涼花ちゃんストーリーまとめサイト(改)


教えて魔理沙ちゃん


前書き

今作品の時間軸は、原作ではダブルスポイラー以前、涼花ちゃんストーリー内ではトロイメライ編以前となります。
その為、作中で矛盾等起こっていますが、ご了承頂ければ幸いです。

それでは始まります。


最初に断っておくが、これは私自身のアレやソレを赤裸々に語るものではないので悪しからず。

幻想郷に暮らしていれば、誰でも一つや二つの疑問も浮かんでくるもの。
それを、私が直々に調べてやろうと言う企画な訳だ。
例えば、アリスの人形は本当は自立しているんじゃないか?ヤマメの糸はどこから出しているのか?等々、本当に些細でささやかなものを調査していくぜ。
まずは手始めに近場から…アリスの所にでも行ってみるか。
と言うわけで、調査開始だ。


マーガトロイド邸


相変わらず、良い家に住んでるよな。
さて……ん?何で家の扉に魔法陣が張ってあるんだ?
しかもこれ、不可侵の魔法陣じゃないか。中で何やってるんだ?

ツンツン

ん?

上海「………」
魔理沙「………」


上海人形がこちらを睨んでるな。
アリスが中で何をしているのかも気になるが、目の前に都合良く調べたい相手が居るし、当初の目的を果たそう。

魔理沙「ああ…今日は別に、アリスに用があるって訳じゃないぜ」
上海「………?」
魔理沙「そう構えるなって。お前に用があって来たんだ」
上海「………」
魔理沙「本当だって。ほら、何もしないからこっちへ来い」


やはりこいつは自我があるのでは無かろうか?
敵意が無いことをアピールした満面の笑みを上海人形に向けた。
人形相手に何をやっているのかと自問自答すると悲しくなるが…。
まあその甲斐あって、上海人形は警戒せずに私の目の前まで来てくれた。

上海「………?」


近くで見ると、上海人形のそのクオリティの高さが伺える。
キョトンとした顔でこちらを見ている上海人形。その表情に何とも言えない衝動に駆られ、私は思わず…。

魔理沙「ていっ!」


…デコピンをかましていた。


上海「きゃんっ!」
魔理沙「っ!?」


い、今、こいつ…喋ったか?

上海「いったぁ〜…いきなり何するんだよ!」
魔理沙「あ、ああ…」
上海「まったく…近頃の弾幕馬鹿共は…。ん?何だよその顔…は……」


自分で気付いたようだ。

上海「あ…その……」
魔理沙「………」
上海「シ、シャンハーイ!」
魔理沙「誤魔化したっ!?」
アリス「騒々しいわね、人の家の前で何やってるのよ?」
魔理沙「ア、アリス!?」

おっと、本体に見付かってしまったか。と言うか、アリスは今まで家の中に居たんじゃなかったのか?

魔理沙「い、いや、あのな?……そ、そう、お前の家の扉に、不可侵の魔法陣が張ってあったから気になって……」
アリス「出掛けるから魔法陣を張っておいたのよ。最近物騒だからね。それよりも…」
魔理沙「な、何だよ?」
アリス「私の人形に何をしてたのよ?」
魔理沙「へ?あ、これは……」
アリス「魔理沙……あんたまさか、遂に人形にまで手を出そうとしてたんじゃ?」
魔理沙「なっ!?なんでそうなる!?私はただ調べてただけで」


あ…しまった、余計なことを口走った…。

アリス「…上海、しばらく魔理沙に近付いちゃダメよ?」
魔理沙「ま、待てよ誤解だ!」


聞く耳持たずか…アリスは上海人形を連れて家の中へ入ってしまった。
これはしばらく、口を利いてくれないかもな…。
済んだことは仕方がない、次の調査に行こう。
…………泣いてないぜ?
まあ結論としては、自立してるかどうかはっきりとは分からなかったな。
だが、もしかしたら言葉を発することは出来るのかもしれない。
あれが全てアリスの演技だとしたら、私はアリスを褒めたい。


人間の里


さて、次は阿求だな。
こいつの能力、一度見たものを忘れない程度の能力。本当に忘れないのか実験しようと思う。
使う材料はこちら。

紅魔館から借りた魔導書
図説百鬼夜行 現代語訳複写
表紙を魔導書にすり替えた大人の本
幻想少女写真集(18禁)

絵も忘れないのか試したいというのともう一つ、本当に忘れないのなら、後半二つで夜も眠れないだろうという試み。
今から楽しみだ。


稗田邸


阿求「珍しいですね、ここに来るなんて」
魔理沙「まあな」
阿求「それで?今日はどのような用件で?」
魔理沙「借り物なんだが、ちょっと目を通してほしい物があってな」
阿求「どれです?」
魔理沙「これだ。お前の能力なら、速読みたいに読んで覚えられるんじゃないのか?」
阿求「試したことが無いので何とも言えませんが…ちょっとやってみましょう」


そう言うと阿求は、私が紅魔館から借りた魔導書をパラパラとめくり始めた。


阿求「……大まかな内容なら、この速度でも覚えることが出来るみたいです」
魔理沙「そうか。じゃあ、次はこれも読んでみてくれ」


阿求は疑うことなく、表紙を魔導書にすり替えた大人の本をパラパラとめくり始めた。
すると阿求は、みるみるうちに顔を赤らめた。


阿求「ま、魔理沙さん…これ…///」
魔理沙「ん?どうした?」
阿求「その……内容が……///」
魔理沙「どうした?どんな内容だったんだ?」
阿求「いや……その……///」
魔理沙「なんだよ?言わなきゃ分からないだろ?」
阿求「うぅ〜……ま、魔理沙さんが読んで確認してください!///」
魔理沙「ん〜?……ああ、なるほどな」
阿求「なんて物を見せるんですか!///」
魔理沙「ああ、悪い悪い。…で?内容は覚えてるのか?」
阿求「聞かないでください!///」
魔理沙「まあいいか。じゃあ、次はこれだ」
阿求「…また変なものじゃないでしょうね?」
魔理沙「変なものって、どんなものだ?」
阿求「……あんまり意地悪しないでください……///」
魔理沙「悪い悪い♪次は図説百鬼夜行の現代語訳。それの複写だな。絵も覚えられるのか?」
阿求「え、ええ…まあ…」
魔理沙「そうか。それじゃあ、早速読んでみてくれ」


阿求は私を睨んでいる。まあ無理もないか。
しかしこれなら、すり替えても分からないだろう。
と言うことで、図説百鬼夜行現代語訳と幻想少女写真集(18禁)をすり替えてやった。


阿求「まったく…また変なものだったら…………にゃーっ!///」

…と言う奇声を発して、阿求は倒れてしまった。
まったく…これくらいのものに耐性を持っておかないと駄目だぜ?
しかし、このままだと検証出来ないからな、起こしてやるか。


魔理沙「おい、阿求。起きろ」
阿求「う〜ん……」

……倒れた拍子になのか着物がはだけている。
何とも色っぽい。
しかし、そんな事を考えてる場合ではないな。


魔理沙「おい、起きろ!」

いくら呼び掛けても起きる気配がないな。
仕方がない……起きないお前が悪いんだぜ?
私は阿求の顔を覗き込んだ。
まったく、よく寝てるぜ。そんなお前にはお仕置きだ。


魔理沙「……ていっ!」

あまりにも起きない阿求の額に、思いっきりデコピンをかましてやった。


阿求「あうっ!……あ、あれ?」
魔理沙「やっと起きたか」
阿求「わ、私は……っ!!///」

思い出したらしく、阿求は再び顔を真っ赤に染めた。


阿求「ま、魔理沙さん!///」

怒りにまかせてポカポカと殴ってくるが、その姿が何とも微笑ましい。


魔理沙「悪い悪い、悪かったって。まさかあの程度で気を失うなんて思わなかったからな」
阿求「もう…何なんですか!///」

頬を膨らませてみせるが、それがまた何とも微笑ましい。


阿求「……幻想郷縁起の魔理沙さんの項目、変態魔法使いに修正しておきますから」
魔理沙「な、何でそうなる!?」
阿求「当たり前じゃないですか!こ、こんなものを見せて!///」
魔理沙「こういう知識に疎いお前にも問題があると思うんだが?」
阿求「分かりました、修正しておきます」
魔理沙「ま、待ってくれ!私が悪かった!」

さすがに幻想郷縁起にそんな事が載るなんて不名誉きわまりない。
私は何とか阿求をなだめ、稗田邸を後にした。
結論としては、本当に覚えているみたいだ。
更には、絵や風景に関しても覚えておくことが出来るらしい。
さて、次は誰を検証してやろうか。


「そーなのかー」
魔理沙「うん?」
「そーなのかー」
魔理沙「そーなの…か?」
「そーなのかー」
魔理沙「へぇ、そーなのかー」
「そーなのかー?」
魔理沙「そーなんだー」
「そーなのかー♪」
魔理沙「…で?お前は何がしたいんだ?」
ルーミア「ん〜…コミュニケーション?」
魔理沙「だとしたら、もっと分かり易い言葉で話せ。ここは幻想郷だ」
ルーミア「でも『そーなのかー』で通じ合ってたじゃない」
魔理沙「お前に合わせてやっただけだ」
ルーミア「そーなのかー」
魔理沙「……そうだ」
ルーミア「ん?」

次の検証はこいつの作り出す闇に決定だな。


ルーミア「どうしたの?」
魔理沙「お前が作り出す闇、それについて調べたい」
ルーミア「やだ」
魔理沙「なっ!?何でだよ!」
ルーミア「闇属性が強いとか勘違いしてそうだから」
魔理沙「まさか、そんなわけないだろ?」
ルーミア「じゃあなんで?」
魔理沙「お前、闇を纏って移動してると、よく木や山肌にぶつかってるだろ?」
ルーミア「何にぶつかってるか分からないけどぶつかってるね」
魔理沙「前は見えんのか?」
ルーミア「闇だからね」
魔理沙「本当に見えてないのか、どのくらい見えないのか知りたいな。お前が作る闇の中に入れてくれないか?」
ルーミア「良いけど……本当に見えないよ?」
魔理沙「見てみないと信じられん」
ルーミア「そーなのかー」
魔理沙「それはもういい」
ルーミア「はいはい。それじゃあ近くに寄って」

私はルーミアのすぐ隣に立った。
金の髪から覗かせる無邪気な顔が何とも…。


ルーミア「ん?どうしたの?私の顔に何かついてる?」
魔理沙「いや、別に?」
ルーミア「…変なの。じゃあ、闇を出すね」

ルーミアの言葉を合図に、私の視界は漆黒の闇に染まった。


魔理沙「おお、本当に何も見えないな」
ルーミア「だから言ったじゃん」
魔理沙「こんな状態で、よく移動が出来るな」
ルーミア「きゃっ!///」
魔理沙「ん?」

私の右手が、弾力の良い何かに触った途端、ルーミアが短い悲鳴を上げた。


ルーミア「ち、ちょっと!どこ触ってるの!///」
魔理沙「どこって…見えないんだから何を触ってるのか…」

とは言うものの、ルーミアの反応から触っては行けない場所を触っている事は確かだ。
見えないから仕方がない、仕方がないんだぜ。


ルーミア「い、いつまで触ってるのよ!この変態魔法使い!///」
魔理沙「仕方がない仕方がない、見えないから仕方がないんだぜ」

今気づいた。闇を纏っている状態でも言葉は聞こえるんだな。ただ単に見えなくなるだけか。
とりあえず、私は触っている手を引っ込め、ルーミアに闇を解くように言った。


ルーミア「うぅ〜…この変態!///」
魔理沙「変態呼ばわりされる筋合いはないな。ちなみに、私はどこを触ってたんだ?」
ルーミア「うっさいばーか!///」

ルーミアは舌を出し、あかんべーをして去っていった。
やれやれ、何とも子供っぽい去り方だな。
結論。本当に真っ暗闇だった。
見えないだけで音は聞こえるみたいだ。
闇の中にいた感触としては、てっきり肌寒いものだと思っていたがそんな事はなかったな。
さて、次だな。
とは言え、誰を検証してやろうか…。


博麗神社


宛もなくふらふらしてると、やっぱりここに着いてしまうな。
……そうだ、霊夢は確か勘が鋭いんだったな。
それは私も認めるが、果たしてどこまで勘が鋭いのか検証してみるか。


魔理沙「よっ、霊夢」
霊夢「あら魔理沙、そろそろ来ると思ってたわ」
魔理沙「早速、勘が働いてるな」
霊夢「は?」
魔理沙「霊夢って勘が鋭いだろ?」
霊夢「まあ、私の自慢するところでもあるわね」
魔理沙「どこまで勘が良いんだ?」
霊夢「さあ?試したこと無いから分からないわね」
魔理沙「だったら、試してみないか?」
霊夢「良いけど…どうやって?」
魔理沙「う〜ん……そうだ」
霊夢「?」
魔理沙「まず、霊夢が目隠しをする」
霊夢「うん」
魔理沙「で、私が弾を撃つ」
霊夢「それで?」
魔理沙「霊夢が避けられれば勘が鋭いことになる。避けられなかったら思いっきり笑ってやる」
霊夢「なるほどね。良いわ、やってみましょう」

……おや?てっきり「最後のは何なのよ!」とか言うと思ってたんだが…まあ、本人がノリノリだから良いか。


霊夢「ほら、早くしなさい」
魔理沙「分かったよ」


目隠し完了。


魔理沙「それじゃあいくぜ?」
霊夢「ちょっと待ちなさい」
魔理沙「なんだよ?」
霊夢「声出したら、その方向に居るって分かるでしょ?」
魔理沙「あ、そっか」

私は物音を立てないように、霊夢の背後に回った。
普通の人間でも死角になる背後、更に霊夢は目隠しをしている。まず避けられないだろう。
霊夢よ、日頃の恨みなんかこれっぽっちも無いが、悪く思うなよ?
私は霊夢に向けて弾幕を放った。


ピチューン!


と言う気持ちの良い被弾音と共に、私はその場に倒れた。
何が起きたのか見当もつかなかった。
私が放心状態で空を見ていると、霊夢が私の顔を覗き込んできた。
額に残る微かな痛みに、私はやっと状況を理解した。


魔理沙「いたた……何するんだよ!」
霊夢「誰も反撃しないなんて言ってないわ」
魔理沙「そうきたか……と言うか、私が後ろから撃ったのが分かったのか?」
霊夢「これくらいの勘は働くみたいね」
魔理沙「くそっ……」
霊夢「ま、修行くらいにはなるかな。で?まだ続ける?」
魔理沙「当たり前だ!次は絶対に当ててやる!」
霊夢「……主旨変わってるわよ」
魔理沙「うるさい!いくぞ!」
霊夢「はぁ…分かったわよ」

その後、何度やってみても霊夢には当たらなかった。


霊夢「……いい加減諦めたら?」
魔理沙「嫌だね、絶対一発当ててやる」
霊夢「だから主旨変わってるって。あと泣くな」
魔理沙「泣いてない!いいから目隠ししろ!」
霊夢「はいはい」

とは言え、当たらないものをどうしたら…。
…そうか。よし、これならいけるな。
私は霊夢の正面にまわった。距離は一、二歩程度、手を伸ばせば届く距離だ。
だが、私は何もしない。思いっきり焦らしてやる。

どれくらい経ったか、霊夢が不安な顔付きになってきた。
だがまだだ。まだ終わらんよ。

霊夢「……ま、魔理沙?」

お、名前を呼び始めたな。しかしまだだ。


霊夢「……まさかあいつ……い、いや、どこかで息を潜めてるのかも……」


さすがに鋭い…が、どこに居るかまでは分かってないな。
…霊夢の困った顔なんてなかなか見られないからな、このまま眺めてるのも良いが…そろそろ行動を起こさないと、霊夢が目隠しを外しかねない。
さあ霊夢よ、避けられるものなら避けてみな。


霊夢「うぅ……まさか本当に……」
魔理沙「てぇいっ!」
霊夢「きゃっ!いった〜!」

最早お馴染みのデコピンだ。
相手が霊夢だから渾身の力を込めてみた。おかげでこっちまでダメージを負ったがな。


霊夢「あ、あんたね……」
魔理沙「こればっかりは、さすがの霊夢でも避けられなかったな。それよりも不安になってた時の表情、なかなか可愛かったぜ♪霊夢もあんな顔するんだな♪」
霊夢「っ!!……あんた、一度退治されてみる?」
魔理沙「それだけはごめんだぜ。じゃあな♪」
霊夢「あっ!こら待ちなさい!」


検証結果。
霊夢の勘は鋭すぎる。もう、こっちが能力でも良いんじゃないかと思うほどだった。
ただ、予期せぬ事態に関しては働いたとしても体がついていかない。
まあ当たり前と言えば当たり前か。
あと、霊夢の困惑した表情が可愛かったって事も新発見だった。
普段はあんな顔見せないからな。
さて、次は妖怪の山にでも行ってみよう。
一人、検証したい奴が居るからな。


妖怪の山 未踏の渓谷


さて、いつもならこの辺りに居るはずなんだが…。


魔理沙「お、居た居た。おーい!」
にとり「うん?魔理沙じゃない。どうしたの?また山に登るの?」
魔理沙「いや、今日はお前に用があって来たんだ」
にとり「私に?…まあいいや。今は手が放せないから、ちょっと待ってて」
魔理沙「ああ、分かった」

周りには、にとりがバラしたと思われる機械やガラクタが散乱していた。
私は手頃なガラクタに腰を掛け、にとりの後ろ姿を眺めた。
かなり大型の機械をいじっているが、これが何なのか皆目見当もつかないな。
何やら下の方で色々といじっているが……。


にとり「う〜ん……ここの配線が厄介だな……」

おー、良いねぇ。もう少し屈めば見えそうだ。
何が見えそうかって?それはご想像におまかせするぜ。


にとり「……よし、こんなものかな」

う〜ん…惜しかった。


にとり「お待たせ。それで、私に何の用?」
魔理沙「ん〜…ちょっと話したい事があるんだが、ここじゃあアレだからな。どこか、二人で話せる場所はないか?」
にとり「それじゃあ、私のラボに来ると良い。魔理沙なら歓迎するよ」
魔理沙「にとりのラボか…珍しい物が見れそうだな♪それじゃあ、お言葉に甘えるとするぜ」


未踏の渓谷 にとりラボ


にとりのラボと言うだけあって、機械やら何やらが所狭しと並べられている。
こーりんの所にある式神や霊気入れ、はたてが持っていた携帯電話、外の世界から流れ着いたであろう機械等、とにかく色々な物があって新鮮だ。


にとり「うわ…機械油でベトベトだよ…ちょっと待っててね」

にとりはそう言うと上着を脱ぎ、機械の箱…おそらく洗濯機なんだろうが見た目がかなり違うそれに入れた。
まったく…人前で下着姿になるとか、こいつに羞恥心は無いのか?まあ、目の保養にはなるが。


にとり「コーヒーしか無いけど、飲む?」
魔理沙「ああ、いただこうかな」


にとりはコーヒーメーカーの前に立ち、コーヒーを煎れ始めた。
何でもあるな…。
しばらくして、にとりがカップを二つ持って戻ってきた。
ひとつは客人用だろうか白いカップだったが、もうひとつの柄は胡瓜…にとり専用だろう。らしいと言えばらしいが…。


にとり「はい」
魔理沙「サンキュー」
にとり「それで、話ってなに?」


そうだ、大事な目的を忘れていた。
こいつの謎はほかでもない、帽子の中身がどうなっているのかだ。
どんな時でも被っている帽子、その徹底ぶりは温泉に入っていても帽子だけは取らない程だ。
他は見せても良いけど帽子の中だけは駄目と言ったところか。
いったい何を隠しているのか…。
まずはストレートに聞いてみよう。


魔理沙「にとり」
にとり「うん?」
魔理沙「お前、帽子の中はどうなってるんだ?」

にとりの表情が強張った。


にとり「……え?」
魔理沙「だから、帽子の中身だよ。どんな時でも被ってるじゃないか。中はどうなってるんだ?」
にとり「どうって……別に何も……」
魔理沙「だったら、帽子を取って見せてくれよ」
にとり「……いくら盟友の頼みとは言え、それだけは聞けないな」
魔理沙「じゃあ質問を変える。この場で服を全部脱げと言われるか帽子だけを取れと言われたら、どっちが嫌なんだ?」
にとり「…………帽子」

そこまで見せたくないのか。だったら意地でも見てやらないとな。


にとり「……ねぇ、この話はもうやめない?」
魔理沙「…仕方がないな」

ここは一度諦めたフリをして、隙を伺うことにしよう。


にとり「じゃあ、私はまだ作業があるから……魔理沙はその辺でくつろいでてよ。あ、でも、あまりいじり回さないで?中には危険な物もあるからさ」
魔理沙「ああ、分かったよ」

にとりは近くに掛けてあった服を着ると、部屋の奥にある機械をいじり始めた。
これまた大掛かりな機械だな、何に使う物なのか…。
にとりはこちらに背を向けている…が、今の話もあったから警戒してるだろう。
私はコーヒーを飲みながら部屋を物色し、ゆっくりとにとりに近付いた。
私が数歩進んだところで、にとりは私の方へ振り返った。
やっぱり警戒してるな…少し離れて待つか。

どれくらい経ったか…私は二杯目のコーヒーを飲もうとコーヒーメーカーの前で、滴り落ちるコーヒーを眺めていた。


にとり「……あ、魔理沙」
魔理沙「ん?」
にとり「ちょっと、工具箱を取ってくれないかな」
魔理沙「どれだ?」
にとり「魔理沙の右足の辺りにある、緑色の鉄の箱だよ」
魔理沙「……ああ、これか」

……ん?今、にとりはこっちを見ていなかったはずだ。
なのに何故、私の場所が分かったんだ?


にとり「…早く」

……思い過ごしか。


魔理沙「ほら」
にとり「ありがとう、そこに置いといて」
魔理沙「………」

何をしてるのかチラッと覗いてみたが、なるほどそう言うことか。
小型の霊気入れに、この部屋の様子が映っていた。
どこかにカメラでもあるんだろう。
これは下手に動けないな……仕方がない、この方法だけは使いたくなかったが……。


魔理沙「……にとり」
にとり「なに?何度言われても帽子は」
魔理沙「そらっ!」

待っても駄目ならこちらからだ。
私は思いっきり帽子を取った。

にとり「はっ!!」
魔理沙「なっ!!」

き、驚愕の事実を知ってしまった。
それと同時に、私の意識は闇の中へと墜ちていった。


いきなり目の前が明るくなった。眩しい…目が眩む…まるで、太陽がいくつもあるような…。
…意識がはっきりとしてきた。どうやら、どこかに寝かされているみたいだが身体が動かない。
ひんやりとした固い感触…床か?
手足が動かない…首だけは辛うじて動かせる。まずは今の状況を確認しなければ…。
……手足が動かないのは当たり前だった。
手足には鉄の拘束具が付けられていた。
更には服も全て脱がされていた。
拘束だけならまだしも、何故服まで脱がす必要があったのだろうか?
疑問に思っていると、どこからかにとりの声が響いてきた。


『…君は、知ってはいけない事を知ってしまった…申し訳ないが、君の記憶を消させてもらうよ』

記憶を消すだと?
目の前が再び暗くなり、声だけが響いてきた。


『安心して…痛い事なんか何一つ無いから』

『君は、ここで見たことを全て忘れるだけさ』


その言葉を最後に、私の意識は再び闇の中へと墜ちていった。




……気が付くと、私は妖怪の山の麓にいた。
何だか頭がボーっとする…にとりに会ったところまでは覚えてるが、それ以降の記憶がない。
……ま、いいか。次の検証を誰でするかを考えながら下山しよう。


さて、次にやってきたのは、間欠泉の異変の時に地底に降りていった洞窟だ。
ここではよく、キスメとヤマメが遊んでいる。
次の検証はこいつらだ。
まずはキスメ。こいつが入っている桶の中身。
別に大した物は入っていないだろうが、キスメは中身を見せようとしないからな。大した物は無いにしても気になって仕方がないぜ。
後は、こいつが桶から出て移動することがあるのかどうか。
基本的にこいつは、桶に入ったまま移動するからな。
桶を使わずに移動出来るのか、桶を取り上げたらどうなるのか検証してみようと思う。

キスメ「〜♪」


…早速見つけた。
桶を揺らしながら、鼻歌を歌っている。
下を通る者を待っているようには見えないな。
遠目から中身を確認しようと思ったが、キスメは天井ギリギリの所に居るため、覗くことが出来ない。
…仕方がない。


魔理沙「キスメ」
キスメ「あれ、魔理沙。地底に用事?」
魔理沙「いや、お前に用があるんだ」
キスメ「私に…?」
魔理沙「ああ。とりあえず、下で話そうぜ?」
キスメ「良いけど…」

キスメは私の言動に疑問を抱いているようだ。
まあ、こいつとはあまり関わりが無いからな。仕方がないと言えば仕方がない。


キスメ「それで…私に何の用?」
魔理沙「お前の桶の中身が見たい」
キスメ「え!?」
魔理沙「ちょっと確認させてもらうぜ」

私は桶の中を覗こうとした。
しかしキスメは身を引いて、桶の中を見せようとはしなかった。


キスメ「な、なんで見る必要が!?」
魔理沙「見せない理由も無いんじゃないのか?」
キスメ「恥ずかしいの!」
魔理沙「別に良いじゃないか」
キスメ「いや!」
魔理沙「…そうかい、分かったよ」

その言葉を聞いてホッとしているキスメの隙をつき、私は桶ごとキスメを抱え上げた。


キスメ「きゃっ!?な、何を!?」


桶ごとキスメを抱えているわけだが、キスメの体は思いの外軽かった。
キスメは突然のことに固まっている。
そんなキスメを横目に、私は桶の中を覗いた。


キスメ「み、見ないで!」

キスメの桶の中には、どこからか拾ってきたのかビー玉やら何やらが入っていたが、他には何もない。


キスメ「見ないで!///」
魔理沙「いたたたたた!」

キスメは顔を真っ赤にしながら私の頬を抓ってきた。
大して痛くはないが、反射的に痛いと言ってしまう。


キスメ「み〜な〜い〜で〜!は〜な〜し〜て〜!///」
魔理沙「ま、待て!暴れるな!」

キスメは私から逃れようと、必死に桶を揺らしている。

魔理沙「あっ…」
キスメ「あっ!」

私は手を滑らせ、キスメを桶ごと落としてしまった。
落下の衝撃でキスメの体だけが宙に浮き、顔面から地面にダイブした。
……痛そうだ。


魔理沙「……お〜い」

返事がない。
キスメは、こちらにお尻を向けて倒れている状態な訳だが……まさか何もはいていないとはな。
てっきり、草履か何かをはいてるものだと思ってたぜ。
……いま変な事を考えた奴、あとでマスパの刑な。


キスメ「いたた……」


……キスメは鼻を押さえながら起き上がった。


キスメ「もう…何するの…」
魔理沙「お前が暴れるのが悪い」

よく見ると、キスメの着物ははだけ、胸元や太ももを覗かせている。
阿求の時も思ったが、着物娘はなんとも色っぽい。
私の視線に気付いたキスメは、顔を真っ赤にして着物の乱れを直した。


キスメ「…変態」
魔理沙「不可抗力だし、どう考えてもお前が悪い」
キスメ「…桶、返して」

私の足元には、キスメが入っていた桶が転がっている。


魔理沙「自分で取りに来たらどうだ?」

私は、至極当然の事を言ってみた。
何だか悪者になってる気分だぜ……。


キスメ「いいから早く!」
魔理沙「そんなに怒らなくても……ほら」
キスメ「まったく……」

キスメは桶を強引に奪うと、そそくさと桶に入ろうとした。
入ろうとはしているのだが、どうもぎこちない。
何とも微笑ましい光景だが、このままでは話がすすまないので、キスメの体を抱え、桶に入れてやった。


キスメ「………」
魔理沙「な、なんだよ」

キスメは頬を膨らませながら、こちらを睨んでいる。
そんな表情を向けられては、私のデコピン衝動が駆られると言うもの。
つまり、最早お馴染みのデコピンタイムだ。
私はデコピンの構えを取った手をキスメの目の前に出した。


キスメ「っ!」


キスメはギュッと目を瞑っている。
しかしまだだ。今回は焦らしてやる。
そして油断したところを……ていっ!だ。


キスメ「……………」
魔理沙「……………」
キスメ「………?」
魔理沙「ていっ!」
キスメ「っ!!」

キスメはおでこを押さえながら顔を赤く染め、しかし呆気にとられた表情をしている。
目にはほんの少しの涙を浮かべているようにも見えた。
そして再び頬を膨らませると、何も言わずに天井付近まで昇っていってしまった。
まあ、ルーミアみたいに変態と罵られるよりはマシか。
さて、次の検証を


ゴンッ!


…と言う鈍い音と共に、私の頭に激痛が走った。
そして


キスメ「ば〜か!」

と言う声と共にキスメは去っていった。
キスメめ…人の頭目掛けて降ってくるとか…たんこぶ出来てたらどうするつもりだ…。
私はまだ痛む頭を押さえながら、先へと進んだ。
…………泣いてない、泣いてないぜ。


しばらく進むと、ヤマメの姿が見えた。
逆さまになって、呑気にぶら下がっている。
スカートは捲れないんだな。
もうさすがに痛い思いは嫌だからな、慎重にいくか。


魔理沙「ヤマメ」
ヤマメ「ん?…魔理沙?なんか用?」
魔理沙「まあな」
ヤマメ「なに?」


冒頭で述べた通り、こいつはどこから糸を出すのかを検証しなければならないわけだが…。


魔理沙「お前の糸って、どれくらいの強度があるのか気になってな」
ヤマメ「ん〜…人ひとりなら余裕かな」
魔理沙「へぇ…じゃあ、私の体を吊ってみてくれ」
ヤマメ「いいよ。じゃあ、向こう向いてて」
魔理沙「え?なんでだ?」
ヤマメ「糸を出すところを見られるのは恥ずかしいから…ね?」
魔理沙「………」
ヤマメ「………」
魔理沙「…はぁ、分かったよ」
ヤマメ「ごめんね?それじゃあ吊すよ?」


まあ良いさ、今は我慢だ。隙を見せた時に、どこから糸を出すのかを見てやる。

背中に何かが当たった感触がした。
そして、私の体は宙に浮き始めた。


ヤマメ「ほら、もう良いよ」
魔理沙「…おお、確かに強度はなかなかのものだな。私は見えないところに色々と隠し持ってるから、このままの重さはそこそこあるはずなんだが」
ヤマメ「これならまだまだ余裕だね。これの二倍から三倍くらいまでならいけそうだよ」
魔理沙「へぇ、凄いな。よし、じゃあそろそろ降ろしてくれ」
ヤマメ「なんで?」
魔理沙「…え?」
ヤマメ「あんた、キスメをいじめたでしょ?」
魔理沙「な、何のことだか?」
ヤマメ「さっき、キスメが泣きついてきたよ?魔理沙にいじめられたって」
魔理沙「いじめたつもりはないんだが…」
ヤマメ「問答無用。さて、どう料理してあげようか」
魔理沙「悪いが、私が大人しく色々されるなんて思わないことだ」


私はポケットから八卦炉を取り出そうとした。


魔理沙「蜘蛛の巣ごと吹き飛ばしてやる」
ヤマメ「あ、そうそう。あまり動かない方が良いよ?」
魔理沙「ふん!そんな手に掛かると…うわっ!?」
ヤマメ「…だから言ったのに」

取り出そうとした私の右手は、蜘蛛の糸に捕らわれてしまった。
よく見ると、背中に付けられたら糸は蜘蛛の巣状に張り巡らされていた。


ヤマメ「だから動かない方が良いって言ったのに。あと、あんまり暴れると余計に絡まるから」
魔理沙「そうかい」

ヤマメは私の目の前に来て、まるで獲物でも見るかのような目で私を見た。


ヤマメ「さて、どうしようかな…」
魔理沙「言っただろ?色々されると思うなってな」
ヤマメ「おお怖い。でも、その状況で何が出来るかな?」
魔理沙「出来ることならあるさ」

私は、蜘蛛の糸に捕らわれていない左手で、ヤマメの腕を掴んだ。


ヤマメ「ん?」
魔理沙「へへ…どうせ絡まるなら道連れだ!」
ヤマメ「ちょっ!?」

私はヤマメを蜘蛛の巣に引き込んだ。
ヤマメは蜘蛛だから期待はしていなかったが、どうやらヤマメでも糸に絡まるらしい。
引き込んだ衝撃で、私達の体には糸が巻き付いた。
そして至極当然の事ながら、私とヤマメの体は密着した状態で絡まっている事になる。
ちょうど抱き合っている形になるな。


魔理沙「お前……蜘蛛としてどうなんだ?」
ヤマメ「蜘蛛の巣の原理、知ってる?粘着性のある糸と、そうでない糸を組み合わせて巣を作ってるんだ。だから蜘蛛だって、うっかり自分の蜘蛛の巣に絡まって餓死する事だってあるんだよ」
魔理沙「にしては余裕だな」
ヤマメ「私の作る糸はちょっと特殊でね、時間が経てば消える魔法の糸なの。さすがご都合主義」
魔理沙「言うな。それで、どれくらい経てば消えるんだ?」
ヤマメ「そうだな…一、二時間程度?」
魔理沙「はっきりしないな」
ヤマメ「計ったことが無いからね」
魔理沙「…最低でも一時間はこのままか」
ヤマメ「ま、気長に待とうよ」
魔理沙「お前は気楽で良いねぇ…」

さて、気長に待つとは言え、この体勢で一時間は…。
しかも、ヤマメとの顔の距離も当然近く、さっきから言葉を発する度に、ヤマメの吐息が顔に掛かりこそばゆい。
そして、密着しているという事は、出ている部分が互いに押され合うわけで…。


魔理沙「お、おい…あんまり…んっ……動くなよ///」
ヤマメ「とは言っても、長時間同じ体勢は辛いからね。それに、動いてるのはあんたの方」
魔理沙「そんな事は……んんっ……なんでお前は…平気なんだよ…///」
ヤマメ「あんたが敏感なだけ」
魔理沙「な、何のことを言ってるのか…///」
ヤマメ「惚けるんだ…じゃあ、ちょっと揺らしちゃおうかな?」
魔理沙「ま、待て///」
ヤマメ「それ♪」
魔理沙「あっ…んんっ///」
ヤマメ「それそれ〜♪」
魔理沙「わ、私が……んぁ…私が悪かった…だから……揺らす…なぁ…///」
ヤマメ「ん〜…もっと可愛い反応を見たかったけど、これ以上やったら18禁になっちゃうからね」
魔理沙「はぁ…///」

まさか、ここまで深刻な事態になるとは思わなかったな…。
このままだと本当に18禁になってしまう…何とかしないと…。


ヤマメ「ねぇ」
魔理沙「な、なんだよ…///」
ヤマメ「さっき、色々持ってるって言ってたでしょ?ナイフか何か無いの?」
魔理沙「生憎、ナイフは持ってない///」
ヤマメ「じゃあ、火を起こせるもの」
魔理沙「八卦炉がポケットに入ってる…でも、燃やしたら私達も丸焼けにならないか?」
ヤマメ「大丈夫、私の糸は火に弱いけど引火はしないから。ほんと、ご都合主義って便利だよね♪」
魔理沙「だから言うなって…それに、私は取れないぞ?」
ヤマメ「どっちのポケット?」
魔理沙「右だ」
ヤマメ「じゃあ大丈夫。私の手が、ちょうどその辺りにあるから」
魔理沙「それじゃあ取ってくれ」
ヤマメ「はいは〜い♪」

…やけに良い返事だな…と思ったのも束の間。


魔理沙「きゃっ!!そ、そこ……お尻……///」
ヤマメ「ああ、ごめんごめん♪」

わざとだ…こいつ、ぜったいわざとだ…。


ヤマメ「え〜っと…」
魔理沙「あっ…んんぅ…///」
ヤマメ「ほら、もう少しだから頑張って」

ヤマメはもぞもぞと指を動かしながら、私のポケットを探っている。
この状況で、何をどう頑張れと言うのか…。


魔理沙「ま、まだか…///」
ヤマメ「ちょっと待って…取れた」
魔理沙「よし、それじゃあ渡してくれ」

私は、ヤマメから何とか八卦炉を受け取ると、八卦炉に魔力を送り、火を起こした。




ヤマメ「ふぅ……何とかなったね」
魔理沙「まったく…///」
ヤマメ「まさか、抜け出す直前に一発フィーバーしちゃうとはねぇ♪」
魔理沙「言うな!あれはお前が揺らしたから///」
ヤマメ「しかも糸まで引」
魔理沙「言うな!///」
ヤマメ「キスメから聞いたけど、ほんとに変態なんだね♪じゃあね♪」
魔理沙「待て!私は変態じゃない!」

…言いたいことだけ言って逃げやがった。
結局、どこから糸を出すのか分からなかったな…
まあ、この件に関してはまた次回だぜ。
次の検証は成功させないとな。


間欠泉管理センター


一度地上に戻って着替えを済ませた私はここ、間欠泉管理センターに来ている。
今回の検証は、地獄の馬鹿鴉…八咫鴉の霊烏路空だ。
あいつの胸元にある赤い大きな目のようなもの。
あれがいったい何なのかを検証する。
と言うのも、私はあれは服の装飾か何かだと思っていたが、お燐は体についているものだと言った。
しかし、お燐の言動がどうも所々濁されていたのが気になった。
と言うわけで、早速検証していこう。
もう18禁ギリギリな展開は勘弁だ。


さて、もう少しで核融合炉に着くはずだが…やっぱり暑いな…。
こんな事なら、薄着に着替えてくれば良かったな…。

そうこうしている内に、河童の作った大型エレベーターは最下層で止まった。
最下層は更に暑い…出来れば長居はしたくないな…。


核融合炉


さて、ここに居るはずだが…。


空「侵入者発見。これより排除する」

いきなり熱線が飛んできた。


魔理沙「あ、危ないな…おいお空!」
空「…あれ?魔理沙じゃない。侵入者って魔理沙の事だったの?」
魔理沙「私は侵入者じゃない、よく見ろ」

私は以前、早苗から借りたネームプレートを見せた。
見学用のネームプレートらしいのだが、借りたまま返していなかった。返す気もない。


空「……なんだ、見学に来たんだ」
魔理沙「そうだよ。だから侵入者じゃないって言っただろ?」
空「そっか。侵入者だったら暴れられたのに…ちょっと残念」

こいつは力を持て余している節があるからな…弾幕ごっこなら別に遊んでやっても良いが、今は目的が違う。

空「あと、見学に来たのなら残念だったね。これから休憩がてら温泉に行くところだったんだ」


これは好都合だ。温泉なら、あれが何なのかを確かめるにも丁度良い。


魔理沙「だったら、私も一緒に行って良いか?」
空「良いよ、一緒に入ろう♪」


地上 温泉


あの異変以降、寒い時期にはお世話になっている温泉。
誰が整備したのか男湯と女湯に分かれている。が、脱衣場が別々にされているだけで入る所は同じ。つまり混浴だ。
まあ、こんな所まで温泉に入りに来る物好きもそう居ないから別に良いんだが。


空「魔理沙、早く♪」
魔理沙「もう脱いだのかよ早いよ」

と、入る前にお空の服を確認してみるか。


……デカいくせにブラを着けないとか……いや、そこじゃないな。

…空の上着は、胸元の部分だけ楕円形に穴が空いていた。
やっぱり体に付いているものだったのか…。
後は、空の胸元を確認するだけだ。


空「いやっほ〜♪」
魔理沙「温泉で泳ぐなよ…鴉のくせに泳ぐなよ…大人しくするって事が出来ないのか?」
空「誰も入ってないから良いじゃん♪」
魔理沙「はぁ…とりあえず、私も入ろう…」

私は温泉に浸かった。
程良い熱さが心地良い。
そう言えばこの温泉、何かの成分がどうのこうのと紫が言っていたな…美容に良いって所以外はまったく聞いてなかったが…。


空「はぁ…楽しかった♪」

泳ぎ疲れたのか、空が隣に来た。
早速確認してみよう。


空「うにゅ?どうしたの?」
魔理沙「いや…」
空「ひょっとして、私のおっぱいが気になる?」

確かに大きいし羨ましいし気にもなるが…。


魔理沙「胸じゃなくて、お前の胸元にあるソレ…何なんだ?」
空「うにゅ?……ああ、コレ?…さあ?私にも分からない。神様食べた後に出来たんだよね」
魔理沙「分からないって…それじゃあ、ちょっと触ってみても大丈夫か?」
空「いいよ。優しくね」

私は空の胸元の、目のようなそれに触ってみた。
つやつやとした肌触りで硬い。大きい宝石のような感覚だな。
八咫鴉には三本の足がある。しかし、第三の目は聞いたことがない。
そもそも、これは目なのか?
私がそれを触っていると、空の様子が変わってきた。


空「ね、ねえ…そろそろ、離してくれない?///」
魔理沙「ん?どうした?」
空「なんだか…それを触られてると…変な気分になってくるの…///」

おっとそれは不味い。
私はすぐさま手を離した。


空「はぁ…///」
魔理沙「なあ」
空「なに?」
魔理沙「それ、外せないのか?」
空「う〜ん…外せないんじゃないかな?外したらいけない気もするし」
魔理沙「確かにな」
空「最初は邪魔な感じがしてたけど、今は慣れたし」
魔理沙「そうか」
空「あと、激しく動いたり核融合したりすると、ここが熱くなってる気がするんだよね」
魔理沙「…まさかそれ、核融合炉なのか?」
空「さあ?」
魔理沙「だよな…分かんないよな…」

ま、神のみぞ知るってところか…。
正体は分からなかったが、これはこれでよしとしよう。


空「さて、私はそろそろ戻らないと」
魔理沙「そっか」
空「今度来たときは弾幕ごっこやろう?」
魔理沙「ああ、そうだな。その時は手加減しないぜ♪」
空「それは楽しみ♪じゃあね♪」
魔理沙「ああ。…………あ、おい!服着てから出ていけよ!」

まったく…やれやれだぜ。


検証結果。
触った感覚は宝石のようだった。
また、小型の核融合炉かもしれないという可能性も生まれたが、真相は闇の中。
しかし、あまり深入りすると危険な感じもするため、無茶な検証はせずにここで止めたいと思う。
…もう陽も落ちてきたな。
今日はあと一人ってところか。
最後のトリを飾るのは…。


涼花達の家


みんなのアイドル涼花ちゃんだ。
みんなも知っての通り、涼花ちゃんには困った癖があるからその事と、涼花ちゃんの能力の事について検証しようと思う。


さて、この家には涼花ちゃん以外に兄弟が二人住んでいたな。
そいつら…特に兄の方は過保護だからな。素直に了承してくれるとは思えないが…まあここまで来たんだ、何とかなるだろう。
私は家の扉をノックした。


涼花「は〜い、どちらさま?」
魔理沙「よっ、涼花ちゃん」
涼花「魔理沙お姉ちゃん♪どうしたの?」
魔理沙「ちょっと、涼花ちゃんと話したい事があって」
涼花「わたしと?…あ、とりあえず入ってから話そう?」

私は涼花ちゃんに促され、家の中へと入った。


涼花「お茶しか無いけど煎れようか?」
魔理沙「ああ、頼むぜ」

私がそう言うと、涼花ちゃんは奥でお茶を煎れ始めた。
慣れていないのか、ぎこちない感じがまた何とも可愛らしい。


涼花「はい、魔理沙お姉ちゃん」
魔理沙「サンキュー」
涼花「それで、わたしに話って?」
魔理沙「その前に、RYOと弟が見当たらないが?」
涼花「二人とも出掛けてる。今日は帰らないかもって言ってたよ」
魔理沙「…涼花ちゃん一人で留守番か?」
涼花「大丈夫。ちゃんと戸締まりしたし、紫お姉さんの結界もあるから、危険な妖怪が来ることもないし」
魔理沙「へぇ、結界が施してあったのか…それは初耳だな」
涼花「でも、心細くなることもあるから、あんまり泊まってきてほしくないかな?」
魔理沙「まあそうだろうな」
涼花「それで…」
魔理沙「ん?…ああ、私が来た理由ね。ちょっと話たい事がある…と言うか、聞きたいことだな」
涼花「なに?」
魔理沙「まずは、涼花ちゃんの能力についてだな」
涼花「いいよ。何が聞きたいの?」
魔理沙「まずは夢魔。私は会ったことが無いんだが、どんなやつなんだ?」
涼花「胸はボインで露出度高めで、勝手に他人の夢に入って生気を吸う困った子」
魔理沙「胸がボイン…」
涼花「大きさは…紫お姉さんくらいかな?」
魔理沙「結構あるな。じゃあ貘の方は?」
涼花「貘は…わたしもあまり会ったことが無いから分からないんだよね。夢魔も教えてくれないし」
魔理沙「そうか。じゃあ次の質問。この前、命蓮寺に行っただろ?その時、命蓮寺の連中全員を夢の世界に誘ったって聞いたんだが…今はどれくらいの範囲まで夢に誘う事が出来るんだ?」
涼花「命蓮寺の時が、結構ギリギリだったんだよね。それ以上はまだ無理かな?」
魔理沙「なるほどな。じゃあ次は、涼花ちゃんの癖について」
涼花「うん。…ん?…え?」
魔理沙「だから、涼花ちゃんの癖だよ。今までの質問より、むしろこっちが本命だ」
涼花「うぅ…///」

涼花ちゃんは顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
もうほとんどの幻想少女が知ってるし、今更恥ずかしがることもないと思うが…。


魔理沙「どのくらいの大きさで反応するんだ?」
涼花「わ、分からないよ…癖だし…///」
魔理沙「その癖はどうかと思うけどな。あと、胸が小さい女性には反応しないのもおかしな話だ」
涼花「………///」
魔理沙「もう、自分に正直になっても良いんじゃないか?」
涼花「……も、揉んで…気持ちいいから…じゃないかな?小さい人は……その……///」
魔理沙「気持ちよくないか?」
涼花「そ、そんな事はない……と思うんだけど……///」
魔理沙「やっぱり、癖なのか怪しいな」
涼花「うぅ……こ、この話は終わり!///」
魔理沙「駄目だ。本当に癖なのかを見極めるまでは終わらせないぜ」
涼花「……意地悪///」
魔理沙「とは言え、どう調べてやろうか…私も少しは自信があるんだぜ?」
涼花「でも…反応しないし……///」
魔理沙「遠回しに私の胸を馬鹿にしたな?」
涼花「そ、そんなことしてないよ……」
魔理沙「だったら反応してもいいはずだろ?」
涼花「………」

…まあ、言いたいことはあるが、何だか可哀想になってきたし、この辺で切り上げてやるか。


涼花「うぅ〜……」
魔理沙「そ、そんな目で見るなよ…悪かったよ…言い過ぎたよ…謝るよ…」
涼花「……て」
魔理沙「ん?」
涼花「悪いと思ってるなら、今夜泊まってって」
魔理沙「な、なんでそうなる?」
涼花「うぅ……」
魔理沙「わ、分かった…分かったからそんな目で見るなって…」
涼花「やった♪」
魔理沙「こいつ……」

その後、私は仕方なく涼花ちゃん宅に泊まった。
一緒にご飯を食べ、お風呂に入りに、一緒のベッドで寝た。
お風呂ではセクハラされかけたが…。
まあ、寂しかったんだろうな。終始嬉しそうだった。
さて、検証結果だが…癖の方は今までの例から見て、それなりに大きくないと反応しない。
ただ、涼花ちゃんの言動から、これが癖なのか怪しいところだ。
まあ、本人が癖だと言うのなら癖なのだろう。それ以上の詮索は現時点ではやめておく。
能力の方は、実体化して出て来ることがそもそも稀で、検証の余地がない。
しかし、能力としての強さは高まっていて、初めて会った時よりも使いこなせているようだ。

さあ、帰ったら全員の検証結果をまとめるぞ。
他にも気になるやつは山ほど居るが、その辺りは随時調べていこうと思う。
…ん?この検証が何の役に立つのか?
正直、役に立つことはないだろう。
では、何のために検証したのか。
答えは簡単。単なる暇潰しだ。
しかし、暇潰しにも全力で取り組む。それが私のやり方だ。
それにしても…所々危なかったな…危うく18禁になるとこだったぜ。
まあ、そうなったとしても面白そうだったけどな。
…嘘だよ。

さて、ここまで読んでくれた読者諸君。私の検証を見届けてくれて感謝だぜ。
何人か検証出来なかったが、それは仕方のないことだったんだ。申し訳ない。
機会があれば、また私の検証を見届けてほしい。


じゃあな。また会おう。


終わり