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無事にナマエがスネイプの元へ戻り、従来通り姿を見せると、生徒たちからは随分心配されていたらしい。
口々に「おかえり」「どうしたの?」と今まで話したことがない生徒からも話しかけられて、心が少し暖かくなった。

「ありがとう、もう大丈夫だよ」といつもの調子で返していれば、一日一日があっという間に過ぎていき、学年末パーティーがやってきた。









グリーンとシルバーのスリザリンカラーで飾られている大広間の天井から生徒たちを見やると試験が終わったからか、一騒動あったからかいつもよりざわざわと落ち着かない様子だ。

続いていつも通り職員が座る上座に向かうと、スネイプの隣の席がぽっかりと空いている。
その席を見ると、本当にいなくなってしまったという現実を見せつけられているようだ。

ナマエは一人複雑な顔を浮かべた。






「また一年が過ぎた!一同、ご馳走にかぶりつく前に、老いぼれの戯言をお聞き願おう」

ダンブルドアの大きな声が響き渡ると、ナマエも背筋をぴんと伸ばしてスネイプの横に空中イスできちんと座った。

例年通り寮対抗杯の得点が発表されると、一位のスリザリンから歓声が巻き起こった。
七年連続の寮杯を素直に喜び、寮生たちはお互い握手をしたり腕を組んだりと喜びを分かち合っている。

横に座っているスネイプの顔を見ると、あまり表情には出ていないがきっと喜んでいるのだろう。


自分は生前は何寮だったのかなぁ、なんて色を失った自分の制服を見つめていると、グリフィンドールの席からスリザリンよりも大きな歓声があがった。

ちらりと視線をあげると、嬉しさが隠しきれていないロンや今にも泣きそうなハーマイオニー、笑顔のハリーと目があった。

「勇気にも色々ある。敵に立ち向かっていくのにも大いなる勇気がいる。しかし、味方の友人に立ち向かっていくのにも、同じくらい勇気が必要じゃ。そこで、わしはネビル・ロングボトム君に10点を与えたい」

突如わぁっと溢れんばかりの拍手が沸いた。

なんと今の加点でグリフィンドールがスリザリンの点数を上回ったらしい。

思わぬサプライズに、スリザリン寮の生徒たちはひどく落ち込んでいたが、代わりにこれでもかとテンションをあげているのはグリフィンドールをはじめとした三寮の生徒たちだった。

ダンブルドアが手を叩くと、天井は緑から赤へ、横断幕がグリフィンドールのシンボルマークの獅子へと変わり、あっとういう間に大広間が暖色で包まれた。

次に魔法がかかったのはテーブルの上だ。
何もなかったテーブルの上には素晴らしいご馳走が姿を現した。
食べ盛りで腹が減っていた生徒たちは我先にと手を伸ばした。

そしてどの寮の生徒たちも笑いながら、時には悔しがりながら、よく食べ、よく飲んだ。










「《ハリー、ロン、ハーマイオニー!》」
「ナマエ!君長い間どこにいっていたんだい?皆心配してたよ」

食事をしている生徒たちの真上を飛んで、ハリー達の机へと近づくとこれでもかと口に食べ物を詰め込んだロンが食い気味にそう言った。
それがリスのようで、思わず笑うとロンは首をかしげた後笑った意味に気付いたらしい。
食べ物でいっぱいだった口の中をジュースで空っぽにした。

「《ちょっと色々あってね…。それより一番大変だった時に助けてあげられなくてごめんね。全部聞いたよ》」
「僕達こそごめん。実はスネイプとナマエを疑っていたんだ」
「ごめんなさい、ナマエ」
「《なんだ、そんな事?》」
「そんな事って」
「《疑われる事をした僕達も悪いし》」

それに、君たち顔に「疑ってます!」って書いてあるからすごく分かりやすいんだよね。

顔を指さして指摘をするとハーマイオニーは全く自覚がなかったのか、ぱっと顔を赤くした。
ハリーとロンは心当たりがあるのか苦笑している。

「《ふふ。それじゃあ僕はもう行くね。良い夏休みを!》」

ナマエは三人の間をするりと通り抜け、満足したのか空高くへと消えていった。

「ナマエって幽霊なのに暖かいんだね」
「本当に不思議ね」
「でも良い奴だよ」
「そうだね」