涼花ちゃんストーリーまとめサイト(改)


チョコレートのように甘く溶けて


2月14日、言わずもがなバレンタインです
しかし今年のバレンタインは、いつもと比べて違う雰囲気が漂っていました


紅魔館


咲夜「………」
美鈴「………」
咲夜「…なに?」
美鈴「チョコください」
咲夜「もうあげたじゃない」
美鈴「そうではなく本命をください」
咲夜「そうやって催促するものかしら?それに、本命は作らないって」
美鈴「私から差し上げたチョコは本命です」
咲夜「………」
美鈴「………」
咲夜「…貴女の気持ちに対しても、ちゃんと返答したつもりだったけど?」

咲夜を抱き締める美鈴

咲夜「こんな事をしたって、貴女への気持ちは……」
美鈴「たとえ何と言われようと、私は……咲夜さんが好きです」
咲夜「………」
美鈴「………」
咲夜「…貴女も大概よね。よりによって、私に好意を抱くなんて」
美鈴「………」
咲夜「…いつまで抱き締めているの?」
美鈴「……貴女が、私に振り向いてくれるまで」
咲夜「それは有り得ない。私の心はお嬢様の……」
美鈴「……そうですか。分かりました」

そう言って咲夜を押し倒す

咲夜「め、美鈴!?」
美鈴「私に振り向いてくれないのなら……私のものにならないのなら……私は……貴女を……」

無理矢理唇を重ね、そして服の上から咲夜の体を

パチェ「はい、そこまで」
涼花「え〜…ここからが良いところなのに〜…」
パチェ「この小説は18禁よ。そもそもそんな本、どこで見付けてきたの?」
涼花「図書館にあったよ?『チョコレートラヴ』だって」
パチェ「タイトルなんてどうでも良いわよ…多分小悪魔の仕業ね?まったくあの子は…」
涼花「ねえねえ、この小説借りても良い?」
パチェ「駄目に決まってるでしょ?」
涼花「む〜…」
パチェ「それより涼花ちゃんは、図書館に何の用があって来たの?」
涼花「あ、すっかり忘れてた。チョコレートのレシピ本とか置いてないかな?」
パチェ「そう言う事は、小悪魔に聞いた方が良かったんじゃない?あの子は一応司書だし」
涼花「それで渡されたのがこの本」
パチェ「…あの子には後で、お灸を据えておかないとね。それから、この図書館にあるのは魔導書ばかりだから、料理本の類は無いわ」
涼花「そっか…」
パチェ「チョコレートを作りたいのなら、咲夜に聞いてみたら?そう言う事には詳しいでしょ」
涼花「いやぁ…あんな本を読んだ後だし…ね?」
パチェ「あれはフィクションよ。分かってると思うけど」
涼花「でもバレンタインだし、咲夜お姉ちゃんも忙しそうだったから」
パチェ「そもそも、涼花ちゃんは作れたはずでしょ?去年も一昨年も、作って渡したって聞いたし」
涼花「わたしの年齢設定がブレちゃうから、そう言う話はしちゃ駄目だよ♪」
パチェ「それを本人の口から聞くことになるとは思わなかったわ」
涼花「それに、わたしが知りたいのはデコレーションなの」
パチェ「デコレーション…」
涼花「ほら、みんなにあげるにしても、毎年同じだと飽きちゃうでしょ?だから、料理本とか読んで参考にしたいの」
パチェ「心がこもっていれば良いと思うけどね」
涼花「でも、作る側としては相手に喜んで欲しいじゃない?味も見た目も♪」
パチェ「そう言うの、考えたこともなかったわね。そもそも私は、友チョコや義理チョコしか作ったことないし」
涼花「またまた〜♪魔理沙お姉ちゃんに手作りの特製チョコとかあげたんでしょ♪」
パチェ「なんでそこで、魔理沙が出てくるのかが分からないけど…」
涼花「もう♪とぼけなくてもいいんだよ♪」
パチェ「いや、ほんとに…」
涼花「え?だってパチュリーお姉ちゃん、魔理沙お姉ちゃんのことが好きでしょ?」
パチェ「は?なんであいつを好きにならなければならないのよ。魔導書を散々盗まれて、こっちはいい迷惑だって言うのに」
小悪魔「その割にはパチェ×魔理の薄い本とか、引き出しの奥の方に大事にしまってありますよねぇ?」
パチェ「な、何故その事を…」
小悪魔「こぁは何でもお見通しなのです♪」
涼花「その薄い本の内容、詳しく」
小悪魔「色々ありますよね。純愛ものからハードなものまで」
パチェ「それ以上言ったら…分かってるわよね?」
小悪魔「う…じ、じゃあ私は、お茶の用意をしてきます!」
パチェ「はぁ…」
涼花「んふふ〜♪」
パチェ「今聞いたことは忘れなさい」
涼花「そうはいかないよ♪」
パチェ「私が怒る前に、お口にチャックをした方が良いわ。私は相手が涼花ちゃんであろうと、手加減をしない質なの」
涼花「わ、分かったよ…」
パチェ「はぁ…溜め息しか出ないわ…」
涼花「…何か良い案ないかな?」
パチェ「そうね…私が思い浮かぶのは、普通にハート型とか、そんな感じのものかしらね」
涼花「それも良いんだけど…」
パチェ「そこにチョコペンで文字を書いてみたり。まあ、定番中の定番ね」
涼花「う〜ん…やっぱり、咲夜お姉ちゃんに聞いてみるよ」
パチェ「その方が良いと思うわ」
涼花「じゃあ、ちょっと行ってみるね。この小説は」
パチェ「駄目よ」
涼花「う…わ、分かったよ…今は諦めるよ…」
パチェ「読める歳になったら貸してあげても良いわ」


小悪魔「紅茶をお持ちしました」
パチェ「ありがと」
小悪魔「あれ?涼花ちゃんは?」
パチェ「もう行ったわ。ところで、この小説を涼花ちゃんに勧めたのは貴女でしょ?覚悟は出来てるんでしょうね?」
小悪魔「え?これって、チョコレートのレシピ本じゃないんですか?」
パチェ「読んでみなさい?」
小悪魔「………うわぁ///」
パチェ「知らなかったの?」
小悪魔「し、知りませんよ…どうして図書館にレシピ本があるのか疑問に思ってはいましたが…まさか、中身がこうなっているなんて…///」
パチェ「…まあ、知らなかったのなら仕方がないわね。後でどこにあったのか教えなさい」
小悪魔「…パチュリー様もお好きですね///」
パチェ「五月蝿い」


紅魔館 キッチン


涼花「咲夜お姉ちゃ〜ん♪」
妖精メイド「あら?涼花ちゃん、こんなところまで何のご用でしょうか?」
涼花「咲夜お姉ちゃんに会いに来たんだけど…ここには居ないの?」
妖精メイド「メイド長でしたら、先ほど部屋へ戻りましたよ」
涼花「そっか、ありがと♪…そ・れ・か・ら♪」
妖精メイド「は、はい、何でしょう?」
涼花「つまみ食いしてたこと黙っててあげるから、わたしにもちょうだい♪」
妖精メイド「う……」
涼花「ほら、口止め料ってやつだよ♪」
妖精メイド「し、仕方がないですね…ちょっとだけですよ?」
涼花「やった♪」


紅魔館 咲夜私室前


涼花「〜♪」

「……ですから……そこを……」

涼花「ん、何だろ?話し声が聞こえる…」

「それは……でも……」

涼花「咲夜お姉ちゃんと……美鈴お姉ちゃんかな?何を話してるんだろ?」

美鈴「お願いします。他に頼める人が居なくて…」
咲夜「妖精にでもしてもらったら?」
美鈴「頼んでみたのですが……その……がキツいじゃないですか……」

涼花「ん?良く聞こえなかった……」

咲夜「まあ妖精だし、仕方がないわね。いっそのこと、永遠亭に行ってみたら?」
美鈴「……は、専門ではないと断られまして……」

涼花「……所々聞き取りづらいな……」

美鈴「どうかお願いします…このままだと、仕事にも支障が…」
咲夜「……仕方がないわね。でも、今回だけよ?その後は、自分で何とかしなさい?」
美鈴「あ、ありがとうございます!」
咲夜「じゃあ、服を脱いで横になって」

涼花「っ!?///」

美鈴「ぬ、脱ぐんですか?」
咲夜「勘違いしないで。……だけよ」
美鈴「わ、分かりました…」
咲夜「やるからには徹底的にやるわよ?」
美鈴「は、はい…」

涼花「な、なに?なにが起こってるの?///」

涼花「………」キョロキョロ

涼花「…誰も居ないね。鍵は…掛かってる…。鍵穴からは…見えない…。ちょっと聞こえづらいけど…むふふ♪声だけでも♪」

咲夜「あらあら、こんなに硬くなっちゃって」
美鈴「し、仕方がないですよ…」
咲夜「確かにこれだけだと、妖精ではキツいかもしれないわね」
美鈴「うぅ…」
咲夜「あ、痛かった?」
美鈴「い、いいえ、大丈夫です」
咲夜「そう…じゃあ続けるわね」

涼花「わぁ///」

美鈴「う…んん…」
咲夜「はぁ…はぁ…」
美鈴「あ、そこ…」
咲夜「ここ?」
美鈴「そう、そこが…あぁ…きもちいいです」

涼花「はわわ〜///」

美鈴「咲夜さん…上手ですね」
咲夜「お嬢様の為に磨いたテクニックよ。それを、お嬢様ではなく貴女に使うなんてね…」
美鈴「う…」

涼花「………///」
レミリア「涼花ちゃん?」
涼花「っ!!」
レミリア「ここ、咲夜の部屋じゃない。こんな所で何をしてるの?」
涼花「あ…いや、これはその…」
レミリア「?」
涼花「ち、ちょっと耳を当ててみて?」
レミリア「何よ?」
涼花「いいから」
レミリア「………」

美鈴「あぅ…そ、そこ…きもちいい」
咲夜「こんなに硬いの初めてよ」
美鈴「ず、ずっと立ちっぱなしだったもので…」
咲夜「これは…私ももう少し頑張らないとね」

レミリア「なっ!?///」
涼花「ね?」
レミリア「こ、これは…涼花ちゃんが聞いて良いものではないわよ…///」
フラン「なに聞いてるの?」
涼花「あ、フランお姉ちゃん」
レミリア「………///」
フラン「どうしたの?」
涼花「フランお姉ちゃんも聞いてみて♪」
フラン「?」

咲夜「あら、こっちも硬くなってるわね」
美鈴「あ、そこは…」
咲夜「それ」
美鈴「んぅ!ま、待って…」
咲夜「言ったでしょ?徹底的にやるって」
美鈴「あぅ!そ、そこは駄目です…」

フラン「わぁ〜///」
涼花「ね?」
レミリア「あ、貴女達は聞いちゃ駄目よ///」
フラン「そんなこと言って、お姉様だけ楽しむつもりでしょ?そうはいかないわ。ね〜♪」
涼花「ね〜♪」
レミリア「ね〜♪じゃなくて…」
パチェ「あら、何をしているの?」
フラン「美鈴と咲夜がむふふなの♪」
涼花「むふふなの♪」
パチェ「そんな訳ないでしょ?」
レミリア「パチェも聞いてみなさいって」
パチェ「ん〜……」

美鈴「そ、そこは駄目ですって!」
咲夜「痛い?」
美鈴「い、痛くはないです…むしろ気持ちいいんですけど…」
咲夜「だったら良いじゃない」
美鈴「はうぅ…うぅぁ…」

パチェ「ふ〜ん」
フラン「ふ〜んって…何も思わないの?」
パチェ「いや、何だか…揃いも揃っておめでたいと思ったわ」
レミリア「なんですって!」
パチェ「はいはい、ちょっとどいてて」
レミリア「ち、ちょっと…まさか」
パチェ「ア○カム!…咲夜、入るわよ」
咲夜「あ、パチュリー様」
美鈴「ふぅ〜…ふぅ〜…」
パチェ「…やっぱりね。そんな事だろうと思ったわよ」
咲夜「あの…」
パチェ「説明するのも面倒だけど…とりあえず、それが終わったらレミィの部屋に来なさい」
咲夜「は、はい…」


紅魔館 レミリア私室


パチェ「…で?日頃の立ち仕事で体がバッキバキに凝ってたから、咲夜に何とかしてもらっていたと」
咲夜「その通りです。なので、疚しい事など何も」
パチェ「それで、涼花ちゃんが勘違いをしたのね」
フラン「あれは誰だって勘違いするって…」
涼花「でも、妖精さんだとキツいって言ってたのは?」
美鈴「ほら、妖精って小さいじゃないですか。そんな手でマッサージされたら、痛いところをピンポイントで突かれるからキツいって言ったんです」
パチェ「永遠亭の医者に頼んでも、凝りに関しては専門外って言われたのね」
美鈴「はい…湿布くらいは有るのではないかと聞きましたが、無いの一点張りで…それで養生しろとは言われましたが、そうもいかない訳で…」
パチェ「はぁ…馬鹿らしい。良い機会だし、たまには美鈴を休ませてあげたら?」
レミリア「だったら、誰に門番をさせるのよ?」
パチェ「小悪魔を使って良いわ。一日、二日なら大丈夫だから」
レミリア「パチェがそれで良いなら。では美鈴、貴女には休暇を与えるわ。ゆっくり休みなさい」
美鈴「あ、ありがとうございます!」
涼花「良かったね、美鈴お姉ちゃん♪」
パチェ「美鈴と咲夜は下がって良いわ。次は貴女達の番」
レミリア「……ん?」
パチェ「盗み聞きなんかするものではないわ」
フラン「お姉様、随分と熱心に聞いてたよね〜」
レミリア「フランもでしょ?それに、最初に聞いてたのは涼花ちゃんだから」
パチェ「そう言う問題ではないわ。もし、あの時聞いたものが本当に、涼花ちゃんに聞かせてはならないものだったらどうするのよ?」
レミリア「う……」
パチェ「涼花ちゃんも涼花ちゃんよ。鍵が掛かっていたのならノックをすればいい。話し声が聞こえたのなら聞き耳立てずにどこかで待てばいい」
涼花「ごめんなさい……」
パチェ「妹様もですよ」
フラン「ごめんパチェ……」
パチェ「……まあ、せっかくのバレンタイン。あまりお説教をするのもね」
フラン「そう言えば、涼花ちゃんは何しに紅魔館に?」
涼花「あ、すっかり忘れてた。咲夜お姉ちゃんに、チョコレートのデコレーションについて聞こうと思ってたんだった」
レミリア「涼花ちゃんは誰に渡すのかしら?」
涼花「それはナイショ♪」
フラン「……ねぇねぇ、私にだけコッソリ教えて?私も教えるからさ♪」
レミリア「あ、ズルい」
涼花「う〜ん……絶対に言わない?」
フラン「言わないよ♪」
涼花「じゃあ、フランお姉ちゃんにだけ教えるね?耳貸して」


美鈴「まさかそんな風に聞かれていたとは、思いもしませんでしたね」
咲夜「まったくよ。涼花ちゃんも大概だわ」
美鈴「でも…勘違いしたって事は……私達って、普段からそういう風に見られてるって事ですかね?」
咲夜「そんな訳無いでしょ」
美鈴「で、ですよね…あはは…」
咲夜「………」
美鈴「………」
咲夜「…ところで」
美鈴「は、はい?」
咲夜「貴女には、バレンタインの日にチョコを渡す相手は居ないの?」
美鈴「義理チョコ以外で…ですか?」
咲夜「そう」
美鈴「なんでまた…」
咲夜「興味本位よ。で?どうなの?」
美鈴「そうですね……渡したい相手は居ます」
咲夜「へえ。太極拳と昼寝にしか、興味がないのかと思ってたわ」
美鈴「酷いです……」
咲夜「普段の行いの所為よ」
美鈴「うぅ……」
咲夜「それで…貴女の渡したい相手って、誰なの?」
美鈴「…言わなきゃ駄目ですか?」
咲夜「駄目」
美鈴「うぅ…だ、誰とは流石に言えません…どんな人なのかまでなら…」
咲夜「…仕方がないわね、それで良いわ。貴女の想い人は、どんな人なの?」
美鈴「そ、そうですね……うん?」
小悪魔「あ……」
美鈴「………」
咲夜「小悪魔、丁度良いところに居たわね。パチュリー様からお話があるはずだから、お嬢様のお部屋に行きなさい」
小悪魔「は、はい……」
美鈴「………」
咲夜「何かあったわね?」
美鈴「へ!?い、いや、何もありませんよ!!」
咲夜「動揺してるわね…やっぱり、何かあったのね?」
美鈴「な、何もありませんって!!……何も……」


数日前……


咲夜「美鈴」
美鈴「はい、何でしょう?」
咲夜「ちょっと、バレンタイン用のチョコレートやら何やらを買ってくるから、留守を頼んだわよ」
美鈴「はい、いってらっしゃい」
咲夜「私が帰ってきたときに居眠りなんかしていたら…分かってるわね?」
美鈴「も、勿論です!」
咲夜「じゃあ、行ってくるわ」
美鈴「……バレンタイン、か……」
小悪魔「美鈴さん」
美鈴「あれ?小悪魔さん、ここまで出て来るなんて珍しいですね」
小悪魔「はい。ちょっと、バレンタイン用のチョコレートを買いに」
美鈴「チョコレートでしたら、たった今咲夜さんが買いに行きましたよ?」
小悪魔「個人的に作りたくて…」
美鈴「と言うことはつまり、本命ですか?」
小悪魔「は、はい…」
美鈴「小悪魔さんにも、そう言う方が居るんですね」
小悪魔「………」
美鈴「…もし良かったら、どんな人なのか私にだけ教えてくれませんか?」
小悪魔「え……」
美鈴「あ…ご、ごめんなさい。嫌…ですよね?」
小悪魔「い、いいえ……その……め、美鈴さんが渡したい相手を言ってくれたら……私も……」
美鈴「私…ですか?そうですね…やっぱり、咲夜さんですかね?何だかんだでお世話になっていますし」
小悪魔「……私では駄目…ですか?」
美鈴「……え?」
小悪魔「貴女の想い人……私では駄目ですか?」
美鈴「そ、それって……」
小悪魔「わ、私、その……い、以前から、貴女の事が……」
美鈴「え、えっと……」
小悪魔「………」
美鈴「そ、その……何と言ったらいいのか……」
小悪魔「そう…ですよね…いきなり、こんな事を言われても…迷惑ですよね…。ごめんなさい、いま言った事は忘れてください……それでは……」
美鈴「あ……」


現在……


咲夜「美鈴?…美鈴!」
美鈴「は、はい!」
咲夜「ぼーっとしちゃって…どうしたの?」
美鈴「な、なんでも…」
咲夜「やっぱり、小悪魔との間に何かあったのね?」
美鈴「何もありません」
咲夜「ふ〜ん。それで?」
美鈴「はい?」
咲夜「貴女の想い人がどんな人なのか、まだ聞いていないのだけど?」
美鈴「そ、そうでしたね…う〜ん……普段はクールで、何でも出来て、とても頼りになる人です」
咲夜「へえ、小悪魔ではないのね?」
美鈴「もう勘弁してくださいよ…」
咲夜「他には?」
美鈴「他と言われましても…これ以上言ったら具体的になりすぎますよ…」
涼花「咲夜お姉ちゃ〜ん」
咲夜「あら、どうしたの?」
涼花「バレンタインのチョコレートのデコレーションについて、色々と聞きたいの。もともとそれが目的だったの、すっかり忘れてたよ」
咲夜「そうだったの。じゃあ、キッチンに行きましょうか」
美鈴「ふぅ…」


紅魔館 レミリア私室


パチェ「と言う訳だから、美鈴に代わって門番の仕事をしなさい」
小悪魔「し、しかし、それでは司書の仕事が…」
パチェ「一日や二日程度なら大丈夫よ。それに人のことは言えないけど、貴女も図書館に籠もりきりなんだから、少しは外に出た方が良いと思うわ」
小悪魔「……はい、分かりました……」
レミリア「…本当に良いの?」
パチェ「妖精に任せるよりは良いでしょ。こっちは図書館の妖精に、いつも以上に頑張ってもらえば良いだけだし」
レミリア「何かあったら言って?こっちも数匹なら、妖精メイドを回す余裕もあるだろうし」
パチェ「ありがと、助かるわ」
レミリア「では小悪魔。門番の仕事、しっかりこなしなさい」
小悪魔「…はい」


キッチン


咲夜「さて、デコレーションについて聞きたいと言うことだけど…今から作って間に合うの?」
涼花「実はもう、大まかなところまでは完成してるの。だから、可愛くて美味しそうなデコレーションをして、相手を喜ばせたいと思って」
咲夜「なるほどね。デコレーションと言っても様々だけど…」
フラン「咲夜♪」
咲夜「あら、妹様」
フラン「私にも教えて♪」
咲夜「喜んで。では涼花ちゃん、一緒に作りながら教えますね」
涼花「うん」


紅魔館 図書館


パチェ「ふぅ…やれやれ」
妖精メイド達「ヒソヒソ…ヒソヒソ…」
パチェ「こら」
妖精メイド達「ひっ!」
パチェ「貴女達、何をサボってるのよ」
妖精メイド達「こ、これは…その…」
パチェ「…うん?貴女達が読んでるのって…」
妖精メイドA「え、え〜っと…」
妖精メイドB「こ、この子が見付けたから」
妖精メイドC「ちょっと!私の所為にしないでよ!」
パチェ「はぁ…どいつもこいつも、頭の中が春真っ盛りで嫌になるわ…」
妖精メイドC「で、でも…こんな本を大量に保管してるパチュリー様も…」
妖精メイドB「ち、ちょっと!?」
パチェ「あら、言ってくれるじゃない?でも、そこを突かれると確かに反論できないわね。だからと言って、サボっていた貴女達を見逃すほど、私は甘くないわ」
妖精メイドA「そ、そんな〜…」
パチェ「さあ、サボっていた分きびきびと働きなさい?」
妖精メイド達「はい……」
パチェ「………」


紅魔館 門前


小悪魔「はぁ……なんでこうなっちゃったんだろ……でも、美鈴さんの為を思えば頑張れるかな?」


紅魔館 キッチン


咲夜「とりあえずはこんなものかしら」
涼花「やっぱり咲夜お姉ちゃんはすごいね」
フラン「ホントだよ。バレンタイン用のチョコも、こんなにバリエーション豊かに作れちゃうんだから」
涼花「ちょっと難しいものもあったけど、これならわたしにも出来そうだよ」
咲夜「それは良かった」
フラン「…うん?このチョコは…」
咲夜「妹様、いかがなさいました?」
フラン「ふふふ♪涼花ちゃん、ちょっと口開けて?」
涼花「あーん」
フラン「ひょいっと♪」
涼花「パクッ。…もぐもぐ…」
咲夜「い、妹様!それは…」
涼花「な、なに?このチョコ……中になにか入って……」
フラン「ふふふ♪」


紅魔館 図書館


パチェ「……なるほど。読んだことがないというのは、やっぱり嘘だったのね。ドッグイヤーを付けてる辺りあの子らしいわ」
妖精メイド「パチュリー様、本が三冊ほど行方不明です」
パチェ「どうせ魔理沙の仕業でしょ?」
妖精メイド「それが…記録によると、今朝までは有ったようで…」
パチェ「何が無くなっているの?」
妖精メイド「え〜っと…中級錬金術の本、魔法薬…主に惚れ薬等の作成指南書」
パチェ「…誰かチョコに混ぜるつもりね?」
妖精メイド「それと『チョコレートラヴ』です」
パチェ「チョコレートラヴなら、私がいま読んでるところよ」
妖精メイド「いいえ、それが…記録によると、もう一冊有るみたいで…」
パチェ「……小悪魔ね。報告ありがと。その三冊は大丈夫だから、貴女は仕事に戻りなさい」
妖精メイド「分かりました」
パチェ「はぁ…あの子は何を考えているのかしら?」


紅魔館 キッチン


涼花「んふふ〜♪ちょっとほろ苦かったけど〜、このチョコおいしいね〜♪もっとちょ〜だい♪」
咲夜「り、涼花ちゃん?」
涼花「ん〜?」
咲夜「…大丈夫?」
涼花「なにが〜?いま〜、なんだかふわふわしてて〜、すっごくきもちいいんだ〜♪」
咲夜「妹様!」
フラン「なぁに?」
咲夜「涼花ちゃんに食べさせたのって、もしかして…」
フラン「この涼花ちゃんの状態を見れば分かると思うけど、ワイン入りのチョコだよ♪」
咲夜「やっぱり…」
フラン「酔った涼花ちゃんがむふふだって聞いたから、ちょっと試してみたんだけど…」
涼花「ん〜、ちょっと暑くなって来ちゃったなぁ〜。脱いじゃえ♪」
咲夜「こ、こんなところで脱がないで!」
涼花「あ〜、おっぱいだ〜♪もみもみしてあげる〜♪」
咲夜「ちょっ!や、やめて!」
フラン「きゃはは♪これは予想以上だわ♪」
咲夜「わ、笑ってないで、止めるのを手伝ってください!」


紅魔館 美鈴私室


美鈴「……………落ち着かない」

美鈴「普段、休みなんてほとんど貰えないから、こんな時どうしたら良いのか分からない……暇なときは太極拳だったけど、養生しろって言われてるし……」

美鈴「はぁ……仕方がない。ちょっとだけ、門の様子を見てこよう」


紅魔館 門前


小悪魔「うぅ…厚着をしたとは言え、やっぱり寒いですね…。美鈴さんは、毎日こんな苦労を…」

小悪魔「………」

小悪魔「どうして私は、美鈴さんに好意を抱いてしまったのでしょう?この小説の所為でもあるとは思うけど……」
パチェ「まさかこの小説に、貴女と美鈴の絡みまで書かれているとは思わなかったわ。これを読んで、余計に意識してしまったのね」
小悪魔「パ、パチュリー様!?もしかして、今の独り言…」
パチェ「ええ、バッチリ聞かせてもらったわ」
小悪魔「うぅ〜…パチュリー様も人が悪いです…」
パチェ「貴女よりはマシよ。あんなに演技が上手いとも思わなかったし」
小悪魔「……やっぱりバレてしまいましたか」
パチェ「で?」
小悪魔「はい?」
パチェ「貴女は惚れ薬を作って、いったい何をしようとしていたのかしら?」
小悪魔「ほ、惚れ薬?何のことですか?」
パチェ「媚薬の調合書を持っていったの、貴女でしょ?」
小悪魔「媚薬の調合書……ち、違います!あれは…」
パチェ「返答次第ではってやつよ」
レミリア「ならば、ここからは私から説明するわ」
パチェ「レミィ?貴女…」
レミリア「パチェ、貴女は大きな誤解をしているわ。ちょっとは頭を冷やしなさい?」
パチェ「誤解って…」
レミリア「この子、バレンタインのチョコについて、私に相談してきたの」


数日前 紅魔館 レミリア私室


小悪魔「失礼します」
レミリア「あら、どうしたの?パチェは来てないわよ?」
小悪魔「いいえ、今日はお嬢様にご用がありまして」
レミリア「私に?珍しいわね」
小悪魔「お嬢様、折り入ってお願いがあります」
レミリア「なに?」
小悪魔「今度のバレンタインについて、アドバイスを頂きたいのです」
レミリア「そう言う事なら、私ではなく咲夜に聞くべきだと思うけど」
小悪魔「今回だけは、誰にも知られたくないので…」
レミリア「そう…。とは言われてもねぇ…どんなアドバイスが欲しいのかしら?」
小悪魔「渡し方ももちろんですが…どちらかと言うと、チョコレートのデコレーションについて」
レミリア「ふむ……だったら趣向を凝らして、ワイン入りのチョコレートなんかどうかしら?」
小悪魔「ワイン入り…」
レミリア「これなら、あまり他人と被らないだろうし、酒好きの幻想郷住民には好まれると思うわ」
小悪魔「ワイン入りワイン入り……すみません、ちょっと失礼します」


数分後……


小悪魔「申し訳有りません、お待たせしました」
レミリア「…その本は?」
小悪魔「ワインやチョコレートは、かつて媚薬として貴族の方々に親しまれていたと言われています」
レミリア「それは聞いたこと有るわ。ワイン、チーズ、チョコレート、牡蠣等、当時は高級品で精の付くものがそうだったみたいね」
小悪魔「なので媚薬の調合書とか、そう言った類の書物に、もしかしたらヒントがあるかと思って」
レミリア「……あるかしら?」
小悪魔「紅魔館の図書館にレシピ本のような物が無いので仕方がありません」
レミリア「図書館としてどうなのかしらね?まあ、無いのなら仕方がないわ。それを読んでみましょうか。もちろん、媚薬を作る目的ではなくよ?」
小悪魔「分かってますよ♪」
レミリア「……で?そっちの錬金術の本は?」
小悪魔「カカオ豆を発酵させ焙煎し、色々な物を混ぜて固めてチョコレートは作られます。種子から液体、液体から固体。元の物と全く違う物を作り出す。即ち、チョコレート作りとは錬金術なのです」
レミリア「貴女…不器用って言われない?」
小悪魔「たまに言われますが?」
レミリア「これは先が思いやられるわね…」


現在……


パチェ「…阿保らしい。レシピ本くらいなら、人間の里に行けばいくらでも有るでしょ?」
レミリア「言ったでしょ?誰にも知られたくないって。そんな本を買ってきたら、貴女は間違いなく気付くでしょ?」
パチェ「だからと言って錬金術で作ろうとか思うかしら…?」
小悪魔「かの高名な錬金術士は、スイーツを錬金術で調合し作り出しました。なので間違った選択ではないのです」
パチェ「あの人達は特別なのよ。…この話はここまで。長くなりそうだわ」
レミリア「結論としては、とても美味しいチョコが出来たわ。当然、媚薬としての効果も無しよ」
パチェ「じゃなきゃ困るわ」
レミリア「しかし、結局のところは誤解を招くような真似をした貴女の所為なんだから、一応謝っておきなさい?」
小悪魔「は、はい…紛らわしい事をしてしまって、申し訳有りませんでした…」
パチェ「まったくよ…。はぁ…呆れ果てて言葉もないわ…。持ち出した本は、あとでちゃんと戻しておきなさい?」
小悪魔「そ、それは勿論」
パチェ「はぁ…溜め息しか出てない…。もう疲れたし、先に戻るわね…」
レミリア「パチェ」
パチェ「…何よ?」
レミリア「どうして、媚薬の調合書が図書館にあるの?」
パチェ「……資料としてよ」
レミリア「何の資料?」
パチェ「……成分表。分かりやすいから……使ってるわ……」
レミリア「歯切れが悪いわね。……パチェ?貴女、まさか?」
パチェ「や、疚しいことは何もないわ」
レミリア「本当に?」
パチェ「本当…よ……」
レミリア「小悪魔、貴女は何か知っているんじゃない?」
パチェ「小悪魔、変なこと言ったら承知しないわよ?」
小悪魔「いやぁ、実はですね?パチュリー様はこの本で、色々とお勉強をなさっているみたいで〜」
パチェ「小悪魔!」
小悪魔「お口にチャック…」
レミリア「パチェ…貴女、やっぱり…」
パチェ「レミィも真に受けないでよ…」
レミリア「ちょっとからかってみただけじゃない。それじゃあ、私もそろそろ戻るわ。チョコが仕上がってるはずだからね。小悪魔、引き続き頑張りなさい?」
小悪魔「はい!」

美鈴「なんだか、上手く聞こえなかったけど…ほ、惚れ薬とか聞こえた気が……きっと気のせいですよね…?」


紅魔館 キッチン


咲夜「はぁ…はぁ…」
涼花「もぉ〜、にげちゃだめだよ〜?」
咲夜「い、妹様!何とかしてください!」
フラン「エロい方法で良いなら♪」
咲夜「エロい方法以外でお願いします!」
涼花「つ〜かま〜えた♪」
咲夜「!?」
フラン「私がやらなくても、このままエロエロになっちゃいそうだね♪」
咲夜「くっ!うぅっ!」
涼花「もみもみできないから抵抗しないでよ〜」
咲夜「させないように抵抗してるのよ!」
フラン「涼花ちゃん、私が手伝ってあげるよ♪」
咲夜「い、妹様!?なにを…!!」
フラン「ほら、これで思う存分もみもみ出来るよ♪」
涼花「ありがとうフランお姉ちゃん♪お礼に、あとでもみもみしてあげるね♪」
フラン「遠慮しておくわ。逆に涼花ちゃんをもみもみしたいくらいだし」
涼花「じゃあ、咲夜お姉ちゃん?覚悟してね♪」
咲夜「や、やめ…」
レミリア「はいストップ」
涼花「あ、レミリアお姉ちゃん♪」
咲夜「た、助かりました…」
レミリア「涼花ちゃ…貴女、お酒でも呑んだの?すごい臭いだけど」
フラン「そこにあったチョコを食べさせただけよ♪」
レミリア「これ、小悪魔が作ったチョコ…の余りかしら?」
フラン「それを食べたら涼花ちゃんがこんな事になっちゃって…だから、つまみ食いした涼花ちゃんが悪いんだよ」
レミリア「まるで加害者ではないみたいな言い方するのね。咲夜を羽交い締めにして、何をしようと…いや、何をさせようとしていたのかしら?」
涼花「こういう事だよ♪」
レミリア「おっと、させないわよ?」
涼花「たまには良いじゃん♪」
レミリア「良くないわ。フラン、見てないで何とかしなさい」
フラン「エロい方法で?」
レミリア「以外でよ」
フラン「はぁ…つまんない…。じゃあ、とりあえず気絶させれば良いかな?」
レミリア「…手加減しなさいよ?」
フラン「分かってるって♪そいや!」
涼花「きゅっ!」
フラン「ふぅ。それじゃあ、涼花ちゃんを部屋まで運んでおくよ」
レミリア「頼むわ。……自分の部屋に連れ込んだら、分かってるわね?」
フラン「もう…少しくらい良いじゃん。お姉様だって、そう言うこと考えなかったわけではないでしょ?」
レミリア「考えてすらいないから、さっさと空き部屋に運びなさい」
フラン「空き部屋で良いのね?じゃあ運んでくるよ」
レミリア「……心配だから、咲夜も一緒に行きなさい」
咲夜「分かりました」


しばらくして……


涼花「ん…にゅ〜…」
フラン「あ、気が付いたみたい」
涼花「あ…あれ?ここは?」
レミリア「紅魔館の一室よ。気分はどう?」
涼花「うぅ〜…なんだか頭が痛いよ…」
咲夜「妹様が加減しないから…」
フラン「シーッ!」
涼花「…?」
レミリア「何か覚えてる?」
涼花「う〜ん…咲夜お姉ちゃんにデコレーションとか教えてもらって…それから…う〜ん?」
レミリア「覚えていないのならそれで良いわ。正直なところ、覚えてないほうが良いと思うし」
涼花「???」
咲夜「ところで、もうお昼過ぎになりますが…涼花ちゃんは大丈夫なのですか?」
涼花「う、うそ!?大変!もう戻らないと!」
レミリア「咲夜、涼花ちゃんを送ってあげなさい」
咲夜「分かりました」
フラン「じゃあ、私も部屋に戻るわ。涼花ちゃん、またね♪」
涼花「またね〜♪」


紅魔館 図書館


妖精メイド達「ヒソヒソ…クスクス…」
パチェ「また…こら、貴女達?」
妖精メイド達「ひっ!」
パチェ「まったく…またサボってたわね?」
妖精メイド達「こ、これには理由が…」
魔理沙「よう。邪魔してるぜ」
パチェ「ま、魔理沙?」
妖精メイド達「い、一応、いまはお客様ですので…」
魔理沙「お客様だぜ♪」
パチェ「はぁ…何の用なの?」
魔理沙「今日は2月14日。つまりバレンタインなわけだ」
パチェ「そうね。…それで?」
魔理沙「惚けるなよ♪」
パチェ「まったく……ちょっと待ってなさい?」

パチェ「ほら」
魔理沙「お、サンキュー♪それじゃあ私からも…ほら」
パチェ「え?」
魔理沙「貰ってばかりだとあれだから、たまにはな」
パチェ「あ…ありがと…」
魔理沙「気にするな。その代わり、ホワイトデーのお返しは良いものを頼むぜ?」
パチェ「うん…」
魔理沙「用件はこれだけだ。じゃあな」
パチェ「あ…」
魔理沙「うん?なんだ?」
パチェ「その…ハ、ハッピー…バレンタイン…///」
魔理沙「ああ、ハッピーバレンタイン♪」


紅魔館 門前


小悪魔「あ、そうだ…チョコ、いつ渡そうかな?今は門番の仕事があるし……」

美鈴(と言うことは、今は持ってない?だったら、今しか無い)

美鈴「小悪魔さん」
小悪魔「美鈴さん?どうしました?」
美鈴「その…どうにも落ち着かなくて…。それに、代わりに門番の仕事をしてもらっている小悪魔さんに、何も言わずに任せてしまうのは…」
小悪魔「そんな、気にしなくても良いのに」
美鈴「それから……ついでと言うわけではないのですが…」
小悪魔「?」
美鈴「こ、これ…受け取ってください」
小悪魔「え?あ…その……あ、ありがとうございます!」
美鈴「……では、私は戻りますね」
小悪魔「待ってください」
美鈴「はい?」
小悪魔「あの…私からも、渡したい物が…」
美鈴「…え?」
小悪魔「あ…やっぱり、ご迷惑ですよね?」
美鈴「い、いいえ、そう言う訳では……その……あ、ありがたく…いただきます…」
小悪魔「…あ」
美鈴「な、なんですか?」
小悪魔「もし宜しかったら、今すぐに食べてほしいんです」
美鈴「え…?」
小悪魔「門番の仕事を任されちゃいましたし、美鈴さんは療養に入るわけですから……今のうちに、チョコレートの味の感想を聞きたくて」
美鈴「………」
小悪魔「安心してください、毒なんか入っていませんから」
美鈴(毒じゃなくて惚れ薬が入っているんじゃ…)
小悪魔(ドキドキ…///)
美鈴(……ええい、ままよ!)


咲夜「今日教えたところを忘れてなくて良かったわ」
涼花「咲夜お姉ちゃん、ありがとう。これなら、みんなにも喜んでもらえそうだよ♪」

「………」

咲夜「…ん?」
涼花「どうしたの?」
咲夜「今、なにか…」

「……美鈴……さん……そんな……出ちゃいますよ……」
「……すごく……です……小悪魔さん……」

涼花「わぁ〜///」
咲夜「…変な勘違いしてると、また怒られるわよ?」
涼花「だって、今度こそそうでしょ?」
咲夜「私が見て来るから、涼花ちゃんはそこに居なさい」
涼花「え〜…」


咲夜「貴女達、いったい何をしているの?」
美鈴「あ、咲夜さん。今、小悪魔さんからチョコレートをごちそうになっていまして」
小悪魔「そんなに食べると鼻血が出ちゃうって言っているのですが…」
美鈴「このチョコ、すごく美味しいんですよ♪中にワインが入っているのがまた何とも♪」
咲夜「はぁ……だろうと思ったわよ」
小悪魔「?」
咲夜「涼花ちゃん、もう来ても大丈夫よ」
涼花「やっぱりむふふな」
咲夜「訳ないでしょ?」
魔理沙「いやぁ、私もむふふな展開かと思ってたぜ」
咲夜「魔理沙?…紅魔館で何をしていたの?返答次第では、容赦しないわよ」
魔理沙「怖い顔するなって。今日は客人だ」
咲夜「とか言って、何を盗んできたのかしら?」
魔理沙「何も盗んでないって。どちらかと言うと渡しにきたんだから」
咲夜「貴女が他人に何かを渡すとも思えないけど」
魔理沙「今日はバレンタインだぜ?何を渡すかなんて、すぐに分かるだろ?」
咲夜「どうだか」
魔理沙「疑るなよ。本当に今日はバレンタインのチョコを渡しにきただけなんだから」
咲夜「……まあ良いわ。今回は見逃してあげる」
魔理沙「だから何も盗んじゃいないって」
涼花「誰に渡したの?パチュリーお姉ちゃん?」
魔理沙「それは言えないな。じゃあ、私はそろそろ帰るぜ。そこのお二人さん、末永く幸せにな」
小悪魔「そ、そう言うのでは…///」
咲夜「そうよ?他人の恋路に茶々入れないの」
美鈴「咲夜さんまで…///」
涼花「それじゃあ、邪魔者は退散だね」
咲夜「そうね。行きましょうか」
小悪魔「だからそう言うのではなくて…///」
美鈴「い、行ってしまいましたね…///」
小悪魔「………///」
美鈴「そ、それじゃあ、私も戻りますね…///」
小悪魔「め、美鈴さん…」
美鈴「は、はい」
小悪魔「あ……やっぱり、何でもありません。ゆっくり休んでくださいね」
美鈴「はい…」

涼花「二人とも顔が真っ赤だね」
咲夜「でも、互いにもう一歩、歩み寄れれば良いのに」
魔理沙「お前らも物好きだよな。こんなところでコソコソと覗くなんて」
咲夜「人のこと言えた立場かしら?」
魔理沙「でも、あいつらは歩み寄って良いのか?」
咲夜「仕事に支障がない程度ならね」
魔理沙「本音は?」
咲夜「歩み寄れる訳がない」
魔理沙「だよな。ま、あいつらは、あの距離感が良いんだろうな」
咲夜「そもそも、めーこぁなんて需要が無いのよ」
魔理沙「それを言ったら終わりだぜ?」
涼花「すー…すー…」
魔理沙「寝るなよ…」
涼花「冗談はさておき」
魔理沙(冗談なのか?)
涼花「わたしも帰ってチョコ作らないと」
魔理沙「美味しいチョコを期待してるぜ♪」
涼花「任せて♪」
咲夜「で?結局魔理沙は、誰に渡したの?」
魔理沙「ないしょだぜ♪」


紅魔館 図書館


パチェ「魔理沙が…チョコを…///」
妖精メイド達「ヒソヒソ…ニヤニヤ…」
パチェ「貴女達!」
妖精メイド達「ひぃっ!」


終わり