悪癖

最初はそんなことなかったのに、日ごとに独占欲が高まっている。だから沖田を抱くときはいつも、抱かなくても癖のように必ず、その首筋に俺の跡を残すようになっていた。
口では「やめてよ」と言うくせに、本気で抵抗もしなければ怒りもしない沖田も満更ではないのだと思う。
ある日、沖田が意識を失うまで激しく抱いてしまったことがあって、部屋に連れ帰ることも出来ずにそのまま朝まで一緒に寝ることにした。
明け方、むず痒さで目を覚ます。顎の部分に沖田の猫っ毛がふわふわと触れている。

「何してんだ……?」

寝起きの掠れた俺の声に、沖田の頭がぴょこんと上がった。ふふ、っと小さく笑ったかと思うと、その顔が俺の首筋に埋まる。
ちゅうっと小さな音と、微かな痛みが走った。
再び顔を上げた沖田が嬉しそうに笑う。

「これで、お揃いだね」

2018.01.15
title/いえども様


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