沖田 短2
眠いまま参加したため何一つ内容を理解しないまま終えた朝礼。明日の討ち入りのための大事な話だから必ず参加しろと土方の野郎に昨晩から念を推されていたような気がするが、そもそも大事な話なら何でこんなに頭の回っていない朝にするんだ。
「はー」と重めのため息を吐きながら自室の襖を開け、目にした光景に思わず「は?」と言葉が漏れた。
俺の部屋だよな?と一瞬頭がフリーズする。寝坊だと土方に叩き起こされ、そのまま着替えて朝礼に出たために敷きっぱなしだった布団の上で寝ている女。抱いている枕に顔を突っ伏しているからか寝息が苦しそうだった。「おい」と声をかけるがびくともしない。
「上司の部屋で惰眠を貪るたア、いい度胸でィ」
「ぐふ…っ!」
抱いていた枕を勢いよく引き抜くと顔面も一緒に引っ張られる。しかめっ面でこちらを見上げる部下にとどめと言わんばかりに敷布団を引っ張り上げるとドスンと尻もちをついた。
「ちょ、隊長!もっと起こし方ってもんがあるでしょう!いた〜これもう尾てい骨骨折沙汰ですよ」
「んなくだらねぇ沙汰はねぇ。てかお前勝手にひとの部屋で何してんでィ」
「違うんです。朝イチで昨日の報告書提出するよう言われたから持ってきたらそこに布団があっただけなんです」
「布団があったらお前はどこでも寝るのか」
「朝までに報告書提出しないと隊長に殺されると思って完徹してたんです。なので私は悪くありません」
「完徹になる前に昨日のうちで終わらせられる時間は山ほどあったろィ、お前昨日午後何してた?」
「午前の巡回で攘夷浪士と一悶着あって疲れたので休んでました」
「堂々とサボってんじゃねーや俺上司なんだけど」
「サボりについて隊長にとやかく言われたくないんですけど」と聞こえない様に呟いたつもりだろうがしっかり耳に届いたのでひと蹴り入れてやると脇腹を抑えて悶える目の前の女。女といえど、真選組一番隊の隊士なのだ。性格には難ありだが。