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ゆーちゃんの幻想郷滞在記
おはようございますこんにちはこんばんは
ゆーちゃんこと雪柳至音です
私は今、夏休みを利用して、涼花ちゃんのいる幻想郷に、猫のリラと一緒に来ています
最初は、妖怪とかおばけとか怖かったけど、みなさん優しくしてくれるし、今では幻想郷の生活を楽しめています
さて、今日は涼花ちゃんが、幻想郷を案内してくれるそうです
どんな所があるのか、今からとても楽しみです^^
涼花「それじゃあ案内するけど、幻想郷は危険な場所も多いんだ。だから、信頼できる人に同伴をお願いしたよ」
ゆーちゃん「信頼できる人?」
早苗「どうもはじめまして♪貴女が至音ちゃんですね?涼花ちゃんから話しは聞いています」
ゆーちゃん「あ、はじめまして。雪柳至音です。……巫女さん?」
涼花「この人は早苗お姉ちゃん。守矢神社の巫女さんなんだけど、元々はわたし達の住んでる外の世界に住んでたんだ。だから、お話相手にもちょうど良いと思って」
早苗「東風谷早苗です。よろしくね♪」
ゆーちゃん「よ、よろしくです」
涼花「そんなにかたくならないで、もっとリラックスリラックス♪さあ、張り切って行ってみよう♪」
リラ「ニャー♪」
早苗「あら?その子は?」
涼花「わたし達が世話をしてる、子猫のリラだよ」
リラ「ニャー、ニャー」
早苗「へえ、可愛いですね♪よしよし♪」
リラ「ニャニャー♪」
涼花「それじゃあ改めて、行ってみよう♪」
早苗「流石にその子は連れていけませんよ?」
涼花「え〜…」
リラ「ニャウ〜…」
ゆーちゃん「仕方がないよ、リラはお留守番ね」
人間の里
涼花「ここは人間の里。ゆーちゃんは何度か来て分かってると思うけど、一応説明するね」
ゆーちゃん「うん、お願い」
涼花「まずここは、幻想郷のほとんどの人間が暮らしてる。お店も、大半はここに集まってるから、何か必要なときはここに来るといいかもね。妖怪達も、ここではほとんど悪さをしないし」
ゆーちゃん「妖怪…」
早苗「大丈夫ですよ。悪さをする妖怪が出たら、私が退治しますから♪」
涼花「頼もしいけど守矢神社は遠いから、妖怪が出た時にすぐに駆けつけられないよね。基本的には霊夢お姉ちゃんや魔理沙お姉ちゃんが退治してるし」
ゆーちゃん「さっきも会話に出てきてたけど、守矢神社ってどこにあるの?」
早苗「あの高い山が見えますよね?」
ゆーちゃん「うん」
早苗「あの山頂付近に守矢神社はありますよ」
ゆーちゃん「……遠いね」
涼花「あそこも後で案内するよ。とりあえずは、里を見て回ろっか」
ゆーちゃん「うん」
里には、色々なお店がありました
飯店や小物屋、雑貨屋にお茶屋のような幻想郷らしいお店から、小規模ながらアクセサリーショップや洋服屋もあって、買い物を楽しんだら一日では見回れないかも
ゆーちゃん「…ちゃんと見て回った事がなかったけど、本当に色々なお店があるんだね」
早苗「そうですね。日用品ならほとんど揃ってますし、最近では和菓子屋さんの他に洋菓子屋さんもオープンして、散策やデートにももってこいなんですよ♪」
ゆーちゃん「デートか…こんなに自然が豊かな場所なら、デートでも良い雰囲気になるかもね」
早苗「お二人にはまだ早いかもしれませんね」
涼花「そんな事ないと思うけど?」
ゆーちゃん「そう?好きな子と一緒に遊ぶなら兎も角、デートとなると…やっぱり私達にはまだ早いんじゃないかな?」
涼花「ぅ……」
早苗「至音ちゃんはなかなか、大人の意見を述べますね。そんなおませさんは好きですよ♪」
ゆーちゃん「ど、どうも…」
早苗「さて、それじゃあもう少し散策しましょうか」
さっきの話に影響されてなのか、早苗さんはこの後、デートスポットを中心に案内してくれました
でも、そのデートスポットについては涼花ちゃんの方が詳しいみたいで、早苗さん以上に説明してくれました
ちょっと気になります
…しばらく歩いていると、一際大きなお屋敷に着きました
人間の里 稗田邸
ゆーちゃん「大きなお屋敷だね」
早苗「ここは稗田邸。幻想郷縁起の著者、稗田阿求さんの住むお屋敷です」
ゆーちゃん「幻想郷縁起?」
涼花「簡単に言うと、幻想郷の旅行パンフレットみたいなものだね。挿し絵付きで読みやすいよ」
ゆーちゃん「へぇ、読んでみたいな」
早苗「本当は、幻想郷の歴史やら何やらをまとめた書物だったんですけどね」
稗田家の従者「あら、貴女達」
早苗「は、はい、何でしょうか?」
稗田家の従者「阿求様に御用でしたら、本日は執筆でお忙しく、誰も入れるなとの御命令です。執筆活動にも影響が出ますので、あまり騒がないで頂けないでしょうか?」
早苗「ご、ごめんなさい…」
涼花「怒られちゃったね」
ゆーちゃん「うん…」
早苗「まあ、仕方がないですよ。他を当たりましょう」
涼花「でも、門前払いなんて珍しいね。何かあったのかな?」
早苗「案外サボって遊んでたとか?」
阿求「くしゅん!……誰か噂してますね?まったく。…しかし、サボった部分がよりによってこんなに面倒な部分だったとは……不覚っ!」
涼花「無い無い、それは無い。だって、阿求お姉ちゃんって真面目だし、羽を伸ばしてもその分書いてたから」
早苗「…それもそうですよね」
ゆーちゃん「ねぇ、その…阿求さんって、どんな人なの?」
早苗「阿求さんは、千年以上も続く名家、稗田家の九代目当主にして、九代目御阿礼の子でもあります。年は…涼花ちゃんや至音ちゃんよりも少し年上ですね」
ゆーちゃん「なんだか…よくわからない言葉がポンポン出てくるんだけど…」
早苗「詳しい事は、幻想郷縁起を読んでみれば分かると思います。近くの書店でも売ってますし」
涼花「簡単に言うと、幻想郷の物知りさん。幻想郷のどこよりもたくさんの書物を持ってる知識人で、いろんな事を教えてくれるよ。会えれば絶対友達になれたのに…」
早苗「まあ、また今度来れば良いじゃないですか。それより、次の目的地が見えてきましたよ」
ゆーちゃん「次?」
涼花「幻想郷の子供達が通う学校だよ」
涼花ちゃんもお墨付きの稗田阿求さんという方は気になりますが、今は仕方がありませんね
人間の里 寺子屋
早苗「ここは寺子屋。幻想郷の子供達が通う学校です」
涼花「わたしも、幻想郷にいる時はここで勉強をしてるんだ」
ゆーちゃん「なんか…商店街の方もそうだったんだけど…何と言うか、建物やみんなが着てる服装が…」
早苗「古い?」
ゆーちゃん「………」
早苗「でもこれは、幻想郷が外の世界から隔離された場所だから、仕方のないことなのです」
涼花「隔離されてるから、外の文明がなかなか入ってこない。だから、わたし達から見れば古めかしく思うかもしれないけど、幻想郷の人達から見れば普通なんだよ」
早苗「と、ここの教師の慧音さんが言っていましたね」
涼花「ちょっと、バラさないでよ…せっかく覚えてきたのに…」
ゆーちゃん「でも、携帯を持ってる人とか見たよ?あれは?」
早苗「古い型の携帯は、もう幻想入りしています。それを山の河童さんが解析して、今ではそれなりの普及率になっていますね」
ゆーちゃん「そうだったんだ。そう言えばさっき、教師って言ってたよね。ここの先生はどんな人?」
涼花「慧音先生は良い先生だよ。宿題を忘れたり、挨拶をしなかったりしなければね」
ゆーちゃん「怒られる?」
涼花「怒られるは怒られるんだけど…」
早苗「それに加えて頭突きをされてしまいます」
ゆーちゃん「ず、頭突き…?」
涼花「とてつもなく痛いんだよね…わたしも一度だけやられたけど…」
ゆーちゃん「宿題を忘れなければ良いんじゃないの?」
涼花「ぅ……」
早苗「実際に会ってみれば、どんな方なのか分かるでしょう」
涼花「慧音先生、こんにちは♪」
早苗「こんにちは、慧音さん」
慧音「こんにちは、二人共。…そっちの子は?」
ゆーちゃん「は、はじめまして。雪柳至音です」
慧音「こんにちは。涼花から話は聞いているよ」
早苗「今日は至音ちゃんに、幻想郷を案内しているんです」
慧音「ああ、それで…」
妹紅「慧音、お客さん?」
涼花「あ、妹紅お姉ちゃん♪こんにちは♪」
妹紅「おや、守矢の巫女に涼花ちゃんじゃないか。…そっちの子は?」
ゆーちゃん「はじめまして、雪柳至音です」
妹紅「しっかりと挨拶が出来るんだね。今の子にしては珍しい」
ゆーちゃん「ど、どうも…」
妹紅「私は藤原妹紅。竹林で焼鳥屋をやっているんだ」
慧音「他にも、竹林での護衛もやっている。竹林を抜けて永遠亭に行きたい時は、声を掛けると良い」
ゆーちゃん「永遠亭?」
涼花「幻想郷のお医者さん。竹林に囲まれてるんだけど、そこの竹林が迷いの竹林って呼ばれてて、普通の人は抜けられないんだ」
早苗「それに妖怪もよく出ますからね。妹紅さんのように竹林に詳しく、並みの妖怪に太刀打ち出来る方に護衛を頼むのが一般的ですね」
ゆーちゃん「…救急の場合は大変だね」
早苗「永遠亭の方達にも事情があるから仕方がないとは言え、確かに不便ですよね」
慧音「永遠亭の兎達が薬の売り歩きをしているから、余程の重病でもない限りはその薬で何とかなるからな。里に医者が居ないわけでもないし、特に問題はないだろう」
ゆーちゃん「うさぎさん?」
妹紅「兎と言っても妖怪だけどね」
ゆーちゃん「え……」
早苗「大丈夫ですよ。見た目はウサ耳を付けた女子高生ですから」
妹紅「本人にそれを言うと怒られるよ?意外と気にしてるみたいだからさ」
早苗「そう言えばあの服装は、月の兎達の制服でしたね」
ゆーちゃん「………」
涼花「…ゆーちゃんが話についていけてないから、そろそろ次に行ってみようか」
早苗「そうですね」
涼花「それじゃあ慧音先生、お邪魔しました」
慧音「ああ待ちなさい」
涼花「?」
慧音「夏休みの宿題、ちゃんとやっているんだろうな?」
涼花「も、もちろん、少しずつだけどやってます…」
慧音「そうか…前回のような事にならないようにな」
涼花「はい…」
涼花「う〜……」
早苗「宿題、やらなかったんですか?」
涼花「そうじゃないんだけど…やった宿題を忘れたことがあって…」
ゆーちゃん「持って行かなかったらやってないのと同じでしょ?って言われたんでしょ?」
涼花「…うん」
早苗「…よく分かりましたね」
ゆーちゃん「同じことを言われてた子がいたから」
早苗「そうでしたか。ところで、至音ちゃんの方は宿題終わってるんですか?」
ゆーちゃん「幻想郷に来る前に終わらせてきたよ。涼花ちゃんといっぱい遊びたかったから」
涼花「あぅ……」
早苗「涼花ちゃんのテンションがだだ下がりなので、この話題はこれで終わりにしましょう…」
涼花ちゃんはこっちでも相変わらずみたいでした
マイペースなのも考えものです
博麗神社
次は、里から少し離れた小高い山の上にある神社へとやってきました
涼花「幻想郷の名物と言えば、やっぱり博麗神社だよね」
ゆーちゃん「ここ…前に涼花ちゃんのラジオ収録の時にお邪魔した所だ」
早苗「ああ、あのFM東方と言う番組ですね。何気にリスナーさんが多いのが謎ですが…」
涼花「その話はまた後で。さて、霊夢お姉ちゃんはいるかな?」
霊夢「探さなくてもだいたい居るわよ」
涼花「あ、霊夢お姉ちゃん♪」
霊夢「三人ともいらっしゃい。お茶でも飲んでく?」
早苗「是非♪」
緑茶はあまり好きではありませんが、博麗神社のお茶は大好きです
四人「ふぅ〜…」
霊夢「それで、何の用?」
涼花「いま、ゆーちゃんに幻想郷を案内してるところなの」
霊夢「ふ〜ん。早苗は?」
早苗「私は、この子達の付き添いです♪」
霊夢「付き添いねぇ…」
早苗「私が付き添いでは不満ですか?」
霊夢「別に?」
ゆーちゃん「前にも来たけど、ここはなんとなく好きだな」
霊夢「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。これでお賽銭のひとつでも入れてくれれば、言うこと無しよ」
早苗「子供にお賽銭を強要しないでください…」
ゆーちゃん「その事なんだけど……紫さんが、ここにはお賽銭を入れなくていいって言ってたから…」
霊夢「…後であいつは退治しておきましょう」
早苗「まあまあ、別に良いじゃないですか。こちらの通貨は持っていないでしょうし、向こうの通貨はこちらではガラクタ同然なんですから」
霊夢「そうとも言えないわ。向こうの通貨よく流れ着くからね。持っていてもしょうがないし、霖之助さんに買い取らせてるわ」
早苗「流石霊夢さんあくどい!」
霊夢「五月蝿い。だからゆーちゃん、今度で良いから、ここに来た時にはお賽銭を入れていきなさい?」
ゆーちゃん「う、うん、分かったよ」
涼花「そう言えば、今日は魔理沙お姉ちゃん来てないの?」
霊夢「来てないわね。まあ、いつも来るわけではないけど」
魔理沙「呼ばれて飛び出て何とやらだぜ」
涼花「あ、魔理沙お姉ちゃん♪」
魔理沙「よ、涼花ちゃん」
早苗「こんにちは、魔理沙さん」
魔理沙「なんだ、早苗も来てたのか」
早苗「なんだとはなんですか」
魔理沙「うん?そっちのは?」
霊夢「ほら、この間話した、涼花ちゃんの友達よ」
ゆーちゃん「あ、どうも。雪柳至音です。…魔女さん?」
魔理沙「私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだぜ。魔女とは少し違うかな」
ゆーちゃん「違うの?」
魔理沙「向こうでどうなのかは知らんが、こっちでは魔女と言えば妖怪だな」
ゆーちゃん「だから魔法使いなんだね」
魔理沙「そう言うことだ」
早苗「でも魔理沙さんの場合、魔法使いらしいと言うことで黒い服にとんがり帽子で箒で飛んでいると聞きましたが…それって私達からしてみれば、そのまんま魔女の服装なんですよね」
霊夢「こいつの師匠も、とんがり帽子に魔法使いっぽい服装だったわね。柄は違うけど杖は持っていたわ」
涼花「師匠?魔理沙お姉ちゃんにお師匠様がいたの?」
早苗「それは私も初耳ですね」
魔理沙「ああ、魅魔様の事か…涼花ちゃんはともかく、早苗には言ってなかったか?」
早苗「さあ?どうでしたかね?」
霊夢「正直なところ、あいつの影響もあったんじゃない?」
魔理沙「……まあ、無きにしも非ずだな。魔法使いに憧れて、魅魔様に弟子入りしたわけだし」
霊夢「その頃はまだ、男勝りな性格じゃなかったわね。うふふの三段笑いもしてたし」
魔理沙「お、おい…その頃の話をするなよ…」
早苗「その話、詳しく」
涼花「同じく」
ゆーちゃん「すー……」
魔理沙「ほら見ろ、厄介な奴らが食いついてきたじゃないか。一人寝てるし」
霊夢「あれは、私と魔理沙が初めて出会った時の話よ」
魔理沙「いいよその話は…」
霊夢「あら、良いの?」
魔理沙「マジで勘弁してください…」
早苗「では、後日改めて伺います♪」
魔理沙「本当にお前は……」
早苗「もう、そんな怖い顔しないでください。冗談ですよ、冗談♪」
魔理沙「だと良いんだがな…」
霊夢「ところで、ついに二人共静かになったけど、どうするの?」
涼花&ゆーちゃん「すー……すー……」
魔理沙「このまま寝かしておけば良いんじゃないか?」
霊夢「誰が面倒見るのよ」
魔理沙「それは勿論霊夢だろ?」
霊夢「あんたを永遠に寝かしつけてやろうか?」
魔理沙「じ、冗談だぜ…」
早苗「とりあえず起こしてあげましょう」
長くて分からない話は苦手です
おかげでぐっすり寝てしまいました
涼花「ごめん、話が長くてつい…」
ゆーちゃん「んん〜…よく寝た」
霊夢「あの短時間でよくもまあ…」
早苗「学校でも居眠りとか…してないですよね?」
ゆーちゃん「学校?なんで?」
早苗「ほら、先生の話とか眠くなりません?」
ゆーちゃん「先生の話は分かるから眠くならないよ?」
魔理沙「そもそものところで出来が違うんだな。そして早苗は、学生時代に居眠りをしていたと露呈したも同然だな」
早苗「…はっ!い、いや、その…」
魔理沙「これは、しばらく話のネタに尽きないな」
早苗「うぅ…」
霊夢「涼花ちゃんは?慧音が先生だからまさかとは思うけど、居眠りとかしてないでしょうね?」
涼花「し、してない…よ?」
霊夢「なんで言葉が詰まるのよ?」
ゆーちゃん「涼花ちゃん…」
涼花「だ、大丈夫!本当に居眠りはしてないから!……頭突きが怖いし……ねえ、この話はもうやめよう?」
早苗「そうですね…誰も得をしませんし」
魔理沙「私は得をした。話のネタを仕入れることが出来たからな」
早苗「あ、それを言えば私だって、魔理沙さんの過去を少しは知ったわけですし、詳しいことは霊夢さんに聞けば良いわけですから……これでおあいこって事にしません?」
魔理沙「…まあ良いだろう」
早苗「さて、お二人さん。次はどこに行きましょうか?」
涼花「う〜ん…紅魔館かな?」
ゆーちゃん「こうまかん?」
早苗「仔馬はいませんよ」
魔理沙「お前は何を言っているんだ…」
涼花「湖の畔にある紅い館。ちょっと遠いけど、飛んでいけばすぐだし」
早苗「でも、いくら子供とは言え、二人を連れて飛ぶのは…」チラッ
涼花「だよね…そうだよね…」チラッ
魔理沙「……ん?わ、私か?」
涼花「ね?お願い♪」
魔理沙「嫌だよ面倒臭い」
霊夢「連れていってあげれば?どうせ暇なんでしょ?」
魔理沙「お前は……はぁ…分かったよ。その代わり、行きだけだぞ?」
涼花「やった♪魔理沙お姉ちゃん大好き♪」
魔理沙「はいはい。それじゃあ、さっさと行くぞ」
早苗「では、私が至音ちゃんを」
魔理沙「私が涼花ちゃんだな」
早苗「それでは至音ちゃん、私にしっかりつかまってくださいね」
ゆーちゃん「う、うん……で、でも、本当に飛べ…きゃっ!」
早苗「さあ、行きますよ」
空を飛ぶ……それは、飛行機に乗るよりも爽快で、ちょっぴり怖かったです
でも、早苗さんの背中に掴まっていると、不思議と怖さも和らいできました
そして、空から眺める幻想郷は……とても美しい光景でした
早苗「至音ちゃん、大丈夫ですか?」
ゆーちゃん「うん、平気だよ」
魔理沙「イヤッホー!」
涼花「ま、魔理沙お姉ちゃん…は、速いよ…もうちょっとゆっくり…」
魔理沙「あ?風が強いから何言ってるか聞こえないぜ♪」
早苗「あらあら…」
魔理沙「この程度のスピードで音を上げるなんて、だらしがないぜ?」
涼花「む、無茶言わないでよ…」
魔理沙「…なあ」
涼花「なに…?」
魔理沙「あの至音って子、どんな子なんだ?」
涼花「…とても優しいよ。それに、勉強が好きで本もよく読んでるから、けっこう物知りだね」
魔理沙「ふ〜ん。他には?」
涼花「他?」
魔理沙「ほら、あの子も涼花ちゃんみたいに胸好きだとか、そう言うことだ」
涼花「わたしみたいにってどういう意味かな?」
魔理沙「とぼけるなよ」
涼花「……ゆーちゃんに限ってそれは無いよ」
魔理沙「そうか。何しろ涼花ちゃんの友達だからな。変な癖でもあるのかと思ってたぜ」
涼花「なんか引っ掛かる言い方…」
魔理沙「引っ掛かるように言ったからな。それに、自業自得だ」
涼花「むぅ……」
早苗「まったく…魔理沙さん速すぎですよ…もう見失いそう。でも、行き先は紅魔館ですし、こっちはこっちでゆっくり行きましょう」
ゆーちゃん「うん。…ねえ、早苗さん」
早苗「うん?どうしました?」
ゆーちゃん「幻想郷の人達って、みんな空を飛べるの?」
早苗「飛べるのは妖怪達と、ごく一部の人間だけですよ。人間も大体は、人間離れした能力の持ち主ですね」
ゆーちゃん「そうなんだ。ちょっと残念」
早苗「え?」
ゆーちゃん「だって、みんなみたいに飛べたら、どんなに素敵だろうって思ったから」
早苗「ふむ……まあ、至音ちゃんや涼花ちゃんのような普通の女の子でも、修行次第では飛べないことも無いでしょうけど……それこそ、十年二十年の修行になってしまいますね」
ゆーちゃん「やっぱり、そんなに簡単な事じゃないんだね」
早苗「特に魔理沙さんは、魔法使いになってから飛べるようになったらしいですし、霊夢に至っては元々飛ぶことすら出来ず、何かに乗って飛んでいたとか…皆さん、陰ながら努力されているんですね」
ゆーちゃん「そうだね」
早苗「…見えてきましたよ。あれが紅魔館です」
湖の畔に建つ真っ赤な洋館
これが、紅魔館のようです
今までの里の雰囲気から一転して、ここだけ見ると西洋に来てしまったような、そんな感覚になりました
そんな素敵な場所でしたが、どこか妖しさも放っているような…少しだけ、背筋が寒くなりました
紅魔館
魔理沙「遅いぞ」
早苗「魔理沙さんが速すぎるんです」
魔理沙「これでも合わせてやった方だぜ?さて、約束通り行きだけだ。帰りは何とかするんだな。じゃあな」
涼花「魔理沙お姉ちゃんありがとう♪」
涼花「あ、美鈴お姉ちゃん♪」
美鈴「すー……すー……」
早苗「…お休み中のようですね。今の内に、中に入ってしまいましょう」
ゆーちゃん「え…でも、良いのかな?」
早苗「いつものことですし、大丈夫ですよ」
涼花ちゃんも早苗さんも気にせず通ってしまったので、本当にいつものことみたいです
シエスタ中の門番さんには申し訳ないと思いながら、私も涼花ちゃん達に続いて外門をくぐりました
門から続く石畳の道、その先に建つ紅い館
空から見たときよりも素敵なその館でしたが、やっぱり背筋が寒くなります……
紅魔館 エントランス
扉をくぐると、羽根の生えた小さな女の子達が忙しなく動き回っていました
ゆーちゃん「あれは?」
早苗「あの子達は妖精メイドさんですね。紅魔館の雑務をこなしています。大半はサボっていますが…」
ゆーちゃん「妖精?本物の?」
早苗「はい。妖精は幻想郷ではそこら中に居ます。それを、紅魔館の主であるレミリアさんが低賃金で雇用して、館の掃除やら何やらをさせているみたいです」
ゆーちゃん「…メイドさんより、妖精さんが普通に居ることに驚いてる」
早苗「幻想郷には、妖精に妖怪、悪霊に亡霊、悪魔に神様等々、御伽噺の登場キャラクターが普通に生活している世界ですからね。私も幻想郷に来たばかりの頃は、妖怪達が普通に居ることに多少驚いたものです」
ゆーちゃん「…ちなみに、ここの主って?」
早苗「レミリア・スカーレットさん。種族は吸血鬼です」
ゆーちゃん「き、吸血鬼!?」
……悪寒の正体が、何となく分かった気がしました
早苗「それにしても、涼花ちゃんはどこに行ってしまったのでしょう……」
ゆーちゃん「吸血鬼に食べられちゃったとか……」
早苗「それなら大丈夫です。レミリアさんは小食で、相手が死ぬまで血を吸うわけではありません。そもそもレミリアさん自身、涼花ちゃんの事を気に入っているみたいですから。間違っても、手を出すようなことはしないはずです」
ゆーちゃん「………」
咲夜「あら、早苗じゃない」
早苗「あ、咲夜さん。お邪魔してます」
ゆーちゃん「………」
早苗「大丈夫ですよ。この方は人間です。この紅魔館のメイド長、十六夜咲夜さんです」
咲夜「あら…随分と可愛らしいお客様ね」
ゆーちゃん「ど、どうも……」
早苗「この子は、涼花ちゃんのお友達の雪柳至音ちゃんです」
咲夜「ああ、貴女が…涼花ちゃんから話は聞いているわ」
ゆーちゃん「………」
咲夜「……?」
早苗「ここが吸血鬼の館だと聞いて、ちょっと怖がっているみたいです」
咲夜「まあ、普通の反応よね。涼花ちゃんや貴女達も、もう少し緊張感と言う物を持ってもよかったと思うの」
早苗「緊張感よりも、本物の吸血鬼に会えるというワクワクの方が強かったですね」
ゆーちゃん「あ、あの…」
咲夜「うん?」
早苗「…ああ、そうだった。涼花ちゃんはどこに?先に来てるはずなんですが…」
咲夜「涼花ちゃんなら、お嬢様の部屋にいらっしゃいますよ。どうぞ、涼花ちゃんのお友達なら歓迎いたしますわ」
館の中は薄暗く、不気味さを漂わせていました
私ははぐれないように、早苗さんの袖に掴まりながら歩いていました
咲夜「こちらです」
咲夜さんが扉を開けると、紅いようなピンク色のようなドレスを着た小さな女の子と、その子と楽しそうにお話をしている涼花ちゃんがいました。
涼花「あ、早苗お姉ちゃん、ゆーちゃん。やっと来たね」
早苗「涼花ちゃん、よく迷わずに来れますね」
涼花「何度も来てるから」
レミリア「そこの女の子が、さっき話してた?」
涼花「うん。わたしのお友達の、ゆーちゃんだよ」
ゆーちゃん「ゆ、雪柳至音です」
レミリア「はじめまして。私はレミリア・スカーレット。この紅魔館の主よ」
ゆーちゃん「え……と言うことはつまり……」
早苗「ええ。吸血鬼ですよ」
ゆーちゃん「こ、こんな子供なのに?」
レミリア「………」ピクッ
咲夜「お、お嬢様、落ち着いてください」
早苗「し、至音ちゃん、すぐに謝ってください」
ゆーちゃん「え?あ、ご、ごめんなさい!」
レミリア「……まあ良いわ。初対面だし、私の事を知らなかったのだし、仕方のないことだわ。でも、今度からは気を付けなさい?」
早苗「見た目や年齢に関しては、口に出さない方が良いでしょう…何しろレミリアさんは、こう見えて500年以上生きているんですから」
ゆーちゃん「ご、500年!?」
早苗「幻想郷はそう言う方達ばかりなので、特に気を付けてくださいね?」
ゆーちゃん「う、うん…分かったよ」
早苗「まあ、今はこんな感じですが、普段は子供っぽい性格なので、あまり気にしないでください」
レミリア「子供っぽいってゆーな!」
ゆーちゃん(あ、ほんとだ。子供っぽい)
吸血鬼と聞いて最初は怖かったけど、話してみると結構良い人(吸血鬼)みたいでした
子供っぽいとか言うと怒るみたいですが、怒った姿も子供っぽい、何とも不思議な方でした
レミリア「あ、咲夜。パチェとフランも呼んで。ちょっとしたミニパーティーでも開きましょう」
咲夜「パチュリー様は分かりますが、妹様もですか?」
レミリア「ええ。あの子にも、外の世界の話を聞いてもらいたいからね。それに、もしもの時は全員で押さえれば何とかなるでしょ」
咲夜「はあ……分かりました」
ゆーちゃん「レミリアさん、妹がいるの?」
レミリア「ええ、フランドールと言うの。あの子は外を知りたがっていたし、良い機会だと思ってね」
ゆーちゃん「全員で押さえるとか言ってたけど?」
早苗「フランさんは破壊衝動が強すぎて何でも破壊しようとしてしまう、ちょっぴりおてんばな所があるんです」
ゆーちゃん「ちょっぴりじゃないよそれ…」
レミリア「でも、昔に比べれば可愛いものよ」
涼花「霊夢お姉ちゃんと魔理沙お姉ちゃんに会ってから変わったって言ってたね」
ゆーちゃん「…霊夢さんと魔理沙さん、どこに言っても名前を聞くよね」
早苗「それはそうですよ。だってお二人とも、過去に何度も幻想郷の異変を解決されていますから。実は有名人なんですよ?」
ゆーちゃん「そうだったんだ」
パチェ「レミィ、来たわよ」
小悪魔「あの…なんで私まで?」
レミリア「パチェ、いらっしゃい」
小悪魔「あ、可愛い♪」
パチェ「その子は?」
レミリア「紹介するわ。こちら、涼花ちゃんのお友達の、雪柳至音ちゃんよ」
ゆーちゃん「至音です。よろしくお願いします」
小悪魔「よろしくね♪」ナデナデ
ゆーちゃん「ん…エヘヘ♪」
パチェ「よろしく」
レミリア「至音ちゃん、こっちの紫もやしがパチュリー・ノーレッジ。紅魔館の大図書館の主よ」
パチェ「む、紫もやし……」
小悪魔「……クスッ」
レミリア「で、そっちのが大図書館の司書、小悪魔よ」
ゆーちゃん「小悪魔?」
早苗「こっちも本物ですよ」
ゆーちゃん「…パチュリーさんは?」
早苗「彼女も妖怪の類。種族で言うと魔女ですね」
ゆーちゃん「この人が…」
パチェ「紫もやしについては後でゆっくり話すとして…パーティーをやると聞いたけど、この子達はお酒を飲めないんじゃない?」
レミリア「何とかなるわ」
パチェ「何とか…ねぇ…あんたの思い付きは行き当たりばったりな所があるから不安だわ」
レミリア「思い付きってそんなものでしょう?」
パチェ「まあ、何が起きても私は関係ないから」
涼花「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。私達はお酒が出ても近付かないから」
レミリア「そう言えば、早苗もお酒飲めないのだったわね」
早苗「え、ええ…飲んだ後は記憶が無くて、何だか大変な事をしでかしているみたいで…」
レミリア「それはそれは…逆に泥酔するまで飲ませてみたいわね」
パチェ「悪ふざけも大概にしないと、後で後悔するわよ」
フラン「お姉さまー!」
レミリア「ぐはっ!」
ゆーちゃん「な、なに!?」
レミリア「フ、フラン…お願いだから、突撃はやめて…」
パチェ「紹介するわ。この方がフランドール・スカーレット。レミィの妹よ。妹様、こちら、涼花ちゃんのお友達の…」
ゆーちゃん「あ、雪柳至音です」
フラン「ふ〜ん、涼花ちゃんの…。私はフランドール・スカーレット。フランって呼んで」
ゆーちゃん「はい、フランさん」
フラン「フランさん……まあ良いわ」
涼花「ゆーちゃんは、外の世界に住んでるの。今は夏休みでこっちに来てるんだ」
フラン「外の世界か…」
レミリア「貴女も、外の世界の話に興味があるでしょ?」
フラン「なるほど。だから私を呼んだんだね」
レミリア「そう言う事よ」
フラン「…一応確認するけど、至音ちゃんって人間?」
ゆーちゃん「う、うん、そうだけど…」
フラン「……ジュルリ」
ゆーちゃん「!?」
レミリア「フラン、この子は駄目よ」
フラン「分かってる分かってる。冗談だよ、冗談♪」
早苗「フランさんのは冗談に聞こえませんよ…」
咲夜「失礼します。お嬢様、パーティーの準備が整いました」
レミリア「ありがとう、咲夜。それじゃあ、早速移動しましょう」
紅魔館 大広間
咲夜さんに案内され、大広間にやってきました
テーブルの上には様々な料理が並んでいて、とても美味しそうです
さっき見掛けた妖精さん達が、バイオリンやら何やらでBGMを演奏してくれていて、雰囲気も良い感じ
ゆーちゃん「わぁ〜♪おいしそう♪」
咲夜「私が腕によりをかけて作りました」
早苗「咲夜さんの料理はいつ食べても美味しいですね」
涼花「ねえ、これは?見た事ない料理だけど」
咲夜「ああ、それは……お嬢様専用です。何かは聞かない方が良ろしいかと」
早苗「あ、そっち系ですか」
ゆーちゃん「そっち系?」
パチェ「聞いたら夜眠れなくなるわよ」
ゆーちゃん「……私、何となく分かっちゃったかも……」
レミリア「あまり怖がらせないの。安心して?これは納豆を使った料理だから」
ゆーちゃん「な…納豆?」
フラン「お姉さまは納豆が好きなの。でも、いくら好物だからと言って、料理に混ぜたり、納豆の料理を作らせるのはどうかと思うよ?」
レミリア「美味しいもの+美味しいもの=美味しいものなのよ!」
パチェ「それで何度も失敗してるくせに、よく言うわ」
レミリア「うぐ……」
小悪魔「ま、まあまあ…今はパーティー中ですからその辺で…」
パチェ「…それもそうね」
ゆーちゃん「そう言えば、さっき咲夜さんが腕によりをかけて作ったって言ってたけど、これ全部作ったの?」
咲夜「ええ。妖精メイド達に手伝わせると、つまみ食いをしたりサボったりで捗らないから、料理に関してはほとんど私が作っていますわ」
ゆーちゃん「す、すごい……あ、じゃあ今度、料理を教えてもらっても良いですか?」
咲夜「ええ。簡単なものならね」
ゆーちゃん「やった♪ありがとう、咲夜さん♪」
咲夜「……貴女、本当に可愛いわね…涼花ちゃんとはまた違った可愛さだわ」
ゆーちゃん「ど、どうも…」
早苗「ちょっと咲夜さん?至音ちゃんに手を出しちゃ駄目ですよ?」
咲夜「手を出すって…私は純粋に感想を述べたまでよ?」
早苗「またまた、そんな事言って〜♪後でいただこうとか思ってたんじゃないんですか〜?」
咲夜「言っておくけど、私はお嬢様一筋よ?貴女こそ、そんな事を言うって事はその気があるのではなくて?」
早苗「……ふふ♪おませさんは好きですよ♪」
ゆーちゃん「な、何の話をしてるの?」
パチェ「貴女にはまだ早いお話よ。毒されない内に、向こうに行きましょう」
ゆーちゃん「???」
何だかよく分からなかったけど、パーティーはとても楽しかったです
レミリアさんやフランさんの事、パチュリーや小悪魔さんの魔法に関するお話、シエスタ中だった美鈴さんのサボリ癖や、咲夜さんのタネ無しマジック等々……とても楽しく、不思議で、素敵な時間が流れていきました
そして、楽しい時間というものはあっという間に過ぎてしまうもので……
早苗「……あら?もうこんな時間」
咲夜「そう言えば貴女達は、至音ちゃんに幻想郷を案内している途中でしたわね」
レミリア「あら、そうだったの?でも、もう夜になるわ。早苗の強さはある程度認めてはいるけど、夜は妖怪の時間。魑魅魍魎が跋扈する道を、子供二人を守りながらでは、流石に危険ではなくて?」
早苗「むぅ…確かに…。飛んでいければ弾幕も張れますが、二人を抱えて飛ぶのは無理ですし…かと言って地上で歩いていくとなると、二人を守りながら戦うのは厳しいかもしれませんね…」
レミリア「だったら、今夜はここで泊まっていけばいいわ」
早苗「…どうします?」
涼花「わたしは大丈夫だよ」
ゆーちゃん「……私も大丈夫」
早苗「至音ちゃん、本当に大丈夫ですか?怖かったら、無理にとは言いませんよ?」
ゆーちゃん「ううん、平気だよ。ここの人達が良い人だって分かったし」
早苗「そうですか…」
レミリア「では、このままパーティー続行ね。夜はまだまだこれからよ♪」
フラン「やった♪もっともっと、外の世界のお話を聞かせてね♪」
まさか、吸血鬼の館にお泊まりするなんて、思いもしていませんでした
本当は怖いけど、涼花ちゃんと早苗さんもいるし…たぶん大丈夫だと思います
フラン「へぇ〜、外の世界のお菓子って、色んな種類があるんだね」
レミリア「幻想郷でも、そう言うお店が出来ないかしらね?」
小悪魔「私としては、自動的に掃除をしてくれる機械が気になります。それがあれば、図書館の掃除も捗ると思いますし」
パチェ「あら、そんな物でサボらせないわよ?」
小悪魔「あぅ……」
咲夜「はい、皆様お楽しみ中の所申し訳有りません」
レミリア「なによ、今良いとこなのよ?」
咲夜「お風呂が沸いております。もう良い時間ですし、そろそろお風呂に入られては如何かと」
ゆーちゃん「お風呂か…いただきたいけど…」
涼花「ここのお風呂は大浴場があるから、遠慮しなくて良いと思うよ?」
ゆーちゃん「涼花ちゃんはもう少し、遠慮することを覚えた方が良いと思うよ…」
レミリア「私も久々に、大浴場に入ろうかしら」
早苗「では、皆さんで一緒に入りませんか?」
パチェ「……たまには良い……のかしら?」
ゆーちゃん「あ、でも着替えが……」
咲夜「来客者用のパジャマがありますから、大丈夫ですよ」
ゆーちゃん「でも…なんだか悪いような…」
咲夜「他の皆さんはノリノリですけど?」
涼花「お風呂〜♪」
早苗「紅魔館のお風呂…楽しみです♪」
ゆーちゃん「早苗さんまで……まあいいか」
紅魔館 大浴場
大きな館だけあって、お風呂もとても豪華でした
普段は妖精さんくらいしか使っていないみたいで、皆さんに入ってもらえて嬉しいと咲夜さんが言っていました
他のみんなはどこでお風呂に入っているのか聞くと、それぞれの部屋に備え付けのお風呂があるみたい
だからここは、妖精さん専用と言っても過言ではないと言っていました
立派な装飾に紛れて悪魔のような石像も有ったけど、それは見なかったことにします
早苗「はぁ〜♪生き返る〜♪」
ゆーちゃん「妖精さん、レミリアさんが入ってきてビックリしてるみたいだね」
パチェ「仕方がないでしょ。妖精から見れば、とても気まずい状況よ?」
レミリア「貴女達、安心して良いわ。ゆっくり浸かりなさい」
小悪魔「と言う声も、緊張のあまり届いていないみたいですね」
ゆーちゃん「…あの妖精さん、さっきバイオリンを弾いてた子だ」
涼花「わかるの?」
ゆーちゃん「うん。ほら、そっちの妖精さんは食器を片付けてた子で、向こうの妖精さんはエントランスで会った子」
レミリア「貴女…凄いわね」
ゆーちゃん「そんなに驚く事なのかな?」
パチェ「紅魔館の住人は、妖精の見分けなんかついてないからね。見た目ではほとんど分からないし。もちろん、私や咲夜も見分けはついてないわ」
レミリア「数が多すぎるから、いちいち見分けようとも思わないわね」
ゆーちゃん「…なんだか可哀想」
パチェ「そんなものなのよ、妖精って」
フラン「やっほー♪大きなお風呂だー♪」バシャバシャ
レミリア「ちょ、ちょっとフラン!?お風呂で泳がないの!」
涼花「ゆーちゃん、背中流しっこしよ♪」
ゆーちゃん「あ、うん」
早苗「レミリアさん。ちょっと質問が」
レミリア「なに?」
早苗「吸血鬼って、流れ水を渡れないと聞いたのですが」
レミリア「そうよ。私達の弱点の一つね」
早苗「お風呂は平気なんですね」
レミリア「お風呂に水流は無いからね」
早苗「体を洗うときはどうするんですか?」
レミリア「どうって…普通によ?」
早苗「体を流すときは?」
レミリア「いつも地獄のような思いよ。だから普段は、浴槽の中で体を洗っているわ」
早苗「なるほど…」
パチェ「洗わせているの間違いでしょう?」
レミリア「流石にそこまで手間をとらせないわよ…お風呂くらいは、ゆっくりしたいからね」
早苗「そう言えば、咲夜さんの姿が見えませんね」
パチェ「あの子は、館の雑務が終わってから入るから、いつも明け方ね」
早苗「一緒に入りたかったのに残念です…」
ゆーちゃん「ん〜、気持ちいい〜♪次は私が流してあげるね」
涼花「うん、ありがとう♪」
美鈴「〜♪」
涼花「あ、美鈴お姉ちゃん♪」
美鈴「あれ?涼花ちゃん。…え?パチュリー様に妹様…お嬢様まで!?…い、一体どうしたんですか!?」
レミリア「この子達が館に来たから、ミニパーティーを開いたの。で、夜も遅くなってきたから、今日はうちで泊まるらしいわ。それで、たまには皆でお風呂って事になったのよ」
美鈴「そ、そうでしたか…」
フラン「め・い・り・ん〜♪」
美鈴「い、妹様!お風呂でそれは危なぎゃー!」
美鈴「いたた……」
パチェ「貴女…よく痛いで済むわね…」
美鈴「頑丈さだけが取り柄ですから♪」
パチェ「言ってて悲しくならないの?」
美鈴「そんな事より、涼花ちゃんと一緒にいる子は誰ですか?」
パチェ「あの子は、涼花ちゃんの友達の雪柳至音ちゃんよ。夏休みの間、幻想郷に来てるらしいわ」
美鈴「へえ。と言うことは、普段は外の世界に?」
パチェ「そうみたいね。……って、貴女門番でしょ?あの子達が紅魔館に入るときに会わなかったの?」
美鈴「へ?あ、いや…その……」
パチェ「…また、サボって居眠りしてたわね?」
美鈴「お、お願いです!お嬢様と咲夜さんには言わないでください!」
パチェ「小悪魔、どう思う?」
小悪魔「え!?わ、私にふらないでくださいよ!」
パチェ「貴女の返答次第だったけど仕方がないわね。大人しくお仕置きを受けておきなさい」
美鈴「そ、そんな……」
レミリア「何を騒いでいるの?」
美鈴「な、何でもないですっ!」
パチェ「あらあら…」
レミリア「…何だったの?」
パチェ「さあ?」
レミリア「そう言えばさっき、お仕置きがどうのと聞こえたけど?」
パチェ「気のせいじゃない?」
レミリア「そうかしら…?まあ良いわ。私はそろそろ上がるわね」
パチェ「もう?もう少しゆっくりしていけばいいじゃない」
レミリア「あの子達と、もっとお話をしたいのよ」
パチェ「随分と気に入ったみたいね」
レミリア「涼花ちゃんも楽しい子だけど、あの至音と言う子も、涼花ちゃんとはまた違った良さがあるからね」
パチェ「確かに、ある意味涼花ちゃん以上に不思議な子よね」
レミリア「だから、興味が尽きないのよね。外の世界の話も面白いし」
パチェ「あんまり無理させて、夜更かしさせちゃ駄目よ?あの子達はまだ子供なんだから」
レミリア「分かってるわよ」
早苗「さて、そろそろ上がりますか。涼花ちゃん、至音ちゃん、あまり長く浸かってるとのぼせちゃいますよ?」
涼花「うん、わたしもそろそろ上がるよ」
至音「私も」
お風呂から上がった後はレミリアさんのお部屋に呼ばれて、夜遅くまでお話をしていました
レミリアさんもフランさんも、とても楽しそうに聞いてくれて、話しているこっちも楽しいです
でも、あんまり夜遅くまでお話をしていたから…
涼花「……」ウトウト
ゆーちゃん「ん〜……」ウトウト
フラン「…あれ?涼花ちゃん、至音ちゃん」
涼花「あ、ご…ごめん…」
ゆーちゃん「ふわぁ〜……」
早苗「あら、もうこんな時間。そろそろ寝ないと、明日に響きますね」
レミリア「もっと色々な話を聞きたかったけど…」
フラン「涼花ちゃんと至音ちゃんを見てたら、私も眠くなっちゃった」
レミリア「じゃあ、ここでお開きにしましょう。お休み、涼花ちゃん、至音ちゃん」
ゆーちゃん「おやすみなさい」
涼花「おやすみ〜」
私達は二階の一室に案内されました
大きなベッドに豪華な装飾…ちょっと落ち着かないけど、涼花ちゃんは気にしていないみたい
何度もここに来てると言っていたから、もう慣れてしまっているのかもしれません
涼花「んん〜…ふかふか〜♪」
早苗「私は隣の部屋に居ますから、何かあったら言ってくださいね」
涼花「うん、ありがと」
色々なお話をして、有る程度は慣れたつもりでいましたが…やっぱり雰囲気は怖いもので…
ゆーちゃん「…涼花ちゃん」
涼花「うん?」
ゆーちゃん「あ…その…髪、梳かして欲しいなって。ほ、ほら、お風呂上がってから、ちゃんと梳かしてなかったから…」
涼花「そう言えば私も梳かしてなかったな…じゃあ、後でわたしもお願いしてもいいかな?」
ゆーちゃん「うん」
涼花「ゆーちゃんの髪はいつ見ても、真っ白で綺麗だよね」
ゆーちゃん「私の自慢だから」
涼花「そっか。……はい、終わったよ」
ゆーちゃん「ありがと。次は涼花ちゃんの番だね」
ゆーちゃん「……涼花ちゃん、髪伸びたね」
涼花「ん、そうかな?」
ゆーちゃん「うん。これだけ伸びると、髪を縛るの大変じゃない?」
涼花「ん〜…まとめる時が大変なだけかな」
ゆーちゃん「ふ〜ん。…私も縛ってみようかな?」
涼花「あ、良いんじゃないかな?元々縛ってたんだし」
ゆーちゃん「そうだね。……はい、終わり」
涼花「ありがと♪じゃあ、そろそろ寝よっか」
ゆーちゃん「うん。でも、一つのベッドで一緒に寝るの?」
涼花「こんなに大きいんだから、一人で使ったら勿体ないよ」
ゆーちゃん「そ、そう言う問題なのかな?」
涼花ちゃんの考え方のズレは幻想郷の生活によるものなのかな?
でも、一緒に寝ると言う意見には大賛成です
だって…怖いから…
涼花「じゃあ、明かり消すよ?」
ゆーちゃん「う、うん…おやすみ…」
涼花「おやすみ」
明かりが消えて、窓から月明かりが射し込んできました
月明かりに照らされた部屋の中は、正直不気味さを漂わせていました
怖くてなかなか寝付けません…
ゆーちゃん「………」
涼花「すー……すー……」
ゆーちゃん(…早いなぁ…もう寝てる)
涼花ちゃんの寝顔を見てたら、少し安心しました
今なら眠れる…そう思って目を閉じたのに…
ゆーちゃん(…おトイレ行きたい…)
寝る前に行っておかなかった私への天罰です…
涼花ちゃんはもう寝ちゃってるし、起こすのも可哀想だし…
ゆーちゃん(…早苗さん、まだ起きてるかな?)
私は涼花ちゃんを起こさないようにベッドから抜け出し、早苗さんの部屋に向かいました
ゆーちゃん「さ、早苗さん、まだ起きてますか?」
早苗「あれ?至音ちゃん。どうしました?」
ゆーちゃん「そ、その……」モゾモゾ
早苗「……ああ、お手洗いですね?」
ゆーちゃん「う、うん……」
早苗「分かりました、一緒に行きましょう」
早苗さんが起きていて、本当に良かったです…
私は、早苗さんの袖に掴まりながらトイレに向かいました
早苗「さあ、着きましたよ」
ゆーちゃん「ありがとう…何だかごめんなさい…」
早苗「いえいえ♪これくらい、おやすいご用ですよ♪」
ゆーちゃん「じ、じゃあ、すぐ済ませてくるから、そこに居てね?」
早苗「怖いのなら、一緒に入ってあげましょうか?」
ゆーちゃん「い、いいよ、ひとりで大丈夫だから」
早苗「そうですか…残念」
ゆーちゃん「へ?」
早苗「あ、いえいえ、何でもありませんよ♪さあ、早くしないと」
ゆーちゃん「そ、そうだった。じゃあ、すぐに戻ってくるから」
早苗「はいはい(はぁ…すっごく可愛い)」
ゆーちゃん「早苗さん、お待たせ」
早苗「大丈夫でしたか?」
ゆーちゃん「うん」
早苗「それじゃあ戻りましょう」
何事もなく用を済ませ、私は早苗さんにお礼を言ってから部屋に戻りました
ゆーちゃん(早苗さんが居て、本当によかった…)
涼花「ん……あれ?ゆーちゃん…どこか行ってたの?」
ゆーちゃん「ちょっとおトイレに…」
涼花「そっか。ふわぁ〜…」
ゆーちゃん「起こしちゃってごめんね?」
涼花「ううん、大丈夫だよ」
怖さもいくらか和らいで、私は涼花ちゃんに寄り添うようにして、眠りにつきました
つづく