涼花ちゃんストーリーまとめサイト(改)


虹の架け橋


それは今年も訪れた、梅雨時のある昼下がりの事。
涼花ちゃん、ぬえ、小傘の三人は新品の傘をさして、雨空のもと、お散歩を楽しんでいました。
それは、いつからか三人で決めた、梅雨時の恒例行事となっていました。


小傘「やっぱり、雨の日のお散歩は楽しいよね」
涼花「だね♪」
ぬえ「…まあ、悪くはないわね」
涼花「あ、この木…」


それは何の変哲もない大木でしたが、三人にとっては思い出深い場所なのです。


ぬえ「ここって」
涼花「私が二人と友達になった場所♪」
小傘「そう言えばそうだったね」


三人は傘を閉じ、大木の下で雨宿りをはじめました。
雨の奏でる静寂の中、三人はただ、雨を眺めていました。
すると、あの時のことを、三人は自然と思い出していきます。


涼花「今日は虹、見られるかな?」
ぬえ「さあ。でも、そろそろ雨も上がりそうだし、見られるんじゃない?」
小傘「きっと見れるよ。私達の心は、こんなに綺麗なんだから♪」
ぬえ「それ、本気で言ってる?」


三人は笑っています。
すると、雲間から陽の光が射し込んできました。
先ほどまで雲に覆われ、暗く陰っていた幻想郷の大地を、太陽の優しい光が照らしていきます。
そして。


涼花「わぁ〜♪」
ぬえ「うそ、ほんとに?」
小傘「虹だ〜♪」


三人の目の前には、それは見事な虹が架かりました。
思わず言葉を失います。


涼花「ねえ、二人に聞きたいんだけど」
ぬえ「うん?」
小傘「なに?」
涼花「虹って、歩けるの?」
ぬえ「いや、さすがに無理でしょ」


ぬえが涼花ちゃんに、虹は云々と語りますが、小傘がそれをさえぎります。


小傘「無理じゃない、虹は歩けるよ。私達は、虹の弾幕を撃てるんだから、歩けたって不思議じゃない」
ぬえ「いや、それとこれとは」
小傘「それに、ここは幻想郷だよ?どんなことだって」


小傘は、ぬえと涼花ちゃんの手を掴み、大空へと舞い上がりました。


小傘「やってみないと分からないでしょ♪」
ぬえ「こ、こら小傘!涼花ちゃんもいるんだから、無茶するんじゃないわよ!」
小傘「虹はすぐに消えちゃう。だから、急がなきゃいけないじゃない♪」
ぬえ「そうだけど……ああ、もう!分かったわよ!付き合って上げるわよ!」


小傘とぬえの二人で、涼花ちゃんの体を支えます。
そして全速力で、虹の出ている方向へ飛んでいきました。
しかし、三人が虹へ向かっていくと、虹はその姿を徐々に消していきました。


ぬえ「駄目だ、もう消えそう」
小傘「大丈夫!きっと間に合う!」
涼花「いっけー!」




虹は消えてしまいました。
虹に乗ることも、そして触れることも出来ませんでしたが、それでも涼花ちゃんは満足でした。


小傘「あーあ、消えちゃったね」
ぬえ「まったく、無茶ばかりするんだから」
涼花「でも、楽しかった♪」
小傘「それに近づくことは出来たんだから、いつか触ることも、そして乗ることだって絶対に出来るよ♪」
ぬえ「そうだといいわね」


小傘、ぬえ、涼花の三人は、地上へと降り立ちました。
そして、雨に濡れた道を歩いていきました。
虹を歩くことは出来ませんでしたが、それでも三人は満足です。
虹を歩く、そんな夢物語も、彼女たちならいつか、実現してしまうのでしょう。
何故なら彼女たちは。


終わり