涼花ちゃんストーリーまとめサイト(改)
東方学園 6月
転校生騒動が未だ冷めやらない6月。
そんな上級生の騒ぎなどどこ吹く風の涼花ちゃん達は、降りしきる雨の中を登校していました。
涼花「雨だね」
ゆーちゃん「そうだね」
涼花「ゆーちゃんは雨、好き?」
ゆーちゃん「ん〜…嫌いじゃないよ」
「それじゃあ、もっと好きにさせてあげる♪」
二人の目の前に現れたのは、中等部の多々良小傘でした。
小傘はお気に入りの傘をくるりと回し、雨のしぶきを二人に浴びせました。
涼花「わっ!」
ゆーちゃん「きゃっ!」
涼花「…やったなぁ〜♪」
お返しにと、涼花ちゃんも同様に傘をくるりと回しました。
雨のしぶきが小傘とゆーちゃんにかかります。
ゆーちゃん「ち、ちょっと、涼花ちゃん…」
小傘「あはは♪ やったわね♪」
涼花ちゃんと小傘は互いにしぶきを掛け合い、びしょ濡れになってしまいました。
しかし一番の被害者は、涼花ちゃんと小傘に板挟みにされていたゆーちゃんでした。
ゆーちゃん「…くしゅん!」
涼花「あ…」
ぬえ「こら! そこのバカ二人!」
小傘「う…」
やってきたのは小傘の同級生、封獣ぬえでした。
さすがに怒っているようです。
ぬえ「登校中にこんなにびしょ濡れになって…これから授業があるのにどうするのよ!」
涼花「ご、ごめんなさい…」
小傘「ごめん…」
涼花「で、でも、今日は体育あるからジャージ持ってきたし」
ゆーちゃん「…濡れた体はどうするのかな…」
涼花「あ…もしかしてゆーちゃん、怒ってる?」
ゆーちゃん「怒ってる♪」
ゆーちゃんはにっこりと微笑むと、持っていた傘を涼花ちゃんに向けました。
そして傘を閉じたり開いたりを高速で行います。
バサバサと傘が開かれる度に大量の雨粒が舞い、涼花ちゃんはダイレクトにしぶきを浴びてしまうのでした。
涼花「わわっ! ちょ、やめ!」
ゆーちゃん「やめてあげない。涼花ちゃんも濡れ濡れぐちょぐちょになっちゃえばいいんだ」
涼花「なんか言い方が…うわっ! やめ! やーめーてー!」
ぬえ「ほらゆーちゃん、それくらいにしてあげて」
涼花「う〜…」
小傘「涼花ちゃん、着衣泳でもしたの? ってくらい濡れちゃったね」
ぬえ「あんたもでしょ。…うちの部室に来なよ。タオルならあるはずだからさ」
ぬえの部活はオカルト研究部と見せかけて弓道部。
部室には道着入れや弓具などが並べられています。
ぬえ「はい、タオル」
小傘「ありがと」
ゆーちゃん「ありがとうございます」
涼花「あーあ、下着までぐちょぐちょだよ」
小傘「エロいね」
ぬえ「エロいとか言うな」
そんな会話をしながら着替えを済ませました。
涼花「ジャージに着替え完了♪」
ゆーちゃん「はぁ…このまま一日過ごすのか…」
ぬえ「涼花ちゃんとゆーちゃんは良いとして、小傘は? ずっと下着のままでいるつもり?」
小傘「いやぁ…私、今日は体育無かったから、着替え持ってきてないんだよね…」
ぬえ「…分かった分かった。私のを貸してあげるから」
小傘「ありがとう♪ やっぱり持つべきものは友達だよね♪」
小傘はぬえから借りたジャージを着ました。
小傘「…あのさ」
ぬえ「なに?」
小傘「贅沢を言う訳じゃないんだけど…なんだか胸の辺りがきつ」
ぬえ「それ以上言ったら、あんたを弓道の的にしてやるから」
小傘「何でもないです!」
ぬえ「よろしい。それじゃあ、あんた達の服はここに干しておくから、帰りに忘れず持って帰ってよ?」
涼花「さすがに、服を忘れて帰らないよ」
ぬえ「涼花ちゃんが一番心配なのよ…」
昼休み。
涼花「んん〜、やっとお昼だ〜♪」
ゆーちゃん「服、乾いたかな?」
涼花「今日は一日中雨の予報だし、まだ乾いてないんじゃないかな?」
ゆーちゃん「私、ちょっと弓道部に行ってみる」
涼花「じゃあ、わたしも一緒に行く。ぬえお姉ちゃんがいたら、一緒にお昼にしよう」
ゆーちゃん「うん、そうだね」
弓道部、部室。
涼花「こんにちは〜」
ぬえ「ん? 涼花ちゃんにゆーちゃん。どうしたの?」
ゆーちゃん「服、乾きました?」
ぬえ「だめ。まだしばらく掛かりそう」
ゆーちゃん「そうですか…」
涼花「ぬえお姉ちゃん、お昼はこれから?」
ぬえ「そうだけど」
涼花「じゃあ、一緒に食べよう?」
ぬえ「うん、いいよ。小傘も来るって言ってたから、来たらみんなでお昼にしようか」
涼花「やった♪ 今日がたまたま、給食の日じゃなくてよかったよ」
小傘「やっほー、お待たせ♪ お昼に…」
ゆーちゃん「どうも、お邪魔してます」
小傘「あれ、涼花ちゃんにゆーちゃん。どうしたの?」
涼花「一緒にお昼♪」
ゆーちゃん「ご一緒してもいいですか?」
小傘「もちろんだよ♪」
ゆーちゃん「ごちそうさまでした」
涼花「ふー、美味しかった♪」
ゆーちゃん「そう言えば、ぬえさんは弓道部ですよね?」
ぬえ「そうだよ」
ゆーちゃん「小傘さんは? 何か、部活をしているのですか?」
ぬえ「こいつはソフトボール部。自慢の一本足打法で、部を地区大会まで導いてるよ」
ゆーちゃん「すごい」
小傘「えっへん♪」
ぬえ「ただ、守備はからきしだけどね」
小傘「そんなことない。守備は少し苦手なだけ」
ぬえ「少し苦手な奴が、目も当てられないほどエラー連発しないでしょ」
小傘「みんながちゃんと守ってくれるから、私も打撃に打ち込めるってことなのよ」
涼花「ポジティブなんだね」
四人が話していると、予鈴が鳴り響きました。
涼花「あ、もう戻らないと」
ゆーちゃん「それでは、また放課後に服を取りに来ますね」
ぬえ「うん、また後で」
小傘「じゃあね♪」
そして放課後の弓道部。
涼花「お邪魔しま〜す」
ぬえ「ああ、来たね。残念だけど、服は生乾きだよ」
ゆーちゃん「この天気ですし、それは仕方がないですよ」
涼花「それよりも、ここを使わせてくれてありがと」
ぬえ「良いよ。今日は部活も中止になったし、逆に都合が良かったよ」
ゆーちゃん「部活、中止なんですか?」
ぬえ「まあ、この雨だからね。あとの手入れが大変だし、今日は中止になったんだ」
涼花「じゃあ、一緒に帰れるね♪」
ぬえ「そうだね」
小傘「やっほー♪ 私の服は」
ぬえ「残念だけど生乾き」
小傘「そんな。どうしよう?」
ぬえ「今日は着替えを持ってきてないんでしょ? だったら、生乾きの服を着て帰るしかないよね」
ゆーちゃん「と言うより小傘さん、部活のユニフォームとか無かったんですか?」
小傘「今日は雨で中止って連絡があったから、持ってきてないの。だから、ぬえ様?」
ぬえ「都合の良いときだけ様付けするな」
小傘「お願い! このままジャージ貸して! あとで洗って返すから!」
ぬえ「やだ。今日は一日貸しても問題なかったけど、明日は私も使うの」
小傘「そ、それってつまり、一日中着て私の匂いが染み付いたジャージを、そのまま着るってこと?///」
ぬえ「頬を赤らめながら気持ち悪いこと言うな! やっぱり洗って返せ!」
涼花「ねぇ〜、漫才やってないで早く帰ろうよ〜」
ぬえ「ほら、涼花ちゃんに漫才とか言われちゃったじゃない!」
小傘「いやぁ、やっぱり私とぬえの夫婦漫才は息ピッタリ」
ぬえ「涼花ちゃん、ゆーちゃん。小傘は置いて帰ろうか」
小傘「わーん! 置いてかないでよー!」
ぬえ「ん、雨上がったね」
小傘「これで虹が出てたら最高なんだけど」
ゆーちゃん「…やっぱり、雨ってあまり好きじゃないかも。濡れるし、濡らされるし…」
涼花「わ、わざとじゃないよぉ…」
小傘「みーとぅー…」
ぬえ「……あ」
ぬえは空を見上げて立ち止まりました。
ぬえが見上げる先を見てみると…。
涼花「わぁ〜♪」
小傘「虹だぁ〜♪」
空に大きく架かった、虹の橋。
ぬえ「…この虹を見ても、雨が好きじゃないって言える?」
ゆーちゃん「ん〜…悪くないかもね♪」
ゆーちゃんはいたずらっぽく笑いながら、そう言うのでした。
東方学園と言う異色で有りがちな設定の中でも、やっぱり四人はいつも通りなのです。
終わり