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ゆーちゃんの幻想郷滞在記 みっかめ


翌日


リラ「モグモグ……」
涼花「リラ、ごめんね?ご飯のこと、すっかり忘れてたよ…」
ゆーちゃん「でも、あんまりお腹を空かせてた感じじゃないよね。体も汚れてたし、どこかで何か食べてたのかもね」
涼花「そうかもね。あとでお風呂に入れてあげるからね〜♪」
早苗「おはようございます♪」
涼花「お、おはよう…」
早苗「あらあら、元気がないですね?」
ゆーちゃん「二日間歩きっぱなしだったからね…」
涼花「で、でも、今日で最後だから頑張ろう!」
早苗「その最後がハードですけどね」
ゆーちゃん「え?」
早苗「博麗神社、人間の里、紅魔館、魔法の森、冥界、永遠亭、太陽の畑、中有の道。ここまで来たら、妖怪の山と地底、命蓮寺くらいしかありませんからね」
ゆーちゃん「山と地底って…」
早苗「そう、登ったり降りたりです」
涼花「まずは妖怪の山。簡単なのは最後にしたいからね」
早苗「しかし、山を登るのは…」
ゆーちゃん「問題があるの?」
早苗「妖怪の山。その名の通り、妖怪達が住んでいる山です。いくら守矢神社の巫女とは言え、私一人では…」
文「そう思って、こっそり後をつけさせていただきました!」
早苗「あ、文さん!?」
文「早苗さ〜ん、こんなにおいしそうなネタがあるのに、何で教えてくれなかったんですか〜?」
ゆーちゃん「ネタ?」
涼花「文お姉ちゃんは新聞記者だから」
早苗「貴女が居ると、色々と話がややこしくなるじゃないですか」
文「新聞のネタに、多少の犠牲は付き物です」
早苗「意味が分かりませんよ…」
文「つまり、私がお二人のどちらかを、山の上までお連れしてあげようと言っているんです♪」
早苗「…どうします?」
涼花「良いんじゃないかな?連れて行ってくれる人がいるのは助かるし」
早苗「…涼花ちゃんが良いと言うのなら」
文「決まりですね。では、どちらが私と一緒に行きますか?」
早苗「至音ちゃん、速いのは大丈夫ですか?」
ゆーちゃん「えっと…どのくらい?」
早苗「魔理沙さんより速いです」
ゆーちゃん「無理…」
文「では、私が涼花ちゃんを連れて行きます。涼花ちゃん、しっかり掴まってくださいね?」
涼花「う、うん…でも、ゆっくり…きゃー!」
ゆーちゃん「速っ…もう見えなくなっちゃった…」
早苗「文さんは、幻想郷最速を自負していますからね…お気の毒に…。さあ、私達はゆっくり向かいましょう」


一足先に妖怪の山 九天の滝


文「到着♪」
涼花「は、速すぎ…」
文「涼花ちゃんからお話を聞くために、最速で来ましたからね」
涼花「は、話って?」
文「涼花ちゃん、至音ちゃんにはどんな変わった癖があるんですか?」
涼花「それ、魔理沙お姉ちゃんにも聞かれたんだけど…。言っておくけど、文お姉ちゃんが喜びそうな事は何もないよ?」
文「またまた〜♪そんな事言って、何か隠してません?」
涼花「何も隠してないよ…隠すようなことも無いし」
文「面白くないですね…」
涼花「ゆーちゃんに幻想郷を案内してるだけだし、そんな事が記事になるの?」
文「ならないとも限りませんよ?色々と脚色を加えて面白おかしくしてしまえば読む人は増えます。見出しが涼花ちゃんと至音ちゃんのツーショットなら尚更です♪」
涼花「……はぁ、何を言っても無駄なんだよね……。分かった、書いて良いよ。でも、変な内容だったら怒るからね?」
文「変な内容とはどんな内容なのか気になりますが…まあ安心してください」
早苗「着いたぁ…」
文「おや、もう追い付きましたか」


目の前には、それは大きな滝がありました
その光景は圧巻で、時折顔にかかる水しぶきが心地良いです


ゆーちゃん「すごい滝だね…」
文「ここは、妖怪の山名物の九天の滝です」
ゆーちゃん「初日から思ってたんだけど、カメラがあればなぁ…」
文「ありますよ」
ゆーちゃん「え?」
文「取材の時は常に持ち歩いているのです。この滝を背景に、一枚撮りましょうか」
ゆーちゃん「いいの?」
文「もちろんです♪ささ、そこに並んで」


私達は滝のそばの岩場に立ちました


文「あやや?早苗さん早苗さん、写り込んでしまうので離れてください?」
早苗「え?いや、私も…」
文「出来れば、涼花ちゃんと至音ちゃんのツーショットが好ましいので」
早苗「私が入っても良いじゃないですか」
文「ふむ……では三人で撮って、その後ツーショットでも良いです」
早苗「どうしてもツーショットが撮りたいんですね…」
文「ではでは、三人とも笑って?はい、チーズ」


文「…良いですね〜♪では、次は涼花ちゃんと至音ちゃんで」
涼花「うん」
文「…出来れば、両手でピースを作ってもらえませんか?」
ゆーちゃん「こう?」
文「良いですねぇ良いですねぇ♪では撮りますよ?笑って笑って〜はい、チーズ」


文さんに写真を撮ってもらいました
写真は後で現像してくれるそうです
…なんで両手でピースだったのかは気になりました…撮る瞬間、文さんの目がどこかいやらしく感じましたし……ううん、きっと気のせいです
疑うなんて良くない


早苗「さあ、この滝を上れば守矢神社ですよ」
文「それでは、今度は私が至音ちゃんを運びますよ♪」
ゆーちゃん「え!?い、いや、ちょっと待っ…きゃー!」
涼花「……わたし達も行こっか」
早苗「至音ちゃん、ご愁傷様」


守矢神社


文「到着♪」
ゆーちゃん「うぅ……」
文「あらあら…速さにも慣れないと。とりあえず可愛いから一枚♪」
ゆーちゃん「や、やめてください…」
早苗「到着っと」
文「おやおや…やっぱり速いですね」
涼花「ゆーちゃん、大丈夫?」
ゆーちゃん「う、うん…大丈夫…」
早苗「ではなさそうですね。目的地に着きましたし、少し休みましょうか」


視線をあげると、博麗神社よりも立派な神社が建っていました


ゆーちゃん「…ここが、守矢神社?」
早苗「そうです。さあ、入ってください」


早苗「ただいま戻りました」
神奈子「おかえり」
涼花「お邪魔しま〜す♪」
神奈子「おや、涼花ちゃん。それと、至音ちゃんだったかな?」
ゆーちゃん「あ、はい、雪柳至音です」
神奈子「私は八坂神奈子。守矢神社の神だ」
ゆーちゃん「神様!?ほんもの!?」
神奈子「とは言え、八百万の神の一柱でしかないがな」
ゆーちゃん「八百万…本で読んだことあります。確か、日本には八百万の神様達が居るって…」
神奈子「そう言う事だ」
諏訪子「なになに?お客さん?」
涼花「あ、諏訪子お姉ちゃん♪」
諏訪子「涼花ちゃん♪…と?」
早苗「この子が、昨日お話しした至音ちゃんです」
諏訪子「ああ、涼花ちゃんのお友達の…私は洩矢諏訪子。この守矢神社の神だよ」
ゆーちゃん「諏訪子さんも?」
諏訪子「まあね」
早苗「立ち話もなんですし、続きは奥で話しましょうか」


神様まで居るなんて…まあ、吸血鬼やおばけが普通に居るような場所ですし、神様が居ても当たり前なのかな?と思いました
少しずつ、幻想郷に順応しているみたいです
神奈子さんと諏訪子さんからは、色々な話を聞くことが出来ました
神様にとって信仰がどれだけ大切なのか、どうして幻想郷に居るのか、幻想郷での生活など、聞いていてためになる話ばかりでした
でも、時折感じるいやらしい視線と、文さんの姿が見当たらないのが気になります…
涼花ちゃんや他の皆さんは気付いていないのでしょうか?


神奈子「ところで、涼花ちゃんと至音ちゃんは、どうやってここまで来たんだ?早苗一人で連れてこれるとは思えないが?」
早苗「ここまでは文さんに手伝ってもらったのですが…そう言えば姿が見えませんね」


文「ふふふ♪いくら夏で暑いからとはいえ、皆さん無防備過ぎますよん♪…至音ちゃんは薄々感づいてはいるみたいですが、問題ないでしょう。さて、疑い始める前に戻りますか」


文「すいません戻りました♪」
神奈子「おや、噂をすれば」
涼花「どこに行ってたの?」
諏訪子「どうせ盗撮でしょ?」
文「まさか。守矢神社からの絶景を撮影していたんですよ♪」
諏訪子「嘘くさ…」
文「ともあれ、お話は一段落したようですし、そろそろ次へ行ってみませんか?」
早苗「…それもそうですね。では、神奈子様諏訪子様、また行って参ります」
神奈子「ああ」
諏訪子「気を付けてね。涼花ちゃん、至音ちゃん、楽しかったよ♪またゆっくりお話しよう♪」
ゆーちゃん「はい♪」


私達は神様二人に別れを告げ、守矢神社をあとにしました
もっと色んなお話を聞きたいので、また来てみたいです
帰りは流石に早苗さんの背中です
もうあんな思いは嫌なので…


麓まで戻ってきました
地底への入り口は博麗神社の側にあるみたいです
以前、間欠泉が出てきたときに調査したとか何とか
で、私達が目指しているのが地底の奥にある地霊殿と言うお屋敷
そこにいるさとりと言う方が、涼花ちゃんのお友達だとか
是非とも会ってみたいです


文「ここは陰気な妖怪が多いですからね…さっさと地霊殿まで向かいましょうか」


確かに嫌な雰囲気が漂っています…あまり長居はしたくありません


旧地獄街 街道


ゆーちゃん「わぁ、大きな街だね」
早苗「ここは地獄街。様々な妖怪が暮らしています」
ゆーちゃん「え?地獄?」
文「地獄と言っても昔の話ですけどね。今では、忌み嫌われた妖怪達の住む街となっています。さあ、地霊殿はこの先ですよ」


地獄まであるなんて…本当に幻想郷は不思議なところです
昔ながらの雰囲気の街を抜けると、大きな西洋風のお屋敷が見えてきました


地霊殿


涼花「お邪魔しま〜す」
お燐「はいは〜い、どちらさま?」
早苗「どうも」
涼花「こんにちは♪」
お燐「涼花ちゃんに巫女のお姉さんじゃない♪遊びに来てくれたのかな?」
涼花「そんなとこ」
お燐「さとり様も会いたがってましたよ♪さあこちらです♪」


私達は猫耳のお姉さんに促されて、地霊殿へと入っていきました
西洋風な建物ですが、紅魔郷と違ってここはステンドグラスがとても綺麗です


お燐「そう言えば、後ろの子は?」
涼花「わたしのお友達♪」
ゆーちゃん「あ、雪柳至音です。お姉さんは?」
お燐「私は火焔猫燐。お燐って呼んで♪」
ゆーちゃん「分かりました、お燐さん」
お燐「お燐で良いって♪至音ちゃんも、なかなかかわいい顔してるよね♪」
ゆーちゃん「ど、どうも…」
お燐「思わず食べたくなっちゃうよん♪」
ゆーちゃん「…へ?」
お燐「なんでもない♪」
ゆーちゃん「………」


食べたくなるって聞こえたような気がしましたが…きっと気のせいです
そう言えば、また文さんの姿が見あたりませんが…


お燐「さとり様〜、お客様ですよ〜」
さとり「分かってます。そんな大声をあげないでください」
涼花「さとりお姉ちゃん、こんにちは♪」
さとり「涼花ちゃん、早苗さん、ようこそいらっしゃいました。それから、雪柳至音ちゃんですね?」
ゆーちゃん「は、はい」
さとり「あのラジオ収録以来ですね。と言っても、あの時至音ちゃんは寝ていましたからね…改めて。私は古明地さとり。この地霊殿の主です」
ゆーちゃん「ど、どうも…」
さとり「ふむ……様々な疑問が浮かんでいるようですが、一番気になっているのはあの鴉天狗が居ないこと…ですか」
ゆーちゃん「え?」
さとり「どうして考えていることが分かったのか…ですか。答えは簡単。私が、相手の心を読むことが出来るからです」
ゆーちゃん「心を読む……」
さとり「…私の言ったことを疑いもなく信じる…やはり、子供の心は純粋で良いものですね」
ゆーちゃん「は、はあ…」
お空「さとりさま〜、おやつはまだですか〜?」
涼花「あ、お空お姉ちゃん♪」
お空「あれ?涼花ちゃんじゃない。どうしたの?遊びに来たの?」
涼花「ゆーちゃんに、幻想郷の案内をしてるところ」
お空「ゆーちゃん?」
ゆーちゃん「あ、どうも。雪柳至音です」
お空「至音ちゃん?ゆーちゃんじゃないの?」
涼花「幽霊みたいだからゆーちゃんって呼んでるの」
お空「なるほど。で?私はなんて呼んだらいいのかな?」
ゆーちゃん「何でも大丈夫です」
お空「じゃあ私は至音ちゃんって呼ばせてもらうよ」
ゆーちゃん「はい」
お空「ところでゆーちゃんって」
ゆーちゃん(あれ?)
お空「何の妖怪なの?」
さとり「お空、この子は人間ですよ」
お空「え?そうなの?人間なのに、よく地霊殿まで来れたね」
早苗「私と……あ、あれ?」
涼花「文お姉ちゃんがいないね」
さとり「あら?お燐も居ませんね…お空、お燐か鴉天狗を見ていませんか?」
お空「さっきお燐とはすれ違ったけど、天狗は見てないです」
さとり「ふむ……」


文「まさか貴女が、こんな良いアングルで撮れるスポットを教えてくれるとは」
お燐「でしょでしょ?お礼はマタタビで良いから♪」
文「…考えておきます」


さとり「……まあ良いでしょう。ところで、至音ちゃんに幻想郷を案内していたと言っていましたが…」
涼花「そうだった。けど次が最後だから、のんびりで良いかな?文お姉ちゃんのおかげで、そんなに時間もかからなかったし」
さとり「そうですか。では、少しお話をしましょう。私も至音ちゃんの事、もっと知りたいですし」
ゆーちゃん「私も、地霊殿の皆さんの事をもっと知りたいです」
さとり「では、紅茶でも飲みながら話すとしましょう」


地霊殿のさとりさんからも、色々なお話を聞くことが出来ました
妹さんも居るみたいですが、自由奔放で今はどこにいるか分からないみたいです
それから、お空さんは良い方なんですが…どこか抜けてるところがあるみたい…
たまに私の名前を間違えますし…
お燐さんは、仕事はよくしているらしいのですが、よくない悪巧みをしているらしく、妹さんと同様にさとりさんの悩みの種でもあるのだとか


話も一段落したので、私達は最後の目的地を目指すことにしました


さとり「最後は命蓮寺ですか。あそこの方達は安全ですし、問題はないでしょう」
お空「じゃあねゆうれいちゃん」
さとり「ゆーちゃん」
お空「あ、ゆーちゃん」
ゆーちゃん「う、うん、また遊びに来ます」
さとり「貴女達なら、いつでも歓迎しますよ」
早苗「ありがとうございました」
涼花「じゃあね♪」


さとりさんとお空さんに別れを告げて外にでると、文さんとお燐さんが居ました


お燐「では、約束のものは必ず」
文「だから考えておきますって」
涼花「文お姉ちゃ〜ん」
文「あら、涼花ちゃん。もう済んだのですか?」
お燐「じゃあ、私はこれで。じゃあね〜♪」
早苗「文さん、今までどこに?」
文「お燐さんに、地霊殿の穴場スポットを伺ったので、そちらに行っていました♪」
早苗「…やけに上機嫌ですね」
文「そりゃあもう♪素晴らしい景色の数々を撮影できましたから♪」
早苗「素晴らしい景色…ねぇ…」
文「あ、もう行くんですよね?だったら、地霊殿をバックに一枚撮影しておきましょう♪」
涼花「うん、お願い」
文「ではでは〜、笑って笑って〜?はい、チーズ」


文さんに写真を撮ってもらって、私達は命蓮寺へと向かいました


はい、地上へ戻ってきました
命蓮寺は人間の里の近くにあるみたいなので、ここからは徒歩です
…となれば良いのですが、文さんがどうしても私を運びたいと言い出したので、文さんと一緒に行くことにしました
やっぱり速いのは苦手と言うか慣れません…
あと、どうして文さんは私をお姫様だっこで運ぼうとするのでしょうか?


文(肌触りが最高だからですよ♪)


命蓮寺


なんだかんだで着いたみたいです
幻想郷には神社がふたつありましたが、お寺もあるんですね


早苗「はぁ…着きましたよ…」
文「むむぅ…やっぱり速いですね」
早苗「それは…そうですよ…貴女に…変なことさせません…」
涼花「いったん深呼吸」
早苗「すー……はー……すー……はー……」
文「まったく、私が何をすると言うのですか?」
早苗「疑われるのは普段の行いのせいです」
響子「はいはいそこまで。貴女達、何しに来たの?」
涼花「響子お姉ちゃんこんにちは♪」
響子「こんにちは!」
ゆーちゃん「っ!?」
文「あ…相変わらず、貴女の声は大きいですね…さすが山彦…」
聖「あら、お客様ですか?」
涼花「聖お姉さんこんにちは♪」
聖「こんにちは。今日はどのようなご用で?」
涼花「ゆーちゃんに幻想郷の案内をしてるの」
聖「そうですか。さあ、どうぞ中へ。外は暑かったでしょう?冷たい麦茶でも出しましょう」
四人「ありがとうございます♪」


聖「さあ、どうぞ」
涼花「ありがとう♪」
ゆーちゃん「あの…?」
聖「申し遅れました。私は聖白蓮。この命蓮寺の僧侶です」
ゆーちゃん「あ…雪柳至音です、涼花ちゃんのお友達です」
聖「ふふ♪そんなにかしこまらなくても良いですよ?もっと力を抜いてください」
ゆーちゃん「は、はい…」


と言われても、お寺は神社よりも、なんだかかしこまった雰囲気だから…


ゆーちゃん「………」
聖「…まあ良いでしょう。少しずつ慣れていきますよ。それより、幻想郷の案内と言っていましたね。どこを見てきたのですか?」
涼花「もうほとんど見てきて、ここが最後なの」
聖「そうですか。至音ちゃん、今まで見てきた中で、どこが一番印象に残りましたか?」
ゆーちゃん「う〜ん……地霊殿のステンドグラスは綺麗だったし、妖怪の山の滝はすごかったし、冥界は思ったより良いところだったし…一番なんて決められません」
聖「良い答えですね。変な質問をしてしまってごめんなさい」
ゆーちゃん「あの…ここはどんな所なんですか?」
聖「見ての通りの小さなお寺ですが、以前は船として幻想郷の大空を飛んでいたのですよ」
ゆーちゃん「へぇ、すごいですね」
聖「…あまり驚いていませんね」
ゆーちゃん「いや、その…驚いてはいるんですけど、これまで色々な場所で色々な人達を見てきたから慣れちゃって…」
涼花「そう言えば、村紗お姉ちゃんや星お姉ちゃんは?」
聖「皆、里の納涼祭に行ってしまって…」
早苗「納涼祭?」
聖「あら、ご存知無い?妖怪も参加するとかで、結構知れ渡っていると思っていたのですが…」
涼花「納涼祭か…じゃあ、最後の最後に納涼祭に参加しちゃおう♪」
早苗「良いですね」
ゆーちゃん「賛成♪」
涼花「でも、その前に…」
ゆーちゃん「?」
涼花「ゆーちゃんにもう一人、紹介したい人が居るの」
早苗「それって?」
涼花「たすけてみこえも〜ん」
神子「誰ですか!求聞口授に影響されて変な呼び名で呼ぶのは!」
涼花「やっほー♪神子お姉ちゃん♪」
神子「り、涼花ちゃん!?」
早苗「何気に、ちゃんと絡む形では初登場ですね」
神子「涼花ちゃん、私を呼びたいのは分かりますし、求聞口授にも書いてありましたから、そんなに文句は言いません。ですが、その様な呼び方で登場してしまう私の身にもなってください」
早苗「登場してしまう貴女にも問題があると思います…」
神子「それはそうかも知れませんが…おや?」
ゆーちゃん「あ…えっと…」
神子「ふむ……君は……外の世界から来たのかな?」
ゆーちゃん「は、はい。あの…貴女は?」
神子「うん?ああ、私は豊聡耳神子。つい最近復活した聖人」
ゆーちゃん「聖人?」
早苗「この方はなんと、あの有名な聖徳太子その人なのです」
ゆーちゃん「この人が……え?聖徳太子って、女の人だったの?」
神子「その話は後でゆっくり話すとして…私は君に興味があります」
ゆーちゃん「わ、私に?」
神子「名前は?」
ゆーちゃん「雪柳至音です」
神子「至音…良い名ですわね。君は……ふむ、なかなかに面白い」
ゆーちゃん「?」
神子「君と涼花ちゃんは親友。今は、幻想郷の案内をしてもらっているのかな?……動物が好きですね。特に、毛の多いものが好きで、埋もれたいという願望をもっていますね。結構結構」


な、なんでそんな事まで?と言うことを、神子さんは見事に言い当てました
十人の言葉を聞き分けられるほど耳の良い神子さんは、どうやら人の本質までも聞いてしまうとか…
と言うより、聖徳太子が今目の前に居ることに、もっと驚いた方が良いとは思いますが…慣れとは恐ろしいものです


涼花「神子お姉ちゃん、布都ちゃんや屠自古お姉ちゃんは?」
神子「君は…布都だけは布都ちゃんと呼ぶわね…いつから?…まあそれは良いとして、ここの妖怪達同様、里の納涼祭に行ってしまいました。私も向かっているところだったのですが…」
涼花「じゃあ、皆で一緒に行こう♪聖お姉さんも一緒に行こう?」
聖「え?い、いや…寺を空けるわけには…」
涼花「いいからいいから♪レッツゴー♪」
聖「ち、ちょっと涼花ちゃん!?」
神子「あらあら…」
早苗「しかし、良いのですか?」
神子「何がですか?」
早苗「神霊廟、誰も居なくなってしまうのでは?」
神子「特に問題も無いでしょう。誰かが居なければならないというものでもありませんし」
早苗「そんなものですか?」
神子「そんなものです。さあ、私達も行きましょう」


人間の里で行われていた納涼祭に参加して、私の幻想郷滞在記は終わりになります
納涼祭は、今まで訪れた場所の方達も参加して大いに盛り上がっていました
ただ…その納涼祭で能楽を演じていたお面のお姉さんが誰なのか…
どうやら涼花ちゃんも知らないみたいでした
その事に驚いていたのは早苗さんの方でしたが…
神子さんや白蓮さんが仲が良さそうなので、あのお姉さんの事は後で誰かに聞いてみます
三日間通して感じたことは、こんなに不思議で楽しくて、ちょっぴり不気味な幻想郷に住んでいた涼花ちゃんが、少し羨ましくなりました
幻想郷に住んでいる方達も良い人(妖怪?)達ばかりなので、これを機に色々な場所の方々ともっとお話したいと思いました
それから、阿求さんに貰った幻想郷縁起は、私の愛読書になりそうです
挿し絵が付いていて分かりやすいですし、何より読んでいて面白いので
……ああ、安心してください、このあとお風呂にはちゃんと入りました
そう言えば、命蓮寺に着いた後から文さんの姿が見あたりません…
なんだろう?なんか嫌な予感がするのは私だけでしょうか?


文「ふふふ♪皆さんの無防備で霰もない姿を大量に撮影する事に成功しました♪これは記事を書くのが楽しみだわ♪…あ、でも……至音ちゃんのこんな写真を記事にしたら、涼花ちゃんはきっと怒りますよね…。仕方がない、これは私のコレクションとして保存しておきましょう♪…むふふ♪」


う……なんか悪寒が……


おわり