オチルオチル
彼女は昨日まで赤也の恋人だった。彼の恋人になった時は自分よりもどんなに可愛い女の子にだって優越感を得た。自分は選ばれた存在なんだとさえ、思えた。
しかしそんな優越感は不意に足元を崩した。
最初は赤也が急に素っ気なくなった風に感じた。疲れているのかとその時は思ったがその素っ気なさが段々違うものになってきているということに、すぐに気がついた。
彼が自分のことを見ていないことに気がついたのは、そのすぐ後だった。
悔しい悔しい悔しい悔しい!!一体何がいけなかったのか、一体どこで間違えたのか。自分は顔の造形は割と上のほうだしスタイルも良い。それなのに彼の何が、自分を飽きさせる原因となったのか。甘え方が下手だったのか?少し猫を被りすぎたのか?それとも…?思い返してみてもさっぱり分からない。
別れたという、それどころか振られたという噂が広がれば、絶対に馬鹿にされるに決まっている。これまで自分が馬鹿にしてきた女の子たちに仕返しされるに決まっている。
“悔しいのか?”
ドロドロした感情の中にいた時、ふと、しわがれた声が響いた。
何か、恐ろしいモノが背後に居ることは分かった。振り向いてはいけない、振り向いたら必ず後悔する。
しかし彼女は振り向いてしまう。
“ヒヒッ…悔しいか?”
そのモノは見たことないカタチをしていた。
頭は牛で、首から下はよく分からないカタチをしているが、例えるなら蜘蛛のような胴体を持っている。
“お前を突き放した男にちょーっと刑(しおき)をしたいと思わんか?”
「で、でも…」
“儂が協力してやろう。さすれば男もお前のところに戻ってくるじゃろう”
「本当!?」
“ああ本当じゃ”
愛してくれなかったのが寂しい。だがそれ以上に自分を振った赤也に悔しさを覚えていた。果たして彼女がそれまでに抱いていた感情が、純粋な恋なるものだったのかは、ここまでくればもう定かではない。
しかしそんな優越感は不意に足元を崩した。
最初は赤也が急に素っ気なくなった風に感じた。疲れているのかとその時は思ったがその素っ気なさが段々違うものになってきているということに、すぐに気がついた。
彼が自分のことを見ていないことに気がついたのは、そのすぐ後だった。
悔しい悔しい悔しい悔しい!!一体何がいけなかったのか、一体どこで間違えたのか。自分は顔の造形は割と上のほうだしスタイルも良い。それなのに彼の何が、自分を飽きさせる原因となったのか。甘え方が下手だったのか?少し猫を被りすぎたのか?それとも…?思い返してみてもさっぱり分からない。
別れたという、それどころか振られたという噂が広がれば、絶対に馬鹿にされるに決まっている。これまで自分が馬鹿にしてきた女の子たちに仕返しされるに決まっている。
“悔しいのか?”
ドロドロした感情の中にいた時、ふと、しわがれた声が響いた。
何か、恐ろしいモノが背後に居ることは分かった。振り向いてはいけない、振り向いたら必ず後悔する。
しかし彼女は振り向いてしまう。
“ヒヒッ…悔しいか?”
そのモノは見たことないカタチをしていた。
頭は牛で、首から下はよく分からないカタチをしているが、例えるなら蜘蛛のような胴体を持っている。
“お前を突き放した男にちょーっと刑(しおき)をしたいと思わんか?”
「で、でも…」
“儂が協力してやろう。さすれば男もお前のところに戻ってくるじゃろう”
「本当!?」
“ああ本当じゃ”
愛してくれなかったのが寂しい。だがそれ以上に自分を振った赤也に悔しさを覚えていた。果たして彼女がそれまでに抱いていた感情が、純粋な恋なるものだったのかは、ここまでくればもう定かではない。