※こちらは縁コウキ/りひと専用台本です。



A(コウキ)︰兄、俺様S系
B(りひと)︰弟、真面目可愛い系

A「(大きなあくびをしながら)ふぁ、おはよ」
B「おはよ、兄貴!つーか寝すぎじゃない?父さんも母さんももう仕事に行っちゃったよ」
A「いいだろ、今日は大学の講義も昼からなんだしさ。ってかお前は高校行かなくていいのかよ?」
B「今日は創立記念日で休みなの。ほら、早く朝飯食っちゃってよ、僕、母さんに洗い物頼まれてるから早く片付けたいんだって」
A「はいはい。ほんと口うるさい弟だよなお前って」
B「兄貴がいつもいい加減すぎるんだろ」
A「そんなんじゃ女にもてねぇよ?」

【少しの間が空いて】

B「……別にモテなくてもいいよ。一人にさえ好きになってもらえたら」
A「……お前、まだアイツの事好きなのか?いい加減諦めろよ」
B「兄貴の方こそ、同じ大学に通ってるからって勝った気にならないで。僕は、子供の頃から彼女の事が好きだったんだからさ」
A「俺だって同じだ。絶対に譲るつもりはねぇからな」


【少し空気が険悪になりかけたその時、玄関からピンポーンとインターフォンの音がする。
Bは椅子から立ち上がってそちらに向かい、Aは朝食を食べ続けていた】

B「はーい、どちら様?」

【扉を開けるとそこにいたのは幼馴染の彼女で、りひとは途端に笑顔になる】

B「あ、いらっしゃい!どうしたんですか?え?兄貴に借りてたノートを返しにきた?あぁ、そうなんですね……よかったら上がってください。ほら遠慮しないで?」

【彼女は戸惑いつつ、「じゃあお邪魔します」と言いながら家の中にあがっていく。】

A「お、どうした?朝早くから俺に会いたくなったとかー?え、違う?オイオイそこは話に乗っとけよ。え?あー!貸してたノートわざわざ持ってきてくれたのか、ありがとう。別に大学に行った時で良かったのに。ん?俺が困るんじゃないかと心配して?はは、お前って本当に優しいよなぁ」

【Aはそう言いながら、彼女の頭を撫でようとする。するとりひとがそれを邪魔した】

B「ちょっと兄貴!なんでドサクサに紛れて彼女の頭を撫でようとしてんだよ」
A「は?いいだろ別に。邪魔すんな」

【二人の間が険悪になったのを見た彼女は気まずくなり、「じゃあノートは返したから行くね」と言いながら玄関に向かう】

B「えっ、もう行っちゃうんですか?もう少しゆっくりしていって下さいよ」
A「そうだよ、ん?もうノートは返したからって、あ、ちょっと……」

【彼女が慌てて玄関を出ていくのを見て、兄弟は立ちすくむ。そして同時にため息をついた】


A「……ったく、せっかくいい雰囲気だったのにお前が邪魔するから、アイツ帰っちゃったじゃねーか」
B「全然いい雰囲気に見えなかったけどね。むしろ兄貴の強引さに驚いて帰っちゃったんじゃない?」
A「ああ言えばこう言うな、お前って」
B「兄貴に似たんだよ」

【ひと呼吸置いた後、二人は真剣な顔になる】

A「言っておくけどな、俺は一歩も引くつもりねぇよ?」
B「僕だって、絶対に負けないから」
A「よーし、じゃあアイツがどちらを選んでも、恨みっこなしだ」
B「望むところだよ、兄貴」

END
book / home