合宿メンツとアイス ◇◆ 2017/04/17 04:04
「クーラーボックスごとくれてやるぜ」どうだ、これが大人の財力だ!と高笑いする烏養に苦笑いしながら、武田は目の前にいる灰崎の反応を待った。ぱかりと開けられたクーラーボックスの中には、指導者陣がなけなしの身金を切り買った、人数分のアイスが入っている。それも、ただのアイスではない。すべからく庶民の憧れ、ハーゲンダッツだ。
発案者の烏養は、アイツらには俺らを敬う気持ちが足りねぇ!いっぺん分からせてやる!などと嘯いていたが、それが気恥ずかしさからきていることは武田や猫又などにはお見通しだった。だからこそ、この戯れのような差し入れに協力したのだ。烏養くんは甘々ですねぇ、なんて笑いながら。
「ハーゲンダッツ…」
「あ"、クーラーボックスごとつっても1人1個だからな!」
「私、スイカバーの気分です」
「な…ん………」
「は、灰崎さん!君は少し欲深ですね…!」
「スイカバーの方が安上がりかと…」
大人の気遣いを物の見事に無碍にする。事の顛末を伝え聞いた出資者たちは、厄介に思えた己の生徒たちがやけに可愛く見えるようになったのだった。
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