きみのとなり
「何?赤也。話って」
紫苑に視てもらった二日後、赤也は彼女を呼び出した。彼女はにこやかな笑みを絶やさない。赤也と話せてとても嬉し気だ。
「赤也?」
「なあ、別れよ」
「………、は?」笑顔が、固まる。
「な、何言ってんの?…あ!それより霊を祓う方法見つけようよ!あたしね、この前ネットで調べてみたんだけど…」
「別れよう」
言葉を遮って赤也は告げる。その声音は、異論を認めなかった。
彼女の顔が引き攣る。赤也の言葉を認めなくないような顔。ひゅ、と彼女の喉が鳴った。
『切原、アンタに憑いとる霊は…アンタの彼女の生き霊や』
二日前、紫苑に告げられた事実。それは頭を鈍器で殴られるほどの衝撃であった。
『アンタの彼女はアンタが別れを持ち出そうとしとう雰囲気を感じ取っとる』
『じ、じゃあ今まで被せるように話題を振ってきたのは…』
『別れを切り出させんようにする為やろ。初めは幽霊憑いとるって嘘言うてアンタを引き留めとった。せやけど彼女の気持ちが強うなってきて、終いにはホンマにアンタに霊が憑くハメになった…彼女の生き霊がな』
紫苑からそう述べられる事実に、赤也だけでなく仁王までもが息を呑んでいた。人の気持ちの強さとは、時に相手を苦しめるのである。
「何でそんなこと言うの?」
「俺はずっとあんたと別れたかった」
「やめてよ!ていうか幽霊はどうすんの!」
「あれはもう半分は解決した。あとは俺の行動で決まる」
「はあ?何それ!?」
『アンタとはもう付き合えへんって気持ちをちゃんと伝え。そうしな、いつまでもつきまとってくんで』
最後に忠告として紫苑に言われた言葉。今までのらりくらりとやってきたツケが回って来たのだろうか。赤也は内心苦笑する。
彼女はずっと嫌だ嫌だと首を横に振っていた。これは、長期戦になることが予想された。
「何で急にそんなこと…あたしたち、結構上手くやってたじゃん」
「……」
「なのに何で…好きな人とかできたの?」
「…そういうわけじゃねえけど」
「じゃあ…!」
「でもなんつーか、お前のこともう好きじゃねえんだよ」
あくまでこちらは冷静に。彼女に流されず、毅然とした態度で。
「お前にはホントに悪いと思ってる。一緒に居てそれなりに楽しかったけど…終わりにしよーぜ」
それじゃ、と最後に言って立ち上がる。屋上を後にする赤也を、彼女は追っては来なかった。彼女は穴が空くほど赤也の背中を見つめたあと、ギチリと手の甲に爪を立てた。
紫苑に視てもらった二日後、赤也は彼女を呼び出した。彼女はにこやかな笑みを絶やさない。赤也と話せてとても嬉し気だ。
「赤也?」
「なあ、別れよ」
「………、は?」笑顔が、固まる。
「な、何言ってんの?…あ!それより霊を祓う方法見つけようよ!あたしね、この前ネットで調べてみたんだけど…」
「別れよう」
言葉を遮って赤也は告げる。その声音は、異論を認めなかった。
彼女の顔が引き攣る。赤也の言葉を認めなくないような顔。ひゅ、と彼女の喉が鳴った。
『切原、アンタに憑いとる霊は…アンタの彼女の生き霊や』
二日前、紫苑に告げられた事実。それは頭を鈍器で殴られるほどの衝撃であった。
『アンタの彼女はアンタが別れを持ち出そうとしとう雰囲気を感じ取っとる』
『じ、じゃあ今まで被せるように話題を振ってきたのは…』
『別れを切り出させんようにする為やろ。初めは幽霊憑いとるって嘘言うてアンタを引き留めとった。せやけど彼女の気持ちが強うなってきて、終いにはホンマにアンタに霊が憑くハメになった…彼女の生き霊がな』
紫苑からそう述べられる事実に、赤也だけでなく仁王までもが息を呑んでいた。人の気持ちの強さとは、時に相手を苦しめるのである。
「何でそんなこと言うの?」
「俺はずっとあんたと別れたかった」
「やめてよ!ていうか幽霊はどうすんの!」
「あれはもう半分は解決した。あとは俺の行動で決まる」
「はあ?何それ!?」
『アンタとはもう付き合えへんって気持ちをちゃんと伝え。そうしな、いつまでもつきまとってくんで』
最後に忠告として紫苑に言われた言葉。今までのらりくらりとやってきたツケが回って来たのだろうか。赤也は内心苦笑する。
彼女はずっと嫌だ嫌だと首を横に振っていた。これは、長期戦になることが予想された。
「何で急にそんなこと…あたしたち、結構上手くやってたじゃん」
「……」
「なのに何で…好きな人とかできたの?」
「…そういうわけじゃねえけど」
「じゃあ…!」
「でもなんつーか、お前のこともう好きじゃねえんだよ」
あくまでこちらは冷静に。彼女に流されず、毅然とした態度で。
「お前にはホントに悪いと思ってる。一緒に居てそれなりに楽しかったけど…終わりにしよーぜ」
それじゃ、と最後に言って立ち上がる。屋上を後にする赤也を、彼女は追っては来なかった。彼女は穴が空くほど赤也の背中を見つめたあと、ギチリと手の甲に爪を立てた。