赤井と安室と閉じ込められたら


安室と赤井と三ツ星さんが閉じ込められたのは
「一緒に閉じ込められた相手に100回「好き」と言うまで出られない部屋」です。
頑張って脱出しましょう。
#するまで出られない部屋

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「赤井ィ!!!ここでお前を捕まえて組織に突き出してやる!!!」
「…狩る相手を見誤るな」
「っていうか俺を挟んで喧嘩すんなよ」

今にも殴りかかりそうな安室と冷静な赤井の間で俺は眉間にしわを寄せた。


ふと気が付いたら真っ白い部屋に俺と赤井と安室はいた。
本当に何もない、壁も床も全てが真っ白で埃ひとつない。浮世から離れたようなある種不気味な部屋だ。
俺は全くこんな部屋に拉致される心当たりがないのだが、どうやら2人も心当たりがないらしい。

吠える安室をどうどうと落ち着かせ、この部屋にいる間だけは手を出さないという協定を結んで、ひとまずその場は落ち着いた。話し合いができなければいつまでたってもこの部屋からの脱出ができない。

改めて一通り部屋中を確認してみると、何もかもが白い以外は特に特筆する事のないただの部屋のようだ。
ドアや窓らしきものもない。
どこから入ったのか、いや、出られるかもわからない。

「どうやら俺たちは閉じ込められたらしいな」
「あ、ちょっと待て。なんか落ちてきたぞ」
「紙…メモ帳でしょうか」

途方にくれてぼーっとしていると、どこからともなくヒラヒラと一枚の紙が落ちてきた。
紙が落ちてきたのだから、どこか穴か隙間があるはずなのだが天井にはやはり何も変わった所はない。
なんとも不思議な部屋だ。拾って広げてみると、パソコンでプリントしたような字が躍っていた。

「どれどれ…『一緒に閉じ込められた相手に100回好きというまで出られない部屋です』…ん?つまり?」
「誰かが誰かに100回好きと言えば部屋から出られるんですか」
「らしいな」
「へぇー」

「…」
「…」
「ちょっと待て、なんで2人とも俺を見るんだ!!」
「赤井を殺すとは言いますが好きだなんて口が裂けても言えませんよ」
「せっかく言われるなら君がいいと思ってな」
「俺が言う事決定かよ。割合おかしいだろ!!」
「たしかに君にばかり言わせるのは不公平だな。分かった、考慮しよう」
「考慮する顔に見えない」



結局赤井と安室が25回ずつ俺に、俺が2人に25回ずつになった。不公平だ。


赤井と

「好きだ」
「…おう」
「君は俺に好きだと言ってくれないのか?」
「…あー、もう好き。好き。好き…ってその顔なんだよ」
「いや、まさか本当に言ってくれるとは思ってなくてな」
「言わなきゃ出れないだろうが!!」
「そうなんだが、いつも照れてそういう事を言ってくれないだろう?」
「当たり前だろうが!!こんな部屋にいなきゃ一生言わねーよ」
「それならこの部屋に感謝だな。…好きだ」
「耳元で言うな」
「フッ…まだ10回も言えてないぞ」
「うわ〜〜もう早く終わってくれ…」


安室と

「恥ずかしがっている所が可愛くて好きです。それから怒っている所も好きですね。僕の料理をおいしそうに食べてくれる所も」
「ちょっと待てなんか余計なものがついてる」
「せっかくですから、あなたの好きな所を25個述べてみようと思いまして」
「いらないから好きとだけ言え!!」
「それはそれで照れるじゃないですか」
「しょうがないだろ!」
「僕はすぐ言えますけど、貴方も言ってくれないと1人でずっと好きっていう羽目になりますよ」
「好き好き好き好き好き好き」
「はい、こっち向いて下さい」
「なんで顎を掴む」
「いえ、キスって言ってるからして欲しいのかと」
「好きって連続で言ってるからそう聞こえるだけだろ…」
「せっかくですから」
「なんのせっかくだ!!」

「君たち俺がいるのを忘れていないか?」



100回目の好きを言ったと同時に上からガチャリという音がした。
どうやら開くのは天井らしい。先ほどまでは真っ白だった天井にいつのまにか屋根裏部屋に続く扉のような、小さな扉が現れている。更にその扉が開くと、するすると梯子が降りてきた。

ここからあがれ、という事だろう。

「赤井と閉じ込められるなんて最悪でしたが、中々貴重な体験ができました」
「悪くなかったな」
「は〜…恥ずかしすぎて死ぬ」

好きなんてこんなに言う事はもうないだろう。というかもう言わない。

顔に手を当てればこれでもかというくらいに熱を持っていて、鏡でもあれば真っ赤な自分が映るんだろうと容易に予想ができた。全くただただ恥ずかしい体験だった。

ひとまず梯子には安室、赤井、俺という順番で出る事になった。
安室は安全確認のためだなんだと言っていたが、赤井の下に来るのがたとえ梯子だろうが嫌なのだろう。
全く強情な男だ。

安室が一番最初に梯子を上ると、上から「大丈夫だ」という声が降ってきた。
続いて赤井が上り、次は俺の晩だ。
梯子に手と足をかけ、ゆっくりと天井の高さまで登ると、先に部屋から出た2人に腕をひかれてようやく白い部屋から脱出できたのだった。