雑渡さんと一緒! 175


「今日、飲みに行かない?」

「珍しいな。雑渡から誘ってくるなんて」

「たまにはいいじゃない。北石も誘って」

「照も?」

「そう。なまえも来るから」

「あぁ。じゃあ、連絡しとくわ」

「ん。また後で」


領収書を出すついでに佐茂を誘うことに成功することが出来た私は安心して思わず溜め息を吐いた。流石になまえと二人であの場に行くのは気がひける。面倒を一人で請け負うことになるであろうことは目に見えていたから。
やれやれ、と今夜店に行くことを連絡する。もう夕方だ、流石に夜の仕事とはいえ起きているだろう。しかし、接待以外であの店に行く日が来るとは思ってもみなかった。そして、行きたくない。行きたくはない…が、私が好き好んでキャバクラに行っていると思われることも、あいつを好き好んで指名していると思われることも不快極まりなかった。あくまでも都合がいいから私はキャバクラを利用させて貰っているだけだということをなまえには確実に理解してもらわなければ。


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