占いは当たる
今日は朝から第六感が震えていた。紫苑の勘は当たりやすく、なんとなく腑に落ちないモノがあったので普段はあまりしない占術をしてみたところ、不吉な予兆を感知したので今日は一歩も家から出ていない。俗にいう“物忌み”である。
「…なーんか嫌な予感すんねんよなぁ」
時刻は夕飯時。先程今日授業でやる予定だった場所を自習し終わって、清々しい気分だったのだが、それでも紫苑の心のすみにある不安が消えることはなかった。
何故だろうか。仁王の件は完璧に終わった筈である。彼の件が解決してからは割と平和な日常を送っていた。彼以外で何か不穏なモノが自分に近づいているのだろうか。
しかしそう憂いていても仕方ない。取り敢えず今日は家から出てはいけないのだ。大人しく明日を待つのみである。
*
――仁王は驚いていた。あんな生意気な彼女が今日、珍しく休みだったいうことに。
「風邪かのう」
「うーん、多分」
紫苑の友人も詳しいことは知らないらしく、言葉を濁すように同意した。
友人がこんな遅くまで学校に居たことにも驚きだが(委員会が長引いていたらしい)、それ以上に紫苑が何も言わずに学校を休んだことのほうが断然意外だった。
「メールしたか?」
「ううんしてないよ。紫苑が言ってたの『もしうちが無断欠席したら絶対に電話とかメールせんといて』って」
「え?」
「何か理由あるんじゃない?」
怪しい、かなり怪しい。連絡してくるなということは、連絡されては何か拙いことでもあるということだ。
「まっまさか…!」
ここで突然赤也が声をあげる。閃いたような顔つきだ。
「まさかその人…ネズミーランドでも行ってんじゃないっすか!?」
「「…はあ??」」
思わず、友人と仁王は素っ頓狂な声をあげる。しかしそんな二人を気にせず、赤也は興奮気味に自らの推理を述べた。
「だってだって!電話とかかけて、もし間違えて出ちゃったりしたら、向こうの音とか聞こえちゃうじゃないっすか!遊園地って騒がしい場所だから!」
「…はあ、つまり居場所を知られたくないと?」
「そういうことっす!」
こいつ馬鹿だろ――友人の顔はそう言っていた。彼女は温厚そうに見えるが案外そうでもないらしい。詐欺師(うそつき)の才能があると、仁王は密かに笑った。
「どうっすか仁王さん!俺の推理!」
「えっ…あー、うんまぁ良いぜよそれでも。どうせ土御門さんが居ないことには変わりないしのう」
「なんすかそのテキトー感!」
憤慨する赤也を他所に、仁王は考える。
なんだかんだで真面目そうな彼女が無断欠席など何か理由があるに違いないが、その理由が思いつかない。強いていうなら霊関係だろうか。それなら欠席も頷ける。が、その欠席の前には“無断”という単語が当てはめられる。出会って数日しか経過していないが、それなりに心配だ。
「…まあ紫苑なら大丈夫だよ」
「!」
「あの子は大丈夫」
何故断言できるのだろうか。心底不思議そうにする仁王に、友人は微笑んだ。
「…なーんか嫌な予感すんねんよなぁ」
時刻は夕飯時。先程今日授業でやる予定だった場所を自習し終わって、清々しい気分だったのだが、それでも紫苑の心のすみにある不安が消えることはなかった。
何故だろうか。仁王の件は完璧に終わった筈である。彼の件が解決してからは割と平和な日常を送っていた。彼以外で何か不穏なモノが自分に近づいているのだろうか。
しかしそう憂いていても仕方ない。取り敢えず今日は家から出てはいけないのだ。大人しく明日を待つのみである。
*
――仁王は驚いていた。あんな生意気な彼女が今日、珍しく休みだったいうことに。
「風邪かのう」
「うーん、多分」
紫苑の友人も詳しいことは知らないらしく、言葉を濁すように同意した。
友人がこんな遅くまで学校に居たことにも驚きだが(委員会が長引いていたらしい)、それ以上に紫苑が何も言わずに学校を休んだことのほうが断然意外だった。
「メールしたか?」
「ううんしてないよ。紫苑が言ってたの『もしうちが無断欠席したら絶対に電話とかメールせんといて』って」
「え?」
「何か理由あるんじゃない?」
怪しい、かなり怪しい。連絡してくるなということは、連絡されては何か拙いことでもあるということだ。
「まっまさか…!」
ここで突然赤也が声をあげる。閃いたような顔つきだ。
「まさかその人…ネズミーランドでも行ってんじゃないっすか!?」
「「…はあ??」」
思わず、友人と仁王は素っ頓狂な声をあげる。しかしそんな二人を気にせず、赤也は興奮気味に自らの推理を述べた。
「だってだって!電話とかかけて、もし間違えて出ちゃったりしたら、向こうの音とか聞こえちゃうじゃないっすか!遊園地って騒がしい場所だから!」
「…はあ、つまり居場所を知られたくないと?」
「そういうことっす!」
こいつ馬鹿だろ――友人の顔はそう言っていた。彼女は温厚そうに見えるが案外そうでもないらしい。詐欺師(うそつき)の才能があると、仁王は密かに笑った。
「どうっすか仁王さん!俺の推理!」
「えっ…あー、うんまぁ良いぜよそれでも。どうせ土御門さんが居ないことには変わりないしのう」
「なんすかそのテキトー感!」
憤慨する赤也を他所に、仁王は考える。
なんだかんだで真面目そうな彼女が無断欠席など何か理由があるに違いないが、その理由が思いつかない。強いていうなら霊関係だろうか。それなら欠席も頷ける。が、その欠席の前には“無断”という単語が当てはめられる。出会って数日しか経過していないが、それなりに心配だ。
「…まあ紫苑なら大丈夫だよ」
「!」
「あの子は大丈夫」
何故断言できるのだろうか。心底不思議そうにする仁王に、友人は微笑んだ。