池袋にて

※首無パロ
※風間→池袋最強
※沖田→素敵で無敵な情報屋さん


デュラララ!!のパロになりますが、デュラララ!!の説明が出来ないので省くという暴挙に出てみました。
知らない方には風間が何でそんな事しているのか&出来るのか意味が分からないと思いますが、それでも取り敢えず読んでみますという方、またはデュラをご存知の方でパロもおっけーで更には風沖おっけーという方はドウゾ。










目の前に自販機が落ちてきた。
轟音を立ててコンクリートにめり込んだそれを見て、あと一歩前に居たら僕は潰されていたんだな……とやけに冷静に分析する。それからゆっくり振り返ると、すぐ傍に金の髪が見えた。

「少しは加減てものを覚えたら? あぁ、その悪い頭じゃ無理かな?」

今迄何人もの女の子を心酔させてきた笑顔を作って言ったのに、目の前の彼は毛の一本程も動じたりしなかった。

「ここには来るなと何度も言った筈だが。貴様こそ物覚えが悪過ぎるのではないか?」

いつもの会話。
いつもの光景。
僕達が向かい合う時、周りに人は居なくなる。

怖い物見たさの人々の遠巻きな視線は幾つも感じたけれど、僕は気にせず彼の胸元をナイフで切りつけた。ほんの僅かばかり切っ先が何かを捉えた感触があり、直後、風間の胸にはその瞳と同じ色の線が引かれた。
ちっ、と舌を打つ小さな音が聞こえ、僕は嬉しそうに笑った。
本人に言いたくなんかないし言う気も無いけど、こうして彼の視界に僕しか居なくなるこの瞬間が堪らなく好きだ。今日だって池袋に来た本当の目的は……


ああ、僕とした事が。
彼に傷を付けた事で、少しだけ気を抜いてしまっていた。気付けばナイフを持つ僕の手は掴まれ、その強い力で一気に腕を捻り上げられてしまった。
容赦無く捻られ続け、余りの痛さに僕はとうとうナイフを取り落とす。
軽い金属音を立てて落ちたナイフを見て、今度は風間が笑った。その笑顔は、僕のそれより遥かに綺麗だった。けれど笑顔に見蕩れた瞬間にまた強く腕を捻られる。

「っ、馬鹿力……」

僕がそう言うと風間は嬉しそうに嫌味な笑顔を作った。その表情がやけに鼻に付いて、僕は口を開く。

「君みたいな単細胞って、力を見せつけるしか能が無いの?」

答えの代わりに風間は僕の腕を更に捻った。声なんて上げたくなかったのに、流石に我慢出来ない程の痛みが走り僕は小さく呻いてしまった。
その声が聞こえたらしい風間は、笑顔を浮かべて無言のまま僕を路地裏へと連れて行く。陽の光が当たらないそこは、やけに薄暗くて少し冷えた。

「何? また暴力? ホント君って」
「黙れ」
「は? 黙れって言われてもこんな場所で……」
「黙れと言っている」

風間はそう言って、腕が折れるんじゃないかって程に僕の腕を捻った。もうそれ以上僕の腕は動かないって所まで捻られていて、何か言いたくても痛みが先に来て、結局何も言う事が出来無くてただ息を詰めた。
黙った僕を見て風間は嫌味ったらしく笑い、それからやっと僕の腕から手を離した。
これで息がつけると思ったのも束の間、今度は肩に手を掛けられ勢い良く後ろを向かされ、壁に追いやられる。肩の骨が無機質なそこに当たり、「痛っ」と声を上げたら背中越しに笑う声が聞こえてきた。

「何? 後ろから殴るの? いつもの君らしくないよね?」
「殴りはせん」
「じゃあ何するつもり?」
「俺が力だけの男かどうか、その身体に教えてやろうと思っただけだ」
「え?」

言葉の意味を理解する前に、腰に手を当てられそのまま服を脱がされた。ベルトは外さず引き千切られて、風間の力の強さは知っていた筈なのに、いつも非日常な物を投げ付けているのを見慣れていた僕は、自分が日常的に見ているベルトが切られるのを見て何だかとても不思議な気持ちになった。
でも、今はそんな事に驚いている場合じゃない。

「痛っ!」

風間に顔を向けて止めるよう言おうとした瞬間、いきなり僕自身を握られた。
全く何の反応もしていないそこは当然滑り気なんて無い。同様に濡れてもいない風間の手で触られても摩擦しか起こらず、とても痛かった。
顔を顰めた僕を見て、楽しそうに問うてくる。

「こちらが痛いのであれば、後ろの方が良いか?」

後ろ? 何の話だか分からなくて、改めて顔を向けると嬉しそうに笑う顔が見えた。
場面に見合わず美しいその顔に、僕はまた見蕩れてしまう。そんな僕を見て、風間は何を思ったのか僕自身から手を離した。
痛かったけれど、それでも風間と殺し合うのではなく触れ合えた事は、実は僕にとっては嬉しい事だった。だから離れた手が、少しだけ名残惜しかった。

数秒後、自分のこの考えが甘かった事を知る。
心配なんてしなくても、風間は僕から離れる気なんて無かったらしい。
僕自身から離れたその手は、今度は後ろに回りいきなり僕の秘所へと触れてきた。余りの事にビクリと大きく身体が揺れた。

「な、何……? 何でそんなとこ触ってんの?」
「貴様が前では不満そうだったからな」
「さっき言った後ろって……もしかして」
「何だ? いつも自分は何でも知っていると言って人を馬鹿にするくせに、こんな事も知らんのか?」
「……」

悔しかった。こう言われて言い返せない事も、それでも風間に触れられている事を嫌がってない僕の身体も。
だけどそんな悔しさなんて飛ぶ程の衝撃が、その後の僕を襲う。
声にならないような悲鳴が上がった気がする、風間の指が、突然挿入されたから。
違和感と、痛みと。
だけどその指の主が風間であるという事実は、どうしようもなく僕の気持ちを掻き乱した。

「何、して……」

何をされているかは分かっていた。だけど何か言わずにはいられなくて、けれど言うべき事は分からなくて。
とんだ間抜けな質問をしてしまったけれど、風間は後ろで笑うだけだった。

ずぶずぶっと一気に指の付け根まで挿れられ、中で指を数度折り曲げられる。違和感ばかりが強かったのに、ある一点に触れられた時に自分でも認めずにはいられない程の高い声が出た。慌てて口を噤んだものの、勿論もう遅かった。

小さな声で風間は嬉しそうな声音で何か呟いている。けれどそれは余りに小さくて、聞き取る事は出来なかった。直後に指が抜かれる。少しだけ違和感に慣れた僕の中が、その違和感を求めて蠢いている気がしたのは気のせいだと思いたい。

何をして良いのか、何を言えば良いのか、いつも冷静な僕がまとまらない頭で色んな情報を探してみたけど、初めてのこんな状況に一体どうする事が一番なのかは分からなかった。
それでも兎に角何か言わなければと、僕が口を開こうとしたのと同時に僕の後ろの口に熱が宛てがわれた。無理な体勢のまま必死にそこに目を向けると、そこには風間自身が見える。

僕のものとは比べようもない程の質量のそれが、僕の後ろに当てられている。僕はこの状況に驚けば良いのか、それともその質量に驚けば良いのか…
初めての経験に少し混乱していた僕は、自分がこれからされる事への危機感を覚えるのが遅れてしまって、結局次に僕の口から出たのは風間への質問でも罵りでも何でもなく、ただの悲鳴だった。

いきなり捻じ込まれたそれは、痛いのか、熱いのか。
恐らくどちらでもあるのだろうけど、それでもこの状況はどう説明すれば良いのかと、僕は頭の片隅でそんな事ばかりを考えていた。
冷静だった訳じゃない。冷静になろうと必死だった。

だけど逃げられないよう腰を掴まれ一気に貫かれた時、思考は途絶えた。最奥まで到達すると風間は一度止まって、溜息を吐くように色気のある声で呟いた。

「あぁ、矢張り切れてしまったな」

風間が動かないので、僕等の繋がっている部分に意識が全て持っていかれる。じんじんと熱を持った痛みを感じたけれど、僕にはもうどこが一番痛いのかなんて分からなかった。

ただ、熱くて―――

少しして、風間がそれを抜き始める。そうされている間に緩い液体が僕の太腿を細く伝って、その時やっと僕の入り口が切れているのを知った。
切れているんだ、と思ったら途端に痛みが増して

「や、やだ、痛い……」

思わず泣き言を言ってしまったけれど、「ノミ蟲のくせに痛覚があるのか?」と笑われ、そして風間は動きを速めた。一気に先端まで引き抜いたかと思うと、抜け切るギリギリの所で止まってまた突き上げられる。
狭い路地裏に、僕の声だけが響いていた。声というより悲鳴に近い。この声で空を裂けるんじゃないかとすら思った。

痛くて、痛くて堪らなかった。
それなのに。
僕を突き上げる時風間の身体が近付いて、僕の背中越しに彼の存在を強く感じる。
その度に、痛いだけではない複雑な感情が湧き上がって、そしていつしか

「あ、あっ、かざ、ま……」

悲鳴から、甘い声に変わっていた。どうしよう、痛い筈なのに、嫌な筈なのに……相手が風間だと思うと、どうしようもなく感じてしまう。
僕が風間の名を呼ぶと、後ろからふっと笑う気配がした。だけどそれは嫌味な笑いでも馬鹿にする笑いでも無いように思える。
実際はどうなのか、答えを聞く事なんて出来ない関係の僕たちだけど。

2010.06.10


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