涼花ちゃんストーリーまとめサイト(改)
お菓子とイタズラ
10月31日…そう、ハロウィンです。
トリック・オア・トリート…お菓子をくれなきゃイタズラするぞ。
家々に押し入り、お菓子を寄越せと強要。お菓子をあげなければ合法的にイタズラをしてもいいと言う、まさに悪夢のような一日。。
そんな日のために、イタズラっ子たちは綿密に、密やかに、この日のために準備をしてきたのです。
霊夢「ナレーション大袈裟すぎない?」
1人目の犠牲者、博麗霊夢です。
霊夢「ちょっと待った。私は被害者にはならないわよ」
涼花「トリック・オア・トリート♪」
ぬえ「お菓子くれなきゃ」
小傘「イタズラしちゃうよ♪」
霊夢「出た、イタズラ三人衆…」
ぬえ「あら、不名誉なこと言ってくれるじゃない」
小傘「まあ、間違ってはいないけどね」
涼花「と言うわけで霊夢お姉ちゃん♪」
涼花ちゃんは見事なスマイルで、お菓子を催促する右手を差し出しました。
霊夢「はいはい、お菓子でしょ? いま持ってくるわ」
お菓子を取りに行って数秒後、霊夢が血相を変えて戻ってきました。
ぬえ「そんなに慌てて、どうしたの?」
霊夢「お、お菓子がないの! 昨日間違いなく買ったはずなのに!」
小傘「お菓子が無い?」
ぬえ「…と言うことは」
涼花「イタズラタ〜イム♪」
霊夢「待って! ほんとに待って! 絶対にあるはずだから!」
小傘「聞く耳持た〜ん♪」
涼花「持た〜ん♪」
少女悪戯中……
小傘「はぁ〜♪ 満足満足♪」
涼花「満足満足♪」
霊夢「こっちは最悪よ…」
ぬえ「でも、本当にお菓子が無かったわね」
小傘「まあ良いんじゃない? 次の家に期待すれば」
ぬえ「それもそうね」
涼花「じゃあね霊夢お姉ちゃん♪」
三人のイタズラ娘は去っていきました。
残された霊夢は、荒らされた部屋を見てため息を漏らします。
霊夢「お菓子、間違いなく買ったはずなのに…どうして無くなってるのよ…」
霧雨邸
涼花「トリック・オア・トリート♪」
ぬえ「お菓子くれなきゃ」
小傘「イタズラしちゃうよ♪」
魔理沙「ほう。私の所に来るとは、良い度胸じゃないか。逆にイタズラしてやってもいいんだぜ?」
小傘「そんなこと言ってもダメ。家にいた魔理沙が悪いんだから♪」
魔理沙「これから出掛けて、お菓子を貰いに行くところだったんだけどな」
ぬえ「もっと早く出掛けなかった魔理沙が悪い」
小傘「と言うわけで」
涼花「トリック・オア・トリートだよ魔理沙お姉ちゃん♪」
魔理沙「…分かったよ、少し待ってろ」
お菓子を取りに行った魔理沙でしたが、やはりものの数秒で戻ってきました。
魔理沙「お、おい、お前ら…私が用意したお菓子を知らないか?」
ぬえ「知ってるはずがないけど…」
小傘「お菓子が無いってことは」
涼花「イタズラだね♪」
魔理沙「ま、待て待て! 間違いなくお菓子を用意しておいたはずなんだ!」
涼花「でも無いんでしょ? だったら、やることはひとつだよね♪」
魔理沙「待て! 本当に待てって! おい、勝手に人の家に上がるな!」
少女悪戯中……
ぬえ「こいつはイタズラする側だからね。良い薬になったんじゃない?」
小傘「そうね。なかなか出来ない体験だったわ」
魔理沙「お前ら…あとで覚えてろよ…」
涼花「魔理沙お姉ちゃん、泣かないで?」
魔理沙「泣いてない!」
イタズラ娘は去っていきました。
様々なものが散乱してしまった部屋を見て、深いため息をつく魔理沙。
魔理沙「…少しは加減しろって。しかし、私が用意したお菓子はどこに行った? 昨日間違いなく買ったはずだが。……まさか」
人間の里 稗田邸
小傘「トリック・オア・トリート♪」
ぬえ「お菓子くれなきゃ」
涼花「以下略♪」
阿求「肝心なところを略さないでください…。お菓子なら用意してあります。以前の轍は踏みません」
小傘「あら、あの時私達は何もしてないわ」
ぬえ「そうだね。イタズラしようと思ったら、あのワーハクタクに邪魔された」
涼花「だから今年はトリック・アンド・トリックで♪」
阿求「勘弁してくださいよ…。お菓子はちゃんとあげますから、早々に帰ってくださいね?」
阿求は家の中へお菓子を取りに行きました。
しかし阿求は、なかなか戻ってきません。
ぬえ「……遅い」
涼花「何かあったのかな?」
小傘「まさか、ここにもお菓子が無いんじゃ?」
阿求「そのまさかです」
いつの間にか戻っていた阿求の顔は、何故か怒りに満ちていました。
阿求「みなさん…そこまでして私にイタズラしたいんですか?」
ぬえ「…え? どうしたの?」
阿求「とぼけないでください。私にイタズラするために、私の家からお菓子を盗みましたね?」
小傘「な、何を言ってるの? そんな事するはずないでしょ!」
涼花「そ、そうだよ! そんなことしないよ!」
阿求「聞く耳持ちません。…誰か! 誰か来てください!」
ぬえ「ま、まずい!」
小傘「早く逃げないと!」
涼花「で、でも…」
小傘「いいから逃げるの!」
阿求が家の者を呼び始めたので、三人は一目散に逃げ出しました。
小傘「はぁ…はぁ…び、びっくりした…」
ぬえ「捕まったら何をされてたか…」
涼花「……でも、おかしいよね」
ぬえ「なにが?」
涼花「だって、行く家ぜんぶ、お菓子が無かったんだよ?」
小傘「…確かに、偶然にしては出来すぎてるよね」
ぬえ「じゃあ何? 誰かが家々からお菓子を盗んでるって?」
涼花「…あり得ないことでもないんじゃないかな? だってお菓子が無ければ、イタズラしてもいいんだから」
小傘「でも、お菓子を誰かが盗んだとして、犯人は誰なの?」
ぬえ「博麗の巫女に泥棒魔法使い、更には稗田の家からお菓子を盗めるとなれば、それなりに絞られてくるわね」
涼花「そう言えばいつかのハロウィンで、阿求お姉ちゃんがサニーちゃん達に色々されたって言ってたよね」
小傘「ああ、そうだったね。と言うことは、犯人は光の三妖精?」
「その通り♪」
三人の頭上から声が聞こえてきました。
スター「今年のハロウィンはトリック・アンド・トリート♪」
ルナ「お菓子もイタズラも両立させた素敵な一日」
サニー「そんな一日にしたくて、私達は家々からお菓子を盗み出したのよ♪」
ぬえ「なるほど、妖精にしては考えたわね。いや、妖精だからこその発想かしら?」
サニー「イタズラに命を懸けるのが私達よ♪」
小傘「でも、ハロウィンはみんなのもの。独り占めをするのは良くないよ?」
ルナ「独り占めじゃない。三人で山分けよ」
涼花「お菓子の無いハロウィンなんて、ハロウィンじゃないよ」
スター「でもこれで、イタズラし放題なのよ? 貴女達もこちら側なんだから、少しは感謝してほしいものよね」
ぬえ「…どうやら、お仕置きをしなければ分からないみたいね」
三人は睨み合っています。
もう今すぐにでも弾幕ごっこが始まってしまいそう。
しかし、このままでは戦えない涼花ちゃんが巻き込まれてしまいますが…。
夢魔「涼花ちゃん」
涼花「む、夢魔?」
涼花ちゃんの中に潜む夢魔が、夢の外側からそっと話し掛けてきました。
夢魔「今この瞬間だけ、涼花ちゃんに戦う力を貸してあげる。さあ、『空中夢遊』と唱えて」
涼花「えっと…くーちゅー…むゆー?」
夢魔に続いて唱えると、涼花ちゃんの体はフワリと浮き上がりました。
涼花「わわわっ!」
小傘「え…涼花ちゃんが…」
ぬえ「飛んでる…?」
夢魔「これで空を飛ぶ力と戦う力が備わったわ。さあ、思いっきり遊んできなさい?」
涼花「で、でも…」
夢魔「大丈夫、安心して。あの三妖精から、ハロウィンを取り戻すのよ」
涼花「……うん、分かったよ。小傘お姉ちゃん、ぬえお姉ちゃん」
ぬえ「な、なに?」
涼花「わたし、今だけは戦えるみたいなの。でも、弾幕ごっこは初めてだから…」
小傘「だから?」
涼花「だからお願い、一緒に戦って。一緒に、ハロウィンを取り戻してほしいの」
ぬえ「……どういう理由で涼花ちゃんが戦えるか分からないけど、そう言うことなら協力するわ」
小傘「でも、無理をしちゃダメだよ? 危なくなったら、私達の後ろに隠れてね?」
涼花「うん、そうするよ」
サニー「涼花ちゃんが戦えるってのは驚きだけど…それはそれで楽しくなりそうだね♪」
ルナ「ちょっと…逃げなくて良いの?」
スター「逃げるよりも迎え撃って、三人をお菓子泥棒の犯人に仕立てあげた方が良いと思うわ」
サニー「なるほど、その手もあるね」
ルナ「勝てるか不安だけど…まあ良いか。そっちがその気なら、こっちだってやってやるわ」
全員『いざっ!』
霊夢「……で、こうなってるってわけね」
霊夢の目の前には、縄で縛られた三妖精。
ぬえ「EXボスである私に喧嘩を売ったのが運の尽きよ」
涼花「でも、楽しかったね♪」
小傘「涼花ちゃんも一皮むけて、大人の階段を昇ったわね」
涼花ちゃんは所々に、小さな擦り傷や火傷跡を作っていましたが、涼花ちゃんは笑顔でした。
それを見て霊夢はため息を漏らします。
霊夢「まったく…涼花ちゃんに何をさせたのよ?」
ぬえ「そこは秘密。それよりもほら、お菓子は取り戻しておいたわ」
ぬえは霊夢に、お菓子の詰まった袋を手渡しました。
霊夢「……そのまま返すなんて、ずいぶんと潔いわね。魔理沙だったら絶対にちょろまかしてるのに」
ぬえ「そんなこと、するわけないでしょ?」
小傘「そうよ。イタズラをしたりお菓子を貰うのも含めて、私達はハロウィンを楽しみたいのよ。お菓子もイタズラも無いハロウィンなんて、ハロウィンとは言えないわ」
霊夢「そう……」
霊夢はお菓子の詰まった袋をじっと見つめています。
そしてまたひとつため息をつくと、袋からお菓子を取り出して三人に手渡しました。
ぬえ「え?」
霊夢「ほら、お菓子を渡せなかったでしょ? …これはその分よ」
涼花「ありがとう、霊夢お姉ちゃん♪」
涼花ちゃんは霊夢に抱きつきました。
霊夢「はいはい、分かった分かった」
ぬえ「とりあえず、こいつらの処遇は任せたわ。私達は引き続きハロウィンを楽しんでくるから」
霊夢「ん、分かったわ」
小傘「でもまさか、涼花ちゃんが戦えるなんてね」
ぬえ「しかも、なかなか強いって言うね」
涼花「え〜? そんなことないよ。二人の方がダンゼン強かったし」
小傘「そりゃあ、私もぬえも慣れてるからね」
ぬえ「初めてにしては上出来だったってことよ。…いつか、涼花ちゃんと弾幕ごっこが出来るようになれば良いわね」
小傘「あ、それ私も思う。涼花ちゃんにはセンスがあるから、いい線行けると思うよ」
涼花「ん〜、そうかな? 戦うのは好きじゃないけど…でも、二人がそう言うのなら、少しは頑張ってみようかな?」
ぬえ「その意気よ」
小傘「案外、あっという間に追い抜かれたりしてね」
ぬえ「それはあり得ない……と思う」
涼花「ねえ、この話はもうやめよう? 今はハロウィンを楽しもうよ♪」
ぬえ「……それもそうね」
こうして三人は、引き続きハロウィンを謳歌するのでした。
涼花ちゃんの成長には目を見張るものがありますが、今後涼花ちゃんが戦うことは、あまり無いのかもしれません。
終わり