【縁コウキ専用】台本です。
  

***


【一緒に並んでソファに座っている】

なぁなぁ、そろそろ腹減ったし外にご飯でも食べに行かない?
え?お前が作る?
いや、それでも良いんだけどさ、最近会う時は家でのご飯ばっかじゃん。
あ、お前の料理が嫌いって言うんじゃないよ?
むしろお前の作るご飯はすっげー好きなんだけど、たまにはデート気分で外で食べたいなぁって思ってさ。

それに、お前もその方が楽できるだろ?
ん?
何その浮かない顔……。
家で食べようって、なんでそんなに頑ななんだよ。
えええ、いいじゃーん、外に行こうよ。
ほら、キッチンに行かなくていいってば。
なんなら俺のおごりでもいいし!ね?外に食べに行こ。
なにが良いかなぁ、焼き肉?お寿司?
お前はなにが良い?

【「だから行かないって言ってるでしょ!行きたかったら一人で行って!」】

いや、なんでそんなにイライラしてんの?
しかも、なんで一人で行ってくればとか言うんだよ。
だいたい、そこまで大声で拒否しなくてもいいだろ。

(イライラした様子で)なんなんだよ、一体。
そこまで外食を嫌がる理由がわからないんだけど。
そんなに俺と外を出歩くのが嫌な訳?

(大きなため息)
もういいよ、なんか萎えた。
つーか俺、帰るわ。
は?ちゃんと話すってなに?
別に言い訳なんて聞きたくねぇし、もう喋んな。

【彼はソファから立ち上がり、帰ろうとする。
すると彼女が彼の腕を掴む】

んだよ、離せよ。
は?なに?
話を聞けってなんなんだよ。
え……
花粉症……?

【彼女は自分の状況を話し、彼はそれをぽかんとした顔で聞いている】

は?お前……花粉症になっちゃったの?
え、今年から?
あーそう、なんだ……。
なんで、早く言ってくれなかったの?

言うタイミングが無かったって……なんだよそれ。
あ、いや、いつも素直なお前が頑固なほど外に行きたがらない時点でちゃんと考えればよかった。

俺、さっきイヤな態度とっちゃったよな、ごめん。
なんかさ、俺と外を出歩くのがそんなに嫌なのかって思ったら、頭に血が上って……イライラしちゃった。
悪かったよ。

【「私の方こそ、ちゃんと説明しなくてごめんね」】

ううん、いいって。
よし、お互いごめんなさいした事だし、仲直りだな。
ほら、おいで。
仲直りしよ?

【彼は両手を広げて彼女を待つ。
彼女は嬉しそうにギュッと抱きつく】

花粉症だったら、この季節辛いよな。
ん?倦怠感がある?
ええっ、早く言えよそういうことは。
ダルいのにご飯作ってくれようとしたのか?
ほんとにもう、頑張り過ぎだって。

よし分かった、俺に任せろ。
俺がなにか作るよ。
お前はゆっくり休んでて。
え?いや作れるよ、簡単なものなら。
そういえば、お前の前で料理とかしたことなかったもんな。
いや、こうみえても割とちゃんと作れるから安心して待ってろよ。

【「彼氏にて料理作ってもらえるなんて、花粉症になって悪いことばかりじゃないね」】

(笑いながら)えーなんだよそれ。
そんなに俺の手料理が嬉しいの?
花粉症になって悪いことばかりじゃないとか、可愛いこと言うなよ。

(耳元で)もっと好きになっちゃうだろ。

ハハ、照れてる!
しばらくはさ、お家デートメインにしていこうな?
俺もさ、料理のレパートリー増やしていくから。
二人で室内で楽しく過ごせる方法、一緒に考えてこ。

End
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