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「《うーん…ちょっと見回りしてくる。なんか落ち着かない》」
「そうか、気を付けろよ」
「《はーい。いってきます》」

なんだか最近校内が変だとナマエは薄々感じていた。


今日はハロウィン。

ハロウィンというイベントを抜きにしても、校内はどこかざわざわと落ち着かない。

何か得体のしれない物が、あちこちを這いずり回っている様な。
と言っても見えるわけでも聞こえるわけでもなく、ただぞわっと肌が粟立つような何かを感じるのだ。

そんな事をスネイプに言った所で、自分もよく分かっていないのだから伝えられないと思っていた。

そのため、代わりと言ってはなんだが校内の見回りを増やし、今日も今日とて夜の散歩にでかけていった。










暗い廊下をきらきらした粒子を散らしながら浮いていると、また何か嫌なものがそばを通ったような感覚がした。

思わず後ろを振り返ってみたが、そこにも誰もいない。

「…クモ…だ」
「…これ…“秘密の…気を付けよ…血で書かれてるわ」

だが、誰もいないはずの廊下には不釣り合いな声が聞こえた。

静寂に耳をすませていると、聞こえるのは最近よく聞くあの三人組の声だ。

距離は遠くない。
反響からして曲がった先の廊下にでもいるのだろう。

そっと近づき、廊下の曲がり角から覗き込むと、そこにはショッキングな光景が広がっていた。

廊下の壁には血で大きく字が殴り書きされ、フィルチの猫であるミセス・ノリスが見せしめのように吊るされていたのだ。

ミセス・ノリスはナマエも可愛がっていた猫だった。
見るも無残な姿に思わず動きがフリーズしてしまう。

動けずにいるとタイミングよく反対側の廊下からぞろぞろと他の生徒たちが現れた。

「ポッター…お前が私のミセス・ノリスを殺したな!」
「違う!僕じゃ…」
「殺してやる…」

そして生徒に紛れてフィルチも姿を現した。

ミセス・ノリスを腕に抱えると鋭い目つきでハリーを睨む。
だがハリーも当然否定をすると、場を見計らったかのようにダンブルドアやスネイプがやってきて場を収めてしまった。

スネイプやフィルチの抗議は疑わしきは罰せずと一蹴りされていた。











「ハリー、ちょっと変よ。不思議な声はハリーにしか聞こえなかった」
「校長に話すべきだったんだ」
「だめよ、ハリー。誰にも聞こえない声が聞こえるなんて魔法界でも変だわ」
「《ハリー、その話ちょっと聞かせて》」

とぼとぼと寮へ戻っていくハリー達の後をこっそりついていくと、なんだか興味深い話をしている。
その話は自分が感じているものと少し似ているようだ。

なんの前置きもなく姿を現すと、三人はまるでお化けでも見たかのように飛びのいた。
まぁ幽霊なんだけど、とナマエは自分でつっこむと三人の傍に寄り、内緒話をするように小さく文字を浮かばせた。

「ナマエ!?スネイプと一緒じゃなかったの?」
「《たまには僕も一人にだってなるよ。それより聞いてよ。僕も最近ホグワーツを見回ってると何か恐ろしい物が近くを通ったような感覚がするんだ》」
「恐ろしいもの?」
「《まぁ僕にしか分かってないみたいだから、幽霊独特の感覚かもしれないけど》」
「いや、きっと僕のと一緒だ!」

ハリーは興奮気味に不気味な声が壁の中からすると言った。
きっと感じているのは同じ存在だろうとあたりを付けると、静香は三人を寮へ送ってから図書室へ向かった。