の特集を組んで売り出せば部費向上でウハウハ…失礼、言葉が乱れた。
とにもかくにもサッカー部だ。特集を組むと言っても一概に私の主観ばかりでやっても仕方ない。
まずは明日、キャプテンである円堂後輩に許可を取って、詳しい情報を収集していこうと思う。
ああ、明日が楽しみだ。