涼花ちゃんストーリーまとめサイト(改)


Valentine -ChildLove-


バレンタイン
それは女性達の淡い恋の日であり、同時に儚い恋の日でもある……。


涼花達の家


涼花「〜♪」

涼花「…うん、いい感じに仕上がった♪あとは、可愛くラッピングすれば完成♪」

涼花「結構時間かかっちゃったな……香林堂、まだやってればいいけど……」


魔法の森


涼花「〜♪」

涼花「……ん?なんだろ、この気持ち……?」

涼花「わたしの中の何かが…香林堂に行っちゃいけないって言ってるみたい……」

涼花「なんで……早く霖之助さんに、このチョコを届けたいのに……」

涼花「………」

涼花「でも、これを届けないと、絶対に後悔する……」

涼花「………」

涼花「……行こう。きっと気のせいだよ。そうに決まってる」


香林堂 前


涼花「……ドキドキしてる。でも、いつものドキドキじゃない。どうして?この扉を開けば、霖之助さんがいつものように出迎えてくれる…それなのに……」

涼花「………」

涼花「帰りたい……今すぐ、この場所から立ち去りたい……でも、この想いは伝えなきゃ……」

涼花「なんで……どうして……」

涼花「………」

涼花「すぅ……はぁ……」

涼花「………」


香林堂


霖之助「……何だったんだろう?咲夜さん、様子がおかしかったな……」
涼花「こ、こんにちは……」
霖之助「ああ、涼花ちゃん。いらっしゃい。今日は何をお探しかな?」
涼花「今日は……買い物に来たんじゃないんだ……」
霖之助「もしかして、涼花ちゃんもバレンタインのチョコを渡しに来てくれたのかな?」
涼花「わたし…も?」
霖之助「さっき、紅魔館の咲夜さんも持ってきてくれてね。彼女の事だか、いつもの様に義理チョコだとは思うけど」
涼花「咲夜お姉ちゃんが……」
霖之助「ただ、何も言わずに行ってしまってね。お礼の一言でも言いたかったんだけど…涼花ちゃん、ここに来る途中で……あれ?涼花ちゃん?」


魔法の森


涼花「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

涼花「はぁ……はぁ……」

ドンッ!

阿求「きゃっ!」
涼花「あぅっ……」
阿求「いたた……あ、涼花ちゃん!大丈夫!?」
涼花「大丈夫……ごめんなさい……」
阿求「涼花ちゃん…?泣いて…」
涼花「っ!!な、泣いてない!泣いてないよ!泣いて…ない…から……」
阿求「涼花ちゃん……」
涼花「う……うぅ……」
阿求「……涼花ちゃん、何があったのかはわかりませんが、今は泣いてください。誰かに言ったり、笑ったりしません。だから、今は気の済むまで泣いてください」
涼花「うぅ……ぐすっ……うあぁぁぁ!」






涼花「…………」
阿求「……少しは、落ち着きましたか?」
涼花「うん……ありがと……阿求お姉ちゃん……」
阿求「…何があったのか、聞かせてくれますか?」
涼花「うん……実は……」


阿求「なるほど…そんな事が…」
涼花「咲夜さんは美人だし、なんでも出来るし……大人だし……霖之助さんだって、そう言う女の人の方が……」
阿求「そう……」
涼花「………」
阿求「…涼花ちゃん」
涼花「…?」
阿求「もう一度、霖之助さんの所へ行ってみては?」
涼花「え…?」
阿求「ね?」
涼花「……駄目だよ…行けないよ……」
阿求「どうして?」
涼花「だって……」
阿求「………」
涼花「………」
阿求「…涼花ちゃん…涼花ちゃんは、霖之助さんの事が好きなんですよね?」
涼花「……うん」
阿求「バレンタインと言うのは、大切な人に想いを伝える日…それなのに、涼花ちゃんはまだ、想いを伝えていないじゃないですか」
涼花「でも……」
阿求「確かに、霖之助さんは咲夜さんからチョコを貰いました。ですが、霖之助さんが咲夜さんの事を好いていると決まったわけではありませんよね?」
涼花「………」
阿求「このままでは、涼花ちゃんの想いを伝えることも出来ませんよ?それでも…それでも良いんですか?」
涼花「……想いは伝えたい……」
阿求「だったら」
涼花「でも……」
阿求「?」
涼花「でも…わたしは……」
阿求「………」
涼花「わたし、怖いの……霖之助さんが、咲夜お姉ちゃんからチョコを貰ったって聞いたとき…霖之助さんが遠くに……わたしの手の届かないところに行っちゃったような気がして……」
阿求「涼花ちゃん……」
涼花「阿求お姉ちゃん…やっぱりわたし、今日はもう帰るよ」
阿求「でも……」
涼花「いいの。それに、こんな顔じゃ霖之助さんに心配かけちゃうからね」
阿求「………」
涼花「…ありがとう、阿求お姉ちゃん。話ができて良かったよ。それと……さっきはぶつかってごめんなさい。…じゃあね…」
阿求「あ………」


阿求「……これで…本当に良いのでしょうか……涼花ちゃんのために…何もしてあげられなかった……」

阿求「…………」




翌日 涼花達の家


涼花「はぁ……」

コンコン

涼花「はーい」


涼花「どちら様?」
阿求「おはようございます、涼花ちゃん」
涼花「あ、阿求お姉ちゃん…おはよう…」
阿求「涼花ちゃん、昨日のチョコは、まだありますか?」
涼花「う、うん…まだあるけど…」
阿求「では、それを持って、急いで支度をしてください」
涼花「え?う、うん……」


涼花「支度できたよ」
阿求「それでは行きましょう」
涼花「行くってどこに?」
阿求「香林堂です」
涼花「……え?」
阿求「昨日は結局、想いを伝えていないのでしょう?だったら今日こそ、涼花ちゃんの想いを伝えないと」
涼花「で、でも……」
阿求「このままでは、絶対に後悔します。さあ、行きましょう」
涼花「ち、ちょっと、阿求お姉ちゃん!?」


香林堂 前


阿求「さあ、着きましたよ」
涼花「阿求お姉ちゃん…は、速いよ…」
阿求「今日こそ、想いを伝えましょう」
涼花「ど、どうしちゃったの?なんだか、いつもと違うよ?」
阿求「だって……落ち込んでいる涼花ちゃんの顔を…見たくないから……」
涼花「あ、阿求お姉ちゃん……」
阿求「私は早く、いつもの涼花ちゃんに戻ってほしいのです。私の好きな、元気で明るい涼花ちゃんに……」
涼花「そんなに心配してくれてたんだ……それなのに、ごめん……」
阿求「ほら、また暗い顔になってますよ?笑顔笑顔♪」
涼花「阿求お姉ちゃん…本当にありがとう」
阿求「ふふ♪さあ涼花ちゃん、大切なその想いを」
涼花「……うん」


香林堂


涼花「……こんにちは」
霖之助「いらっしゃ……涼花ちゃん」
涼花「あの……昨日はごめんなさい…何も言わずに出て行っちゃって……」
霖之助「それは別に構わないけど……」
涼花「り、霖之助さん!」
霖之助「ん?」
涼花「……もう過ぎちゃったけど、これ……受け取ってください!」
霖之助「ああ、ありがとう」
涼花「そ、それから……」
霖之助「うん?」
涼花「………」
霖之助「…何かな?」
涼花「わたしね?わたし……やっぱり、霖之助さんの事が好き」
霖之助「涼花ちゃん……」
涼花「分かってる。霖之助さんの好きとわたしの好きは違うって。でも、やっぱりわたしは、霖之助さんの事が好き」
霖之助「………」
涼花「言いたい事はそれだけだから…それが言いたかっただけだから……」
霖之助「そう……」
涼花「それじゃ……」
霖之助「…あ、涼花ちゃん」
涼花「は、はい?」
霖之助「その……こう言うものはホワイトデーに渡した方が良いんだろうけど……これを、受け取って貰えるかな」
涼花「これは?」
霖之助「以前、涼花ちゃんから貰ったアクセサリー、今も肌身離さず持ってるんだ。でも、僕だけ貰うのも申し訳ないと思って、それのお返しがしたくてね。僕からもアクセサリーの贈り物だ」
涼花「霖之助さん……」
霖之助「ほら、僕とお揃い」
涼花「………」
霖之助「……お気に召さなかったかな?」
涼花「う、ううん、突然の事だったから驚いちゃって…ありがとう、霖之助さん♪大切にするよ♪…それじゃあ、また遊びに来るよ」
霖之助「涼花ちゃんなら、いつでも歓迎だよ」


香林堂 前


阿求「涼花ちゃん、どうでした?」
涼花「ありがとう、阿求お姉ちゃん。おかげで、想いは伝えられたよ」
阿求「…あら?それは?」
涼花「霖之助さんから貰ったの。前のデートのお返しにって。霖之助さんとお揃いなんだ」
阿求「そう……」
涼花「…あ、まだわたしが落ち込んでるって思ってるでしょ?わたしは、もう大丈夫だよ♪霖之助さんに想いを伝えられたし、こんなに素敵なアクセサリーまで貰っちゃって、凄くいい気分だよ♪」
阿求「………」
涼花「それに、もういいんだ」
阿求「……え?」
涼花「あ、違う違う、霖之助さんの事を諦めたって意味じゃないよ?わたしが、霖之助さんの事を好きになった理由。それがやっと、はっきりと分かったから」
阿求「…?」
涼花「確かに格好良いし素敵な人だと思う。でも、それ以上にわたしは、霖之助さんの性格…独特の空気…お日様のような暖かさ…そんなぬくもりに癒されて…そんな人に憧れて、それで好きになってたんだ」
阿求「………」
涼花「だから、この好きって想いは、確かに好きなんだけど…憧れって意味でもあるの。だから、わたしにとって霖之助さんは……わたしのお兄さんみたいな存在。そして霖之助さんも、わたしを妹のように想ってくれてる。…それでいいの」
阿求「涼花ちゃん……」
涼花「それに……」
阿求「?」
涼花「今は、お互いに兄妹だとおもってるけど、あと十年経てば、わたしも大人のお姉さんになる。もし、その時まで霖之助さんに相手がいなかったら、その時こそは……」
阿求「……ふふ♪だったら、今から素敵な女性になれるように頑張らないと」
涼花「もちろん♪霖之助さんに相応しいお姉さんになってみせる♪」
阿求「その粋ですよ♪」


涼花「阿求お姉ちゃん。本当に、色々とありがとう♪」
阿求「いえ…何も力になれなくて…」
涼花「そんな事無いよ。阿求お姉ちゃんが言ってくれなかったらわたし、ずっと後悔してたと思うから…本当にありがとう♪」
阿求「………」
咲夜「あら、何の話をしているのかしら?」
涼花「さ、咲夜お姉ちゃん……そ、それじゃあ阿求お姉ちゃん、またね」
阿求「待って!」
涼花「阿求お姉ちゃん…」
阿求「咲夜さん、霖之助さんにバレンタインのチョコを渡したというのは本当ですか?」
咲夜「霖之助さんに聞いたのね?…ええ、本当よ。香林堂には、いつもお世話になってるからね」
涼花「………」
阿求「………」
咲夜「(…なるほどね)なに?その目は。まさか私が、霖之助さんに好意を持ってるとでも思ってるの?」
阿求「違うんですか?」
咲夜「当たり前じゃない。さっきも言ったけど、バレンタインのチョコは、日頃の感謝を込めての事よ。そこに特別な感情なんて無いわ」
涼花「ほ、本当?」
咲夜「嘘なんか吐いたって面白くないでしょ?」
涼花「な、なんだ…わたしはてっきり…」
咲夜「ん?」
涼花「な、何でもない!じゃあね咲夜お姉ちゃん。阿求お姉ちゃんありがとう♪」


阿求「本音は?」
咲夜「何の事かしら?」
阿求「霖之助さんから聞きました。貴女はチョコを渡した後、何も言わずに出て行ってしまったと。貴女が言った通り、日頃の感謝を込めて渡したのであれば、その事くらい伝えられるはずですよね?」
咲夜「阿求さん」
阿求「はい?」
咲夜「世の中には、知らない方が幸せなことだってあるのですよ?」
阿求「………」
咲夜「ま、涼花ちゃんの恋路を邪魔するような真似はしないわ」
阿求「……貴女は、それで良いんですか?」
咲夜「……私は、お嬢様一筋。それは変わらないわ」
阿求「そうですか……」
咲夜「私や涼花ちゃんの事より、貴女のことの方が心配だわ。想い人のひとりでも居ないの?」
阿求「っ!お、大きなお世話です!」
咲夜「それと同じ。他人の恋路に首を突っ込むなんて、それこそ大きなお世話なのよ」
阿求「………」
咲夜「分かったら、これ以上詮索しない事ね」


阿求「はぁ……」

阿求「……ま、今は見守りましょう。涼花ちゃんも元気になったことですし」

阿求「……私もそろそろ、想い人を探した方がいいのかしら?」


終わり