涼花ちゃんストーリーまとめサイト(改)


物言えば 唇寒し 秋の風


蜩が鳴き始め、赤蜻蛉が田畑を舞い、鈴虫達が合唱をする。
厳しい残暑の中にも秋の訪れを感じ始めた幻想郷。



文「う〜ん……スランプだわ……なかなか良い書き出しが思い浮かばない……やっぱり、詩のようにしたのは間違いだったかしら?」
はたて「文、何してるの?」
文「はたて?…私が何をしていようが、あんたには関係ないでしょう?」
はたて「ひょっとしてぇ…スランプかしらん?」
文「ニヤニヤするな気持ち悪い」
はたて「ひど〜い、せっかくネタになりそうな話を持ってきてあげたのに」
文「誰かにネタを教えてもらうほど、落ちぶれてはいないわよ」
はたて「あ、そう」
文「それに、わざわざ私に教えるなんて、裏があるとしか思えないわ」
はたて「あんたじゃないんだから、そんなことはしないわよ」
文「私は清く正しくを売りにしているの。裏なんて無いわ」
はたて「はいはい。じゃあ、このネタは私が独り占めするから」
文「勝手にしなさい」


文「とは言え、ネタ不足なのは事実だし……あんなこと言わなきゃ良かったわ……物言えば 唇寒し 秋の風…とは、よく言ったものね」


終わり


文「いやいや、終わらない終わらない。こうなったら、はたてのネタを横取りしてやるわ。第二次ダブルスポイラーよ!」


人間の里


はたて「ふむふむ…なるほど…」
咲夜「もう良いかしら?私もあまり暇ではないので」
はたて「ありがとうございました♪次は是非、定期購読を♪」
咲夜「断る」
はたて「まあ、断ったところで、勝手に置いていくから良いけどね」
咲夜「ゴミを増やさないでもらえる?…ただでさえ、もう一人の天狗の新聞が溜まりに溜まって困ってるよ…今度会ったら、一言言っておいてもらえない?」
はたて「私が言ったところで無駄だとは思うけど?」
咲夜「最初から期待なんかしてないわ。じゃあね、強引な取材も程々にしなさい?」
はたて「考えておくわ。さて、次は…」


文(咲夜さん…特に取材するようなことは無さそうだけど…確認してみますか)


咲夜「〜♪」
文「咲夜さ〜ん♪」
咲夜「あら、新聞屋さん」
文「どうもどうも♪さて、前置きは飛ばして本題に」
咲夜「なに?」
文「単刀直入に聞きます。はたてと何を話されていたのですか?」
咲夜「別に?ただ、今日のパーティーの時間を聞いてきただけよ」
文「またまた〜♪それ以外にも根ほり葉ほり聞かれたんじゃないんですか?」
咲夜「何も?本当にパーティーの時間を聞いただけ。後は、貴女の事かしら?」
文「私の?」
咲夜「貴女が勝手に置いていく新聞、溜まりまくってて困ってるのよ。はたてにもそんな事をされたらかなわないわって話。それだけ」
文「ふむ……」
咲夜「…もう良いかしら?」
文「あ、はい、ありがとうございました」


文「う〜ん……」


はたて「あ、妖夢さ〜ん」
妖夢「はたてさん、今日も取材ですか?」
はたて「はい♪で、早速伺いたいんですけど、今って大丈夫ですか?」
妖夢「う〜ん…少しだけなら良いですよ」
はたて「ありがとうございます♪」


文「あの子もよく、自分から取材をするようになったものね。てっきり引き籠もりに戻るものと思っていたけど…」


はたて「ありがとうございました♪次回からは是非、定期購読を♪」
妖夢「お断りします。では、私はこれで」


文「………」


文「妖夢さ〜ん♪」
妖夢「あ、八百屋さん、人参と白菜をください」
文「無視しないでくださいよ〜」
妖夢「はぁ……なんですか?見ての通り私は忙しいんで、用があるなら手短にお願いします」
文「時間はとらせませんよ。先程、はたてと何を話していたんですか?」
妖夢「本人に直接聞いたらどうですか?」
文「それは…記者としてのプライドが…」
はたて「そんなプライド捨てたら?」
文「は、はたて…何故ここに…」
はたて「あんたがつけてきていることに、気付かないとでも思った?」
文「うぐ……」
妖夢「……もう行ってもいいですか?」
はたて「あ、どうぞどうぞ。文が呼び止めて申し訳ありません」
文「ちょ、ちょっと……行っちゃった……」
はたて「で、文は私に言うことがあるんじゃないの?」
文「うぅ……だ、誰があんたに頭を下げるものですか!」
はたて「そう言うところがいけないんじゃない?記事も記者も、もっと素直にならないと」
文「うるさいうるさい!あんたなんかに言われなくったって分かってるわよ!」

ざわざわ…

はたて「あらら、ちょっと騒ぎになっちゃったわね。どうする?今ならあんたが記事のネタになりそうだけど?」
文「うぐぅ……うぅ〜……うわあぁ〜ん!」
はたて「あ…」


妖怪の山


文「なによなによ…あんなに言わなくったっていいじゃない……ぐすん……」

はたて「…スランプ続きで落ち込んでたから、対抗意識を刺激してやる気を出させてあげようと思ってたんだけど…」
椛「なんであんな感じになっちゃうわけ?」
はたて「仕方が無いじゃない…顔を合わせるといつもあんな感じなんだから」
椛「いつもは真逆の展開で、はたてが泣かされてたけどね」
はたて「う……」
椛「で、どうするの?さすがにあのままにしておく訳にはいかないと思うけど?」
はたて「う〜ん…何か良い案無い?」
椛「そんな事言われても、そうすぐには……」
穣子「あら?何やらお困りの様子ね」
はたて「穣子さん」
静葉「私もいるわ」
椛「静葉さんも」
穣子「で、どうしたの?」
はたて「実は……」


かくかくしかじか…


穣子「だったら、私達に任せなさい♪」
静葉「落ち込んでいるときには美味しいもの」
穣子「そして私は豊穣の神様。秋の味覚なら任せなさい♪」
はたて「おお!頼りになる!」
椛「…そう?」


文「………」
穣子「文ちゃ〜ん♪」
文「穣子さん、静葉さん……何ですか?」
静葉「何やら落ち込んでるみたいだね」
文「…貴女方には関係のないことですよ…」
穣子「そんな事言わないで?ほら、これでも食べて元気だして?」
文「柿…ですか?てっきり甘藷(サツマイモ)でも渡してくれるものと思ってましたが…?」
穣子「甘藷もあるわよ。こっちが良い?」
文「渋柿に当たりたくはありませんからね」
静葉「はい。今年は穣りが良いから、甘くて美味しいよ」
文「ありがとうございます。う〜ん、良い香りですねぇ♪では、いただきます♪……はむはむ」
穣子「どう?美味しい?」
文「うん、美味しいです♪」
静葉「それは良かったわ」
穣子「ふふふ♪元気になったみたいね」


はたて「なかなか良い感じじゃない」
椛「お腹すいた…」


文「御馳走様でした。静葉さん、穣子さん、どうもありがとうございました」
穣子「困ってる人を見過ごせないのが神様だからね」
静葉「困ったことがあったら遠慮なく言って?少しは力になれると思うから」
文「はい、ありがとうございます♪」
穣子「じゃあね」
静葉「パパラッチも程々にね」


文「…よし、美味しいものも食べたし、いつまでも落ち込んでいられないわね。取材再開よ!」


はたて「良かった良かった」
椛「これで良かったの?」
はたて「うん?」
椛「だって、文さんが新聞を書けなければ、天狗の新聞大会で少しは順位も上がったんじゃない?」
はたて「そんな姑息な手段を使ったって、面白くないでしょ?それに、ライバルが居ないと張り合えないじゃない」
椛「そんなものかな?」
はたて「そんなものよ」
椛「ところで、最初にはたてが言ってた良いネタって?」
はたて「涼花ちゃんの友達のゆーちゃんが、夏休みを利用して幻想郷に来ていたみたいなのよ。三日くらいかけて涼花ちゃんが幻想郷の案内をしていたらしいから、その事を記事にすれば面白いと思ってね」
椛「…それ、文さんはとっくに記事にしてるよ?」
はたて「……え?」
椛「…だから、はたての記事は古いんだね。その理由が分かったわ」
はたて「じ、じゃあ、私は何の記事を書けば?」
椛「知らない」
はたて「こ、こうしちゃいられないわ!私も新しいネタを探さないと!悪いわね椛、色々と世話になって」
椛「良いから、さっさと行ったら?」
はたて「そ、それもそうね!じゃあね!」


椛「……やれやれ」
静葉「戻ったわ」
穣子「元気になってよかったわ」
椛「二人ともおつかれさま」
穣子「あれ?はたてちゃんは?」
椛「新しいネタを探しに飛んでいきました。二人にはお礼を言っておいてと言ってましたよ」
静葉「気にしないで、困ってる人を見過ごせないのが神様だから」
穣子「そう言う事♪…さて、今年は忙しくなりそうね♪」
静葉「毎年忙しいけど、今年は特に忙しくなりそう」
穣子「そう言うわけだから、私達はそろそろ行ってみるわ」
椛「あ、はい。文さんの件、本当にありがとうございました」


椛「ふぅ…疲れた。小腹もすいたし、ちょっと休憩し……あの二人から甘藷でももらっておけば良かった…。仕方がない、紅葉饅頭がまだあったはずだから、それを食べよう」


幻想郷 上空


はたて「文〜!」
文「おや?どうしたの?」
はたて「わ、私も取材に行くわ!」
文「あらら?さっき言っていたネタとやらはどうしたのかしら?」
はたて「あ、あれは…都合が悪くなったのよ!」
文「はいはい」
はたて「本当だって!」
文「だったら、振り出しに戻ったことだし、一勝負する?」
はたて「のぞむところよ!」


椛「ま〜た始まった…仲が良いのか悪いのか…」


文「……ありがと……」ボソッ
はたて「何か言った?」
文「何も?ほらほら、そんなスピードだと、私に追い付けないわよ?」
はたて「あ、待ちなさ〜い!」


終わり