こちら【Siz専用】台本です。
読み物としてお楽しみください。


***


【彼はゆっくりとまぶたを開ける】

んー……朝かぁ……。
いつの間にか寝落ちしちゃったな……。


【彼は横にいる彼女の方を見つめる】


あ……まだ寝てる。

(おでこにキスのリップ音)

はは、おでこにチューしても起きない……か。
それにしても、何でこんなに寝顔かわいいんだよ。
ほっぺたとか触りたくなる。


【彼はそっと彼女の頬を触る】


あっ、はは、ほっぺた触ると口が少し動いた。
可愛すぎるんだけど。
なんで俺の彼女、こんなに可愛いんだよーもう。


【彼の声に、彼女はゆっくりと目を覚ましていく】


って、ごめん、起こしちゃったか。
え?俺の声がうるさかった?ごめんごめん。
いやなんかこう、お前の寝顔を見てたら可愛過ぎてさ。
一人で悶えてた。
写真に撮りたいくらい可愛い。


【「写真はダーメ」】


えーなんで?
いいじゃん、一枚くらい。
寝顔と、あと、裸の写真も一枚お願い!
会えない間の、俺のおかずにするから!


【彼女は「バカ」と言いながら、彼を叩く】


おっ、ちょっ……そんなにバシバシ叩くなって。
冗談だってばー。
まぁ、半分本気だったり……いや、嘘嘘、嘘だって、そんなに怒るなよー。
だってさ、俺達、遠距離でなかなか会えないだろ。
だからせめてーって思っただけ。
もちろん、裸の写真とかはほんとに冗談だけど、寝顔くらいは写真で毎日見ていたいじゃん。


【「じゃあ寝顔くらいなら……いいよ?」】


え?いいの?寝顔撮っていいの?
じゃあさ、枕に頭を乗せて目をつぶってよ。
そうそう、寝てるような感じで……そのまま動かないで。


【彼はそう言うと、目をつぶっている彼女にキスを落とす】


(軽いリップ音)

はは、不意打ちー。
目をつぶってるお前を見てたら、写真撮るよりこの唇にキスしたいって気持ちが抑えきれなくなっちゃった。

ねぇ、もう一回……していい?

(さっきより少し長めのキス)

どうした?
目がとろんとしてる。
そんなに俺とのキス、気持ちよかった?
なんなら、もっといい事しようか。
昨晩みたいに、今から激しく愛し合っちゃう?


【彼は耳元に唇をよせる】

ねー?だめ?
お願い。

えっ、あーそっか。
新幹線の時間に間に合わなくなったら、大変だもんな……。
残念。
 
【彼は寂しそうに口を開く】

頭では分かってるんだけどさ、帰したくない。
だって帰したらまた、しばらく会えないって思うと、胸が苦しくなる。
遠距離恋愛ってさ、会えた時はすっごく嬉しいけど、離れる時はとてつもなく悲しいよな。

こうしてこのベッドで、イチャイチャしてる時は幸せでたまらないけど、この後お前を駅まで送って一人で帰ってきた後さ
お前のぬくもりが消えた冷たいベッドを見ながら、俺……ズーンと暗くなっちゃうと思う。


【彼は彼女を抱きしめる】


だってさ、こんなに好きなんだもん。
人をここまで愛したの、初めてだから。
出来る事なら、一秒も離れたくない。


【「私だって、同じ気持ちだよ」】


ん?ほんと?
お前も同じ気持ちでいてくれてるの?
あーもう、どうしよ、幸せ過ぎる。
なんかさ、俺おまえの事……会う度にどんどん好きになっていく。

ねぇ、どうしてくれるの?
責任とってよ。
俺と結婚してよ。

あ……いや、やばっ、無意識にサラッと言っちゃった……。
今の無し!聞かなかった事にして!
こんな気の抜けたプロポーズなんて、するつもり無かったの!

あぁ、俺のバカ。
プロポーズはもっと、ちゃんとシチュエーションとか考えて感動的なものにしようと思ってたのにー!
あっさり言っちゃった……。 


【慌てる彼が可愛くて、彼女は笑う】


笑うなよ……だって、いつも頭の中で考えてたことだからさ。
お前と結婚出来たら、もう離れることはないのにって。
毎日お前と朝を迎えられたらなぁって、目が覚める度に思っちゃう。

だから、まあ、さっきは口を滑らせちゃったけど、とにかくさ、俺はそういうつもりだって事、頭の片隅に置いといて。
そのうち、お前の思い出に残るようなプロポーズを絶対にするから。
覚悟しとけよー。


【「待ってる」と彼女は嬉しそうに頷く】


もーそんなにニコニコしながら待ってるとか言うなよー。
可愛すぎて、食べたくなる。

って、あ、やばいもうこんな時間か。
名残惜しいけど、そろそろ出る準備しなきゃな……。
あーっ、しまった!寝顔を撮るの忘れてた……。
まぁ、いっか。
また会えるしな。
それは次の楽しみにとっておく。

ん?着替える前にシャワー浴びてくる?
分かった、じゃあ俺も一緒に行く。
いや、大丈夫、時間が無いの分かってるから変な事はしないって。
ただ、少しでも一緒にいたいだけ。
だめ?
いいの?やった。
じゃあ、一緒にお風呂場に行って、仲良く体を洗い合おっか。


END
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