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ゆーちゃんの幻想郷滞在記 ふつかめ
翌日
涼花「んん〜……よく寝た」
ゆーちゃん「おはよう、涼花ちゃん」
涼花「ゆーちゃんおはよう」
ゆーちゃん「…あれ?」
何とはなしにチェストの方を見てみると、チェストの上には昨日着ていた服が畳んで置いてありました
涼花「咲夜お姉ちゃんが持ってきてくれたんだね」
ゆーちゃん「…一晩でどうやって乾かしたんだろ?」
涼花「咲夜お姉ちゃんなら、このくらい朝飯前だよ」
ゆーちゃん「???」
後で聞いた話だけど、咲夜さんは時間を操る事が出来るそうで、その力のおかげで洗濯物もすぐに乾いてしまうとか
咲夜「失礼します」
涼花「咲夜お姉ちゃんおはよう」
ゆーちゃん「おはようございます」
咲夜「おはようございます。朝食の準備が整いましたので、お着替えを済ませてから食堂へお越しください」
涼花「昨日から思ってたんだけど、そんなにかしこまらなくても良いんじゃないかな?私と咲夜さんの仲なんだし」
咲夜「今はお客様ですから。では、後程」
私達は着替えを済ませて、食堂へと向かいました
朝日の差し込む紅魔館は、昨日のような不気味さはありませんでした
いつもこうなら、私もここが好きになれるのに…怖くて不気味なのはやっぱり嫌いです…
紅魔館 食堂
早苗「涼花ちゃん、至音ちゃん、おはようございます」
涼花「おはよう」
ゆーちゃん「おはようございます」
早苗「昨夜はよく眠れましたか?」
涼花「ふかふかのベッドだったからぐっすり♪」
ゆーちゃん「私もよく眠れました」
パチェ「おはよ…」
早苗「パチュリーさん、おはようございます」
涼花「おはよう」
ゆーちゃん「おはようございます」
パチェ「……ふわぁ〜……」
早苗「あら?寝不足ですか?」
パチェ「遅くまで本を読んでるから……いつもこんな感じよ……ふわぁ〜……朝食を食べたら……もう一眠りするわ……」
早苗「健康に良くないですよ?」
パチェ「どうせ私は不健康よ」
咲夜「パチュリー様、おはようございます」
パチェ「おはよ……小悪魔の姿が見えないけど…どこに行ってるか知らない?」
咲夜「小悪魔さんなら、もう朝食を済ませて戻られましたよ」
パチェ「…入れ違いになっちゃったのかしら……まあいいわ……ふわぁ〜……」
早苗「パチュリーさん…話す度に欠伸をするの、やめてもらえません?」
パチェ「仕方がないじゃない…眠いものは眠いんだから……ふわぁ〜……それより咲夜、早く朝食にしてほしいのだけれど?」
咲夜「分かりました。すぐにお持ちします。皆さんの分もお持ちしますね」
咲夜「お待たせいたしました」
ゆーちゃん「和食?」
パチェ「レミィが納豆好きだからって理由で、たまに和食になるのよね…嫌いじゃないから良いけど」
ゆーちゃん「そう言えば、レミリアさんとフランさんは?まだ起きてないの?」
咲夜「お嬢様と妹様なら、先程お休みになられました」
ゆーちゃん「え?」
早苗「お二人とも吸血鬼ですから、朝に寝て夜に起きるんですよ」
ゆーちゃん「あ、そっか…吸血鬼って、日の光が駄目だもんね」
早苗「そう言うことです」
ゆーちゃん「う〜ん…パーティーのお礼を言いたかったんだけどな…」
咲夜「私からお嬢様達に伝えておきますので、ご心配なく」
直接言いたかったけど仕方がありません
私達は朝食を済ませ、紅魔館の皆さんにお礼と別れを告げて、紅魔館を後にしました
涼花「んん〜♪今日も良い天気だね♪」
ゆーちゃん「そうだね〜♪」
早苗「さてお二人さん。今日はどこに行きますか?」
涼花「香林堂♪」
ゆーちゃん「香林堂?」
早苗「魔法の森付近にある雑貨屋さんです。涼花ちゃんの好きな人が居るんですよね♪」
涼花「ちょ、言わないでよ…///」
ゆーちゃん「好きな人?」
早苗「その香林堂の店主、森近霖之助さんがまたイケメンなお兄さんで、涼花ちゃんは今片思い中なんですよ♪ね?涼花ちゃん♪」
涼花「あぅ…あぅ…///」
ゆーちゃん「それでデートスポットとか調べたから詳しかったんだね」
涼花「あぅ〜……///」
今までに見た事がないほど顔を真っ赤にしてしまった涼花ちゃん
何だかとても可愛らしい
でもやっぱり、デートとかはまだ早いと思います
場所はそう遠くないみたいなので、香林堂まで歩いていくことになりました
魔法の森
じめじめしていて、昼間なのに日の光が届かない薄暗い森…ここが、魔法の森のようです…
こんな怖そうな森、入りたくありません…
早苗「近道ですし、森を抜けていきましょう」
ですよね…何となく分かってました…
私は怖さから、涼花ちゃんの手を握っていました
涼花「ん?ゆーちゃん?…ひょっとして、怖い?」
ゆーちゃん「……うん」
涼花「大丈夫だよ。変なのは居ないから。もし妖怪が出ても、早苗お姉ちゃんが何とかしてくれるはずだから」
ゆーちゃん「そうは言っても……怖いものは怖いよ……」
涼花「う〜ん……じゃあ、歌を歌いながら行こうか。そうすれば怖くないでしょ?」
ゆーちゃん「うん…そうだね…」
薄暗く不気味な森を、三人で歌を歌いながら歩いていきました
少しは気分が和らいだけど、やっぱり怖いです…
涼花ちゃんには、怖いものが無いのかな?だとしたら、ちょっと羨ましい…
しばらく進むと、森の開けた所に、洋風の邸宅が見えてきました
ゆーちゃん「綺麗な家だね」
早苗「ああ、ここはアリスさんの家ですね」
ゆーちゃん「アリス…さん…?」
涼花「アリスお姉ちゃんは、魔理沙お姉ちゃんのお友達で、異変を一緒に解決した事もあるんだって」
ゆーちゃん「じゃあ、良い人?」
アリス「悪人かもよ?」
ゆーちゃん「きゃあ!」
涼花「あ、アリスお姉ちゃん♪」
アリス「早苗、涼花ちゃん、いらっしゃい。…その子は?」
ゆーちゃん「うぅ……」ブルブル
早苗「涼花ちゃんのお友達の、雪柳至音ちゃんです」
涼花「ゆーちゃん、大丈夫。この人が、さっき話してたアリスお姉ちゃんだよ」
アリス「さっきは驚かしてしまってごめんなさい。アリス・マーガトロイドよ。アリスって呼んで」
ゆーちゃん「ゆ、雪柳至音です…」
アリス「そんなに警戒しないで?とって食べたりしないから。ほら、これ見て?」
上海「シャンハーイ!」フヨフヨ
ゆーちゃん「…あ、可愛い」
アリス「ほら、こんな事も出来るわ」
上海「シャンハーイ!」パタパタ
ゆーちゃん「あはは♪おもしろ〜い♪」
アリス「ふふ♪」
早苗「アリスさんって、子供をあやすの上手ですよね」
涼花「うん、わたしもそう思ってた」
アリス「そこ五月蝿い」
ゆーちゃん「よかった…悪い人じゃないんだ」
早苗「善人とも言えませんけどね」
アリス「あんた達、さっきから小言が五月蝿いわよ?…それで何の用?」
早苗「至音ちゃんに、幻想郷の案内をしているところなんです。昨日は紅魔館にお泊まりして、今日は香林堂に向かうと言うことになりまして…で、今は森を抜けている途中なのです」
アリス「なるほどね。……至音ちゃん…だったかしら?」
ゆーちゃん「は、はい」
アリス「今度来た時は是非立ち寄ってほしいわ。この子以外にも人形はたくさんあるから、貴女にも見せてあげる」
ゆーちゃん「あ、ありがとうございます♪」
アリス「ふふ♪」
早苗「では、そろそろ行ってみましょう」
涼花「アリスお姉ちゃんまたね♪」
ゆーちゃん「バイバイ♪」
アリス「またね」
上海「シャンハーイ♪」
アリスさんはとても良い人でした
また是非、ここに来てみたいと思います
どんなお人形があるのか楽しみ♪
香林堂
涼花「着いたよ。ここが香林堂」
香林堂と書かれたお店の外には、たぬきの置物や道路標識など、私達の暮らしていた世界でよく見かけるものが置かれていました
値札は……付いていないみたいだけど……
涼花「さ、入ろ♪」
涼花ちゃん、本当に楽しそう
霖之助さんに会えるのが楽しみなのかな?
お店の中は、さらに色々な物が並べられていました
どれも外の世界で見かける物ばかりで、何となく居心地は良いです
ただ、どれも少し古いような…?
涼花「霖之助さん♪」
早苗「お邪魔します」
霖之助「いらっしゃい」
ゆーちゃん「こんにちは」
霖之助「おや?君は初めてかな?」
ゆーちゃん「雪柳至音です。涼花ちゃんがいつもお世話になってます」
早苗(何だか…急に饒舌になりましたね…)
涼花(う、うん…)
霖之助「ああ、君が涼花ちゃんの話していた……僕は森近霖之助。この店の店主だ。…一応ね」
メガネでクールなイケメンさん、森近霖之助さん
涼花ちゃんが好きになっちゃうのも分かります
私も好きになっちゃいそう///
霖之助「今日はどんなご用かな?」
早苗「今日はこの至音ちゃんに、幻想郷の案内をしているのです」
霖之助「それでうちに?」
早苗「ここに来たいと言ったのは涼花ちゃんですけどね」
涼花「さ、早苗お姉ちゃん…///」
霖之助「ふむ…まあ、好きに見ていってくれて良いよ。気に入ったものが有ったら言って?」
ゆーちゃん「はい♪」
早苗「…また、品揃えが変わりましたね」
霖之助「ああ、何気に買ってくれる人が居るからね」
早苗「物好きですね」
霖之助「僕もそう思うよ」
ゆーちゃん「あ、これ可愛い♪」
涼花「あ、ほんとだ♪」
早苗「ぬいぐるみまで置いてあるんですね」
霖之助「もともとボロボロの状態だったんだけど、拾ってしまったものは仕方がないと思って、一応修理してみたんだ」
ゆーちゃん「霖之助さんって、手先が器用なんですね♪」
ますます好きになりそうです///
霖之助「まあ、見栄えが良くなる程度だから継ぎ目とかは粗いけどね」
ゆーちゃん「へぇ、良いなぁ」
霖之助「欲しい?」
ゆーちゃん「はい♪あ、でも…お金が…」
涼花「わたしも今は持ってないよ…」
早苗「…仕方がないですね。霖之助さん、いくらですか?」
霖之助「いや、お代はいいよ」
ゆーちゃん「え?でも…」
霖之助「じゃあ、このぬいぐるみと、隣のぬいぐるみ。セットでこの値段でどうだい?」
早苗「安っ!!ほ、本当にこの値段で良いんですか!?」
霖之助「ああ。そうすれば、涼花ちゃんと至音ちゃんでお揃いになるだろ?」
更に好きになっちゃいます///
もうメロメロです///
三人「ありがとうございました♪」
霖之助「近くに来たら、また立ち寄って」
ゆーちゃん「はい、是非♪」
ゆーちゃん「はわぁ〜♪」
早苗「……至音ちゃん?」
ゆーちゃん「ん〜?」
早苗「もしかして霖之助さんの事、好きになっちゃいました?」
涼花「まさかそんな事」
ゆーちゃん「うん♪」
涼花「!?」
早苗「あらあら。確かに、霖之助さんは格好良いですからね」
涼花「…身近なところにライバル出現だよ…」
ゆーちゃん「涼花ちゃんが好きな人を私が好きになっても良いと思うよ?」
涼花「良いのかな?」
早苗「良いんじゃないですか?お二人はまだ子供なんですから」
涼花「むぅ……」
ゆーちゃん「〜♪」
早苗「さあ、次へ行ってみましょう」
ゆーちゃん「次は?」
涼花「冥界」
ゆーちゃん「涼花ちゃんって…露骨に地味ないやがらせするよね…」
早苗「?」
ゆーちゃん「私、おばけが苦手なんだよ?それを知っていながら冥界に行くだなんて…」
早苗「なるほど。ですが、幽々子さんとは会ったことがありますよね?」
ゆーちゃん「うん…」
早苗「それなら大丈夫ですよ♪さあ行きましょう♪」
ゆーちゃん「さ、早苗さん!?放してよぉ!!」
地面がみるみる遠ざかっていきます
行きたくはありませんが…こうなってしまっては仕方がありません
ゆーちゃん「もう……」
早苗「安心してください。冥界とは言っても、怖いおばけは居ませんから」
ゆーちゃん「もういいです、諦めます…。それより、涼花ちゃんは?」
涼花「呼んだ?」
早苗さんの背中からひょっこりと顔を出す涼花ちゃん
ゆーちゃん「そこに居たんだ。…だったら最初から、こうに移動すれば早かったんじゃないかな?」
早苗「この状態だと、妖精や妖怪が攻撃してきた時に対処出来ませんからね」
ゆーちゃん「今は?」
早苗「今はただ上るだけなので大丈夫なんですよ」
ゆーちゃん「ふ〜ん…ところで、冥界ってどこにあるの?」
涼花「ん〜……あ、見えた。あの扉から中に入ると冥界だよ」
ゆーちゃん「……大きいね。閉じてるみたいだけど、どうやって入るの?」
早苗「そうですね…今回は上を通り抜けてしまいましょう」
冥界
魔法陣の描かれた扉を通り抜けると、そこはイメージとは違って綺麗な光景が広がっていました。
桜の木が辺り一面に広がっていて、目の前には階段がありました
一体、何段あるのでしょう?上が見えません…
早苗「ふぅ……さて、次はこれを昇りますよ」
ゆーちゃん「大変そう……」
早苗「安心してください。ここも飛んでいけばすぐですから。では行きましょう」
早苗さんに抱えられ、長い長い階段を昇っていきました。
白玉楼
階段を昇りきると、大きな和風のお屋敷がありました
周りには更に桜の木々が広がっていて、ここが冥界だと言う事を忘れてしまいそうなほど、とても素敵な場所でした
早苗「着きましたよ」
妖夢「誰ですか?」
早苗「よ、妖夢さん、私ですよ」
妖夢「…何だ、早苗さんですか」
早苗「ふぅ…いきなり人に刃物を向けないでください…」
妖夢「癖のようなものですので仕方がありません。貴女は…ゆーちゃんですね?」
ゆーちゃん「は、はい」
妖夢「幽々子様からお話は聞いています。私は魂魄妖夢。この冥界の庭師をしています」
ゆーちゃん「ど、どうも」
妖夢「今日はどの様なご用件で?」
涼花「ゆーちゃんに幻想郷の案内をしているところ」
妖夢「あら、涼花ちゃんも一緒だったんですね。では、こちらへどうぞ。幽々子様も、ゆーちゃんに会いたがっていましたよ」
本音を言うと、私はあまり会いたくありません…
だって、あの人はおばけだから…
白玉楼 廊下
妖夢「確かゆーちゃんは、ここに来るのは初めてですよね?」
ゆーちゃん「は、はい…」
妖夢「おばけが嫌いだと聞いたのですが…よくここまで来ましたね」
ゆーちゃん「涼花ちゃんと早苗さんに無理やり連れてこられました…」
妖夢「ははは…そうでしたか。…実は私も、おばけが苦手でして…」
ゆーちゃん「えっ!?」
妖夢「厳密に言うと、肝試しとか怪談とか…その類が苦手なんです」
早苗「この間の肝試しも、ただ一人怖がっていましたよね」
妖夢「その事は、あまり蒸し返さないでください…」
ゆーちゃん「へぇ…ここに住んでるのに苦手なの?」
妖夢「ここに居るのは霊魂や、絵に描いたような可愛らしいおばけの類ですから。ゆーちゃんが怖がるようなものは居ないので、安心してください」
ゆーちゃん「そ、そうですか。よかった…」
確かに、周りには可愛らしいおばけがフワフワと漂っていました
冥界は、私が思っていたよりも穏やかな場所みたいです
それと、妖夢さんもおばけ嫌いと言うことで、なんだか親近感が湧きます
妖夢「ただ…」
ゆーちゃん「ただ?」
妖夢「幽々子様だけは、ゆーちゃんの怖がる類の方ですが…以前会った事もありますし、大丈夫ですよね?」
ゆーちゃん「…前は脅かされたから…まだ苦手かも」
幽々子「あらあら、酷い言われようね」
ゆーちゃん「ひぃっ!?」
妖夢「幽々子様?お部屋に居らしたのでは?」
幽々子「私のお腹が食べ物を欲していたから、何か無いかと探していたの。そうしたら、貴女達が居たから声をかけてみたの」
ゆーちゃん「うぅ……」ブルブル
幽々子「…そんなに怖がることしたかしら?」
妖夢「ただでさえ怖がっていたのに、後ろから声をかけたらそれはびっくりしちゃいますよ」
幽々子「だって、驚く姿って愛らしいでしょう?」
妖夢「その結果がこれじゃないですか。もう少し自重してください?それからもうひとつ」
幽々子「まだ何か?」
妖夢「こうやってつまらない話をしているから、涼花ちゃんも早苗さんも先に行ってしまったではないですか」
幽々子「そ、それは貴女にも原因があるのではないのかしら?」
妖夢「確かにそうですが、幽々子様が大人しく待っていてくだされば、この様に無駄に時間を過ごすことも無いと思うのですが?」
幽々子「な、何よぅ…今日の妖夢はやけに強気ね…」
妖夢「強気と言いますか…もう怒る気にもならないだけです」
幽々子「なんで?なんで怒ってるのよ?」
妖夢「…口元に、お菓子の食べかすが付いてますよ?」
幽々子「はうっ!!」
妖夢「はぁ…今夜は夕飯抜きですね。さあゆーちゃん、幽々子様は放っておいて行きましょう」
ゆーちゃん「う、うん…」
幽々子「ね、ねえ、夕飯抜きとか、冗談でしょ?……ねえ妖夢?妖夢ったら〜(泣)」
白玉楼 応接間
幽々子「うぅ……(泣)」
早苗「自業自得と言いますか…」
涼花「いつものことと言うか…」
ゆーちゃん「…なんだか可哀想」
妖夢「白玉楼の財政状況も芳しくないのです。少しは我慢してください」
早苗「…妖夢さん、随分と強気な態度ですね。これもオトコを知ったからなのでしょうか?」
妖夢「斬りますよ?」
早苗「お口にチャック…」
ゆーちゃん「オトコを知ったって?」
涼花「さあ?」
幽々子「妖夢!貴女は私に餓死しろと言うの!?」
妖夢「元々死んでるじゃないですか」
幽々子「亡霊でもお腹は空くのよ!」
ゆーちゃん「お腹空くんだ…」
妖夢「ではなくて!せっかくゆーちゃんや涼花ちゃんが来てくださったのですから、そっちに話題を向けてください!」
少女クールダウン中……
幽々子「さて、ゆーちゃん、涼花ちゃん。わざわざ来てくれて嬉しいわ」
早苗「何事も無かったかのようですね…」
幽々子「特にゆーちゃんが来てくれたのが嬉しいわね。ここまで大変だったでしょう?」
ゆーちゃん「いえ…早苗さんに連れてきてもらったから」
幽々子「そうだったの。それでどう?冥界に来た感想は?」
ゆーちゃん「思っていたのとイメージが違って、安心しました」
幽々子「それは良かったわ。…涼花ちゃんは?たまに外の世界に帰っていると聞いたけど、向こうでの生活はどう?」
涼花「紫お姉さんが上手く説明してくれたおかげで、学校の子達とも何とかやっていけてるよ」
幽々子「そう。二人とも、元気そうで何よりだわ」
少しずつですが、幽々子さんとも打ち解けてきました
まだ少し苦手ですが…
妖夢「失礼します。お茶をお持ちしました」
早苗「ほんと、さっきまでのやりとりが嘘のようですね…」
妖夢「何か?」
早苗「いいえ、何でもありませんわ」
幽々子「妖夢、貴女もここで、二人の話を聞いていったら?」
妖夢「ふむ……私でよければ、ご一緒させてください」
涼花「うん、良いよ」
幽々子「…ゆーちゃん、ひとつ気になったのだけど…」
ゆーちゃん「はい、何でしょう?」
幽々子「貴女の名前は、雪柳至音よね?どうして涼花ちゃんは、貴女の事をゆーちゃんと呼ぶの?」
ゆーちゃん「ゆーちゃんと言うのは、涼花ちゃんが付けてくれたあだ名なんですけど…その理由が、私が幽霊みたいだからって理由で…」
妖夢「そうだったんですか?…てっきり、雪柳だからゆーちゃんなのかと思ってましたが…」
幽々子「ゆうれ…おばけが苦手なのに、よくそれで良いと言ったわね…」
ゆーちゃん「涼花ちゃんの言ってる幽霊は、ここに居るような可愛らしいおばけだと思ったから」
幽々子「なるほどね。で?実際のところは?」
涼花「ゆーちゃんの言ったとおりだよ」
ゆーちゃん「私、友達が居なかったから、どんなあだ名でも、付けてもらえたことが嬉しかったです。涼花ちゃんは初めてのお友達だったから」
涼花「へへ…なんだか照れるよ…♪」
幽々子「…ふふ♪二人は本当に仲良しなのね。何だか羨ましいわ」
早苗「幽々子さんには紫さんが居るじゃないですか」
紫「あら呼んだ?」
何の前触れもなく、紫さんが現れました
もう慣れましたが、この登場のしかたは心臓に悪いので、出来ればやめて欲しいです…
涼花「紫お姉さん♪」
ゆーちゃん「こんにちは」
妖夢「…紫様が急に現れるのは大丈夫なんですね」
ゆーちゃん「これにはもう慣れました。それに、紫さんはおばけじゃないから」
妖夢「そうですか…。ところで紫様。今日はどの様なご用件で?」
紫「涼花ちゃんがゆーちゃんに幻想郷を案内していると聞いたから、ちょっと様子を見に来たのよ」
幽々子「聞いたのではなくて、ずっと覗いていたのではないの?」
紫「人聞きの悪いことを言わないでよ…そんな覗き魔みたいなことはしてないわ」
早苗「じゃあ、誰に聞いたんですか?」
紫「霊夢よ。宴会の打ち合わせに行ったら話してくれたわ。まったく…こんな面白そうな事をしているのなら、私を誘ってくれれば良かったのに」
幽々子「宴会と言ったわね?今夜にでも開くの?」
紫「そう思っていたけど、涼花ちゃん達が行った時に二日酔いだった…なんて、可哀想でしょ?だから、涼花ちゃんの幻想郷案内が終わってからにしようと思っているわ」
幽々子「そう言う訳なら仕方がないわね」
ゆーちゃん「……なんだか、悪いことしてる?」
早苗「そんな事はありませんよ。幻想郷では毎日のように宴会が開かれてますから、たまには良いんです」
妖夢「むしろこの頻度で宴会をしていては、流石の霊夢も参ってしまいますよ」
ゆーちゃん「そんなに博麗神社で宴会をしてるの?」
幽々子「宴会と言えば博麗神社ね。あの子自身、人間にも妖怪にも好かれる体質だから、必然的に博麗神社が宴会会場になってしまうのよ」
紫「もちろん、涼花ちゃんも参加してるわ。常連組ね」
涼花「ゆ、紫お姉さん…」
ゆーちゃん「え?でも宴会って、お酒出るんでしょ?」
紫「さすがにお酒を呑ませないようにはしているわ」
早苗「お酒の匂いで酔っぱらってしまいますけどね」
ゆーちゃん「…涼花ちゃん?」
涼花「ぅ……その……オトナな雰囲気と、みんなが騒いでて楽しいから…つい……」
私達はまだ子供なのに…
でも、そう言うところは何だか羨ましいです
参加したいわけではありませんが…
幽々子「でも、涼花ちゃんが居ると宴会が盛り上がるのも事実なのよね」
妖夢「ですが、涼花ちゃんはまだ子供。出来れば参加しない方が良いかと」
藍「しかし、涼花ちゃんが参加しないと、そのしわ寄せが私達従者に来ますからね…」
涼花「藍お姉さん♪」
ゆーちゃん「藍さん、お久しぶりです♪」
藍「至音ちゃん、久しぶり」
ゆーちゃん「あ、あの…藍さん…///」ウズウズモジモジ
藍「うん?……ああ、良いよ」
ゆーちゃん「やった♪」
涼花「え?ゆーちゃん、何を?」
ゆーちゃん「ぎゅっ♪」
一同「!!?」
藍さんの尻尾…ふかふかでもふもふでふわふわでぬくぬくで大好きです♪
ゆーちゃん「ふかふか〜♪もふもふ〜♪」
藍「ふふ♪至音ちゃんは本当に、私の尻尾が好きなんだね」
涼花「わたしも〜♪」
藍「おっと。…まあ、二人までなら」
幽々子「…紫、ゆーちゃんって、あんなに積極的な子だったかしら?」
紫「いや…私も、あんなゆーちゃんを見て驚いてる…」
妖夢「人は見かけによらないんですね…」
涼花&ゆーちゃん「もふもふ〜♪」
早苗「…まあ、楽しそうだし、別に良いんじゃないですか?」
紫「それもそうね」
ゆーちゃん「ふわふわ〜♪ふかふか〜♪もふもふ〜♪…あ、ちょっと妖夢さんに質問」
妖夢「は、はい、何でしょう?」
ゆーちゃん「妖夢さんのそばに居るそれって…?」
妖夢「ああ、これは半霊と言って、私の一部です」
ゆーちゃん「はんれい?」
幽々子「妖夢の魂のようなものよ」
ゆーちゃん「え?それじゃあ、出てたら危ないんじゃない?」
妖夢「先ほども言ったとおり、半霊です。半分の霊と書いて半霊です。半分はこうやって私の周りに居ますが、もう半分は私の中に居ますので大丈夫なのです」
ゆーちゃん「へぇ。触ったりとか出来るの?」
妖夢「出来ますよ。触ってみますか?」
ゆーちゃん「う〜ん……じゃあ、ちょっとだけ……」
妖夢「ではどうぞ」
半霊と言う白いおばけみたいなものが、私の目の前にフワフワとやってきました
透けてるけど…本当に触れるのかな?
ゆーちゃん「………」
私はそっと、指で半霊をつついてみました。
ゆーちゃん「あ……」
なに?このやわこい感じ…
おもちをつついているような…それでいてふわふわしているような…でも、おばけみたいな冷たさはありませんでした
ゆーちゃん「なんだか…不思議です…」ツンツン
幽々子「妖夢の半霊は、感覚を共有しているの。だから半霊を触れば、妖夢も触られているような感覚になるわ」
妖夢「悪戯好きな方が変な発想をする前に言っておきますが、半霊からの感覚を切ることも出来ますので悪しからず」
ゆーちゃん「ふ〜ん…よくわからないけど、ありがとう妖夢さん」
早苗「はい、それじゃあお二人さん。そろそろ藍さんの尻尾から出てきてください?次の場所へ行きますよ」
ゆーちゃん「え〜…もう少しもふもふしていたかったなぁ…」
早苗「さあ、次はどこに行きますか?」
涼花「永遠亭かな?里からそこそこ近いし」
紫「だったら私が、永遠亭までのスキマを作ってあげる」
涼花「ありがとう、紫お姉さん♪」
藍さんのもふもふは名残惜しいですが、仕方がありません…
私達は、紫さんの作ったスキマを通って、永遠亭へ向かいました
スキマ空間の中で私達を見つめている目は、何だか怖いから苦手です…
永遠亭
紫「はい、到着」
ゆーちゃん「ありがとうございます」
紫「このくらい、おやすいご用よ。じゃあね」
紫さんを見送って後ろを振り返ると、竹林の中に大きなお屋敷がありました
ゆーちゃん「……ここも大きいね」
早苗「中はもっと広くて迷いやすいので、しっかり着いてきてくださいね」
ゆーちゃん「う、うん…」
涼花「こんにちは〜、誰か居ませんか〜?」
優曇華「はいは〜い、どちら様?」
現れたのは、うさぎさんの耳を付けた女子高生でした
涼花「やっほー♪優曇華お姉ちゃん♪」
ゆーちゃん(うどん…げ?)
早苗「どうも」
優曇華「あら、涼花ちゃんに早苗さん。今日は診察?」
涼花「ううん、今日はゆーちゃんに、幻想郷を案内しているところ」
優曇華「ゆーちゃん?」
ゆーちゃん「あ、どうも。雪柳至音です」
優曇華「あら、可愛いお客様ですね♪私は鈴仙・優曇華院・イナバです」
ゆーちゃん「れ、れいせ…?」
優曇華「鈴仙・優曇華院・イナバ。皆からは、鈴仙とか優曇華と呼ばれてるから、どう呼んでもらっても構わないわ」
ゆーちゃん「う、うん、分かった」
優曇華「じゃあ、案内しますね。迷いやすいので、離れずに着いてきてください」
玄関から中に入ると、長い長い廊下がありました
…先が見えません
ゆーちゃん「なに、この廊下…」
優曇華「侵入者対策です」
ゆーちゃん「し、侵入者って…」
早苗「至音ちゃん、すっかり忘れてると思いますけど、幻想郷は里以外は危険区域ですよ?ここに住むお姫様も、常に命を狙われているんです」
優曇華「まあ…うちの姫様は殺しても死にませんけどね」
ゆーちゃん「お姫様?…と言うか、殺しても死なないって…」
涼花「ここのお姫様は不老不死だからね」
ゆーちゃん「不老…不死…」
本で読んだことがあります
決して老いず、決して死なない…それが不老不死
てっきり、おとぎ話の中だけだと思っていましたが…幻想郷では、それが普通みたいです
非常識的な出来事が、こちらでは常識…改めて、幻想郷は不思議な所なんだと思いました
永遠亭 診察室
優曇華「師匠。……師匠〜?」
永琳「何よ騒々しい…」
優曇華「お客様です」
涼花「こんにちは」
早苗「どうも」
永琳「あら?今日は診察?」
涼花「実は…」
永遠亭 応接間
永琳「なるほど。それでここに来たのね?」
涼花「そう言うこと」
ゆーちゃん「あの…永琳さん」
永琳「なに?」
ゆーちゃん「さっき優曇華さんから、ここにはお姫様が居るって聞いたんですけど…」
永琳「ああ、輝夜の事ね。優曇華、良い機会だし輝夜も呼んできて頂戴」
優曇華「分かりました」
ゆーちゃん「輝夜……?もしかして……かぐや姫!?」
早苗「ザッツライト♪」
かぐや姫まで居るなんて…幻想郷って、何でもありなのかな?
その内、乙姫様とかおやゆび姫も出てきたりして
輝夜「永琳、お客様が来ていると聞いたのだけど?」
永琳「涼花ちゃんと早苗が来てくれたわ。あと、涼花ちゃんのお友達の」
ゆーちゃん「あ、雪柳至音です」
永琳「こちら、月の都のお姫様、蓬莱山輝夜よ」
輝夜「はじめまして、輝夜よ」
ゆーちゃん「かぐや姫なの?」
輝夜「ええ、そうよ」
ゆーちゃん「あの、色々と質問したい事が」
輝夜「ん〜……少しなら良いわよ。ただし」
ゆーちゃん「?」
輝夜「貴女の事もたくさん聞かせてね?」
ゆーちゃん「うん♪」
輝夜さんからは、色々な話を聞くことが出来ました
竹から生まれた事や、かぐや姫が出した難題の事、それを輝夜さんが持っている事、幻想郷で新たな難題を考えた事
おとぎ話の主人公からお話を聞けるなんて夢のようです
輝夜「貴女、なかなか楽しい人間ね」
ゆーちゃん「そ、そうですか?」
輝夜「貴女みたいに、色々と聞いてくる人があまり居ないからね。話す側としては楽しいわ」
永琳「そう言えば、質問責めにされたのは天狗以来ですね」
ゆーちゃん「天狗?」
優曇華「あれ?FM東方の公開収録の時に会ってませんか?」
涼花「あの時はゆーちゃん寝てたから。と言うか、優曇華お姉ちゃんは聞いてくれてたんだ♪」
優曇華「ま、まあ…一応…」
てゐ「あれ、幻想郷にラヂオがあまり普及してないから、うちら以外は誰も聞いてないと思うよ?」
永琳「あらてゐ、戻ってたの?」
てゐ「客人が来たって聞いたからね」
ゆーちゃん「…うさぎさん?」
てゐ「君、至音ちゃんだよね?私は因幡てゐ。君の噂は聞いてるよ。ちなみに私は本物の兎」
優曇華「私だって一応本物よ」
ゆーちゃん「その耳も本物なの?」
てゐ「もちろん」
ゆーちゃん「………」ウズウズ
てゐ「触りたい?」
ゆーちゃん「う、うん…」
てゐ「じゃあ特別に、ちょっとだけなら触っても良いよ?」
ゆーちゃん「やった♪」
永琳「…至音ちゃんって、いつもこんな感じなの?」
涼花「そんなことは無いと思ってたんだけど…」
ゆーちゃん「あ、なにこれやわこいしさらさらしてる〜♪」
早苗「何だか…動物的にもふもふしてるものが好きみたいで…」
てゐ「ち、ちょっと待って、触りすぎ…」
ゆーちゃん「さらさら〜♪ふわふわ〜♪」
涼花「藍お姉ちゃんの時もそうだったんだ。何だか、歯止めがきかなくなっちゃうみたい」
永琳「そ、そう…」
早苗「ほらほら至音ちゃん、その辺にしといてあげてください」
ゆーちゃん「あ…う、うん…ごめんなさい…」
てゐ「まったく…ちょっとだけって言ったのに…」
ゆーちゃん「あの…少し気になった事が」
てゐ「…なに?」
ゆーちゃん「優曇華さんとてゐさんって、同じうさぎさんなの?」
優曇華「私は元々、姫様と同じく月に暮らしていた兎。てゐは地上で暮らしていた兎」
てゐ「似てるようでかなり違うよ。月の兎達の耳は電波受信用だし」
ゆーちゃん「そうなの?」
優曇華「電波と言っても、私達月の兎にしか分からないものだから、普通の電波とは違うわ」
月のうさぎさんの耳は、アンテナの役割を果たしている…と言うことは、この耳は偽物?
優曇華「あ、私の耳が偽物とか思ったでしょ?」
ゆーちゃん「へ!?い、いや、そんなことは…」
てゐ「偽物って言えば偽物だよね」
優曇華「聴く為の耳ではなくて捉える為の耳なのよ」
永琳「はいはい、至音ちゃんの案内しなきゃならないはずの涼花ちゃんが、退屈のあまり寝てしまったからそこまでよ」
涼花「すー…すー…」
優曇華「さっきまで起きてたのに…」
輝夜「この子はどこでも寝るわね…」
早苗「ある意味羨ましいと言いますか…」
てゐ「でも、正座したまま寝るなんて…器用なことするよね」
早苗「涼花ちゃん、起きてください」
涼花「寝てない寝てない、だいじょうぶだいじょうぶ」
早苗「あれ?寝てな…んん?」
ゆーちゃん「…たぶん寝言だと思います」
早苗「え?」
涼花「すー……すー……」
輝夜「あら…」
早苗「もう…涼花ちゃん、起きてください?」
ゆーちゃん「あ、私が起こします」
涼花ちゃんの場合、軽く起こしてみて寝言を言ったら、かなり深く眠っている合図です
こんな時は、ほっぺをやや強めにつねってあげるとすぐに起きます
ゆーちゃん「えい」
涼花「ふにぃ〜……」
永琳「あら大胆」
てゐ「なにが?」
ゆーちゃん「う〜ん…もうちょっと強めに…」
涼花「ふぃにゃいにゃい!……は、はぇ?」
ゆーちゃん「おはよ」
涼花「ゆーひゃん?にゃいひえうお?」
ゆーちゃん「涼花ちゃんが寝てたから、起こしてあげたんだよ」
涼花「あ…おえんえ?…ほいうは、ほうはやひえ?」
ゆーちゃん「……おもしろいから、もう少しこのまま」
涼花「ふぇひにゃ〜…」
てゐ「今のが全部分かった至音ちゃん凄くない?」
早苗「確かに…何て言ってたか全然分かりませんでしたが…至音ちゃんは理解していたみたいですね」
ゆーちゃん「分からなかった?」
輝夜「流石にね…」
涼花「ゆーひゃん…ほろほろ…」
ゆーちゃん「涼花ちゃんのほっぺ、ふにふにで気持ちいいんだよね」
涼花「うゅぅ〜…」
早苗「はいはい、その辺にしましょう」
涼花「はぁ……もう……」
ゆーちゃん「寝ちゃった涼花ちゃんが悪いんだよ?」
涼花「う〜…それはそうだけどさ…」
ゆーちゃん「だから自業自得だよ」
涼花「むぅ……」
永琳「ところで、次はどこへ行く予定なのかしら?」
早苗「そう言えば、お昼ご飯がまだでしたね。里で何か食べますか?」
永琳「里に行くのであれば、優曇華も同行させるわ。早苗ひとりで妖怪の相手となると、流石に大変でしょう?」
早苗「そうしていただけると助かります。徒歩だと竹林も抜けられないでしょうから」
永琳「優曇華、良いわね?」
優曇華「もちろんです♪」
輝夜「至音ちゃん、貴女とお話が出来て楽しかったわ。またいつでも来て?歓迎するわ」
ゆーちゃん「ありがとうございます♪」
てゐ「じゃあね。今度来たときは、兎達をもふもふしていいから」
永琳「暑い日が続いているから、水分はしっかりと採りなさい?」
てゐ「最後の最後で医者らしいこと言ったね」
永琳「何か問題でも?」
てゐ「別に?」
優曇華「では、里までしっかりとエスコートしてまいります!」
早苗「ありがとうございました」
涼花「バイバイ♪」
永遠亭の皆さんに別れを告げ、私達は里へと向かいました
てゐさんの言っていた、うさぎさん達をもふもふしていいと言う言葉に胸が高鳴ってるのはナイショ
迷いの竹林
再び早苗さんの背中です
涼花ちゃんも優曇華さんの背中にしがみついています
夏の日差しが差し込んだ竹林は、竹の緑が淡く反射して幻想的な光景を作り出していました
早苗「…綺麗ですね」
ゆーちゃん「うん」
優曇華「この時期は特にね。でも、竹は成長スピードが早いから、本当に慣れた人でないと抜けることは出来ない。だから、永遠亭に行きたいときは私達を見付けるか、妹紅さんにでも頼んでください。早苗さん、次を右です」
早苗「はいはい」
涼花「と言うか、竹林の上空を飛んだ方が早くない?」
優曇華「分かりませんか?狭い竹林を飛ぶこの疾走感。風を切るこの爽快感。そして何よりも、日陰って涼しいじゃないですか」
ゆーちゃん「確かに、この気温だし風を切って涼しいけど…」
涼花「もうちょっとゆっくり飛んでほしいよね」
優曇華「でも、ちょっと後ろを見てください?」
ゆーちゃん「後ろ?」
妖精A「何だか面白そうなのが居たから追ってみたけど」
妖精B「あいつら速いね」
妖精C「どうする?撃っちゃう?」
ゆーちゃん「あ、妖精さん」
優曇華「何故かは分かりませんが狙われてますね。まこうと思いましたが…追い付かれました」
早苗「こんな時に厄介ですね…」
涼花「あれ?この竹林には妖怪兎くらいしか居ないんじゃないの?」
優曇華「普通の妖精や野妖怪も居ますよ」
早苗「だから危険度が高いんですよ」
涼花「そっか」
ゆーちゃん「そんなことよりどうするんですか?」
優曇華「迎撃…します?」
早苗「このまま追われても面白くありません。かと言って戦えば、涼花ちゃんはともかく、ゆーちゃんはしがみついていられないでしょうね」
優曇華「と言うわけでお二人さん」
早苗「逃げますよ、しっかり掴まっていてくださいね♪」
ゆーちゃん「ち、ちょっと待っ…きゃあっ!」
優曇華「ほら、撃ってきた」
妖精さんが撃ち出してくる弾を軽々と避けていく二人
ですが、それを見ている余裕なんてありません
妖精C「逃げちゃだめ!」
早苗「おっと、危ない危ない」
妖精B「ねえねえ、遊ぼーよ♪」
優曇華「貴女達にかまってる暇なんてないのよ」
ゆーちゃん「うぅ〜!」
妖精A「当ったれー!」
涼花「わわっ!」
優曇華「もうすぐ出口!」
…妖精さんの追撃を振り切り、竹林の外に出ました
もう追ってこないみたいだけど…
優曇華「はぁ…何とかなりましたね」
ゆーちゃん「うぅ〜…」
早苗「至音ちゃん、もう大丈夫ですよ」
幻想郷は危険な場所だとあらためて思い知らされました
怖かったけど、アトラクションみたいでちょっと楽しかったのはヒミツ
ゆーちゃん「はぁ…まだ体が震えてるよ…」
涼花「でも、楽しかった♪」
優曇華「ここまで来れば大丈夫でしょう。里までゆっくり飛んでいきましょう」
人間の里
優曇華「到着っと」
涼花「ありがとう、優曇華お姉ちゃん♪」
優曇華「お安いご用です♪じゃあ、私は永遠亭に戻りますね」
早苗「お昼ご飯はどこで食べますか?」
涼花「う〜ん…どこも美味しいんだよね…」
阿求「あら、涼花ちゃんに早苗さん。こんにちは」
涼花「阿求お姉ちゃん♪」
早苗「こんにちは」
阿求「貴女は確か…雪柳至音ちゃんですね?」
ゆーちゃん「は、はい、至音です」
阿求「涼花ちゃんからお話は聞いていますよ。私は稗田阿求。稗田家の九代目当主です」
この人が阿求さん…物静かで良い人そう
涼花「阿求お姉ちゃん、昨日はどうしたの?阿求お姉ちゃんの家に行ったら、追い返されちゃったんだけど」
阿求「色々と忙しくて…決してサボったからどうのという訳ではありません」
早苗(やっぱりサボってたんですね…)
阿求「涼花ちゃん達は、何をしていたのですか?」
涼花「ゆーちゃんに幻想郷の案内をしてるの」
早苗「で、時間も時間ですし、昼食をとろうと人間の里に戻ってきたところです」
阿求「そうでしたか。では、うちでお昼にしませんか?」
涼花「え?でも…」
阿求「昨日来ていただいたのに、何も持て成しも出来ず帰してしまっては心苦しいですからね」
早苗「…ここは、阿求さんのご厚意に甘えましょう」
涼花「そうだね。ゆーちゃんの事も紹介したかったし」
阿求「では、こちらです」
私達は阿求さんに案内され、昨日訪れた稗田邸へやってきました
やっぱり大きいです
阿求「どうぞ」
涼花「お邪魔しま〜す」
私達は稗田邸の縁側に通されました
ちょうどお昼時で日差しは強いけど、程よく吹く風が軒下の風鈴を揺らして、あまり暑さを感じません
しばらくして、阿求さんが戻ってきました
阿求「お待たせしました。今日は暑いので、そうめんなどいかがでしょう?流さない方ですけど」
涼花「わぁ♪美味しそう♪」
早苗「何だか悪いですね」
阿求「いえいえ、皆さんと一緒に食べた方が美味しいですから」
早苗「そうですね」
涼花「じゃあ、阿求お姉ちゃんに感謝して…いっただっきまーす♪」
風鈴の音を聴きながら食べるそうめん…とても美味しかったです
そうめんを食べながら、阿求さんと色々なお話をしました
幻想郷縁起の事や、それらをまとめるための資料集め、そのために本もたくさん読んでいること
涼花ちゃんの言っていたことが、なんとなく分かったような気がします
阿求「至音ちゃんも本を?」
ゆーちゃん「はい」
阿求「どんな本が好きなのですか?」
ゆーちゃん「ファンタジーが好きです。後は、植物とかの図鑑が好きですね」
阿求「へえ。ファンタジーは兎も角、図鑑が好きというのは珍しいですね」
涼花「ゆーちゃんは草花が好きだからね」
阿求「そうでしたか。外の世界と幻想郷とでは、草花の違いはありましたか?」
ゆーちゃん「妖怪花とか魔法草とか、幻想郷固有のもの以外はほとんど同じですね」
阿求「なるほど…」
早苗「そう言う情報も、幻想郷縁起にまとめるんですか?」
阿求「…いえ、こういったものはまとめません。私の興味本位です」
ゆーちゃん「じゃあ、どんな事をまとめるんですか?」
阿求「そうですね…幻想郷で起こった事もそうですけど、新たに現れた妖怪や力を持った妖精、幻想郷の各地の事や、その場の危険度等々ですね。まあ、妖精や妖怪のほとんどは能力等も自己申告ですけど」
ゆーちゃん「それを一人でまとめているんですか?」
阿求「ええ。ですが先代の残した資料もありますし、そこまで大変な作業でもありませんよ」
ゆーちゃん「それでもすごいですよ」
阿求「ふむ……もし、興味がおありでしたら幻想郷縁起、一冊お譲りしますよ」
ゆーちゃん「え?良いんですか!?」
阿求「はい」
ゆーちゃん「やった♪」
阿求さんは本当に良い人みたいで安心しました
幻想郷縁起も譲ってもらって、帰ったら早速読んでみたいと思います
阿求「幻想郷を案内していると言っていましたね。どこを見てきたのですか?」
涼花「博麗神社と紅魔館、冥界と迷いの竹林に行ってきたところだよ」
阿求「そうですか。では次は、太陽の畑に行ってみてはいかがでしょう?この時期は絶景になっているはずです」
ゆーちゃん「太陽の畑?」
阿求「広大な向日葵畑ですちょうど夏で見頃になっていますから」
早苗「そこに住む方が曲者ですけどね…」
阿求「ああ、幽香さんですか。しかし、彼女は子供相手には優しいはずですし、問題はないでしょう」
ゆーちゃん「幽香…さん?」
阿求「風見幽香。太陽の畑を管理している妖怪です。どんな方なのかは…まあ会ってみれば分かりますよ」
ゆーちゃん「は、はあ…」
どんな人(妖怪)なのか…早苗さんも阿求さんも言葉を濁しているので詮索出来ませんが…なんだか気になります
私達は阿求さんにお昼ご飯のお礼を言い、太陽の畑へと向かいました
太陽の畑
道中、妖精さんや妖怪さんの襲撃もなくのんびりたどり着く事が出来ました
そして太陽の畑…大きなひまわりが咲き乱れていて、とてもすてきな光景です
ゆーちゃん「きれいだね」
涼花「この時期は特にね。じゃあ、行こっか♪」
ゆーちゃん「え?」
涼花ちゃんに手を引かれ、私達はひまわり畑へと足を踏み入れました
不思議なことに、ひまわり達は動かないはずの体を動かし、涼花ちゃんの走る先へ道を作っていました
ゆーちゃん「す、すごい…」
それ以外の言葉が思い付かないほど、ひまわりの道は幻想的な光景です
しばらく進むと、少し開けた場所に小さな家が建っていました
涼花「とうちゃく♪」
ゆーちゃん「ここは?」
涼花「さっき言ってた、幽香お姉さんの家だよ」
早苗「ち、ちょっと待ってくださいよ…」
後ろを振り返ると、早苗さんがやっとの思いでひまわりをかき分けて、ひまわり畑から出てきました
早苗「お二人とも速すぎですよ…」
涼花「早苗お姉ちゃんが遅いと言うか、幽香お姉さんによく思われてないと言うか」
早苗「ま、まあ…向日葵が行く手を遮っていたので、それは何となく感じてましたよ…」
ゆーちゃん「どう言うこと?」
涼花「会えば分かるよ」
そう言うと涼花ちゃんは、小さな家のドアをノックしました
…応答はありません
涼花「あれ?家の中には居ないのかな?」
メディ「あ、涼花ちゃんだ♪」
突然、後ろから声をかけられました
心臓に悪いので出来ればやめてほしいです…
後ろを振り返ると、金髪の女の子が居ました
その傍らには小さな人形が浮いています
この人が幽香さんなのでしょうか?
涼花「あ、こんにちは」
メディ「久しぶりだね。元気だった?」
涼花「うん♪」
ゆーちゃん「あの…」
メディ「うん?君は?」
ゆーちゃん「あ…雪柳至音です。貴女は…?」
メディ「私はメディスン。メディスン・メランコリーよ」
早苗「こう見えても彼女は人形なんですよ」
ゆーちゃん「…え?」
メディ「この先の、無名の丘って鈴蘭畑で暮らしてるんだけど、今日は幽香の家に遊びに来たの」
涼花「わたし達もそうなんだ。でも、今は留守みたいで」
メディ「ふ〜ん…ちょっと良いかな?」
そう言うと、人形少女のメディさんは躊躇なく扉を開けて、中へ入っていってしまいました
…しばらくしてメディさんが戻ってきました
何やら、口元に人差し指を当てていますが…?
それを見た涼花ちゃんは、メディさんと一緒に家の中へ入っていってしまいました
仕方がないので、私達も後を追うことにします
太陽の畑 幽香の家 寝室
無断で入っていいのでしょうか?寝室に来てしまいました
ベッドにはナイトキャップにパジャマを着たお姉さんが寝ていました
たぶん、このお姉さんが幽香さんなのでしょう
メディさんと涼花ちゃんはスタンバってます
何をするのか、大体予想できます…
メディ「良い?いくよ?」
涼花「オッケー♪」
幽香「すー…すー…」
メディ「せーのっ」
メディ&涼花「わっ!!!」
幽香「きゃあっ!!」
早苗&ゆーちゃん「……はぁ……」
案の定、お姉さんは飛び起きました
そしてその拍子に、お姉さんはベッドから落ちてしまいました
幽香「いたた…な、なに?」
メディ「おはよ♪」
幽香「メディ?…涼花ちゃんも…」
涼花「よく寝てたからね♪」
メディ「ね♪」
幽香「ね♪…じゃないわよ!よくもやったわね!」
メディ「幽香が怒った♪にっげろ〜♪」
幽香「待ちなさい!……あら?」
早苗「ど、どうも…」
幽香「…貴女の差し金?」
早苗「ち、違います!話を聞いてください!」
かくかくしかじか……
幽香「まったく……」
早苗「ごめんなさい…二人を止めれば良かったんですけど…」
幽香「本当よ…せっかく気持ちよく寝ていたのに…」
メディ「こんな昼間っから寝てるからだよ」
幽香「仕方がないでしょ?向日葵の世話だって大変なのよ。シャワーを浴びて一眠りもしたくなるわ」
ゆーちゃん「気持ちは分かります…」
幽香「貴女、涼花ちゃんの友達でしょ?こう言うことは止めなきゃだめよ?」
ゆーちゃん「ご、ごめんなさい…」
涼花「ごめんなさい…」
幽香「もう良いわ。せっかく来てくれたのだから、紅茶でも飲んでいく?」
早苗「あ、いただきます」
幽香「あら、貴女に振る舞うなんて言ってないわよ?」
早苗「う……そんな……」
幽香「色々あるけど…カモミールティーなんかどう?飲める?」
ゆーちゃん「あ、はい、大丈夫です」
涼花「可哀想だから、早苗お姉ちゃんにも飲ませてあげてね?」
幽香「…仕方がないわね」
幽香「はい、どうぞ」
涼花「わぁ、かわいい♪これがカモミール?」
ゆーちゃん「うん。小さくてかわいい花だよね」
幽香「そのままでも美味しいけど…」
ゆーちゃん「?」
幽香「ほんの少しのミントを浮かべましょう。そうすれば、すっきりして飲みやすいと思うわ」
早苗「ん…うん、これは美味しいですね」
涼花「ほんとだ、美味しい♪」
メディ「爽やかな感じが良いね」
幽香「ふふ♪サブレもあるわよ。これでティータイムにしちゃいましょう」
阿求さんや早苗さんの言っていたことが、何となく理解できました
苦手意識を抱くのも分かるような気がします
紅茶を飲みながら幽香さんの話を聞いていると、どうやら幽香さんは花を自在に操れるみたいで、さっき通ってきたひまわり畑の不思議な動きも幽香さんの能力のようです
不老不死のかぐや姫に吸血鬼のお嬢様、お化けのお姫様に花を操るお姉さん…みんな不思議な能力を持っていて、なんだか羨ましいです
幽香「あら、もうこんな時間」
メディ「やっぱり話をしていると、時間が過ぎるのが早く感じるね」
幽香「そうね。私はこれから、畑の世話をしなければならないの。貴女達はこれからどうするの?」
涼花「あと一カ所案内したら、一度帰ろうと思ってる」
幽香「どこかあてがあるの?」
涼花「中有の道。ここからなら、そんなに離れてないから」
メディ「あそこは出店も色々あって楽しいから良いかもね」
涼花「と言うわけで、美味しい紅茶とサブレ、ありがとう♪」
幽香「どういたしまして。中有の道までは危険区域も多いから気をつけてね」
涼花「うん、ありがとう」
幽香さんとメディさんに別れを告げ、私達は中有の道と呼ばれる場所を目指しました
道中、数人の妖精さんが襲ってきましたが、早苗さんのおかげで何とか切り抜けることが出来ました
中有の道
涼花「着いたよ」
ゆーちゃん「涼花ちゃん、ここはどう言う所なの?」
早苗「ここは、死んだ人の魂の通り道。と言えば不気味かもしれませんが、実際は出店の建ち並ぶ陽気な場所ですよ」
ゆーちゃん「どうりで…嫌な感じがしてると思ったよ…」
涼花「人魂ボンボンや死霊金魚すくいとか面白いものもあるけど」
ゆーちゃん「面白いの?それ…」
涼花「今回は、ある人に会いに来たの」
ゆーちゃん「ある人?」
涼花「え〜っと……あ、いたいた」
中有の道 射的屋
射的屋の親父「小町さん…あんた、景品全部持って行く気かよ…」
小町「弾はあと一発だ。これを撃ったら終わりにするよ」
涼花「小町お姉ちゃん♪」
小町「おや、涼花ちゃん。遊びに来たのかな?」
涼花「今日はゆーちゃんに幻想郷の案内をしているところ」
小町「そっか。ちょっと待ってて、これだけ終わらせるから」
涼花「うん」
小町「………ていっ!」
小町「へへ♪大漁大漁♪」
涼花「すごいね…」
小町「最後のあれは取りたかったけどね。それで、ゆーちゃんに幻想郷を案内してるって言ってたけど?」
涼花「そうだった。ゆーちゃん」
ゆーちゃん「あ、戻ってきた」
小町「やあ、ゆーちゃん。久しぶり」
ゆーちゃん「お久しぶりです」
小町「…なんだ、早苗も一緒だったのか」
早苗「この子達の付き添いです」
小町「そっか。それで、わざわざここに来たのは、あたいに会うためかな?」
涼花「それもあるんだけど…四季様って、こっちに来てないよね」
小町「この時期は忙しいからね。私も含めて」
映姫「誰が忙しいのかしら?」
小町「きゃん!」
映姫「貴女のせいで、私の仕事が驚くほど暇なのだけど?」
小町「た、たまには良いじゃないですか」
映姫「たまには?毎日の間違いじゃない。それに、あとでまとめて連れてくるから仕事の忙しさが半端無いのよ」
小町「う……」
映姫「…まあ、説教は後でゆっくりしましょう」
小町「……ほっ」
映姫「涼花ちゃん、至音ちゃん、久しぶりですね。元気でしたか?」
涼花「うん♪」
ゆーちゃん「お久しぶりです」
涼花「今は、ゆーちゃんに幻想郷の案内をしてるところ」
映姫「そうですか。しかし、こんな危険区域にわざわざ来るなんて…」
早苗「一応私が同行してますし、その辺は大丈夫かと」
映姫「ふむ……まあ良いでしょう」
涼花「四季様、ちょっとお話が」
映姫「ん?なんですか?」
涼花「秘密のお話。二人きりで話したいの」
映姫「構いませんが…」
涼花「と言うわけで、みんなはちょっと出店でも見て回ってて?私は、四季様とちょっとお話してくるから」
ゆーちゃん「行っちゃった…」
早苗「どんな話をするのか気になりますが…しかたがありませんね」
小町「じゃあ、あたいが案内するよ。ここは詳しいからね」
早苗「流石、普段サボってるだけのことはありますね」
小町「一言余計だよ…」
映姫「さて、話とは何ですか?」
涼花「ゆーちゃんの事について」
映姫「雪柳至音。彼女がどうかしましたか?」
涼花「わたし達、ここに来るまでに妖精や妖怪にほとんど出会してないんだ」
映姫「ほう…珍しいですね。ここまでとなると、危険区域はそれなりにあるはずですが」
涼花「…もしかしたら…」
映姫「彼女が能力に目覚めた。あるいは目覚め始めている。そのために妖怪や妖精が近寄ってこないのではないのかと」
涼花「うん…」
映姫「安心してください、あの子は白です。ここまで妖怪達に出会わなかったのは、貴女や至音の運の良さによるものでしょう」
涼花「そ、そう…なのかな?」
映姫「…貴女は心配しすぎなのです。彼女が普通の人間の少女である事は、貴女がよく知っているはずですよ?」
涼花「う、うん…それはもちろん…」
映姫「だから安心してください。…さあ、そろそろ戻りましょう」
一方その頃、私達は小町さんに中有の道を案内してもらっていました
お祭りや縁日のように賑わっている中有の道ですが、行き交う人々や出店の人達がすべて幽霊や妖怪と言うのは…なんだか複雑です
小町「…で、ここがあたいが荒稼ぎした射的屋だ」
射的屋の親父「小町さん…もう勘弁してくれよ…商売上がったりだよ…」
早苗「さっきの荷物はそう言うことでしたか…」
小町「安心しな。別に射的をやりにきたわけじゃないから。で、向こうが自称よく当たる来世占いだ」
来世占いのお姉さん「自称じゃないわ。実際よく当たるの。そこのお嬢さん、試しに占ってあげましょうか?」
ゆーちゃん「い、いや…遠慮しておきます…」
ゆーちゃん「…本当にいろんな出店があるんだね。どうしてここは、こんなに賑やかなの?」
小町「振り返らせるためさ」
ゆーちゃん「振り返らせる?」
小町「中有の道は、魂達の通り道。この先には三途の川がある。川を航れば、もう引き返すことは出来ない。逆に中有の道なら、引き返せば息を吹き返す。この道を通って生きていた頃を思い出し、この世にまだ未練があれば…生きたいと思えば」
ゆーちゃん「…また生きられるって事?」
小町「そう言う事さ。まあ、必ずしも生き返ることが出来るわけではないけどね」
…と言うことは、私もここに来たことがあるのでしょうか?
覚えてはいませんが…小町さんの話だとそう言う事になります
早苗「ちなみに小町さんは死神で、この先の三途の川の船頭さんをしています」
ゆーちゃん「し、死神!?」
小町「死神と言っても、魂を刈ったりはしない。それは別の死神の仕事さ。死神にも、色々な役職があるからね」
早苗「で、小町さんは自分の役職をサボってしまうと」
小町「サボってない、休憩してるだけだよ。あたいはマイペースに仕事をしたいからね」
映姫「休憩…ねぇ…」
小町「し、四季様!?戻ってたんですか!?」
涼花「戻ったよ♪」
映姫「マイペースも考え物ですね…。さあ戻りますよ?たっぷりと説教をしてあげます。覚悟しておいてください」
小町「そ、そんなぁ…」
ゆーちゃん「…行っちゃったね」
早苗「いつもの事ですし、あまり気にしないでください。私達もそろそろ帰りましょう」
ゆーちゃん「う、うん…」
辺りはすでに夕陽に染まっていました
夜の幻想郷は危険らしいので、私達は急いで戻ることにしました
涼花ちゃんの家
早苗「はい、到着。では、また明日」
涼花「え?帰っちゃうの?」
早苗「流石に丸一日空けてしまいましたからね…一応帰らないと、神奈子様と諏訪子様が心配しますから」
涼花「そっか…」
早苗「安心してください、明日も来ますから」
涼花「絶対だよ?」
早苗「ええ、約束です」
涼花「ふぅ……」
ゆーちゃん「流石に疲れたね」
涼花「そうだね…このまま寝ちゃっても良いと思うけど…」
ゆーちゃん「でも、夕飯食べてない…」
涼花「…仕方ない、作ろっか」
私達は二人で簡単なご飯を作って食べました
涼花ちゃんはずっとウトウトしていました
やっぱり疲れていたみたいです
私達は明日に備えて、早めに寝ることにしました
お風呂は…まあ仕方がないです諦めます…
つづく